通帳の残高は増えたのに、スーパーで百円の差が気になります
長く勤めた会社を退職し、口座へ退職金が振り込まれた。
これまで見たことのない金額が表示され、最初はほっとします。
ところが、給与の振込みが止まった翌月から、感覚が変わります。
食料品を買う。電気代が引き落とされる。固定資産税を払う。通院後に薬局へ寄る。
どれも生活に必要な支出なのに、通帳の残高が減るたび、「老後の元手を削ってしまった」と感じます。
配偶者から旅行や家の修繕について相談されても、素直に返事ができません。
「この調子で使ったら、何歳でなくなるのだろう」
「年金だけで暮らせなかったらどうしよう」
「病気や介護に備えて、一円も減らさない方がよいのでは」
反対に、退職した安心感から車を買い替えたり、子どもへまとまった援助をしたりした後で、急に心配になる方もいます。
退職金は、残高だけを見ていると、使いすぎているのか、必要以上に我慢しているのか判断できません。
必要なのは「使わない決意」ではなく、何のために、いつまでに使うお金なのかを分けることです。
退職金を使うことと、無計画に取り崩すことは違います
退職金は、手を付けてはいけない記念品ではありません。
退職後に給与が減る期間の生活費、住まいの修繕、医療、介護などへ備えるためのお金でもあります。
問題になるのは、毎月いくら不足しているか分からないまま、生活口座から必要なだけ引き出す状態です。
| 使い方 | 状態 |
|---|---|
| 計画的な取り崩し | 使う目的、期間、毎月の上限、残す金額が決まっている |
| 見えない取り崩し | 生活費と大きな買い物が同じ口座から出ている |
| 過度な我慢 | 必要な治療や修繕まで避け、残高だけを守っている |
| 早すぎる資金移動 | 今後の生活費を出す前に、繰上返済や投資へまとめて回している |
最初に目指すのは、退職金を減らさないことではありません。
生活を崩さず、必要な時期まで資金を持たせることです。
会社から示された額ではなく、実際に使える手取り額から始めます
退職金の通知に「2,000万円」と書かれていても、その全額を生活計画へ使えるとは限りません。
税金が差し引かれる場合があるほか、住宅ローンの返済、会社からの借入れ、すでに決めている支払いなどがあるためです。
| 最初に書く金額 | 見る資料 |
|---|---|
| 実際に振り込まれた退職金 | 預金通帳・入金明細 |
| 退職金から引かれた税額 | 退職所得の源泉徴収票 |
| 同じ時期に受け取る企業年金等 | 勤務先・企業年金からの案内 |
| 退職時に清算する借入れ等 | 会社・金融機関からの明細 |
| すでに使った金額 | 振込記録、カード利用明細 |
退職所得は、原則として退職金から退職所得控除額を差し引き、その残額の2分の1を退職所得として計算します。ただし、勤続年数が短い場合や役員退職金などでは扱いが異なることがあります。
勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、支払時に所得税等が計算・源泉徴収されるため、原則として退職所得だけを理由とする確定申告は不要です。提出していない場合は支給額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算する仕組みです。
税の扱いが分からないときは、支給額の予想ではなく、退職所得の源泉徴収票と実際の入金額を使います。
退職金を五つの封筒へ分けると、生活費に使える額が見えます
現金を本当に封筒へ入れる必要はありません。
紙の上や別口座で、用途を分けます。
| 分けるお金 | 含めるもの | 使う時期 |
|---|---|---|
| 年金開始までの生活費 | 毎月の収入では足りない分 | 退職後から年金等の収入が安定するまで |
| 退職後の税・社会保険 | 住民税、健康保険、必要な年金保険料 | 退職直後から翌年以降 |
| 生活防衛資金 | 急な医療、家電故障、冠婚葬祭、収入の遅れ | 予定外の支出が起きたとき |
| 予定している大きな支出 | 住宅修繕、車、引越し、歯科治療など | おおよその予定時期 |
| 年金開始後に残す資金 | 毎月の年金不足、介護、住み替え、一人暮らしへの備え | 長期 |
退職金1,500万円のうち、年金開始までに300万円必要で、税・保険として80万円、住宅修繕に150万円、生活防衛資金に200万円を置くなら、残りは770万円です。
この770万円を、年金開始後の不足や将来の医療・介護に使う資金として考えます。
