制服を脱ぐたびに「もう行きたくない」と思うのに、口座残高が頭に浮かぶ
朝、目覚ましが鳴った瞬間から気持ちが重い。
人手が足りず、休憩に入れない。急なシフト変更を断りにくい。立ち仕事で腰や膝が痛くても、「みんな我慢している」と言われます。
仕事を終えて駐車場へ戻ると、今日こそ辞めると決めます。
ところが家へ帰り、電気代、家賃、子どもの学費、親への仕送りを考えると、退職の言葉を飲み込みます。
「この収入がなくなったら、来月からどうするのだろう」
「夫に話したら、甘えていると言われるかもしれない」
「50代で次の仕事が見つからなかったら」
「辞めた後で後悔するくらいなら、我慢した方がいいのでは」
生活費の不安があると、仕事のつらさまで自分の弱さに見えてしまいます。
けれど、続けることと、無計画に辞めることの間には、いくつもの選択肢があります。
勤務日数を減らす。担当業務を変えてもらう。有給休暇で一度休む。次の仕事を探してから辞める。契約満了までの期間だけ働く。
最初に決めるのは、「退職届を出すか」ではありません。
今の働き方の何を止めたいのかと、収入が減っても何か月暮らせるのかを分けることです。
「仕事を辞めたい」と「今の働き方を止めたい」を分けます
何がつらいかによって、必要な対応は変わります。
| つらいこと | 退職前に比べたい選択肢 |
|---|---|
| 勤務日数が多すぎる | 週5日から週3日へ減らす、曜日を固定する |
| 早朝・夜間がつらい | 時間帯の変更、短時間勤務を相談する |
| 立ち仕事で体が痛い | 座れる業務、品出し以外の担当、配置変更を頼む |
| 特定の人との関係が苦しい | 勤務日をずらす、部署・店舗を変える |
| 急なシフト変更が多い | 対応できる曜日と時間を書面で伝える |
| 仕事内容そのものが合わない | 次の仕事を探しながら退職時期を決める |
| 心身の状態が悪化している | 休暇、受診、休職の有無を確かめ、安全を優先する |
| 賃金未払い・嫌がらせがある | 記録を残し、職場外の労働相談窓口も利用する |
勤務日数が週2日になれば続けられるのに、「辞めるしかない」と思い込んでいることがあります。
反対に、日数を減らしても症状や恐怖が続くなら、収入だけを理由に同じ職場へ残ることが適切とは限りません。
心身が限界に近いときは、「次の仕事が決まるまで」を絶対条件にしない
生活費の計算は必要ですが、安全より優先するものではありません。
まず仕事から距離を取ることを考えたい状態
- 出勤前に動悸、吐き気、強い腹痛などが繰り返される
- 眠れない日が続き、仕事中に判断ができなくなっている
- 作業中の転倒や事故が増えている
- 怒鳴る、侮辱する、物を投げるなどの行為を受けている
- 性的な言動や接触を拒んでも続けられる
- 退職を口にすると脅される
- 賃金が支払われない、説明なく減らされている
- 自分や周囲を傷つけそうなほど追い詰められている
有給休暇は正社員だけの制度ではありません。一定の継続勤務と出勤率の要件を満たせば、所定労働日数が少ないパートにも勤務日数に応じて付与されます。残った年休は退職日を過ぎると使えなくなるため、残日数と取得方法を早めに把握しておきます。
解雇、雇止め、賃金、いじめ、嫌がらせ、パワーハラスメントなどは、各地の総合労働相談コーナーで無料相談を受け付けています。心のつらさについては、厚生労働省の「こころの耳」に働く人や家族向けの相談窓口があります。
職場を休む、離れる、外部へ事情を伝えることは、投げ出すことではありません。
家計簿ではなく、「辞めた後も必要な最低額」を出します
普段の支出をすべて足すと、金額が大きくなりすぎて「絶対に辞められない」と感じます。
一方、食費や医療費まで極端に削ると、現実に続けられない予算になります。
まず、退職後3~6か月を過ごすための最低生活費を作ります。
| 支出 | 現在の月額 | 退職後の最低額 |
|---|---|---|
| 家賃・住宅ローン・管理費 | ||
| 水道光熱費 | ||
| 食費・日用品 | ||
| 通信費 | ||
| 医療費・薬代 | ||
| 保険料 | ||
| 借入れ・分割払い | ||
| 子ども・親への支援 | ||
| 車・最低限の交通費 | ||
| 税金・年払い支出の月割り | ||
| 退職後の健康保険・年金 | 給与から控除 | 見積額を記入 |
| 最低生活費の合計 |
年払いの保険、固定資産税、自動車税、車検なども、年間額を12で割って入れます。
