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目・耳・歯の衰えを感じたら|相談前にまとめる変化と受診先

2026.07.28 更新 なやみ晴れ編集部
#健康・見た目#心の整理
この記事の結論

目・耳・歯の変化は、年齢だけでなく治療や調整が必要な場合があります。目は眼科、耳は耳鼻咽喉科、歯や入れ歯は歯科が基本です。いつから、片側か両側か、生活の何に困るかをメモし、急な視力低下や片耳の聞こえの低下は早めに受診してください。

新聞を離して読み、テレビの音を上げ、硬い肉を残すようになった

朝、新聞の文字がぼやけるので、腕を伸ばして読みます。

家族からは、「テレビの音が大きい」と何度も言われるようになりました。

夕食では、以前なら食べていた肉や漬物を避け、煮物ばかり選んでいます。

一つひとつは、暮らせないほどの不調ではありません。

「年を取れば、目も耳も歯も弱るものだろう」

そう思っているうちに、病院へ行くほどなのか分からなくなります。

眼鏡を作り直せばよいのか。補聴器を見に行くべきなのか。入れ歯を調整してもらえば済むのか。

何科へ行けばよいかも、それぞれの窓口で何を話せばよいかも曖昧です。

年齢とともに変化する部分はあります。ただし、「年のせい」という言葉だけでは、治療できる病気や生活を楽にする方法まで見えなくなります。

三つを一度に考えず、最初の受診先を分ける

困っていること 最初の受診先 相談時に伝えたいこと
文字がかすむ、ゆがむ、視野が欠ける、まぶしい 眼科 片目か両目か、急に始まったか、痛みや光の見え方
聞き返しが増えた、言葉を聞き分けにくい、耳鳴り 耳鼻咽喉科 片耳か両耳か、いつからか、耳鳴り・めまい・耳の痛み
噛みにくい、歯が揺れる、歯ぐきから血が出る 歯科 どの歯や場所か、何を食べると困るか、入れ歯の痛み
むせる、飲み込みにくい、声が変わった 歯科または耳鼻咽喉科 水と固形物のどちらで起こるか、頻度、体重や食事量の変化
複数の変化があり、どこから行くか決められない 急な症状を優先し、次に生活への影響が大きい診療科 困っている場面を三つまで書き、順番を決める

目・耳・歯は、それぞれ診察や検査の方法が異なります。

一つの医療機関ですべてを解決しようとせず、症状に合う診療科へ分けて伝えた方が、必要な検査へ進みやすくなります。

ゆっくりした衰えに見えても、急な変化は別に扱う

予約を数週間先にしてよい変化と、その日のうちに連絡した方がよい変化を分けます。

部位 早めの受診を考えたい変化
目 急に見えにくくなった、視野が欠けた、カーテンがかかったように見える、黒い点が急に増えた、光が頻繁に走る
耳 突然片耳が聞こえにくくなった、耳が詰まった感じと耳鳴りが急に出た、めまいを伴う、耳の痛みや耳だれがある
歯・口 強い痛み、歯ぐきや頬の腫れ、膿、歯のぐらつき、入れ歯が当たって食事できない、歯が折れた・抜けた

日本眼科学会は、数分から数日で起こる急激な視力低下には、網膜剥離、眼内の出血、血管の閉塞、急性緑内障発作など重い原因もあるため、速やかな眼科受診が重要と案内しています。急に飛蚊症が増えたり、光が見えたり、視野がカーテン状に欠けたりする場合も、早めの受診が必要です。

耳では、加齢性難聴のように両耳が少しずつ聞こえにくくなる変化だけでなく、片耳に突然起こる難聴があります。突発性難聴などは早く治療を始めた方が聴力の経過がよいとされるため、突然の聞こえの低下を「耳あかかもしれない」と何日も待たず、耳鼻咽喉科へ連絡してください。

突然二重に見える、見える範囲が狭くなる症状に加え、顔の片側のゆがみ、ろれつの回りにくさ、片側の手足に力が入らないなどがある場合は、目だけの問題とは限りません。厚生労働省は、このような急な症状では迷わず119番へ連絡するよう案内しています。

