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膝が痛くて歩くのがつらいとき|仕事・外出を続ける判断と負担の減らし方

2026.07.12 更新 なやみ晴れ編集部
#仕事#仕事・再就職#健康・見た目
この記事の結論

膝が痛くても必ず安静にする必要はありませんが、歩くほど悪化する状態で無理に通勤を続けるのは避けます。腫れ、熱感、転倒後の痛み、体重をかけられない状態があれば受診を優先し、それ以外は移動距離や仕事内容を減らして整形外科へつなげます。

駅の階段を見た瞬間、今日も仕事へ行けるか分からなくなった

朝、家を出たときは何とか歩けた。

ところが駅に着くころには、膝の内側がずきずきしています。階段を上ろうとすると力が入りにくく、後ろから来る人に抜かれるたび、通路の端へ寄る。

職場へ着いても、立ち上がるたびに痛みます。昼食を買いに行くこともためらい、帰りの電車では座席が空いているかばかり考えてしまう。

「この程度で休んだら迷惑だ」

「歩かないと余計に弱るのではないか」

そう考えて出勤を続けているうちに、買い物や家族との外出まで断るようになることがあります。

膝痛で難しいのは、痛みだけではありません。仕事を休むほどなのか、受診するほどなのか、自分では線を引きにくいことです。

ここでは、痛みの強さだけでなく、膝に体重をかけられるか、腫れや熱があるか、日常生活のどこまで崩れているかを基準に考えます。

今日は歩いてよいのか、四つの状態に分けます

膝の痛みには、徐々に出てきたものもあれば、転倒や感染など早い対応が必要なものもあります。

病名を自己判断する前に、今日の行動を次のように分けてください。

現在の状態 優先する行動
違和感や軽い痛みはあるが、ゆっくりなら歩ける。腫れや熱感は目立たない 移動距離と負荷を減らし、痛みの変化を見ながら近日中の受診を検討する
歩くほど痛みが増える、階段や立ち仕事が難しい、仕事後も痛みが残る 通常どおりの通勤・勤務を続けず、仕事内容や移動方法を調整して整形外科を受診する
転倒やひねった後から強く痛む、体重をかけられない、膝が動かない・引っかかる 無理に歩かず、当日中を目安に整形外科や救急医療機関へ連絡する
急に赤く腫れて熱を持つ、発熱がある、変形している、強い痛みで動けない 感染、骨折なども否定できないため、早急に医療機関へ連絡する

膝の状態とは別に、片脚のふくらはぎ全体が急に腫れた、息苦しさや胸の痛みがある場合は、通常の膝痛として様子を見ないでください。特に息苦しさや胸痛を伴うときは119番を優先します。

