「籍を入れよう」と言われてうれしいのに、すぐ返事ができないことがあります
離婚や死別を経験し、子育てもようやく一段落した50代。
一緒に食事をし、体調の悪い日は支え合い、老後もそばにいたいと思える相手ができた。
ある日、相手から「そろそろ籍を入れない?」と言われます。
うれしくないわけではありません。
それでも、頭には恋愛とは別の心配が浮かびます。
「再婚したら、亡くなった夫の遺族年金はどうなるのだろう」
「私の家を相手と共有することになるの?」
「自分の財産は子どもに残したい」
「相手の親の介護まで背負うことになるのでは」
「名字を変え、また戸籍を動かすことに抵抗がある」
相手が事実婚を望んでいる場合も、別の心配があります。
「入籍しなくても、本当に家族として支え合えるのか」
「相手が亡くなった後、この家に住み続けられるのか」
「病院や介護の場面で、自分は家族として扱われるのか」
50代の再婚では、結婚式や新婚生活より、すでにある家、預貯金、年金、親の介護、成人した子どもとの関係が判断へ大きく関わります。
「好きなら入籍するべき」「一度失敗したのだから事実婚が安全」と、気持ちだけで結論を出さなくて構いません。
二人がこれから困る場面を先に想像し、どの保障を婚姻によって得たいのかを考えます。
最初に、「入籍したい理由」と「入籍したくない理由」を分けます
再婚を望む人が、法律上の保障を求めているとは限りません。
周囲へ堂々と夫婦だと言いたい。相手に覚悟を示してほしい。子どもや親族から関係を認めてもらいたいという気持ちかもしれません。
事実婚を望む側も、責任を避けたいとは限りません。
名字を変えたくない、子どもとの戸籍上の関係を動かしたくない、過去の結婚で傷ついたため慎重になっているという場合があります。
| 表に出ている希望 | その奥にあるかもしれない気持ち | 相手へ聞きたいこと |
|---|---|---|
| 入籍したい | 家族として認められたい | 誰から、どの場面で認められたいのか |
| 入籍したい | 病気や死亡時の保障が心配 | 相続、住まい、医療、年金のどれを心配しているのか |
| 事実婚にしたい | 名字や戸籍を変えたくない | 名字以外の法的な備えはどう考えているか |
| 事実婚にしたい | 自分の財産を子どもへ残したい | 相手の生活をどこまで保障したいのか |
| まだ決めたくない | 同居生活が合うか分からない | 何か月試せば判断できそうか |
| 入籍に抵抗がある | 前の結婚での失敗を繰り返したくない | 何が再び起こることを怖がっているのか |
話し始めるときは、「結婚する気があるのか」と答えを迫らない方が、本音が出やすくなります。
「入籍するかどうかを今日決めたいわけではないよ。あなたが入籍で得たいものと、失うのが怖いものを聞きたい。私の心配も同じように話したい」
再婚と事実婚の違いは、守られる場面ごとに見ます
事実婚にも法律や社会保障上で配偶者として扱われる場面がありますが、法律婚とすべて同じではありません。
| 項目 | 法律婚による再婚 | 事実婚 |
|---|---|---|
| 婚姻の手続 | 婚姻届を市区町村へ提出する | 婚姻届を提出せず、共同生活の実態を持つ |
| 名字・戸籍 | 婚姻届で夫または妻の氏を選び、戸籍へ婚姻が記載される | 婚姻による名字・戸籍の変更はない |
| 法定相続 | 配偶者は法定相続人となる | 事実婚の相手は法定相続人に含まれない |
| 相続税の配偶者軽減 | 要件を満たす法律上の配偶者が対象 | 内縁・事実婚の相手は対象外 |
| 所得税の配偶者控除 | 所得などの要件を満たせば対象となる | 事実婚の相手は対象外 |
| 遺族年金 | 受給要件を満たす法律上の配偶者が対象となり得る | 事実婚・生計維持関係が認められれば対象となる可能性があるが、証明が必要 |
| 健康保険の扶養 | 収入などの認定要件を満たせば対象となり得る | 未届の事実婚関係を含む制度もあるが、関係を示す書類等が必要 |
| 別れるとき | 離婚届や財産・年金等の手続が必要になる | 離婚届は不要だが、住まいや共有費用などの精算は残る |
法律婚は、婚姻届を提出することで成立します。婚姻届では夫または妻の氏を選び、成年の証人2人の署名などが必要です。
配偶者は常に相続人となりますが、内縁・事実婚の相手は法定相続人には含まれません。
一方、年金や健康保険では、一定の要件を満たす事実婚の相手が配偶者として扱われる場合があります。ただし、制度ごとに生計維持関係や事実婚関係を示す資料が求められ、単に交際している、同居しているというだけで自動的に認められるものではありません。