「1,500万円もある」でも「770万円しかない」でもなく、役割の違うお金として見ることがポイントです。
年金開始までの不足額は、月数を掛ければ出せます
最初に計算するのは、生涯に必要な老後資金ではありません。
退職した翌月から、年金や再就職収入が安定するまでの橋渡し資金です。
| 項目 | 計算例 |
|---|---|
| 毎月の生活費 | 26万円 |
| 退職後も入る収入 | 配偶者の給与8万円 |
| 毎月の不足額 | 26万円-8万円=18万円 |
| 年金開始まで | 18か月 |
| 橋渡しに必要な生活費 | 18万円×18か月=324万円 |
この324万円とは別に、毎月払いではない税金、保険、車検、家電、医療費などを加えます。
同じ18か月でも、失業給付を受ける、短時間で働く、配偶者の収入があるなどの違いで、退職金から出す金額は変わります。
雇用保険の基本手当は、雇用保険に加入していた人が離職後に求職活動を行う間の生活を支える制度です。受給資格、給付日数、金額は離職理由、年齢、加入期間などによって異なるため、離職票を受け取ったらハローワークで確認します。
「退職金があるから失業給付を受けられない」と自分で判断せず、働く意思がある場合は手続きを聞いてください。
毎月の生活費は、現役時代の家計簿をそのまま使いません
退職すると、通勤や昼食代が減る一方、在宅時間が増えて光熱費や食費が上がることがあります。
旅行や趣味へ使う時間も増えます。
| 減る可能性がある支出 | 増える可能性がある支出 |
|---|---|
| 通勤交通費 | 自宅の水道光熱費 |
| 勤務日の外食・被服費 | 夫婦二人分の昼食費 |
| 仕事上の交際費 | 趣味・旅行・地域活動 |
| 給与天引きの積立て | 自分で払う健康保険料等 |
| 現役向けの支出 | 通院、歯科、住まいの修繕 |
退職前の1か月だけで決めず、退職後3か月程度の実績を取り、その平均を出します。
ただし、最初の月は送別会、旅行、家具の購入など一時的な支出が増えることがあるため、通常の生活費と分けてください。
月々の赤字には、年に数回だけ払うお金も足します
「年金が月22万円、生活費が24万円だから、不足は2万円」と計算しても、それだけでは足りないことがあります。
固定資産税、車検、家の修繕、旅行、冠婚葬祭などが入っていないためです。
| 年払い・不定期の費用 | 月額へ直す例 |
|---|---|
| 固定資産税12万円 | 月1万円 |
| 自動車税・車検等18万円 | 月1万5,000円 |
| 住宅修繕積立て24万円 | 月2万円 |
| 家電・家具12万円 | 月1万円 |
| 冠婚葬祭・帰省12万円 | 月1万円 |
毎月2万円の不足に、年払い費用の月換算6万5,000円を加えると、実際の不足は月8万5,000円です。
この差を入れずに計画すると、「予算どおり暮らしているのに、退職金の減りが早い」ということになります。
退職後の住民税は、給与がなくなっても届くことがあります
退職時に住民税を一括して支払い、「これで税金は終わった」と思う方もいます。
住民税は原則として前年の所得を基に計算されます。そのため、退職した年に給与所得があれば、翌年6月以降にその所得に対する納税通知書が届くことがあります。退職時に精算した住民税とは対象となる所得年が違い、二重払いではありません。
退職直後の予算には、次の二つを分けて入れます。
- 給与から引ききれず、退職時または後日納める住民税
- 退職した年の給与所得に対して、翌年度に課税される住民税
実際の金額と納付時期は、お住まいの自治体へ前年の所得と退職日を伝えて聞いてください。
健康保険は、前年と同じ負担額だと思わないようにします
会社の健康保険を外れた後は、一般に次の選択肢を比べます。
| 選択肢 | 主な確認先 | 金額を見るポイント |
|---|---|---|
| 退職前の健康保険を任意継続 | 加入していた健康保険 | 本人負担がいくらになるか、家族を扶養にできるか |
| 国民健康保険 | 市区町村 | 前年所得、世帯人数、減免制度 |
| 家族の健康保険の被扶養者 | 家族の勤務先・健康保険 | 収入などの認定条件を満たすか |
協会けんぽでは、退職後の健康保険として、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者という三つの選択肢を案内しています。任意継続は、退職日の翌日から20日以内の手続きが必要で、保険料は事業主負担がなくなるため、原則として退職前に本人が負担していた額の2倍程度になりますが、上限や地域等による違いがあります。
