実家の玄関を開けた瞬間、解体費より先に片付けの量へ言葉を失います
親が亡くなったあと、誰も住まなくなった実家へ久しぶりに入る。
台所には食器と古い調理器具、押し入れには布団、二階には子どもの頃の机やアルバムが残っています。庭には物置、植木、ブロック塀もあります。
雨漏りが始まり、近所からは「屋根の一部が落ちそうですよ」と連絡が来ました。
家族で解体を考え、業者へ見積もりを頼むと、最初の会社は180万円、別の会社は260万円。なぜこれほど違うのか、書類を見ても分かりません。
「一番安い会社に頼んで大丈夫だろうか」
「工事が始まってから、追加で何十万円も請求されないか」
「親の荷物は全部こちらで片付けなければならないのか」
「解体した後、土地の税金が上がるという話は本当なのか」
見積額が大きいだけに、何を信じて決めればよいか分からなくなるのは自然なことです。
実家の解体費は、建物の広さだけでは決まりません。
何を残し、何を撤去するか。重機が敷地へ入れるか。家の中にどれだけ物があるか。石綿を含む建材や地中の古い基礎が見つかるか。こうした条件で総額が変わります。
まずは「家を壊す一式」という見積もりを、作業ごとに分けていきます。
見積もりを取る前に、解体後の土地をどうするかだけ決めます
解体を急いでいると、建物をなくすことだけを考えがちです。
しかし、売却するのか、家族が保有するのか、建て替えるのかによって、残すべき物や土地の仕上げ方が変わります。
| 解体後の予定 | 見積もり前に決めたいこと |
|---|---|
| 更地で売却する | 塀・庭木・物置をどこまで撤去するか、不動産会社にも意見を聞く |
| 建て替える | 新築業者と、既存基礎・配管・樹木を残せるか確認する |
| 駐車場等にする | 整地方法、砕石、舗装、排水まで必要か考える |
| 当面保有する | 雑草、雨水、侵入防止など解体後の管理方法を決める |
| まだ決まっていない | 建物だけの解体案と、外構を含む案を分けて出してもらう |
売却を予定しているなら、解体契約より先に不動産会社へ相談する方法もあります。
古家付きのまま買いたい人がいる可能性や、買主側で解体した方が条件を調整しやすい場合もあるからです。
「古い家だから、先に壊せば必ず売りやすくなる」とは限りません。
家族が先に確かめるのは、見積額より建物の名義です
親名義の実家を解体する場合、契約を進める前に、土地と建物の登記名義を確かめます。
親が亡くなっているのに名義がそのまま、きょうだいで相続の話がまとまっていない、土地と建物の所有者が違うといった状態では、誰の判断で解体するのかが曖昧になります。
- 土地と建物の登記事項証明書を取得する
- 建物の所有者と相続人を確かめる
- 共有者がいる場合は、解体への意向をそろえる
- 売却予定なら、相続登記を含む今後の手順を確認する
- 抵当権などの登記が残っていないかを見る
解体後には、登記された建物を登記簿から除く建物滅失登記が必要です。建物の登記状況が分からない場合は、契約前に法務局または土地家屋調査士へ確認しておくと、工事後の手続きを進めやすくなります。
きょうだい全員の気持ちがそろっていないときは、見積もりを集めるところまでにとどめ、契約は急がない方が安全です。
解体費の差は、坪単価より「見積もりに入っている範囲」で生まれます
二社の坪単価を比べても、撤去範囲が違えば安いかどうかは判断できません。
| 費用を左右する条件 | 金額が変わる理由 |
|---|---|
| 建物の構造 | 木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などで作業方法や処分物が異なる |
| 建物の大きさ | 延べ床面積だけでなく、平屋・二階建て、増築部分等でも作業が変わる |
| 道路と敷地 | 重機やトラックが入れず、手作業や小型車での運搬が増える |
| 家財の量 | 家具、布団、衣類、食器等の分別・搬出・処分が加わる |