毎月の支払いだけを見ていると、退職後に年払いの請求が来たとき、予算が崩れます。
退職すると減るお金と、新しく必要になるお金があります
今の給与がそのまま家計から消えるとは限りません。
働かなくなることで減る支出もあれば、給与天引きではなく自分で払う支出もあります。
| 減る可能性がある支出 | 増える・別払いになる可能性がある支出 |
|---|---|
| 通勤のガソリン・交通費 | 健康保険料 |
| 勤務日の昼食・飲み物 | 国民年金保険料 |
| 仕事用の衣服・靴・化粧品 | 求職活動の交通費・証明写真代 |
| 仕事の日だけ利用する保育・家事費 | 在宅時間が増えた分の光熱費 |
| 職場付き合いの出費 | 通院や休養に必要な費用 |
「月8万円の給与がなくなる」とだけ考えず、退職後に実際に不足する金額を出します。
生活できる月数は、「貯金÷生活費」ではなく不足額で計算します
配偶者の収入、年金、別の小さな仕事など、退職後も入るお金がある場合は、最低生活費との差額を使います。
毎月の不足額
最低生活費-退職後も続く世帯収入-確実に受け取れる給付
暮らせる月数の目安
当面使える預貯金÷毎月の不足額
計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 世帯の最低生活費 | 月20万円 |
| 配偶者の手取りなど | 月14万円 |
| 毎月の不足額 | 月6万円 |
| 当面使える預貯金 | 48万円 |
| 預貯金で補える期間 | 約8か月 |
この計算では、失業給付をまだ入れていません。
受給資格、支給開始時期、金額が確定していないものを、最初から満額の収入として扱わないためです。
退職後の健康保険料や税額がまだ分からない場合は、少し高めに仮置きし、確認後に修正します。
退職日の翌月ではなく、最初の給付までの資金繰りを作ります
失業給付を受けられる場合でも、退職の翌日に振り込まれるわけではありません。
給与も、勤務先によって締め日と支給日が異なります。
退職前後の現金予定表
| 時期 | 入るお金 | 出るお金 |
|---|---|---|
| 退職月 | 通常給与、精算される手当など | 通常の生活費、退職準備費 |
| 退職翌月 | 最終給与があるか確認 | 家賃、カード請求、健康保険等 |
| 2か月目 | 失業給付の開始時期を個別確認 | 税金、保険料、年払い支出 |
| 3か月目以降 | 給付、短時間収入、再就職後の給与 | 生活費、求職費用 |
クレジットカードは、退職後に使った額ではなく、在職中に使った分の請求が後から届きます。
最終給与が入る日、カード請求日、家賃の引落日、保険料の支払日をカレンダーへ書き、最も残高が少なくなる日を見つけます。
退職前に、手元へ集めたい六つの書類があります
- 直近6か月程度の給与明細
- 労働条件通知書・雇用契約書
- 就業規則の退職・休暇に関する部分
- 有給休暇の残日数が分かるもの
- 雇用保険被保険者証または加入状況が分かるもの
- 健康保険・年金の加入状況が分かるもの
労働条件通知書には、契約期間、更新の有無、勤務時間、休日、賃金、退職に関する事項などが記載されます。特に有期契約のパートは、契約の終了日や更新条件も見てください。
会社のパソコンや従業員サイトでしか見られない資料は、退職後にアクセスできなくなることがあります。持ち出してよい書類だけを、自分が確認できる形で保管します。
退職ではなく、勤務条件を一つ変えて3か月試す方法もあります
勤務先へ相談するなら、「つらいので何とかしてください」だけでなく、変更したい条件を一つに絞ります。
| 現在の困りごと | 具体的な希望 |
|---|---|
| 週5日では体がもたない | 来月から週3日にしたい |
| 閉店作業で帰宅が遅い | 17時までの勤務に固定したい |
| 重量物の運搬がつらい | レジや軽作業を中心にしたい |
| 急な呼出しが多い | 契約外の曜日は対応できないと伝える |
| 特定の人との勤務が苦しい | 勤務日や担当場所を分けたい |
| 介護・通院との両立が難しい | 曜日固定や一時的な短時間勤務を希望する |
職場へ伝える会話例
「辞めることも考えていますが、可能なら勤務日数を週5日から週3日へ変更し、3か月試したいです。現在の勤務数では体調を保てません。難しい場合は、退職時期を相談させてください」