国民健康保険料は前年所得などを基に計算されるため、退職直後でも負担が軽くなるとは限りません。任意継続と国民健康保険の試算を取り、配偶者の扶養条件も含めて比べます。
60歳前に退職する場合は、国民年金保険料も予算へ入れます
20歳以上60歳未満で会社を退職し、厚生年金へ加入する会社にすぐ再就職せず、配偶者の扶養にも入らない場合は、国民年金第1号被保険者への切替えと保険料の納付が必要です。
退職によって保険料の納付が難しい場合は、失業等による特例免除を申請できる可能性があります。未納のまま放置せず、市区町村や年金事務所へ聞いてください。
本人だけでなく、本人の扶養に入っていた60歳未満の配偶者にも切替え手続きが必要になる場合があります。
年金は「だいたい月○万円」ではなく、受給開始月と見込額を出します
退職金の取り崩し計画は、年金がいつ、いくら入るかで大きく変わります。
| 確かめること | 見る理由 |
|---|---|
| 受給を始める予定月 | 橋渡し期間を月数で出すため |
| 本人の年金見込額 | 退職後の毎月収入を出すため |
| 配偶者の年金・給与 | 世帯全体の収入を出すため |
| 企業年金・個人年金 | 開始時期や受取期間が異なるため |
| 税・保険料を引いた後の見込み | 通知額と実際に使える額が同じとは限らないため |
日本年金機構の「ねんきんネット」では、今後の働き方、収入見込み、受給開始年齢などの条件を設定し、将来の年金見込額を試算できます。複数の受給パターンを保存して比較することもできます。
夫婦の場合は、それぞれが自分の見込額を出し、受給開始月が異なる期間も計算します。
二人暮らしの家計だけでなく、一人になった後も一度計算します
夫婦で受け取る年金なら生活できそうでも、どちらか一人になった後は、収入と支出の両方が変わります。
食費や光熱費は減っても、半分になるわけではありません。
| 見る時点 | 計算すること |
|---|---|
| 年金開始前 | 収入が少ない期間の月々の不足 |
| 夫婦で年金を受け取る時期 | 世帯の年金と通常生活費の差 |
| どちらかが入院・介護状態になった時期 | 医療・介護費と残った生活費 |
| 一人暮らしになった時期 | 一人分の年金、住居費、家の管理費 |
死亡後に受け取れる年金や保険は個別条件で異なります。
ここでは正確な遺族年金額を推測せず、「一人になった場合は現在の世帯収入のままではない」と分かる計算だけでもしておきます。
毎月の取り崩し上限は、退職金専用口座から定額で移します
生活費と退職金が同じ口座にあると、日常の引落しと大きな支出が混ざります。
次のように分けると、毎月いくら使ったかが見えやすくなります。
| 口座・管理枠 | 役割 |
|---|---|
| 日常生活口座 | 食費、光熱費、通信費など毎月の支払い |
| 退職金保管口座 | 長期資金を置き、日常のカードや引落しに使わない |
| 税・保険口座 | 住民税、健康保険、年金保険料などを確保する |
| 大きな支出口座 | 住宅修繕、車、医療など予定額を分ける |
毎月の不足額が8万円なら、退職金保管口座から生活口座へ毎月8万円だけ移します。
不足したたびに数万円ずつ引き出すより、「退職金から月8万円の収入を受け取る」と考えた方が、使いすぎに気づきやすくなります。
3か月ごとに実績を見て、上限額が現実と合っているかを直します。
毎月いくら使えるかは、四つの数字で計算できます
年金開始後に使える金額を、大まかに計算してみます。
| 項目 | 計算例 |
|---|---|
| 退職金の手取り | 1,500万円 |
| 年金開始前・税・保険等に確保 | 400万円 |
| 修繕・医療・緊急予備費 | 350万円 |
| 年金開始後に使える資金 | 750万円 |
| 年金生活で毎月不足する額 | 5万円 |
| 750万円で補える期間 | 150か月、約12年6か月 |
この結果だけで「12年6か月後に破綻する」と決める必要はありません。
今後の就労収入、支出の見直し、住み替え、物価、医療・介護などによって変わるからです。
ただし、毎月の不足が5万円なのか10万円なのかで、持つ期間が大きく違うことは分かります。
不足額が大きいときは、食費より先に固定費を一つ動かします
毎月10万円以上の赤字が出ている場合、食料品を細かく節約するだけでは追いつかないことがあります。
