電気代の請求書を前に、「これはどちらが払うの?」が増えてきた
現役の頃は、家賃や住宅ローンは夫、食費と日用品は妻。旅行代はそのとき余裕のある方が出し、残った給料はそれぞれで管理する。
長年それで暮らしてきた夫婦なら、別財布はごく自然な形でしょう。
ところが、退職が近づくと、これまで曖昧でも回っていた部分が気になり始めます。
「夫の年金がいくらになるのか、実は知らない」
「妻に貯金額を聞くと、疑っていると思われそう」
「医療費が増えたら、それも各自で払うのだろうか」
「家の修理代を出せるのは、結局どちらなのだろう」
別財布そのものが問題なのではありません。
困りやすいのは、共通の暮らしにいくら必要で、どちらがどこまで負担できるのかを、二人とも知らない状態です。
老後の家計は、財布を一つにするか二つにするかではなく、共同で払う範囲を決められているかで安定しやすさが変わります。
個人のお金は残しても、「二人で使うお金」まで別々にしない
別財布をやめ、預貯金をすべて一つの口座へ移す必要はありません。
自分で自由に使えるお金があることは、夫婦それぞれの安心につながります。趣味、友人との付き合い、衣服、子どもや親族への個人的な贈り物まで、何を買うにも相手の許可が必要になる形は窮屈です。
一方で、二人が暮らすための支出まで、「使った人が払う」「請求書に気づいた人が払う」としていると、負担が見えなくなります。
| お金の区分 | 主な内容 | 扱い方の例 |
|---|---|---|
| 二人の毎月の生活費 | 住居費、食費、水道光熱費、通信費、日用品 | 共通口座または共通の家計袋から支払う |
| 二人の臨時支出 | 住宅修繕、家電、車検、冠婚葬祭、旅行 | 毎月積み立て、使う前に二人で話す |
| 本人の生活に必要な費用 | 本人の医療費、服薬、眼鏡、補聴器など | 原則を決め、負担が重いときは共通費から補う |
| 個人の自由費 | 趣味、友人との会食、衣服、個人の買い物 | それぞれの財布から出す |
| 個人的な援助 | 自分の親族や成人した子への援助、贈り物 | 原則は個人負担。高額なら事前に共有する |
| 将来の緊急資金 | 入院、介護、収入減、災害、住み替え | 二人の生活を止めないための共通資金として分ける |
境界は家庭ごとに違って構いません。
重要なのは、「これは夫の支出」「これは妻の支出」と後から言い争うのではなく、元気なうちに線を引いておくことです。
最初に出すのは貯金総額ではなく、毎月入ってくるお金です
別財布の夫婦がいきなり「貯金はいくらあるの」と聞くと、相手は身構えることがあります。
まずは退職後に毎月使える収入から始めると、生活の話として切り出しやすくなります。
夫婦それぞれについて、次の金額を出します。
- 老齢基礎年金の見込額
- 老齢厚生年金の見込額
- 企業年金や個人年金
- 退職後も働く場合の給与
- 家賃収入など継続的な収入
- 税金や社会保険料を引いた後の手取り見込み
日本年金機構の「ねんきんネット」では、現在と同じ条件で働いた場合だけでなく、今後の働き方や受給開始年齢を変えた場合の老齢年金見込額も試算できます。夫婦合計ではなく、一人ずつ確認して並べてください。
2026年度の国民年金の満額は月70,608円、夫婦二人分の基礎年金を含む標準的な厚生年金額の例は月237,279円とされています。ただし、これは一定の加入条件を置いた例であり、すべての夫婦がこの金額を受け取るわけではありません。実際の加入記録に基づく本人ごとの見込額を見る必要があります。
| 退職後の収入 | 夫 | 妻 |
|---|---|---|
| 公的年金の月額見込み | 円 | 円 |
| 企業年金・個人年金 | 円 | 円 |
| 仕事などの収入 | 円 | 円 |
| その他の継続収入 | 円 | 円 |
| 手取りの月額見込み | 円 | 円 |
ここでは、どちらが多いかを比べて勝ち負けを決める必要はありません。
二人の生活費を、同額で分けられるのか。収入に応じて割合を変える必要があるのか。それを決める材料にします。
毎月の共通生活費は、「今払っている人」ではなく項目別に集めます