| 外構 | 塀、門、物置、庭木、庭石、井戸、カーポート等を撤去するかで変わる |
| 石綿含有建材 | 調査、分析、飛散防止措置、分別処理等が必要になる場合がある |
| 地中の物 | 古い基礎、浄化槽、井戸、瓦、コンクリート片等が工事後に見つかることがある |
| 仕上げ方 | 粗整地、砕石敷き、舗装等で工事後の費用が変わる |
「木造30坪だからいくら」といった目安だけで予算を決めると、建物以外の工事が抜けます。
総額を比較する前に、各社が何を撤去する前提なのかをそろえます。
現地調査前に、家族が一枚にまとめておく情報があります
電話だけで概算を聞くことはできますが、正式な比較には現地調査が欠かせません。
現地調査までに、分かる範囲で次の情報を用意します。
| 伝える情報 | 分からない場合 |
|---|---|
| 建物の所在地 | 住所と地図を用意する |
| 構造・床面積・築年 | 登記事項証明書、固定資産税の書類、設計図等を見る |
| 増改築の有無 | 分かる範囲で業者へ伝え、現地で見てもらう |
| 前面道路の幅 | 業者に重機・車両の進入可否を見てもらう |
| 家財の量 | 各部屋と収納の写真を撮る |
| 庭・塀・物置等 | 残す物と撤去候補へ印を付ける |
| 井戸・浄化槽等 | 家族や近所に聞き、不明であることも伝える |
| 売却・建替え等の予定 | 未定なら、仕上げ方を複数案で出してもらう |
現地では、業者と一緒に敷地を一周し、口頭だけでなく写真へ印を付けます。
「この塀は残す」「この庭木は撤去」「隣家との境にあるフェンスは触らない」と、境界付近を特に明確にしてください。
複数社へは、同じ依頼文を渡します
一社には家財処分まで頼み、別の会社には建物だけを頼んでいれば、見積額の差は当然大きくなります。
各社へ、同じ条件を書いた依頼書を渡します。
木造二階建ての母屋を解体してください。
基礎は撤去し、土地は粗整地までを希望します。
物置・カーポート・門扉は撤去、道路側の塀と境界フェンスは残します。
家財は別項目で見積もってください。
石綿事前調査、届出、養生、廃材処分、重機回送を含めた総額と、追加費用になる条件を記載してください。
少なくとも、建物本体だけの金額と、それ以外の金額を分けてもらいます。
| 見積もり条件 | 各社でそろえる内容 |
|---|---|
| 建物 | 母屋、増築部分、倉庫など対象を明記する |
| 基礎 | 全部撤去か、一部を残すか |
| 家財 | 家族撤去か、業者処分か、別料金か |
| 外構 | 塀、門、樹木、庭石、物置等を一つずつ指定する |
| 地面の仕上げ | 粗整地、砕石、舗装など |
| 手続き | 石綿調査、建設リサイクル法届出等の費用と担当 |
| 追加工事 | 追加の条件、単価、承認方法 |
見積書の「解体工事一式」は、項目ごとに書き直してもらいます
一式と書かれた見積書では、何が抜けているのか判断できません。
| 見積書に分けてほしい項目 | 見るところ |
|---|---|
| 仮設工事 | 足場、養生シート、散水、防音・防じん対策 |
| 建物解体 | 構造、面積、増築部分を含むか |
| 基礎撤去 | 基礎・土間・地中梁の範囲 |
| 廃材の運搬・処分 | 木くず、コンクリート、金属等の処理を含むか |
| 家財・残置物 | 対象となる部屋、量、家電や危険物の扱い |
| 外構撤去 | 塀、門、樹木、庭石、物置等を個別に記載する |
| 石綿関連 | 事前調査、分析、除去・処分が別項目か |
| 整地 | 土をならすだけか、砕石や土の追加まで含むか |
| 申請・届出 | 誰が何を行い、費用に含むか |
| 諸経費・消費税 | 現場管理、車両、交通、税を含む最終総額 |
「廃材処分込み」と書かれていても、家の中の家具や衣類まで含むとは限りません。
一式のまま契約せず、対象と数量が分かる明細を受け取ります。
親の荷物は、解体業者へ全部任せる前に三つへ分けます
家財が多い実家では、片付けが解体そのものより重く感じられます。