| 見直す場所 | 見ること |
|---|---|
| 住居費 | 住宅ローン、管理費、固定資産税、広すぎる家の維持 |
| 車 | 保険、税、車検、駐車場、使用頻度 |
| 保険 | 退職後も必要な保障か、重複がないか |
| 通信・定額契約 | 使っていない回線、動画、会員サービス |
| 子どもへの援助 | 老後資金を減らしてまで続ける必要があるか |
| 働き方 | 月3万円でも継続収入を得られるか |
毎月3万円の収入が増えれば、年間36万円、10年で360万円分の取り崩しを減らせます。
体力や介護事情がある場合は、無理なフルタイムではなく、続けられる勤務時間から考えます。
住宅ローンは、退職金で全部返す前に手元資金と比べます
退職金が入ると、住宅ローンを一括返済して身軽になりたいと考える方もいます。
毎月の返済がなくなる安心はありますが、手元資金が大きく減ります。
| 一括返済前に見ること | 理由 |
|---|---|
| 完済後に残る現金 | 年金開始までの生活費を確保できるか |
| 今後10年の修繕 | 屋根、外壁、設備交換などへ対応できるか |
| 医療・介護の予備費 | 借り直しが難しくなる場合があるため |
| ローン金利と残期間 | 繰上返済による効果を把握するため |
| 団体信用生命保険 | 完済によって保障も終了するため |
| 手数料・契約条件 | 金融機関ごとに異なるため |
全額返済、毎月返済額を減らす一部返済、返済せず現金を残す場合を並べます。
住宅ローンだけを消しても、税金、修繕、生活費を払えなくなれば、安心とはいえません。
退職金をまとめて投資する前に、近く使うお金を外します
退職金が普通預金にあると、「運用しないともったいない」と言われることがあります。
しかし、株式や投資信託などには元本割れのおそれがあります。金融庁も、家計管理と生活設計を考えたうえで、資金の目的に応じて預貯金と投資を使い分けるよう案内しています。
少なくとも、次のお金は投資を考える資金と分けます。
- 年金開始までに使う生活費
- 翌年の税・社会保険料
- 数年以内に予定している住宅修繕や車の費用
- 急な医療・介護に備えるお金
残った長期資金を運用する場合も、商品の仕組み、手数料、値下がりした場合の生活への影響を理解してから決めます。
「今日だけ」「退職者限定」「元本保証で高利回り」と急がせる勧誘や、知らない相手からの投資話には応じません。金融庁も、詐欺的な投資勧誘について注意を呼びかけています。
保険や金融商品は、「相談した日に契約しない」と決めておきます
退職金が振り込まれる時期には、定期預金、保険、投資信託などを勧められることがあります。
提案を受けること自体が悪いわけではありません。
ただし、一度に大きな金額を動かす前に、次を紙でもらいます。
- 何年使わないことを前提とする商品か
- 元本割れする可能性があるか
- 途中で解約した場合に戻る金額
- 購入時・保有中・解約時の手数料
- 預金、保険、投資のどれに当たるか
- 相続や税を含め、誰にどのような効果があるか
その日は持ち帰り、生活費の計算へ戻ります。
商品を選ぶ前に、「このお金は何年後に使う予定か」が答えられなければ、契約を急ぐ段階ではありません。
子どもへの援助は、残った額ではなく自分の生活を先に置きます
退職金が入ると、子どもの住宅購入、孫の教育、結婚などへ援助したくなることがあります。
家族の助けになれるのはうれしいことですが、一度渡したお金を、自分の介護が始まったときに返してもらえるとは限りません。
| 援助前に書くこと | 見る理由 |
|---|---|
| 援助後に残る退職金 | 自分たちの生活費が不足しないか |
| 年金生活の毎月赤字 | 今後も資産が減り続けるか |
| 住まいの修繕予定 | 数年後にまとまった支出がないか |
| 医療・介護の予備費 | 子どもへ再び頼らずに済むか |
| 贈与税等の扱い | 金額や方法によって税務確認が必要なため |
「今は援助できない」「一括ではなく少額にする」という答えも、親として冷たいわけではありません。
夫婦で不安の強さが違うときは、使い道ではなく最低残高から話します
一方は「元気なうちに旅行したい」と考え、もう一方は「一円でも残したい」と考えることがあります。
旅行へ行くかどうかから話すと、楽しみを優先する人と、家計を守る人の対立になります。
先に、二人が最低限残したい金額を出します。
| 先に合意すること | 例 |
|---|---|