どちらかが遺族年金を受け取っているなら、同居前に年金事務所へ聞きます
50代の再婚で、見落とすと生活へ大きく影響しやすいのが遺族年金です。
前の配偶者との死別により遺族年金を受給している場合、法律婚だけでなく、内縁関係を含む結婚によって受給権を失うことがあります。
日本年金機構は、遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給者が結婚したときは、内縁関係を含めて受給権がなくなる事由に該当すると案内しています。
「籍を入れなければ遺族年金はそのまま」と思い込み、生活実態が事実婚と判断される状態を始めるのは避けてください。
| 年金事務所へ伝えること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 現在の受給状況 | 受け取っている年金の種類と年金証書の情報 |
| 二人の生活予定 | 同居開始日、住民票、生活費、家賃の負担 |
| 婚姻の予定 | 婚姻届を出す予定か、事実婚を考えているか |
| 確認したいこと | どの時点で失権し、どの届出が必要になるか |
遺族年金を失う金額と、新しい生活で減る住居費や得られる保障を同じ表に載せます。
結婚後に相手の年金へ加給年金が付く可能性などもありますが、年齢、加入期間、相手自身の年金受給権など複数の条件があります。二人の年金記録を用意し、年金事務所で個別に試算してもらう方が確実です。
相続では、愛情より先に「誰が法律上の相続人になるか」を見ます
50代では、互いに前の結婚で生まれた子どもがいることも珍しくありません。
再婚した場合、法律上の配偶者は相続人になります。亡くなった人に子どもがいる場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子ども全員で2分の1です。
たとえば、自分に子どもが2人いて再婚した場合、遺言や遺産分割の合意がないときの法定相続分は、再婚相手が2分の1、2人の子どもがそれぞれ4分の1となるのが基本です。
法定相続分は、必ずその割合で分けなければならないという意味ではありませんが、話し合いがまとまらないときの基準になります。
| 選んだ関係 | 自分が亡くなった場合 | 生前に考えたい備え |
|---|---|---|
| 法律婚 | 再婚相手と自分の子どもなどが相続人になる | 自宅、預貯金、子どもへ残す財産の分け方 |
| 事実婚 | 事実婚の相手は法定相続人にならない | 住居や生活資金をどう残すか、遺言等の検討 |
| どちらも子どもがいる | 相続人や関係者が増え、意向が衝突する可能性がある | 互いの資産と子どもへの希望を別々に書く |
| 一方に子どもがいない | 親や兄弟姉妹が相続人になる場合がある | 相手へ残したい財産を明確にする |
事実婚の相手へ財産を残したい場合は、遺言などの方法を検討できます。ただし、法定相続人の構成や財産内容によって注意点が異なるため、「事実婚だから遺言を一枚書けば安心」とは限りません。
自筆証書遺言については、法務局が遺言書を保管する制度もありますが、法務局は遺言内容の法律相談や有効性の保証までは行いません。子どもとの調整や不動産がある場合は、司法書士・弁護士・公証人などへ内容を確かめます。
相続税と所得税では、事実婚を法律上の配偶者と同じには扱いません
事実婚でも生活費を一緒にしていれば、税金も夫婦と同じだと思うかもしれません。
しかし、所得税の配偶者控除の対象は、民法上の婚姻による配偶者です。内縁・事実婚の相手は配偶者控除の対象外です。
相続税には、法律上の配偶者が取得した財産について、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税を軽減する制度があります。
この配偶者の税額軽減は婚姻届を出した配偶者が対象で、内縁関係の相手は対象になりません。
| 税に関する項目 | 法律婚 | 事実婚 |
|---|---|---|
| 所得税の配偶者控除 | 所得などの要件を満たせば対象 | 対象外 |
| 相続税の配偶者軽減 | 要件を満たせば対象 | 対象外 |
| 相手から財産を受け取る場合 | 取得方法と金額に応じた税の確認が必要 | 遺贈・贈与等の方法によって税の扱いを確認する |
税の差だけで再婚を決める必要はありません。
