偶然が続くと、「何か意味があるのでは」と思うことがあります
家族の病気、仕事の失敗、人間関係のもつれが続いた。
夜中に検索しているうちに、「霊障」「先祖からの知らせ」「守護霊からのメッセージ」といった言葉が目に入る。
普段なら気にしなかったかもしれません。けれど、悪いことが重なると、自分では見つけられない原因を誰かに教えてほしくなることがあります。
霊感占いなら、普通の占いより深いところまで分かるのではないか。亡くなった家族の気持ちも聞けるのではないか。その一方で、「悪い霊がついている」と言われ、高額な除霊や商品を勧められないかも心配になるでしょう。
霊感や霊的な存在を信じるかどうかを、ここで決める必要はありません。
利用前に見るべきなのは、信じる人か疑う人かではなく、そのサービスが自分の恐怖を利用して、お金や行動の決定権を奪わないかどうかです。
霊感占いと霊感商法は、同じ意味ではありません
霊感を使うと説明している占いが、すべて問題のある商法というわけではありません。
相談内容と料金が示され、利用者が自分の意思で始めて、自分の意思で終えられるサービスもあります。
注意が必要なのは、霊的な説明によって恐怖を強め、その恐怖を解消するためとして契約や支払いを迫る場合です。
| 状態 | 具体的な様子 | 取る行動 |
|---|---|---|
| 通常の利用範囲 | 料金と時間が明確で、結果を聞いた後も判断を本人へ任せる | 予算内で利用し、現実の事実と分けて受け止める |
| 慎重に考える状態 | 霊障、因縁、前世などを強く断定し、追加鑑定を何度も勧める | その場で申込まず、料金と必要性を一晩置いて考える |
| 支払いを止める状態 | 契約しないと病気、事故、離婚、家族の不幸が起きると怖がらせる | 契約・送金をせず、メッセージや料金表示を保存する |
消費者契約法では、事業者が霊感などの特別な能力による知見を用いて、本人や親族へ重大な不利益が生じると不安をあおり、それを避けるために契約が不可欠だと告げた場合、契約を取り消せる可能性があります。
ただし、実際に取り消せるかどうかは、勧誘時の言葉、契約内容、証拠などによって異なります。「霊感」という言葉が出た契約がすべて自動的に無効になるわけではありません。
申込画面では、鑑定料より「鑑定後に売られるもの」を見ます
最初の鑑定料が数千円でも、その後に追加料金が発生することがあります。
登録や予約の前に、次の内容を見てください。
- 一回または一分当たりの鑑定料
- 通話料、指名料、予約料の有無
- 時間を超えた場合の延長料金
- 祈祷、除霊、供養、波動調整などの追加メニュー
- 数珠、石、札、印鑑、置物などの販売
- 継続会員や定期契約への勧誘
- キャンセル、返金、退会の条件
「必要な場合だけ案内します」と書かれていても、その必要性を誰が、どのような基準で決めるのかを見ます。
鑑定の途中で初めて高額なメニューを示される仕組みなら、その場で支払わないと先に決めておく方が安全です。
運営会社の名称、住所、電話番号、問い合わせ先が見つからない場合も、個人情報やカード情報を入力しないでください。
利用前に決めるのは「当たったら追加で払う」ではなく、「どのような結果を言われても、今日支払うのは最初に決めた金額まで」です。
霊感占いへ持っていく質問は、自分の気持ちへ戻します
霊感占いでは、亡くなった人の言葉、守護霊の考え、相手の本心などを聞きたくなるかもしれません。
ただし、本人へ確かめられない内容を、現実の事実として扱うと判断を誤ることがあります。
質問は、他人や霊的な存在の断定より、自分が選べることへ戻します。
| 振り回されやすい質問 | 自分の判断に使いやすい質問 |
|---|---|
| 悪い霊がついていますか? | 最近の出来事で、私は何を最も恐れているのでしょうか? |
| 亡くなった母は私を責めていますか? | 母へ伝えられなかったことで、今も心に残っているものは何でしょうか? |
| 夫は浮気していますか? | 私は夫のどの行動に違和感を覚え、何を本人へ確かめたいのでしょうか? |