| 年金開始までの生活費 | 350万円 |
| 税・社会保険 | 80万円 |
| 緊急予備費 | 200万円 |
| 住宅修繕 | 150万円 |
| 年金開始時に残したい額 | 700万円 |
必要額を分けた後に余裕があるなら、その中から旅行や趣味の予算を決められます。
会話は、次のように始めます。
「使うか残すかで争う前に、年金が始まるまでのお金と、家の修繕、病気の予備費を先に分けたい。その後に、二人で使える金額を決めよう」
家族が代わりに調べるときは、退職金を相続予定のお金として見ません
親の退職金が急に減っているように見え、子どもが心配する場合もあります。
ただし、退職金は親本人と配偶者の生活のためのお金です。
将来相続する予定の財産として、子どもが使い方を制限するものではありません。
一方で、次のような変化がある場合は、本人を責めずに支払いの内容を一緒に見ます。
- 短期間で何百万円も減っている
- 本人が契約内容を説明できない
- 知らない相手へ送金している
- 複数の金融商品を短期間に契約している
- 家族へ秘密にするよう言われている
- 判断力や記憶の変化も見られる
「何に使ったの」と追及するより、「退職金の残高と、今後必要なお金を一緒に表へしない?」と切り出します。
退職金の減りが早いと気づいたら、三つの順番で止めます
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1.新しい大きな契約を止める | 投資、保険、車、援助、繰上返済をいったん保留する |
| 2.直近3か月を分ける | 通常生活費、一時支出、税・保険、家族援助に分類する |
| 3.毎月の不足額を決める | 生活口座へ移す定額を決め、それ以上は家族で再検討する |
すでに生活費が足りず、税金や保険料の支払いも難しい場合は、滞納するまで待たず、自治体の税・保険窓口へ納付方法や利用可能な制度を聞いてください。
今日することは、四つの数字を一枚へ書くことです
老後の生活を何十年分も正確に予測する必要はありません。
まず次の四つを書いてください。
- 退職金の実際の手取り残高:
- 年金や再就職収入が始まるまでの月数:
- 現在の毎月の不足額:
- 今後3年以内に予定する大きな支出:
次に、毎月の不足額へ年金開始までの月数を掛けます。
そこへ退職後の税・保険と、大きな支出を足してください。
退職金の残高から、橋渡し生活費、税・保険、大きな支出、緊急予備費を引きます。残った額が、年金開始後の不足と医療・介護へ備えるお金です。
数字を出した結果、余裕があるなら、必要以上に食事や楽しみを我慢しなくて構いません。
不足が見えたなら、投資で一度に増やそうとせず、固定費、働き方、住まいを一つずつ動かします。
退職金が減ることだけを見れば、毎日の生活費さえ怖くなります。
けれども、使う目的と月額が決まっていれば、残高の減少は失敗ではなく、予定した生活費です。
今日は「使ってよいか」を決めるのではなく、「何にいくら確保すれば、安心して生活費へ回せるか」を一枚にするところから始めてください。
出典・確認先メモ
- 国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」:退職所得控除、退職所得の計算、源泉徴収、確定申告に関する確認先。
- 日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」:働き方や受給開始年齢を設定した年金見込額の確認先。
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」:60歳未満で退職した場合の切替えと失業等による特例免除に関する確認先。
- 全国健康保険協会「任意継続」:退職後の健康保険の選択肢、任意継続の期限と保険料に関する確認先。
- 横浜市「退職後の住民税は…」:退職年の給与所得に対し、翌年度に住民税が課税される仕組みの確認先。
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」:退職後に求職活動を行う人の雇用保険基本手当に関する確認先。
- 金融庁「資産形成の基本」:家計管理、生活設計、預貯金と投資の使い分け、元本割れリスクに関する確認先。
- 金融庁「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください」:退職金を狙う可能性のある投資勧誘への注意と相談窓口の確認先。


