すべてを家族で運び出す必要はありませんが、建物と一緒に何でも処分できるわけでもありません。
| 分け方 | 具体例 | 行動 |
|---|---|---|
| 家族が残す物 | 通帳、権利書、印鑑、写真、手紙、貴金属、形見 | 最初に別の場所へ移す |
| 処分方法を個別に聞く物 | 家電、消火器、金庫、灯油、農薬、医薬品等 | 自治体や販売店、業者へ処分方法を確認する |
| 業者へ見積もりを頼む物 | 家具、布団、食器、衣類など | 量が分かる写真と部屋数を提示する |
見積もり後に家財が増減した場合、金額がどう変わるかも聞いておきます。
「トラック一台分」だけでは量が分かりにくいため、どの部屋のどの物まで含むかを写真で残すと認識違いを減らせます。
残す物へ印を付けないと、必要な設備まで撤去されることがあります
建物の周囲には、解体後も使う可能性がある物があります。
- 隣地との境界フェンス
- 土地の境界標
- 水道管やメーター
- 新築で使う予定の樹木
- 道路側の塀や門柱
- 井戸
- 物置やカーポート
- 浄化槽
現場では、残す物へテープや表示を付け、契約書にも記載します。
境界標がなくなれば、土地を売却・建築するときに境界の確認が必要になる可能性があります。
業者へ「気を付けてください」と言うだけではなく、撤去対象図や現場写真に残してください。
アスベストは「見つかったら考える」ではなく、見積もり段階で調べ方を聞きます
建築物の解体工事では、工事前に石綿を含む建材の有無を調べる必要があります。建築物の事前調査は、必要な資格を持つ調査者等が行います。石綿がない場合も、調査そのものが不要になるわけではありません。
床面積の合計が80平方メートル以上となる建築物の解体工事では、事前調査結果を行政へ報告する対象になります。
| 業者へ聞くこと | 見積書で確かめること |
|---|---|
| 誰が事前調査を行うか | 資格を持つ調査者名や調査会社 |
| 調査費用はいくらか | 書面調査・現地調査・分析費を分ける |
| 分析が必要になる条件 | 何検体を想定し、追加単価はいくらか |
| 石綿が確認された場合 | 除去・飛散防止・処分費を再見積もりする方法 |
| 結果を受け取れるか | 調査結果と行政への報告内容を保管する |
「古い家だから必ず高額になる」「見た目で石綿はないと分かる」といった説明だけで判断しません。
調査費が当初見積もりに含まれるか、石綿が見つかった場合に工事を一度止めて再見積もりを出すかを契約前に決めます。
地中埋設物は、工事前にすべて見つけられないことがあります
建物と基礎を撤去したあと、地中から古い浄化槽、井戸、過去の建物の基礎、瓦、コンクリート片などが見つかる場合があります。
こうした地中物は見積もり時に確認できないことがあるため、追加費用の扱いを契約書へ入れます。
| 追加費用について決めること | 契約書へ入れたい内容 |
|---|---|
| 追加工事を始める条件 | 家族の承認を得るまで撤去しない |
| 現物の確認 | 写真、場所、大きさを家族へ報告する |
| 費用の計算 | 重機、運搬、処分等の内訳を示す |
| 上限の決め方 | 一定額を超える場合は再契約・変更契約を行う |
| 残す選択肢 | 土地利用に支障がない場合も含め、撤去の必要性を説明する |
法務省も、地中にある古い基礎、コンクリート片、瓦などの建築資材、古い水道管、浄化槽、井戸などを、土地の管理や処分へ影響し得る地下の物の例として挙げています。
地中物が見つかった場合は、その場で撤去せず、写真・寸法・追加見積もりを家族へ送ってください。
家族が書面で承認した後に追加工事を行うものとし、口頭だけでの追加発注は行いません。
重機が入れない実家は、建物が小さくても高くなる場合があります
現地調査では、家の大きさだけでなく、道路や隣家との距離を見てもらいます。
| 現場条件 | 費用へ影響する理由 |
|---|---|