目の相談前は、左右を別々に見てみる

両目で生活していると、片方の目が見えにくくても、もう一方が補って気づかないことがあります。

安全な場所で、片目ずつ手で覆い、同じ物を見てみます。

強く目を押さえる必要はありません。

見え方を比べ、違いがあれば次のように書きます。

書くこと 記入例
左右 右目だけ文字がかすむ
始まった時期 一週間ほど前から
見えにくい距離 手元は読めるが、テレビの字幕が見にくい
見え方 中心がゆがむ、全体が白っぽい
一緒に出る症状 痛み、充血、頭痛、光、黒い点など
生活への影響 階段の端が見えにくく、夜の運転が怖い

「視力が落ちた気がする」だけでなく、「右目でカレンダーを見ると数字がゆがむ」「夕方の階段で段差を見落とす」と伝えると、生活で起きている問題が伝わります。

眼鏡店へ行く前に眼科を選びたい変化がある

近くの文字が読みにくくなったとき、眼鏡を作り直すことで楽になる場合はあります。

ただし、急に片目だけ見えにくくなった、線がゆがむ、視野が欠ける、痛みや充血があるといった変化は、度数だけの問題と決めない方がよいでしょう。

日本眼科学会は、かすみの原因には屈折異常だけでなく、角膜、水晶体、網膜、視神経の病気などがあり、急に始まったか、痛みや充血があるか、糖尿病などの持病があるかによって考えられる原因が異なるとしています。症状がある場合は眼科受診が勧められています。

眼科には、普段使っている眼鏡やコンタクトレンズ、分かれば作った時期も持参してください。

耳の衰えは、「音量」と「言葉の聞き分け」を分ける

耳が聞こえにくいといっても、単に小さく聞こえるだけとは限りません。

音は聞こえているのに、何を言っているか分かりにくいこともあります。

生活場面 記録すること
一対一の会話 静かな部屋でも聞き返すか
家族が集まる食卓 複数人の会話になると分からなくなるか
テレビ 以前より音量が何段階上がったか
電話 右耳と左耳で差があるか
病院や店 マスク越しの声や呼び出しを聞き逃すか
外出時 車、自転車、チャイムなどに気づけるか

家族から「耳が遠い」と言われるだけでは、本人は困っていないと感じることがあります。

「食卓で三回聞き返した」「病院の呼び出しに気づかなかった」など、具体的な場面を記録してください。

補聴器は、聞こえにくさの原因を診てもらってから考える

聞こえにくくなったら、すぐ補聴器販売店へ行こうと考える人もいます。

けれど、耳あか、中耳炎など治療が必要な原因が隠れている場合もあり、難聴の種類や程度によって必要な対応は異なります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、補聴器が必要か、効果が期待できるかは、聴力検査や日常の聞こえ方を踏まえて専門医が総合的に判断する必要があると案内しています。購入前に、まず耳鼻咽喉科で診察と聴力検査を受ける流れが基本です。

すでに集音器や補聴器を使っている場合は、本体、説明書、電池、購入時の資料も持参します。

家族が耳の変化を伝えるときは、声の大きさを責めない

聞こえの変化は、本人より家族が先に気づくことがあります。

ただし、「テレビがうるさい」「何度も言わせないで」と言われると、本人は老いを責められたように感じます。

避けたい言い方 伝わりやすい言い方
「また聞こえていないの?」 「病院の呼び出しを二回聞き逃したのが少し気になった」
「テレビが大きすぎる」 「前より音量が上がっているから、一度聴力を見てもらわない?」
「補聴器を買いなさい」 「まず耳の状態と、どの音が聞きにくいか調べてもらおう」
「年だから仕方ない」 「治療や工夫で聞きやすくなる原因がないか見てもらおう」