ポイント

「歩けるから大丈夫」とは限りません。歩いた後に痛みや腫れが強まり、翌日まで戻らない状態なら、今の通勤や仕事量が膝の状態に合っていない可能性があります。

痛みを我慢して歩けば治る、とは限りません

膝が痛いとき、「動かさないと筋肉が落ちる」「歩いて慣らした方がよい」と言われることがあります。

確かに、変形性膝関節症などでは、状態に合った運動によって膝を支える筋肉を保ち、関節の動きを維持することが治療の一部になります。

ただし、通勤で痛みを我慢して長距離を歩くことと、医師や理学療法士の指示に基づいて運動することは同じではありません。

次のような反応が出る歩き方は、いったん減らした方がよいでしょう。

完全に動かさない方がよいのか、軽く動かした方がよいのかは、膝痛の原因と現在の状態によって変わります。

急なけがや強い腫れがあるときに、自己流のスクワットや長距離歩行を始めるのは避けてください。

出勤前は、痛みの数字より「できない動作」を見ます

痛みを0から10の数字で表す方法は便利ですが、同じ「5」でも、仕事への影響は人によって違います。

出勤するか迷った朝は、次の動作ができるかを確かめます。

行きは何とか歩けても、帰りまで持たないと感じるなら、通常出勤を前提にしない方が安全です。

「会社へ着けるか」だけでなく、「帰宅まで含めて続けられるか」で判断してください。

仕事へ行くなら、通勤で使い切らない方法を選びます

膝が痛い日に、いつもと同じ経路へこだわる必要はありません。

仕事に残しておきたい体力を、駅までの道や階段で使い切らないようにします。

駅や施設の中で長く歩く予定がある場合は、入口から目的地までの距離も見てください。

「外出先まで行ける」だけでなく、建物内を移動し、用事を済ませ、帰る分まで含めます。

階段は急いで交互に上り下りしなくてもよい

階段では、平地より膝への負担を強く感じる方がいます。

痛みがある日は手すりを使い、一段ずつ足をそろえながら進む方が安全な場合があります。

後ろの人が気になっても、急ぐ必要はありません。通路の端へ寄れる場所なら先に行ってもらいます。

膝が抜ける感覚がある、手すりがあっても支えきれない場合は、階段を使わず、エレベーターや別の経路を選んでください。

具体的な足の出し方は、痛む側、筋力、けがの種類によって変わります。自己流で無理をせず、受診時に理学療法士などへ実際の動きを見てもらうと確実です。

職場には「膝が痛い」ではなく、難しい作業を伝えます

上司へ「膝が痛くてつらい」とだけ話しても、何を変えれば働けるのか伝わりにくいことがあります。

診断名がまだ分からなくても、業務上困っている動作は説明できます。

「膝の痛みで、連続して10分以上歩くことと、階段の上り下りが難しくなっています。整形外科を受診するまで、外回りを減らし、エレベーターを使える業務に調整できないでしょうか」