夫が住宅費、妻が食費を払っている場合、本人たちは「だいたい半分ずつ」と思っていることがあります。
しかし、食料品や日用品の値上がり、保険料、固定資産税、家電の買い替えまで含めると、実際には片方へ負担が偏っていることもあります。
直近1~3か月分の通帳、カード明細、請求書を持ち寄り、次の項目を合計します。
| 共通生活費 | 現在の月額 | 退職後の見込み |
|---|---|---|
| 家賃・住宅ローン・管理費 | 円 | 円 |
| 食費・日用品 | 円 | 円 |
| 水道光熱費 | 円 | 円 |
| 通信費 | 円 | 円 |
| 車・交通費 | 円 | 円 |
| 保険料 | 円 | 円 |
| 共通の医療・健康費 | 円 | 円 |
| 交際・冠婚葬祭費 | 円 | 円 |
| その他 | 円 | 円 |
| 合計 | 円 | 円 |
退職すると通勤費や昼食代は減るかもしれません。一方、自宅で過ごす時間が増えて光熱費が上がったり、医療や趣味の支出が増えたりする場合もあります。
現役時代の支出をそのまま老後へ当てはめず、「減りそうな費用」と「増えそうな費用」を分けてください。
分担は50対50より、退職後の手取り比率で決める方が続きやすい
夫婦は平等だから、生活費も半分ずつ。
一見公平に見えますが、年金額に差がある夫婦では、同額負担が片方だけを苦しくすることがあります。
たとえば共通生活費が月20万円で、夫の手取り収入が月16万円、妻が月8万円だったとします。
二人が10万円ずつ出すと、夫には6万円残りますが、妻は収入だけでは2万円不足します。
収入の割合で分けるなら、夫が約13万3,000円、妻が約6万7,000円です。双方の手元に、収入のおよそ17%が残ります。
| 分担方法 | 決め方 | 向いている夫婦 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 同額方式 | 共通生活費を半分ずつ出す | 収入や資産に大きな差がない | 収入が少ない側の自由費や貯蓄がなくなりやすい |
| 収入比例方式 | 手取り収入の割合で分担する | 年金額や就労収入に差がある | 収入が変わるたびに割合を見直す必要がある |
| 項目分担方式 | 住居費は夫、食費は妻などに分ける | 現在の支払い方を大きく変えたくない | 値上がりや臨時支出で負担差が見えにくい |
| 定額拠出方式 | 毎月決めた額を共通口座へ入れる | 個人の財布を残しながら家計を見える化したい | 年間支出を含めずに決めると不足しやすい |
| 資産も含めた調整方式 | 収入に加え、預貯金や退職金の差も考える | 年金は少ないが、一方に十分な資産がある | 無理な取り崩しにならないよう期間を決める |
民法では、夫婦は資産や収入その他の事情を考慮して婚姻から生じる費用を分担すると定められています。また、婚姻前からの財産や婚姻中に自己名義で得た財産は、その人の財産とする規定があります。別財布であること自体が直ちに問題になるわけではありませんが、生活費の分担は二人の事情に合わせて考える必要があります。
同じ金額を出すことより、どちらも生活を続けられ、少額でも自分の手元に残せる形を目指します。
四つの口座に分けると、別財布と共同生活を両立しやすい
すべてを一つにするのが嫌なら、個人のお金を残したまま、共同部分だけ切り出します。
| 口座・置き場所 | 入れるお金 | 使う目的 |
|---|---|---|
| 夫の個人口座 | 夫の年金、給与、個人資産 | 夫の自由費、個人的な支出、共通口座への拠出 |
| 妻の個人口座 | 妻の年金、給与、個人資産 | 妻の自由費、個人的な支出、共通口座への拠出 |
| 毎月の共通生活費口座 | 二人が決めた月額を入れる | 住居費、食費、光熱費、通信費など |
| 共通の予備資金 | 毎月の積立、退職金の一部など | 医療、介護、修繕、家電、災害、住み替え |
共通口座へ入れる金額は、年金が振り込まれた日に自動振替にすると、毎月「今月はいくら出すの」と話さずに済みます。