| 前面道路が狭い | 大型車両を使えず、小型車で何度も運ぶ |
| 敷地へ重機が入れない | 手作業や小型重機の作業が増える |
| 隣家との間が狭い | 養生や慎重な手壊しが必要になる |
| 電線・電柱が近い | 重機の動きや車両の出入りが制限される |
| 高低差がある | 搬出経路や仮設工事が増える |
| 交通量が多い | 誘導員や道路使用に関する対応が必要になる場合がある |
現地調査をせず、電話や写真だけで非常に安い金額を出す業者には、どの現場条件を想定しているかを聞いてください。
正式見積もりでは、車両、重機、養生、誘導員などの費用が含まれているかを見ます。
近所への配慮も、見積もりに含まれる工事の一部です
解体工事では、音、振動、ほこり、工事車両の出入りが発生します。
近所への挨拶を家族がするのか、業者が説明資料を持って回るのかを事前に決めます。
- 挨拶する範囲
- 工事予定期間と作業時間
- 緊急時の連絡先
- 車両の駐車・通行方法
- 散水、防音、防じんの方法
- 隣家の外壁や塀の工事前写真
工事前に隣家との境や外壁を写真で残しておくと、工事後に傷やひびを指摘された場合も状況を比べやすくなります。
石綿を扱う解体等工事について、環境省は、事前調査結果の掲示や、発注者・元請業者・近隣との情報共有を含む飛散防止対策を案内しています。
安い会社ではなく、追加条件を説明できる会社を選びます
見積額が低いことだけで、悪い業者とはいえません。
自社で重機や処分経路を持ち、効率よく施工できる会社もあります。
一方、金額は安くても、処分費、養生、石綿調査、外構などが後から追加されるなら、最終的に高くなるかもしれません。
| 比較する点 | 見る内容 |
|---|---|
| 許可・登録 | 解体工事を行うために必要な建設業許可や解体工事業登録を確認する |
| 現地調査 | 建物内、庭、境界、道路まで見ているか |
| 見積書 | 工事項目、数量、撤去範囲が分かるか |
| 石綿への対応 | 調査者、報告、追加工事の流れを説明できるか |
| 追加工事 | 家族の承認前に勝手に進めない契約になっているか |
| 近隣対応 | 挨拶、養生、苦情窓口が決まっているか |
| 工事後 | 完了報告、写真、必要書類を渡すか |
解体工事業を営む事業者には、工事の規模や許可の状況に応じて、建設業許可または都道府県の解体工事業登録が必要です。国土交通省の企業情報検索システムや、許可・登録を所管する行政窓口で確認できます。
見積書に記載された会社と、実際に工事を管理する会社が同じかも尋ねてください。
契約書には、工事範囲と追加料金の止め方を残します
口頭の約束だけでは、担当者が変わったときや、工事中に問題が起きたときに確認できません。
| 契約書で見る項目 | 書いてほしい内容 |
|---|---|
| 解体対象 | 建物、基礎、外構、家財等の範囲 |
| 残す物 | 境界フェンス、樹木、水道設備等 |
| 工事金額 | 消費税を含む総額 |
| 工期 | 着工日、完了予定日、延長時の連絡 |
| 追加工事 | 書面承認、変更見積書、単価 |
| 支払い | 前金、中間金、完了後の支払い時期 |
| キャンセル | 契約後の解約条件と費用 |
| 損害への対応 | 隣家や残す設備を破損した場合の連絡・補償 |
| 工事後の書類 | 完了写真、石綿調査結果、各種報告書等 |
特に、追加工事は「必要に応じて別途」とだけ書かせず、連絡・見積もり・承認の順番を決めます。
工事前に全額支払いを求められた場合は、なぜその条件なのか、工事が中止・延期になった場合の返金条件も聞いてください。
80平方メートル以上の解体では、建設リサイクル法の届出も確かめます
コンクリートや木材などの特定建設資材を用いた建築物で、解体する床面積の合計が80平方メートル以上の場合は、建設リサイクル法の対象となります。発注者または自主施工者は、原則として工事着手の7日前までに届出を行います。