立ち仕事なら、

「立ったままの作業を続けると痛みが増えます。30分ごとに座る時間を入れるか、一部を座ってできる作業へ替えられるか相談したいです」

と伝えます。

頼める可能性がある調整には、次のようなものがあります。

すべての職場で同じ対応ができるわけではありません。それでも、「つらいので配慮してほしい」より、期間と難しい動作を伝えた方が、調整できる範囲を話しやすくなります。

退職を決める前に、受診結果と仕事内容をつなぎます

通勤や立ち仕事が続かないと、「この仕事はもう無理だ」と思うことがあります。

けれども、痛みの原因、治療後の見通し、避けるべき作業が分からない段階で退職を決める必要はありません。

受診時には、仕事内容を具体的に伝えます。

医師へは、次のように聞けます。

「一日6時間ほど立ち、倉庫内を歩く仕事です。今の状態で避けた方がよい動作と、続けられる作業を教えてください。職場へ提出する書類が必要かも相談したいです」

厚生労働省は、治療と仕事の両立に向けて、勤務情報を主治医へ伝える書式や、主治医の意見を職場へ伝えるための様式例を公開しています。

実際にどの書類を使うか、費用がかかるかは、医療機関と勤務先へ確かめてください。

買い物や通院は「最短距離」より「途中で戻れる予定」にします

外出を全部やめると、生活上必要な用事がたまり、動く機会も減ります。

一方、「せっかく出たから全部済ませよう」と予定を詰めると、帰りに歩けなくなることがあります。

外出は、途中で中止しても困らない形にします。

外出中は、「あと少しだから」と痛みが強くなるまで歩くのではなく、痛みが軽いうちに一度休みます。

休憩後も痛みが増える、膝が不安定になる場合は、その日の用事を減らしてください。

靴を替えるだけで治るわけではありませんが、転倒は減らせます

膝が痛いと、歩幅が小さくなり、足を十分に上げにくくなることがあります。

外出時の靴は、治療効果を期待するより、安全に歩けるかで選びます。

高価な靴や中敷きを先に購入しても、膝痛の原因や足の形に合わなければ使いにくいことがあります。

治療の一環として足底板や装具を使う場合もあるため、整形外科で適応を聞いてから選ぶ方法があります。

杖やサポーターは、我慢できなくなってから使う物ではありません

杖を使うと「急に年を取ったように見える」と抵抗を感じる方もいます。

しかし、膝が崩れる、外出中に壁や手すりを探す状態なら、補助具を使わないことの方が転倒につながります。

杖は長さや使う側が合っていないと、肩や腰へ負担がかかります。一般には痛む膝と反対側で使う方法がありますが、体の状態によって異なるため、医師、理学療法士、福祉用具の専門職などに合わせてもらうと安全です。

サポーターも、締め付けが強ければしびれや皮膚トラブルにつながります。

購入前に、何のために使うのかを分けてください。

目的によって選ぶ物が変わります。口コミだけで固定力の強い装具を選ばず、腫れや皮膚の状態も含めて見てもらいます。

痛み止めや湿布を使う前に、重複と持病を見ます

市販の鎮痛薬や外用薬は、一時的に痛みを抑える選択肢になることがあります。

ただし、痛みが消えたからといって、原因まで治ったわけではありません。

内服薬を選ぶ場合は、次の点を薬剤師や登録販売者へ伝えてください。

商品名が違っても、同じ鎮痛成分が含まれている場合があります。複数の痛み止めを自己判断で重ねないでください。

湿布や塗り薬も、かぶれ、赤み、かゆみが出たら中止します。

痛み止めがないと通勤できない状態が続くなら、薬を買い足し続けるのではなく受診へ切り替えます。

膝痛の原因は、年齢や体重だけでは決まりません

中高年の膝痛では、変形性膝関節症が考えられることがあります。

日本整形外科学会では、初期には立ち上がりや歩き始めで痛み、進行すると階段や正座が難しくなり、さらに進むと安静時の痛みや歩行困難が現れることがあると説明しています。