公的年金は、原則として偶数月の15日に、前月までの2か月分が支払われます。そのまま使うと、振込月は余裕があり、翌月に苦しくなることがあります。2か月分を月額へ分けて管理すると、生活費を安定させやすくなります。
たとえば年金振込日に、2か月分の共通生活費を共同口座へ移し、残りを個人の口座に残します。
共同口座の名義や利用方法、代理人カードなどの取扱いは金融機関によって異なります。口座を作る際は、二人が使える方法や、病気などで本人が手続きできない場合の制度も銀行へ尋ねてください。
固定資産税や家電の故障は、毎月の生活費とは別に積み立てます
老後の家計で苦しくなりやすいのは、普段の食費よりも、年に数回まとめて出ていくお金です。
毎月の生活費が年金内に収まっていても、給湯器が壊れ、固定資産税と車検が重なると、一方の貯金だけを頼ることになります。
| 年間・臨時支出 | 年間見込み | 1か月の積立額 |
|---|---|---|
| 固定資産税・住民税など | 円 | 円 |
| 車検・自動車税・整備 | 円 | 円 |
| 住宅修繕 | 円 | 円 |
| 家電の買い替え | 円 | 円 |
| 冠婚葬祭・帰省 | 円 | 円 |
| 旅行・行事 | 円 | 円 |
| 医療・介護の予備費 | 円 | 円 |
| 合計 | 円 | 円 |
たとえば年間60万円かかるなら、月5万円を共通の予備資金へ積み立てます。
毎月の共通生活費が20万円だから、二人の必要額は20万円というわけではありません。年間支出を月割りした金額まで加えて、老後に必要な月額を出します。
医療費は各自払いでも、「重くなったときの線」を決めておく
現在は、お互いの通院代を自分の財布から出していても問題ないかもしれません。
しかし、どちらかに長期の治療や介護が必要になると、医療費を個人負担のままにするのが難しくなることがあります。
次のような線引きを、元気なうちに話しておきます。
- 通常の通院や薬代は各自で負担する
- 月額が一定額を超えた分は共通予備費から出す
- 入院費と介護サービス費は共同負担にする
- 差額ベッド代など本人が希望した費用は個人負担にする
- 保険金が入った場合は、まず本人の治療費へ充てる
- 共通予備費で不足した場合の取り崩し順を決める
「病気になった人の貯金から払えばいい」としていると、治療が長引いた人だけが自分の資産を大きく失うことがあります。
二人の暮らしを続けるための治療や介護を、どこまで共同生活費と考えるか。それを決める話です。
貯金額をすべて言いたくない夫婦も、最低限は共有する
長年別財布で暮らしていると、配偶者であっても貯金額を見せたくないことがあります。
自分で働いて貯めたお金だから口を出されたくない。過去の使い道を責められそう。相手が自分のお金を当てにするのではないか。
そうした抵抗があるなら、最初から全口座の残高を一円単位で開示しなくても構いません。
ただし、老後の生活設計に必要な範囲は共有します。
| 最低限共有したいこと | 理由 |
|---|---|
| 毎月の年金・継続収入 | 生活費の分担を決めるため |
| 住宅ローンや借入れの残高 | 返済が老後家計へ与える影響を知るため |
| 共通生活費へ毎月出せる額 | 不足額を早めに見つけるため |
| 医療・介護へ使える資金の目安 | 片方の病気で生活が止まるのを防ぐため |
| 口座・保険・証券会社の一覧 | 入院、認知機能低下、死亡時に手続きを進めるため |
| 借金・保証・継続的な援助 | 知らない固定支出が後から出るのを防ぐため |
たとえば、
「貯金額を全部一つにしたいわけではないよ。二人の生活費が足りるかだけ知りたいから、年金額と毎月出せる額、それから大きな借入れがないかをお互いに見せない?」
と切り出せます。
一方だけが開示する形にせず、自分の資料も同じように出すと、取り調べのようになりにくくなります。
片方の貯金が少なくても、過去の貢献までゼロになるわけではありません
夫婦の一方が家事や育児を多く担ってきた場合、本人名義の年金や貯金が少ないことがあります。
そこで「貯金が少ないのだから、自由に使えるお金も少なくて当然」とすると、老後の暮らしに大きな差が生まれます。