ただし、不動産やまとまった預貯金がある場合は、法律婚と事実婚で相手へ残る金額が大きく変わる可能性があります。税務署や税理士へ、二人それぞれの財産を基に確認してください。
健康保険では事実婚が認められる場合もありますが、税とは別の基準です
所得税の配偶者控除が受けられないからといって、事実婚の相手が健康保険の被扶養者に一切なれないわけではありません。
協会けんぽの被扶養者手続では、配偶者に未届の事実婚関係が含まれます。収入などの認定要件に加え、内縁関係にある両人の戸籍や世帯全員の住民票など、関係を示す資料が求められます。
加入しているのが健康保険組合や共済組合などの場合は、提出先や必要書類を勤務先・保険者へ確認してください。
「税の扶養」「健康保険の扶養」「年金の第3号」は、それぞれ確認する制度が違います。
| 確かめたいこと | 主な確認先 |
|---|---|
| 所得税の配偶者控除 | 税務署、税理士 |
| 健康保険の被扶養者 | 勤務先、加入する健康保険 |
| 国民年金第3号被保険者 | 勤務先、年金事務所 |
| 遺族年金・加給年金 | 年金事務所 |
再婚しても、相手の子どもと自動的に親子になるわけではありません
成人した子どもがいる50代では、「再婚したら、相手の子どもも自分の相続人になるのか」と気になることがあります。
再婚によって配偶者にはなりますが、相手の子どもと法律上の親子関係を作る養子縁組は、婚姻とは別の手続です。
法務省は、養子縁組を養親と養子の間に法律上の親子関係を作る手続と説明しています。養子縁組が成立すると、扶養や相続などの法的関係が生じます。
| 話しておきたいこと | 確認する理由 |
|---|---|
| 養子縁組を考えているか | 扶養や相続を含む法律上の親子関係が生じるため |
| 互いの子どもへ財産を残したいか | 婚姻だけでは相手の子どもの相続関係が変わらないため |
| 親としての役割を求めるか | 成人した子どもとの距離感で衝突しないため |
| 介護や葬儀で何を頼みたいか | 「家族だから当然」という期待を減らすため |
成人した子どもがいる場合、養子縁組を「家族になる証明」として急ぐ必要はありません。
本人同士の意思だけでなく、扶養・相続への影響を理解したうえで決めます。
子どもへ話すときは、「許可」ではなく生活への影響を説明します
再婚や事実婚は、基本的には二人の人生についての決断です。
しかし、子どもに何も伝えないまま同居や入籍を進めると、相続や介護の話になったとき、「財産を取られるのでは」「親を利用しているのでは」と不信感が出ることがあります。
反対に、子どもが反対するからといって、二人の関係を諦めなければならないわけでもありません。
| 子どもの言葉 | 背景にありそうな心配 | 説明する内容 |
|---|---|---|
| 「今さら結婚しなくてもいいのでは」 | 親の財産や名字が変わることへの戸惑い | 婚姻によって何が変わり、財産をどう考えているか |
| 「相手に家を取られそう」 | 実家や相続への不安 | 家の名義、相続の希望、遺言等の準備 |
| 「介護を押し付けられそう」 | 親と相手の両方を支える負担 | 介護費、サービス、子どもへ頼む範囲 |
| 「亡くなった父・母を忘れたのか」 | 死別した親への思いが揺らぐ怖さ | 前の配偶者への思いと新しい関係は別であること |
| 「相手を信用できない」 | 会った回数が少なく人柄が分からない | 無理に親子関係を求めず、会う機会を少しずつ作る |
話す順番は、結婚の報告、生活の変化、財産と介護の順が分かりやすくなります。
「許してもらえなければ結婚しない」と子どもへ判断を委ねるのではなく、「心配なことは聞くが、二人で責任を持って決める」と伝えます。
一緒に暮らす家を、愛情の証明として差し出さないようにします
持ち家がある側の家へ、相手が入る形で同居を始めることがあります。
そのとき、「家族になるのだから細かいことは言わない」と、お金の話を避けてしまいがちです。
しかし、修繕費や住宅ローンを相手も払うのか、家の持ち主が亡くなった後に住めるのか、別れたときにどうするのかを曖昧にすると、後で大きな問題になります。
| 住まいについて決めること | 具体的に話す内容 |
|---|---|
| 家の名義 | 誰が所有し、ローンや抵当権があるか |
| 毎月の負担 | 住宅費、管理費、固定資産税、修繕費をどう分けるか |
| 高額な改修 | 相手が費用を出した場合、贈与・貸付け・生活費のどれとするか |