「急なシフト変更へ毎回対応することが難しくなりました。今後働ける曜日は月・水・金です。この条件で継続できるか確認したいです」
希望が受け入れられなかった場合も、「相談したのに駄目だった」という事実が、退職を決める材料になります。
次の仕事を探しながら働くなら、今の職場と同じ条件を選ばない
生活費が不安で在職中に転職活動をする場合、時給だけで選ぶと同じつらさを繰り返すことがあります。
| 求人票で見ること | 面接で聞きたいこと |
|---|---|
| 勤務時間 | 開始・終了時刻は固定か |
| 週の勤務日数 | 繁忙期に増えることがあるか |
| 仕事内容 | 立ち仕事、重量物、接客の割合 |
| 休憩 | 実際に休憩へ入れる体制か |
| シフト | 急な変更や休日出勤を求められるか |
| 通勤 | 交通費、駐車場、悪天候時の負担 |
| 契約期間 | 更新条件と更新上限 |
| 保険 | 雇用保険・社会保険の加入条件 |
時給が50円高くても、通勤が長くなり、勤務後に家事ができなくなるなら、生活全体では楽にならないことがあります。
「週何日なら続けられるか」「何時までなら翌日に疲れを残さないか」を先に決めてから探します。
パートでも雇用保険に加入している場合があります
雇用保険は、原則として31日以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上の労働者が対象です。条件を満たしていたのに加入状況が分からない場合は、雇用保険被保険者証や給与明細を見て、ハローワークへ照会できます。
基本手当、いわゆる失業給付を受けるには、働く意思と能力があり、求職活動をしていることが必要です。一般的には、離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要ですが、離職理由によっては異なる扱いがあります。支給日数や金額も、年齢、加入期間、離職理由、退職前の賃金などで変わります。
在職中に確認しておきたいこと
- 給与明細から雇用保険料が引かれているか
- 雇用保険被保険者証があるか
- 加入期間がどのくらいあるか
- 会社から離職票を受け取る予定か
- 退職理由がどのように記載されるか
離職票が届かない場合や、実際には退職勧奨だったのに自己都合と記載されるなど、離職理由に異議がある場合は、ハローワークへ事情と資料を伝えることができます。
自己都合退職では、失業給付をすぐ生活費にできるとは限りません
2025年4月1日以降に正当な理由なく自己都合で退職した場合、基本手当には7日間の待期に加え、原則1か月の給付制限があります。過去の自己都合退職の回数などによっては期間が異なり、一定の教育訓練を受ける場合に給付制限が解除される制度もあります。実際の支給開始日は、認定日や手続の時期にも関係するため、個別に確認が必要です。
「失業給付があるから、退職翌月から同じ額が入る」と考えないでください。
退職後最初の数週間から数か月を、手元資金でどのように埋めるかを先に決めます。
体調不良ですぐ働けない場合は、失業給付の前提が変わります
基本手当は、すぐに就職できる状態で求職活動をしている人を対象としています。病気やけがなどで直ちに働けない場合は、その時点で基本手当を受けられないことがあります。一方、一定期間働けない場合には、受給期間を延長できる制度があります。
体調が悪いのに、「失業給付を受けるため働けると言わなければ」と無理をしないでください。
受診状況や現在できる仕事を伝え、ハローワークへ手続の選択肢を聞きます。
退職後の健康保険は、保険料を比べてから選びます
勤務先の健康保険へ加入している場合、退職後はその資格を失います。
主な選択肢は、退職前の健康保険を任意継続する、国民健康保険へ入る、家族の健康保険の被扶養者になる、の三つです。条件や保険料が異なるため、退職前に金額を問い合わせます。
| 選択肢 | 確認する場所 | 見たいこと |
|---|---|---|
| 健康保険の任意継続 | 現在加入している健康保険 | 加入条件、申請期限、月額保険料 |
| 国民健康保険 | 住んでいる市区町村 | 前年所得による保険料、減免の有無 |
| 家族の健康保険の被扶養者 | 家族の勤務先・健康保険 | 収入や失業給付を含む認定条件 |
扶養に入れると思って退職したものの、条件を満たせず国民健康保険料が必要になる場合があります。
「年収がいくらなら大丈夫」と自己判断せず、加入予定の健康保険へ、失業給付の受給予定も含めて聞いてください。