一方は趣味や旅行を続けられるのに、もう一方は美容院や友人との昼食にも気を使う。その状態では、別財布が自立ではなく、生活格差になってしまいます。
話し合うときは、これまでの収入額だけでなく、次の事情も含めます。
- 家事・育児・介護のために働き方を抑えた期間
- 本人名義ではない生活費を負担してきた経緯
- 退職金や企業年金の有無
- 婚姻前から持っていた資産
- 今後必要になる本人の医療費
- それぞれが自由に使える月額
二人の個人資産を同額にする必要はありません。
それでも、日常生活で片方だけが毎回お金を頼まなければならない状態は避けたいところです。共通生活費を出したあと、双方に無理のない個人費が残る分担を考えます。
「家計を握られたくない」と「何も知らせない」は別です
お金の話を持ち出したとき、配偶者から、
「自分の金は自分で使う」
「今まで問題なかった」
「そんなに細かく管理されたくない」
と言われることがあります。
その場合は、財布を一つにする提案ではないことを伝えます。
| 避けたい言い方 | 話し直すなら |
|---|---|
| 「貯金を全部見せて」 | 「二人の生活費を払えるか知りたいので、毎月使える収入と共通費へ出せる額を見せ合いたい」 |
| 「あなたはお金を使いすぎ」 | 「退職後の収入で、今の支出を続けられるか二人分を並べたい」 |
| 「老後は私が管理する」 | 「個人のお金はそれぞれで持ち、生活費と緊急資金だけ共同管理にしない?」 |
| 「病気になったら困るでしょ」 | 「どちらが先に入院しても支払いが止まらないよう、口座と連絡先だけ一覧にしたい」 |
| 「今決めないと手遅れになる」 | 「まず1か月分だけ数字を出して、合わなければやり方を変えよう」 |
一度で結論を出そうとせず、最初の話し合いは収入、次は生活費、その次に貯金と緊急時の話、と分けてもよいでしょう。
片方が家計を扱えなくなったとき、暗証番号だけでは備えになりません
別財布では、本人しか知らない口座や契約が増えやすくなります。
片方が急に入院したり、認知機能が低下したりすると、もう一方が生活費の支払先さえ分からないことがあります。
預金の払出しは、原則として預金者本人の意思確認が必要です。本人の意思を確認できない場合に生活費や入院・介護費が必要になったときは、まず取引銀行へ相談するよう全国銀行協会は案内しています。金融機関によっては、独自の代理人制度や財産管理サービスを設けています。
暗証番号を紙に書いて渡し、家族が本人のカードを使えるようにするだけでは、正式な代理手続きにはなりません。紛失や不正利用の問題も起きます。
元気なうちに、次の準備を進めます。
- 銀行、証券、保険、年金の契約先を一覧にする
- 住宅費や光熱費が、どの口座から引かれているか書く
- 銀行に代理人制度や代理人カードの有無を尋ねる
- 重要書類の保管場所を配偶者へ伝える
- 緊急連絡先と利用中の医療・介護サービスをまとめる
- 必要に応じて任意後見や財産管理の制度を調べる
成年後見制度には、判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が後見人等を選ぶ法定後見と、判断能力があるうちに将来の代理人や任せる内容を公正証書で決める任意後見があります。制度の利用が必要かどうかは家庭状況で異なるため、法務局、地域包括支援センター、法律相談などで個別に確かめます。
どちらかが亡くなった後は、今の年金合計がそのまま残るわけではありません
老後家計を夫婦二人分の年金だけで組むときは、一人になった後の生活も一度だけ考えておきます。
配偶者が亡くなった場合、亡くなった方の老齢年金がそのまま全額、もう一方へ移るわけではありません。遺族厚生年金を受けられるか、本人の老齢厚生年金とどのように調整されるかは、加入記録や年齢、生計維持関係などで異なります。
一人になると食費や光熱費は減っても、住居費、固定資産税、家の修繕費は半分にはなりません。
| 二人のうちに調べたいこと | 目的 |
|---|---|
| 双方の年金額と加入記録 | 一人になった後の収入を調べる入口にする |
| 住居の名義と住宅費 | 住み続けられるかを判断する |