| 所有者が先に亡くなった場合 | 残された相手が住み続ける方法を準備するか |
| 関係を解消した場合 | 退去時期、家具、引越し費用をどうするか |
| 介護が必要になった場合 | 自宅で介護できるか、住み替えを検討する条件 |
共同で家を買う場合は、名義と実際に出す金額を一致させられるか、ローンを誰が負担するか、相続時に誰が共有者になるかを契約前に確認します。
再婚・事実婚のどちらであっても、口約束だけで多額の資金を渡さず、振込記録や合意内容を残してください。
生活費は完全に一つにせず、共有分と個人分を決めます
50代では、それぞれに預貯金、保険、住宅、親への援助、子どもへの支援があります。
若いころの初婚と同じように、すべての収入と資産を一つへまとめる必要はありません。
| 共有するお金 | 個人で管理するお金 |
|---|---|
| 家賃・住宅費 | 再婚前から持っている預貯金 |
| 食費・水道光熱費 | 自分の子どもへの援助 |
| 二人で使う日用品 | 自分の親の介護費 |
| 旅行など二人の支出 | 個人の保険・借入れ |
| 将来の住み替え積立て | 趣味や交際費 |
最初に話したい数字は、次のとおりです。
- 毎月の手取り収入
- 年金の見込み額・受給中の年金
- 住宅ローンやその他の借入れ
- 子ども・親への定期的な援助
- 医療・介護へ備えるお金
- 二人の生活費として毎月出せる額
資産総額を初回から細かく見せることへ抵抗がある場合でも、借金や毎月の固定負担を隠したまま生活を始めるのは避けます。
親の介護と相手の介護を「配偶者だから当然」にしません
50代では、二人の親が高齢になっていることがあります。
再婚後に相手の親が入院し、通院や家事を頼まれて初めて、介護への考え方が違うと分かることもあります。
| 話しておきたいこと | 確認する内容 |
|---|---|
| 現在の親の状況 | 年齢、健康状態、住まい、きょうだいとの分担 |
| 求める手伝い | 直接介護、通院、連絡、費用のどこまでか |
| 親との同居 | 同居を受け入れる可能性があるか |
| 介護費 | 夫婦の共有家計から出すか、各自で負担するか |
| 自分たちの介護 | 相手へどこまで頼み、サービスをどう使うか |
法律婚にしたから相手の親を直接介護しなければならない、事実婚だから何もしなくてよいと単純には分けられません。
二人が現実にできることを決め、できない部分は介護サービスや親族分担へつなげます。
医療や緊急時の希望は、婚姻形態に関係なく書面へ残します
「夫婦なのだから、入院したら相手が全部決めてくれる」と考えていても、医療機関や手続の内容によって、本人の意思、家族関係、代理権などの確認を求められることがあります。
事実婚の場合も、相手であることを伝えるだけで、すべての手続を代行できるとは限りません。
- 緊急連絡先として誰を第一にするか
- 子どもやきょうだいへ、どの段階で連絡するか
- かかりつけ医、持病、薬、保険証等の保管場所
- 本人が意思を伝えられない場合の希望
- 入院費や生活費を誰がどの口座から払うか
- 介護が必要になったときの住まい
二人だけが知っている状態にせず、必要に応じて子どもなど信頼できる人へ、連絡方法と書類の保管場所を伝えます。
「再婚か事実婚か」の二択を、今すぐ決めなくても構いません
二人の関係に合う形を確かめるため、段階を踏む方法があります。
| 段階 | できること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 週末を一緒に過ごす | 生活時間や家事の違いを見る | 睡眠、食事、片付け、一人の時間 |
| 期限付きで同居する | 3か月や半年など生活を試す | 生活費、住まい、親族との距離 |
| 事実婚として暮らす | 婚姻届を出さず生活を共にする | 関係証明、相続、年金、住居の備え |
| 準備後に再婚する | 財産・子ども・年金を確認して婚姻届を出す | 婚姻によって変わる権利と負担 |
| 別居を続ける | 互いの住まいを保ちながら関係を続ける | 緊急時、費用、将来の同居時期 |
お試し同居をする場合は、ただ一緒に住むのではなく、終了日と見る項目を決めます。
- 生活費をどの割合で出したか
- 家事が一方へ偏らなかったか
- 一人で過ごす場所と時間を取れたか
- 親や子どもとの関係へ無理が出なかったか
- 病気や仕事で予定が変わったとき、話し合えたか
- この生活を5年後も続けられそうか
二人に必要な保障から、向いている形を考えます