年金の支払いも、退職後の家計へ入れます
厚生年金へ加入していた人が20歳以上60歳未満で退職し、すぐ別の勤務先へ入らない場合は、国民年金への切替えが必要となることがあります。
保険料の納付が難しい場合は、申請により免除や納付猶予が認められる場合があり、失業等を理由とする特例免除も案内されています。払えないからと放置せず、住所地の市区町村や年金事務所へ手続を聞いてください。
健康保険と年金を合わせると、想像より大きな支出になることがあります。
退職日を決める前に、少なくとも概算額を家計表へ入れます。
夫や家族には、「辞めたい」だけでなく三つの数字を見せます
家族へ気持ちだけを伝えると、話が「我慢できるか」「甘えているか」にずれてしまうことがあります。
先に用意する三つの数字
- 退職後の世帯最低生活費
- パート収入がなくなった後の毎月の不足額
- 預貯金で不足を補える月数
家族へ伝える会話例
「明日すぐ辞めると決めたわけではないけれど、今の勤務を続けるのが難しくなっています。最低生活費は月20万円で、私が辞めると月6万円不足します。手元資金で8か月は補えそうです。まず週3日に減らす相談をして、難しければ3か月以内に別の仕事を探したいです」
「辞めても生活できると言い切りたいわけではありません。このまま続けることにも負担があるので、収入をどこまで減らせるか一緒に数字で考えてほしいです」
「あなたの収入で全部支えてほしいという話ではありません。私も次の仕事を探します。ただ、今の職場へ残ることだけを前提にしないで考えたいです」
家族から「辞めたら困る」と言われたら、「いくら不足することが心配なのか」「何か月以内に次が決まればよいのか」まで具体化します。
家族が退職に反対するときも、本人のつらさを値踏みしない
配偶者や親がパートを辞めたいと言ったとき、家族は家計が心配で、ついこう言ってしまいます。
「どこの職場でも嫌な人はいる」
「もう少し我慢できないの?」
「年齢を考えたら、次は見つからないよ」
この言葉では、本人は仕事の実情を話さなくなります。
家族が代わりにできること
- 何が起きているかを遮らずに聞く
- 給与明細と通帳から最低生活費を一緒に出す
- 有給休暇や雇用保険の加入状況を一緒に見る
- 勤務日数を減らした場合の収入を計算する
- 本人の希望条件に合う求人を数件だけ探す
- 受診や労働相談へ付き添う
求人を大量に送り、「ここへ応募しなさい」と決める必要はありません。
本人が休みたいのか、別の仕事をしたいのか、今の職場の条件だけ変えたいのかを先に聞きます。
貯金額と心身の状態で、次の動きを分けます
| 現在の状態 | 考えたい動き |
|---|---|
| 生活費数か月分の資金があり、心身の負担が強い | 退職時期、有給休暇、保険手続を決め、安全を優先する |
| 資金は少ないが、数か月なら勤務を減らせそう | シフト削減を相談し、同時に次の仕事を探す |
| 資金は少なく、職場へ行くこと自体が危険 | 休暇や外部相談を利用し、生活相談も同時に始める |
| 仕事は嫌ではないが、介護や家事と両立できない | 曜日固定、短時間勤務、家族や介護サービスの分担を考える |
| 次の仕事が決まっている | 給与が入る時期、保険の切替え、空白期間を確認する |
| しばらく働けないほど体調が悪い | 受診し、失業給付の受給期間延長等を個別に聞く |
貯金が少ないからと危険な職場へ残るしかないわけでも、つらいからと翌日の収入を考えず辞めるしかないわけでもありません。
心身の緊急度と、家計の猶予を別々に見ます。
生活費がすでに足りないなら、退職後まで相談を待ちません
家賃や公共料金の支払いが迫っている、食費を削っても足りない、借入れで生活費をつないでいる場合は、退職後に考えるのでは遅くなることがあります。
生活困窮者自立支援制度では、地域の相談窓口で仕事、住まい、家計などの相談を受け、状況に応じた支援計画を作る仕組みがあります。一定の要件を満たす場合には、住居確保給付金などの支援につながることもあります。
支払いが遅れる前に伝えたいこと
- 現在の世帯収入
- 退職を考えている理由と予定時期
- 家賃や公共料金の支払期限
- 預貯金と借入れの状況
- 子どもや親など扶養する家族
- 働ける時間や健康状態
「まだ滞納していないから相談できない」と思わず、来月足りなくなると分かった段階で窓口を探してください。
収入を補うための副業や在宅仕事を、退職当日に契約しない