本人が受診を嫌がる場合は、能力の低下ではなく、困った生活場面を一つだけ共有してください。

歯の相談は、痛みが出るまで待たなくてよい

歯科へ行く理由は、歯の痛みやむし歯だけではありません。

日本歯科医師会は、歯のぐらつき、歯ぐきの腫れ・出血・膿、噛むときの痛み、入れ歯の痛みや破損、口の開きにくさなども、放置せず歯科へ相談したい症状として挙げています。

痛みがなくても、次のような食べ方の変化があれば記録してください。

噛みにくさ、食べこぼし、わずかなむせ、滑舌の低下、口の乾燥などは、口の働きが弱り始めた「オーラルフレイル」のサインとして挙げられています。単に歯の本数だけでなく、噛む・話す・飲み込む働きも歯科で伝えてください。

歯科では「どの歯か分からない」でも受診できる

口の中の痛みは、場所を特定しにくいことがあります。

予約の電話では、正確な歯の番号を言えなくても構いません。

「三日前から、右下の奥のあたりが噛むと痛みます」

「上の入れ歯が頬に当たり、夕食を食べられません」

「歯は痛くありませんが、硬い物を噛めず、最近むせることも増えました」

このように、場所、始まった日、困る動作を伝えます。

外出が難しく歯科医院へ通えない場合は、かかりつけ歯科医や地域の歯科医師会へ、訪問歯科診療の対象や依頼方法を聞くこともできます。

受診前のメモは、症状より生活場面から書く

診察室で「どのように困っていますか」と聞かれると、急に言葉が出なくなることがあります。

次の一枚を作って持参してください。

項目 目の記入例 耳の記入例 歯・口の記入例
いつから 二週間前 半年前から徐々に 一か月前
左右・場所 右目だけ 両耳、右の方が悪い 左下の奥歯付近
どんな変化 直線が少しゆがむ 声は聞こえるが言葉が分からない 硬い物を噛むと痛い
困る場面 階段、夜の運転 食卓、病院の呼び出し 肉、漬物、入れ歯の装着
ほかの症状 光、黒い点、痛み 耳鳴り、めまい、耳だれ 腫れ、出血、口の乾き、むせ
自分で試したこと 眼鏡を替えても変わらない 耳掃除をした 反対側だけで噛んでいる

一番困っている場面へ丸を付けておくと、相談の目的が伝わりやすくなります。

写真や録音に残せる変化もある

診察時には症状が出ていないことがあります。

安全に記録できる範囲で、次の物を残しておくと説明の助けになります。

耳鳴りや見え方を、無理に画像や音で再現する必要はありません。

「セミのような高い音」「視界の端で稲妻のように光る」など、自分の言葉で書いてください。

持っていく物は、診療科ごとに小さな袋へまとめる

共通して持参したい物 部位に応じて持参したい物
マイナ保険証など受診に必要な物 現在使っている眼鏡・コンタクトレンズ
お薬手帳や服用中の薬の一覧 補聴器・集音器・購入時の資料
持病、手術歴、アレルギーのメモ 入れ歯、外れた詰め物・かぶせ物
症状と生活場面を書いたメモ 過去の検査結果や処方箋
家族の連絡先 歯科で伝える医療機関からの指示書など

薬の中には、目・耳・口の乾燥などへ関係するものもあるため、自己判断で中止せず、服用中の薬を医師や歯科医師へ見せてください。

家族が付き添うなら、本人の答えを先に待つ

親の受診へ同行すると、家族がすべて説明したくなることがあります。

けれど、本人がどのように感じているかと、家族が見ている変化は、どちらも必要です。

本人から伝えること 家族から補足すること
どのように見える・聞こえる・痛むか いつ頃から生活の様子が変わったか
一番困っていること 本人が気づいていない危険な場面
治療や機器への希望 服薬、通院、日常生活の支援状況