| この家に住むと不幸になりますか? | この家で暮らすことについて、現実に困っている点は何でしょうか? |
| 除霊を受ければ病気は治りますか? | 病気への怖さと向き合うために、今の自分に必要な支えは何でしょうか? |
占いを利用する目的を、「見えない原因を確定してもらうこと」ではなく、「自分が何を怖がっているかを言葉にすること」へ置くと、鑑定結果に生活を支配されにくくなります。
「悪い霊がいる」と言われても、その場で除霊を申し込みません
鑑定で、「家系に因縁がある」「家に霊がいる」「先祖が怒っている」と言われると、何もしないことが危険な選択に思えてきます。
そこで数万円、数十万円の祈祷や商品を勧められれば、家族を守るために払うべきだと感じるかもしれません。
しかし、支払わなければ不幸になるという説明を、急いで受け入れる必要はありません。
次の言葉が出たら、その日は契約しないでください。
- 今日中に除霊しなければ手遅れになる
- 家族にも悪い影響が広がる
- 料金を惜しむと災いが強くなる
- 家族や友人へ話すと効果が失われる
- 別の人には扱えない特別な霊障である
- 一回では足りず、継続的な祈祷が必要
断る言葉は短くて構いません。
「今日は鑑定料以外の契約と支払いはしません。持ち帰って考えます」
「持ち帰ると危険」と言われても、説明を続ける必要はありません。
亡くなった人の言葉は、罪悪感を確定させる材料にしません
大切な人を亡くした後、「最後にもっと話せばよかった」「あの判断でよかったのか」と何年も考えることがあります。
霊感占いで故人の気持ちを聞き、救われる方もいるでしょう。
一方で、「故人が怒っている」「供養が足りない」「あなたの判断を恨んでいる」と言われれば、確かめようのない罪悪感を抱え続けることになります。
故人の言葉として伝えられた内容は、本人が実際に残した手紙、遺言、会話の記録とは分けて受け止めてください。
供養や法要をしたい場合も、不幸を避けるために急いで高額な契約をするのではなく、自分や家族が納得できる方法と金額で考えます。
死別後の悲しみで眠れない、食べられない、日常生活が続けられない状態なら、霊的な原因を探し続けるより、医療機関や悲嘆を扱う相談先へ現在の状態を伝える方法があります。
身体の症状を「霊障」と言われても、受診をやめないでください
頭痛、動悸、だるさ、不眠などの症状があるとき、「霊的な影響」と説明されることがあります。
どのように受け止めるかは本人の考えによりますが、症状の原因や治療方法を占いだけで決めることはできません。
実際の症状がある場合は、占いで言われた内容ではなく、身体に起きていることを医療機関へ伝えます。
「一か月ほど頭痛が続き、夜中に何度も目が覚めます。仕事にも影響しているため診てほしいです」
すでに治療中なら、「薬が悪い気を引き寄せる」「通院をやめれば治る」と言われても、処方薬や治療を自己判断で中止しないでください。
不調が続くのに検査や受診を避けている場合は、占いをもう一度受けるより、医療機関の予約を先に取ります。
恋愛・離婚・相続・住まいは、相手の意思と書類で決めます
「この相手とは前世から結ばれている」「離婚すれば家系に災いが起きる」「この土地には悪い気がある」と言われることがあります。
その言葉によって、自分の気持ちへ気づくことはあるかもしれません。
しかし、次のことは霊感占いだけで決めません。
- 相手が交際や復縁を望んでいるか
- 離婚届や契約書へ署名してよいか
- 相続放棄や遺産分割をどうするか
- 土地や住宅を売買するか
- 借金をして祈祷や商品を購入するか
- 投資や保険へお金を出すか
相手の意思は本人の言葉と行動で見ます。法律上の権利や期限は、書類と制度で確かめます。
占い結果がよくても、署名や送金をその日に行う必要はありません。悪い結果が出ても、契約上の期限や医療上の判断が自動的に変わるわけではありません。
鑑定者へ渡す個人情報は、必要な範囲にとどめます
霊感占いでは、本人や家族の写真、住所、間取り、墓地の場所、病歴などを求められることがあります。