生活費への焦りが強いと、「スマートフォンだけで月10万円」「初心者でもすぐ稼げる」といった案内が目に入ります。
登録料、教材費、サポート料などの支払いを求められる仕事は、収入を得る前に家計をさらに苦しくすることがあります。
- 仕事を始めるために高額な支払いが必要
- 仕事内容より先にクレジット契約を勧められる
- 必ず稼げる、返金できると断言される
- 借金をして参加するよう勧められる
- 家族へ相談しないよう急かされる
- 会社名、住所、解約方法がはっきりしない
生活費を補うなら、先に求人の雇用条件、報酬の発生条件、費用、契約解除の方法を読みます。
収入が必要なときほど、「稼ぐために先に大きなお金を払う契約」はその場で決めないでください。
辞めると決めたら、退職理由を長く説明しすぎなくて構いません
退職を伝えると、引き止められたり、「何が不満なの」と詳しく聞かれたりすることがあります。
退職を伝える例
「家庭と健康上の事情から、現在の勤務を継続することが難しくなりました。就業規則に沿って、○月○日で退職したいと考えています。必要な手続と引継ぎについて確認させてください」
「勤務日数の変更も相談しましたが、現在の条件では続けることが難しいため、退職を希望します」
感情的な出来事をすべて上司へ理解してもらわなければ、退職できないわけではありません。
ただし、退職手続や申し出の時期は契約内容によって異なるため、労働条件通知書と就業規則を見て進めます。
退職前の最終チェックで、後から困ることを減らします
| 確認項目 | 確認した内容 |
|---|---|
| 最終出勤日と退職日 | |
| 有給休暇の残日数と使用予定 | |
| 最終給与の支給日 | |
| 返却する制服・鍵・社員証 | |
| 雇用保険被保険者証 | |
| 離職票を受け取る方法 | |
| 源泉徴収票を受け取る方法 | |
| 健康保険の資格喪失後の手続 | |
| 年金の切替え | |
| 次の収入が入る予定日 |
離職票の離職理由や賃金額は、届いたらそのまま保管せず内容を見ます。
分からない点があれば、会社だけでなくハローワークへも聞いてください。
今日決めるのは、退職日ではありません
今日は紙に、次の五つの数字だけを書いてください。
- 退職後の最低生活費
- 退職後も続く世帯収入
- 毎月の不足額
- 当面使える預貯金
- 不足を補える月数
次に、職場へ頼める変更を一つ書きます。
「週5日から週3日へ減らす」
「閉店時間までではなく17時までにする」
「有給休暇を3日取り、体を休めてから判断する」
そして、いつまでに答えを出すか決めます。
「今月中に勤務変更を相談し、難しければ来月から転職活動を始める」
生活費が不安だから仕事を辞められないのではありません。
退職後に何が起きるか見えないため、怖さが大きくなっている部分もあります。
不足額、暮らせる月数、保険料、給付の見込み、次の仕事に求める条件。
一つずつ数字にすると、「耐え続ける」以外の道が見えてきます。
今すぐ辞めると決めなくても構いません。
ただ、何も変えずに限界を待つ必要もありません。
今日の一枚を、今の仕事から自分の暮らしを取り戻すための最初の準備にしてください。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「年次有給休暇」:パートを含む労働者の年次有給休暇の要件、比例付与、退職時の取扱いに関する確認先。
- ハローワークインターネットサービス「基本手当」「雇用保険の具体的な手続」:雇用保険の加入要件、基本手当の受給要件、離職票、離職理由に関する確認先。
- 厚生労働省「給付制限期間の短縮・解除」:2025年4月以降の自己都合退職における給付制限と、教育訓練を受ける場合の取扱いに関する確認先。
- 全国健康保険協会「退職後の健康保険」:任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者という選択肢に関する確認先。
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」:国民年金への切替えと、失業等による保険料免除の確認先。
- 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」:仕事、住まい、家計の相談や、要件を満たす場合の住居支援に関する確認先。


