診察室では、まず本人に答えてもらい、必要な部分を家族が補います。

「聞こえないから私が全部話します」ではなく、「本人から話したあと、食卓での様子を少し補足してもよいですか」と伝えると、本人の意思を残せます。

複数の衰えが重なるときは、外出しなくなった理由も見る

目、耳、歯の小さな変化が重なると、本人は不調より先に行動を変えることがあります。

「出不精になった」「頑固になった」と決めず、見えにくい、聞き取りにくい、食べにくい場面がないかを聞いてください。

治療や道具の調整だけでなく、席の位置、照明、話し方、食べ物の硬さなど、生活側を変えることで楽になる場合もあります。

受診までの間は、無理に我慢せず生活を安全側へ寄せる

困りごと 受診までにできる工夫
暗い場所で見えにくい 夜間の運転を控え、廊下や階段を明るくする
聞き取りにくい 正面から顔を見て、一文ずつ話してもらう
電話が聞こえにくい 大事な連絡は文字でも受け取り、左右で聞こえを比べる
歯が痛い・噛みにくい 痛い側で無理に噛まず、刺激の少ない食事を選ぶ
むせやすい 急いで食べず、一口を小さくし、姿勢を起こして食べる

市販薬を重ねて使う、自己流で耳の奥を掃除する、合わない入れ歯を削るなど、自分で原因を直そうとしすぎないでください。

今日するのは、老化か病気かを自分で決めることではありません

まず、今いちばん困っている場面を一つ書きます。

「夕方の階段で段差が見えにくい」

「家族の声は聞こえるが、言葉を何度も聞き返す」

「硬い物を避けるようになり、食事量が減った」

次に、いつからか、片側か両側か、急に変わったかを付け加えます。

そして、目なら眼科、耳なら耳鼻咽喉科、歯や入れ歯なら歯科へ、次のように連絡してください。

「年齢によるものか分かりませんが、○週間前から○○の場面で困っています。一度診ていただきたいです」

ポイント

目・耳・歯の変化を相談する目的は、「衰えています」と判定してもらうことではありません。治療できる原因がないかを調べ、今の暮らしを続けやすい見え方・聞こえ方・食べ方へ整えることです。

三つすべてを、今日予約しなくても構いません。

急に変わったものがあればそれを先にし、急な変化がなければ、生活で一番困っているものから一件予約します。

「年だから仕方がない」と結論を出す前に、困った場面を一行書く。今日は、そこから始めてください。

出典・確認先メモ

よくある質問

Q. 目・耳・歯の衰えは、何科へ相談すればよいですか?

見え方は眼科、聞こえ方は耳鼻咽喉科、歯・歯ぐき・入れ歯・噛みにくさは歯科が基本です。むせや飲み込みにくさは歯科や耳鼻咽喉科で扱うため、困る食品や飲み物、頻度を伝えてください。

Q. 見えにくくなったら、眼科より先に眼鏡を作り直してもよいですか?

徐々に手元が見えにくくなった場合でも、目の病気がないかを一度眼科で見てもらう選択があります。特に片目だけの変化、急な視力低下、ゆがみ、視野の欠け、光や黒い点の急な増加がある場合は、眼鏡だけで済ませず早めに眼科へ連絡してください。

Q. 高齢の親のテレビ音量が大きくなったら、補聴器を買うべきですか?

補聴器を選ぶ前に、耳鼻咽喉科で耳の状態と聴力を調べてもらいます。耳あかや治療が必要な病気の有無、どの場面で言葉を聞き取りにくいかを見たうえで、補聴器が必要かを考えてください。

Q. 歯は痛くありませんが、硬い物が噛めなくなりました。歯科へ行ってもよいですか?

痛みがなくても、歯のぐらつき、入れ歯のずれ、噛む力や口の働きの低下が隠れている場合があります。避けるようになった食品、片側だけで噛むか、むせや食べこぼしがあるかをメモして歯科へ伝えてください。

Q. 目・耳・歯のすべてが気になります。どれから受診すればよいですか?

急な視力低下、片耳の突然の聞こえの低下、強い歯痛や腫れなど、急に起きた変化を先にします。急ぐ症状がなければ、転倒、会話、食事など日常生活への影響が最も大きいものから一件ずつ予約してください。

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