なぜ必要なのか分からない場合は、送る前に尋ねてください。
特に、次のものは安易に送らない方が安全です。
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
- 通帳、カード、口座番号が分かる画像
- 家族本人の診断書や病歴
- 勤務先、学校、子どもの居場所
- 自宅の鍵や防犯設備が分かる写真
- 家族本人の同意を得ていない顔写真
「霊視に必要」と言われても、使用目的、保存期間、削除方法を説明してもらえないなら渡しません。
家族が霊感占いを信じていても、最初から否定しないでください
親御さんや配偶者が、「家族に悪いものがついている」「祈祷しないと危ない」と繰り返すことがあります。
家族としては、すぐに「だまされている」と止めたくなるでしょう。
ただ、本人は家族を守ろうとしているつもりかもしれません。強く否定すると、鑑定者だけが理解者になり、支払額や連絡内容を隠す場合があります。
信じるかどうかを争う前に、次の事実を見ます。
- いつ、どのサービスを利用したか
- 何と言われ、何を契約したか
- すでにいくら支払ったか
- 今後も支払う約束があるか
- 生活費、家賃、医療費へ影響しているか
- 睡眠や食事、外出などに変化があるか
声をかけるときは、次のように伝えます。
「信じることを否定したいわけではないよ。追加で何を勧められ、いくら必要と言われているのかだけ一緒に見たい」
生活費へ影響する支払いがある場合は、追加の契約を止め、記録を保存することを優先します。
すでに支払った場合は、退会や削除より先に記録を残します
高額な祈祷、除霊、開運商品などを契約した後、「だまされたかもしれない」と思っても、すぐ相手へ強く抗議する必要はありません。
先に、次の内容を保存してください。
- 最初に見た広告や案内
- 鑑定者から言われた言葉が分かるメッセージ
- 不幸や病気を避けるために必要だと説明された部分
- 契約書、領収書、振込先、カード明細
- 商品や祈祷の名称、金額、契約日
- 運営会社や鑑定者の連絡先
電話で言われた内容も、思い出せる範囲で日時と発言を残します。
商品の廃棄、メッセージの削除、サイトからの退会を先に行うと、経緯を確かめにくくなることがあります。
占いサイトや商品の請求については、消費者ホットライン「188」で地域の消費生活センターなどを案内してもらえます。
電話では、次のように伝えてください。
「霊感占いで、このままでは家族に不幸が起きると言われ、除霊と商品を契約しました。契約書、メッセージ、支払明細があります。契約について何を確認すればよいか聞きたいです」
霊感商法、高額献金、それに類する家族や生活の問題については、法テラスの「霊感商法等対応ダイヤル」でも、内容に合った相談先の情報提供を受けられます。
電話番号は0120-005931、受付は平日9時30分から17時です。弁護士による法律相談を希望する場合などには、氏名や相談内容が相談実施者へ引き継がれることがあるため、個人情報の扱いを先に聞くこともできます。
今夜は鑑定を予約せず、「料金・追加契約・終了方法」の三画面を探します
気になっている霊感占いのページを一つだけ開きます。
名前やカード情報はまだ入力せず、次の三つを探してください。
- 最初の鑑定にかかる総額
- 除霊、祈祷、商品など追加料金が発生する可能性
- 途中で終了するときの方法と退会条件
見つかった画面は、後から見返せるように保存します。
一つでも分からなければ、問い合わせ先へ次の一文を送ってください。
「最初の鑑定料以外に、祈祷、除霊、商品購入、継続鑑定を勧められることはありますか。断った場合も鑑定を終了できますか」
返事が曖昧な場合や、「鑑定を受けなければ必要な料金は分からない」と言われた場合は、今日は申し込みません。
霊感が本当にあるかを、今夜中に判断する必要はありません。
自分の恐怖を強める相手ではないか。支払う金額を自分で止められるか。現実の判断を自分へ返してくれるか。その三点が分かってからでも、利用するかどうかは決められます。
