業者が書類作成や提出を手伝う場合もありますが、発注者側の手続きが何もないとは限りません。
| 契約前に聞くこと | 確かめる内容 |
|---|---|
| 届出の対象か | 床面積、構造、使用建材を基に判断しているか |
| 誰が書類を作るか | 業者が作成する範囲と家族が用意する物 |
| 誰が提出するか | 代理提出の場合に委任状等が必要か |
| 費用 | 見積額に手続き費用が含まれているか |
| 提出後の控え | 発注者も届出書等を保管できるか |
届出先は地域によって異なるため、建物所在地を所管する自治体へ確認します。
水道・電気・ガスは、すべて同じ日に止めるわけではありません
ライフラインを早く止めすぎると、工事前の片付けや散水に支障が出ることがあります。
業者と相談し、誰が、いつ、どこへ連絡するかを決めます。
| 設備 | 確認したいこと |
|---|---|
| 電気 | 停止日、引込線や電気設備の撤去手配 |
| ガス | 閉栓、メーター・配管等の扱い |
| 水道 | 工事中に散水で使うか、メーターを残すか |
| 電話・通信 | 引込線や機器の撤去 |
| 浄化槽 | 清掃、くみ取り、撤去・埋め戻し |
| 井戸 | 残すか、埋めるか、土地利用への影響 |
「業者が全部連絡すると思っていた」「水道を止めたため散水用に別費用がかかった」といった行き違いを避けるため、契約書または工程表へ担当を記載してもらいます。
自治体の解体補助金は、契約や着工の前に調べます
危険な空き家や老朽住宅の除却に対し、市区町村が補助制度を設けている場合があります。対象となる建物、所有者の所得、耐震性、空き家となった期間など、条件は地域ごとに異なります。
多くの補助制度では、申請前に契約・着工すると対象外になる可能性があります。
- 建物所在地の市区町村に解体・除却補助があるか
- 申請できる所有者・相続人は誰か
- 現地調査や老朽度判定が必要か
- 契約前の申請が必要か
- 対象業者の条件があるか
- 家財処分・外構・石綿費用も対象か
- 年度内の工事完了期限があるか
インターネットで昨年度の制度を見つけても、今年度は受付終了や条件変更となっている場合があります。
候補業者を決める前に、自治体の空き家担当窓口へ直接聞いてください。
解体すると、土地の固定資産税の扱いが変わる可能性があります
住宅の敷地には、条件を満たすと土地の固定資産税等の課税標準を軽減する住宅用地特例があります。小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が価格の6分の1となる仕組みです。
建物を解体し、翌年1月1日時点で住宅の敷地ではなくなれば、土地の利用状況に応じて特例が適用されなくなり、土地の税負担が変わる可能性があります。
一方、危険な空き家を放置して自治体から空家法に基づく勧告を受けた場合も、住宅用地特例の対象外となることがあります。
「税金が上がるから壊さない」「年末までに壊した方がよい」と一律には決められません。
| 解体前に聞くこと | 問い合わせ先 |
|---|---|
| 解体後の土地の固定資産税見込み | 市区町村の固定資産税担当窓口 |
| 解体する時期による違い | 市区町村の固定資産税担当窓口 |
| 売却時の譲渡所得や特例 | 税務署、税理士等 |
| 危険空き家としての指導状況 | 市区町村の空き家担当窓口 |
解体費だけでなく、解体後に保有する期間の税金・草刈り・防犯対策も含めて考えます。
工事完了時は、建物が消えたことだけで終わりにしません
工事後は、家族が現地を見てから最終支払いを行う方が、残す約束だった物や土地の状態を確認しやすくなります。
- 建物と基礎が契約どおり撤去されているか
- 残す塀、境界標、水道設備等が残っているか
- 大きなコンクリート片や廃材が地表に残っていないか
- 土地が契約した方法で整地されているか
- 隣地や道路に損傷・汚れがないか
- 追加工事の内容と金額が変更契約どおりか
- 完了写真や調査・届出関係の書類を受け取ったか