| 二人が重視すること | 考えやすい方向 | 追加で必要な確認 |
|---|---|---|
| 相手を法律上の相続人にしたい | 法律婚による再婚 | 子どもとの相続、遺言、相続税 |
| 名字・戸籍を変えたくない | 事実婚 | 相続と住居を別の方法で備える |
| 現在の遺族年金を受給している | 形を決める前に年金確認 | 法律婚・事実婚による失権時期 |
| 互いの財産を自分の子へ残したい | どちらの形でも相続設計が必要 | 法定相続人、遺言、相手の住居費 |
| 健康保険の扶養を利用したい | 法律婚・事実婚とも条件を確認 | 収入要件、事実婚を示す資料 |
| まず生活が合うか試したい | 期限付き同居や別居継続 | 生活費、住民票、年金への影響 |
| 病気や死亡後も相手を守りたい | 法律婚または事実婚+個別の備え | 相続、遺言、住居、緊急連絡、保険 |
法律婚だから万全、事実婚だから自由で安全ということではありません。
法律婚には自動的に得られる権利がある一方、相続人や税、年金が変わります。
事実婚では名字や戸籍を変えずに暮らせますが、相続や住まいなどを二人で個別に準備しなければならない場面が増えます。
二人だけで決めにくいときは、悩みごとに聞く先を変えます
| 聞きたいこと | 確認先の例 |
|---|---|
| 遺族年金、加給年金、事実婚の認定 | 年金事務所 |
| 健康保険の扶養 | 勤務先、加入する健康保険 |
| 所得税・相続税 | 税務署、税理士 |
| 相続、遺言、住居、財産契約 | 弁護士、司法書士、公証役場 |
| 婚姻届、戸籍、名字 | 市区町村の戸籍窓口 |
| 子どもへの伝え方や夫婦関係 | 信頼できる第三者、家族相談等 |
一人の専門家へ「どちらが正解ですか」と聞くのではなく、年金、税、相続の数字をそれぞれ確かめたうえで、最後は二人で選びます。
今日することは、二人が別々に五つの答えを書くことです
再婚を選べば相手を愛していて、事実婚を選べば覚悟が足りないということではありません。
今日は結論を出さず、別々の紙へ次の五つを書いてください。
- 相手と一緒に暮らしたい一番の理由:
- 入籍によって得たいもの:
- 入籍によって失うのが怖いもの:
- 自分の子ども・親へ残したい責任:
- 相手が先に亡くなったとき、最低限守りたい生活:
その紙を交換し、相手の答えをすぐ評価しないで読みます。
次に、二人の間で一番大きな論点を一つだけ選びます。
遺族年金が論点なら、年金事務所へ行く。家が論点なら、登記と住宅費を調べる。子どもへの相続が論点なら、財産一覧を作る。
話し合いでは、次のように切り出せます。
「結婚するかどうかを、気持ちだけで決めたくない。まず私の遺族年金と、この家にどちらかが残る方法を調べよう。その結果を見て、もう一度話したい」
再婚か事実婚かを、今日決めなくても構いません。
ただし、遺族年金を受けている、同居する家へ多額のお金を出す、相続人になる子どもがいるという場合は、何も決めないまま生活だけを始めない方が安心です。
二人の関係を長く続けるために、あえてお金や死後の話をする。
それはロマンを壊すことではなく、どちらか一人へ不安と負担を残さないための準備です。
まずは、二人の愛情を証明する形ではなく、二人が困ったときに必要な保障から選んでください。
出典・確認先メモ
- 法務省「婚姻届」:婚姻届の提出方法、証人、氏の選択などの確認先。
- 国税庁「相続人の範囲と法定相続分」:法律上の配偶者、内縁関係、子どもとの法定相続分に関する確認先。
- 国税庁「配偶者控除」「配偶者の税額の軽減」:事実婚の税務上の扱いと相続税の配偶者軽減に関する確認先。
- 日本年金機構「遺族年金を受けている方が結婚や養子縁組などをしたとき」:法律婚・内縁関係による遺族年金の失権に関する確認先。
- 日本年金機構「生計同一関係・事実婚関係に関する申立をするとき」:遺族年金等における事実婚・生計同一関係の証明に関する確認先。
- 日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」:健康保険における未届の事実婚関係、収入要件、必要書類に関する確認先。
- 法務省「養子縁組について知ろう」:養子縁組によって法律上の親子関係が生じることの確認先。
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度」:遺言書の作成・保管と制度上の注意点に関する確認先。
