ただし、膝が痛いからといって、すべて変形性膝関節症とは限りません。

半月板や靱帯の損傷、関節リウマチ、痛風、感染、骨折、膝以外の場所から来る痛みなどもあります。

体重が膝への負担に関係する場合はありますが、痛みを抱えている人へ「痩せれば治る」とだけ伝えても、今日の通勤や歩行の問題は解決しません。

まず原因と動いてよい範囲を確かめ、その後、必要なら食事や体重管理を長期的な治療の一部として考えます。

運動は、膝の状態を見てもらってから小さく始めます

変形性膝関節症では、太ももの前側など膝を支える筋肉を保ち、関節の動きを改善する運動が勧められることがあります。

厚生労働省と日本整形外科学会が紹介する方法には、椅子へ座って片脚を伸ばし、数秒保つ運動などがあります。

ただし、急な外傷、強い腫れ、熱感、膝が動かない状態で始める運動ではありません。

運動を始められる状態か医療機関で確かめたうえで、次の原則を守ります。

運動不足が気になっても、痛い膝で歩数だけを増やす必要はありません。状態によっては、座って行う運動や水中運動など、別の方法を選べます。

整形外科では「痛いです」だけでなく、歩けなくなった場面を伝えます

膝痛が仕事や外出へ影響しているなら、整形外科で原因を確かめます。

受診前に、次の内容をスマートフォンへ残しておくと説明しやすくなります。

受付や診察では、次のように伝えられます。

「二週間前から右膝が痛み、駅まで10分歩くと足を引きずります。仕事は立ち作業で、帰宅後に腫れます。勤務を続けるため、避ける動作と運動してよい範囲も知りたいです」

診察や画像検査の結果によって、薬、注射、リハビリテーション、装具、手術などが検討されます。

最初から手術になると決まっているわけではありません。今の仕事や生活を伝え、治療の目的と選択肢を聞いてください。

家族には「歩いた方がいい」「休んだ方がいい」で決めてもらわない

家族が心配して、外出をすべて止めようとすることがあります。

反対に、「動かないから弱る」と、散歩へ連れ出そうとすることもあります。

どちらも心配から出た言葉かもしれませんが、膝の原因が分からない段階で、家族だけで運動量を決めるのは難しいでしょう。

本人からは、手伝ってほしいことを具体的に伝えます。

「歩かせるか休ませるかを決めてほしいのではなく、整形外科まで車で送ってほしい」

「買い物には行きたいけれど、重い物だけ持ってほしい」

ご家族が受診へ付き添う場合も、本人が感じている痛みと生活上の希望を先に話してもらいます。

外出できない日が増えても、自分の怠けとは決めないでください

膝の痛みで予定を断ると、「以前は普通にできたのに」と落ち込むことがあります。

外出を避けているのは、行きたくないからではなく、帰れなくなることや、周囲へ迷惑をかけることが怖いからかもしれません。

ただ、痛みを理由にすべての予定を断り続けると、筋力や体力だけでなく、人とのつながりまで減っていきます。

受診後、動いてよい範囲が分かったら、外出を以前と同じ形へ戻す必要はありません。

「完全に治るまで外へ出ない」ではなく、膝に合う形へ予定を組み替えることができます。

明日の出勤を決めるため、帰宅後の膝を見ます

今夜は、痛みを我慢できるかではなく、仕事や外出の後に膝がどうなっているかを確かめてください。

見るのは、次の四点です。

腫れや熱感、体重をかけられない痛みがあるなら、明日の通常出勤より医療機関への連絡を優先します。

緊急性は低そうでも、通勤や仕事が難しい状態なら、職場へ次の一文を送ってください。

「膝痛で歩行と階段が難しく、明日は整形外科を受診します。受診結果が分かるまで、勤務時間または仕事内容の調整を相談させてください」

予約するときは、

「膝が痛く、通勤と立ち仕事に支障があります。いつ受診できるか教えてください」

と伝えれば十分です。

仕事を続けるか、外出を諦めるかまで、今夜決める必要はありません。

まず通常どおり歩き続ける状態を止め、膝に何が起きているかを確かめる。そこから、移動、仕事、運動を一つずつ今の体に合わせ直せます。

出典・確認先メモ

よくある質問

Q. 膝が痛くても仕事へ行って大丈夫ですか?

ゆっくりなら歩け、腫れや熱感がなく、勤務中に負荷を減らせるなら、仕事を続けられる場合があります。ただし、歩くほど悪化する、帰宅後に腫れる、体重をかけにくい状態なら、通常勤務を続けず整形外科を受診してください。

Q. 膝が痛いときは、歩かずに安静にした方がよいですか?

急なけが、強い腫れ、熱感がある場合は、自己流で歩き続けたり運動したりしない方が安全です。慢性的な膝痛では適切な運動が役立つこともありますが、原因と運動してよい範囲を医師や理学療法士へ確認してください。

Q. 膝痛には杖やサポーターを使った方がよいですか?

膝が崩れる、壁や手すりがないと歩きにくい場合は、杖などが転倒予防に役立つことがあります。長さ、持つ側、固定力が合わないと別の場所へ負担がかかるため、医療機関や福祉用具の専門職へ合わせてもらうと安全です。

Q. 膝が痛い場合は、何科を受診すればよいですか?

転倒やひねりの有無にかかわらず、膝の痛み、腫れ、動かしにくさは整形外科が主な受診先です。赤く熱を持つ、発熱がある、体重をかけられない、変形している場合は、早めに医療機関へ連絡してください。

Q. 膝痛で仕事がつらい場合、職場にどこまで伝えればよいですか?

診断名を職場全体へ詳しく話す必要はありませんが、階段、立ち仕事、長距離歩行など難しい動作と、希望する期間や調整内容を上司や人事へ伝えます。必要に応じて、主治医の意見書や厚生労働省の両立支援用の様式を使えるか勤務先へ確認してください。

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