その後、登記された建物について建物滅失登記を進めます。本人申請のほか、表示に関する登記を扱う土地家屋調査士へ依頼する方法があります。
自治体の家屋担当部署への連絡、火災保険の解約、郵便物や住所関係の手続きなども、家族内で担当を決めてください。
費用が用意できないときは、安い見積もりへ飛びつく前に工事範囲を分けます
解体費用が予算を超えた場合は、必要な工事まで無理に削るのではなく、今行う工事と後で行う工事を分けられるか考えます。
| 考え方 | 業者・自治体へ聞くこと |
|---|---|
| 家財を家族で一部片付ける | どの程度減らせば処分費が下がるか |
| 外構を一部残す | 土地利用や安全に支障がないか |
| 庭木・庭石を別工事にする | 重機が入る今回に撤去した方が安い物はないか |
| 自治体の補助を使う | 契約前に必要な申請と対象費用 |
| 古家付き売却も比較する | 解体前後の手取り額を不動産会社へ試算してもらう |
| 危険部分を先に応急対応する | 解体まで安全を保つ方法と費用 |
分割払いや支払時期は業者ごとに異なります。支払い条件だけでなく、工事の進捗と支払いのタイミングが合っているかも見てください。
きょうだいで費用を分けるなら、契約前に四つだけ書いておきます
見積もりを集めた人、現地へ通った人、費用を立て替える人が別だと、「なぜこの業者にしたのか」「勝手に高い工事を頼んだ」と後からもめることがあります。
| 家族で決めること | 書いておく内容 |
|---|---|
| 契約を決める人 | 誰が業者と契約し、変更を承認するか |
| 費用の負担 | 相続分とは別に誰がいくら負担・立て替えるか |
| 残す物 | 形見や書類を誰が引き取るか |
| 解体後の土地 | 売却、保有、建築等をどう進めるか |
家族へ見積書を送るときは、総額だけでなく、各社の工事範囲と追加条件も添えます。
費用を出さない家族にも、解体と土地処分への意向を確認しておく方が、その後の手続きを進めやすくなります。
今日するのは、解体業者を決めることではなく撤去範囲を一枚にすることです
実家の解体を考え始めると、業者探し、家財処分、相続、売却、税金が一度に押し寄せます。
今日は、実家の外観写真または簡単な敷地図を用意してください。
その上へ、三つの印を付けます。
- 赤:必ず撤去したい物
- 青:残したい物
- 黄:費用を見て決めたい物
建物、物置、塀、庭木、庭石、カーポート、井戸などを一つずつ分けます。
家の中は、各部屋を撮影し、「家財処分あり」と分かるようにします。
同じ資料を二社以上へ渡し、次の一言を添えてください。
「総額だけでなく、含まれない工事と追加費用になる条件を書いてください」
安い業者を急いで探すより、同じ条件で比べられる見積書を作る方が、解体後の後悔を減らせます。
実家を壊す決断には、費用だけでなく、親との思い出を手放すつらさもあります。
一日で全部決めなくて構いません。
まずは残す物と撤去する物を分け、見えない追加費用を見える言葉にするところから始めてください。
出典・確認先メモ
- 国土交通省「建設リサイクル法」:対象工事の分別解体、発注者による事前届出、解体工事業者の登録制度。
- 大阪府「建設リサイクル法に基づく届出」:床面積80平方メートル以上の建築物解体と、工事着手7日前までの届出。
- 環境省「石綿事前調査結果の報告について」:解体工事前の石綿事前調査、一定規模以上の工事における結果報告。
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」:解体業者の建設業許可等を確認するための情報。
- 国土交通省「空き家対策特設サイト」:自治体による空き家解体・除却補助制度の確認。
- 国土交通省「空き家対策・固定資産税」:住宅用地特例と、管理不全空家・特定空家への対応。
- 法務局「建物を取り壊した」:建物滅失登記の申請方法と確認先。


