| 生命保険・死亡保障 | 保険金の有無と受取人を知る |
| 預貯金・証券口座の所在 | 相続手続きを進められるようにする |
| 毎月の自動引き落とし | 契約変更や解約が必要な支払いを把握する |
| 一人暮らしになった場合の生活費 | 住み替えや支出削減が必要かを見る |
遺族年金の見込みは、一般的な計算例だけで判断せず、年金事務所や街角の年金相談センターへ二人の加入記録を持って尋ねると整理しやすくなります。
子どもへ残すのは残高ではなく、「何がどこにあるか」の地図です
夫婦別財布のまま高齢になると、子どもが後から口座や契約を探すことがあります。
「父は母の貯金を知らない」
「母は住宅費をどの口座から払っているか知らない」
「通帳は見つかったけれど、ほかにも銀行があるのか分からない」
この状態では、親が入院したとき、子どもが家中を探しながら支払いを止めないよう動かなければなりません。
子どもへ今すぐ残高まで知らせる必要はありませんが、夫婦のどちらも動けない場合に備えて、次の一覧を封筒や安全なデータで残します。
- 利用している銀行・証券会社・保険会社
- 年金番号や年金関係書類の保管場所
- 不動産、住宅ローン、固定資産税の資料
- 毎月支払っている契約
- かかりつけ医、服薬、介護関係の連絡先
- 重要書類を開けてよい状況と保管場所
キャッシュカードの暗証番号を一覧にして渡すという意味ではありません。
本人の財産を勝手に動かさなくても、必要な窓口へ正式に連絡できるようにするための地図です。
年金が始まる前に、3か月だけ共同生活費を試してみる
退職日から突然、新しい家計管理へ切り替えると、どちらも戸惑います。
年金生活へ入る前に、現在の収入で共同生活費を試す方法があります。
- 共通生活費の月額を決める
- 収入比率で二人の拠出額を決める
- 毎月決まった日に共通口座へ入れる
- そこから住居費、食費、光熱費などを支払う
- 3か月後に不足額と余りを確認する
- 退職後の年金額に合わせて拠出額を直す
試してみると、食費の予算が足りない、固定資産税を入れ忘れた、片方の自由費が少なすぎる、といった問題が見つかります。
失敗ではありません。年金生活が始まる前に見つけられた調整点です。
今日することは、互いの全財産を聞くことではありません
長く別財布で暮らしてきた夫婦が、今夜いきなり通帳を全部並べるのは難しいかもしれません。
まず一枚の紙を用意し、次の四つだけ書いてください。
- 夫が退職後に毎月受け取る見込み額
- 妻が退職後に毎月受け取る見込み額
- 二人の毎月の共通生活費
- 年間支出を12で割った月額
そして、こう話してみてください。
「財布を一つにしたいわけではないよ。老後も今の形を続けるために、二人の生活に毎月いくら必要かだけ、一緒に出してみない?」
別財布は、互いに何も知らなくてよい仕組みではありません。
自分の自由を残しながら、二人の住まい、食事、治療、介護を支える部分だけは一緒に持つ。その線が見えていれば、別財布のままでも老後を組み立てられます。
どちらが多く持っているかを追及する必要はありません。まずは来月の生活費を、二人がどの割合で出せるか。その小さな話から始めれば十分です。
出典・確認先メモ
- 日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」:本人ごとの年金見込額や受給開始年齢別の試算に関する確認先。
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」:2026年度の公的年金額例に関する確認先。
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか」:年金の振込月と支払対象月に関する確認先。
- e-Gov法令検索「民法」:婚姻費用の分担、日常家事債務、夫婦の財産帰属に関する確認先。
- 法務省「成年後見制度・成年後見登記制度Q&A」:法定後見、任意後見、財産管理に関する確認先。
- 全国銀行協会「預金者本人の意思確認ができない場合における預金の引出し」:代理手続きや事前準備に関する確認先。


















