久しぶりに帰った実家で、隣の方から声をかけられます
親が施設へ入ってから、実家へ行けるのは二、三か月に一度。
梅雨が明けたころに帰省すると、門を開ける前から庭の変化に気づきます。
腰ほどの高さまで雑草が伸び、庭木の枝は塀を越えています。つる植物は雨どいへ絡み、落ち葉が隣家の駐車場へたまっています。
荷物を下ろしていると、隣の方から声をかけられます。
「枝がこちらまで伸びてきていて……」
「雨どいに葉が詰まりそうなんです」
「虫も増えてきたので、何とかしてもらえませんか」
強く責められたわけではなくても、申し訳なさで胸が詰まります。
親の通院や施設の手続きだけでも精いっぱい。仕事や自分の家庭もあり、毎月庭の手入れに帰ることはできません。
それでも、「実家のことなのだから、子どもの自分が何とかしなければ」と思うでしょう。
一方で、庭木は親が何十年も育ててきたものです。勝手に切れば怒るかもしれません。費用をきょうだいへ相談しても、「近くに住んでいる人がやればいい」と言われるかもしれません。
庭が荒れている問題には、草木だけでなく、親の思い、家族の役割、近所との関係、家を今後どうするかという複数の問題が重なっています。
まずは、それらを一日で全部解決しようとしないことです。
庭全体ではなく、「今すぐ」「今季中」「後回し」に分けます
| 優先度 | 庭の状態 | 最初の対応 |
|---|---|---|
| 今すぐ動く | 枯れ木や太い枝が道路・隣家側へ傾いている | 近づかず、剪定・伐採業者へ状態を伝える |
| 今すぐ動く | 枝が電線へ触れている、または近づいている | 自分で切らず、電力会社や専門業者へ連絡する |
| 今すぐ動く | 道路標識、カーブミラー、歩道、車の視界をふさいでいる | 通行部分の安全確保を優先する |
| 早めに動く | 枝やつるが隣家へ越境している | 写真を撮り、近所へ対応予定を伝えて剪定する |
| 早めに動く | 枯れ草、落ち葉、害虫の発生が目立つ | 境界沿いと建物周辺から除草・回収する |
| 今季中に行う | 庭全体の雑草が高く伸びている | まず一度刈り、次回の時期を決める |
| 後回しにできる | 庭の形が整っていない、花壇が荒れている | 安全上の問題がなければ急いで整えない |
| 後回しにできる | 親が残した植木鉢や庭石が多い | 親や家族と今後の扱いを話してから決める |
空き家や空き地を適切に管理しないと、庭木のはみ出し、害虫、悪臭、防犯上の問題などが周囲へ影響することがあります。国土交通省も、活用や除却をすぐに行わない空き家について、庭木を含む定期的な管理を促しています。
ただし、「庭が美しく見える状態」と「近所へ危険や迷惑を広げない状態」は同じではありません。
まず後者を目標にすれば、すべての草木を一度に処分する必要はなくなります。
最初の帰省では、草を刈る前に写真を撮ります
近所から連絡を受けると、すぐ作業を始めたくなります。
その前に、日付が分かる状態で次の場所を撮影してください。
- 道路から見た家と庭の全体
- 隣家との境界沿い
- 道路や歩道へ出ている枝
- 倒れそうな木、折れかけた枝
- 雨どい、屋根、外壁へ絡んだつる
- 害虫や巣が見つかった場所
- 作業車を停められる場所
- 門から庭へ入る通路の幅
写真は、家族へ状況を説明するときや、業者へ見積もりを頼むときに役立ちます。
近所から「以前から何度も伝えていた」と言われた場合も、いつ何が起きていたかを感情だけで話さず、現在の状態から対応を決めやすくなります。
隣家側の状態を撮るために、無断で敷地へ入ることは避けてください。隣家からしか見えない場所は、住人へ事情を話し、必要なら写真を見せてもらいます。
近所から連絡が来たら、言い訳より対応予定を伝えます
遠方に住んでいることや、親の介護で手が回らないことには事情があります。
しかし、近所の方が知りたいのは、家族が大変な理由より、「この枝や雑草がいつどうなるか」です。
| 避けたい返答 | 伝わりやすい返答 |
|---|---|
| 「こちらも介護で大変なんです」 | 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。まず越境した枝を今月中に手入れします」 |
| 「気づいたときに切ってください」 | 「こちらで業者を手配します。隣地へ入る必要がある場合は事前にご連絡します」 |
| 「父が切らせてくれないので無理です」 | 「所有者である父とも話し、安全に関わる部分から対応します」 |
| 「次に帰ったとき見ます」 | 「○日までに現地確認を依頼し、その後の予定をご連絡します」 |
| 「そんなに迷惑になっていますか」 | 「特に困っている場所を教えていただけますか。優先して見ます」 |
すぐに作業日を確定できない場合も、「三日以内に業者へ連絡する」「一週間以内に予定を返す」など、次の連絡日を伝えます。
近所へ謝ったからといって、相手の求める作業をすべて引き受ける必要はありません。
実家側の草木が原因なのか分からないことや、境界の認識が違う場合は、現地を見てから回答します。
苦情の内容を、場所と被害へ置き換えます
| 近所の言葉 | 具体的に聞くこと |
|---|---|
| 「木が迷惑です」 | どの木の、どの枝が、どこまで出ているか |
| 「落ち葉で困っています」 | 雨どい、駐車場、排水口など、特に困る場所はどこか |
| 「虫が増えました」 | どの虫を、いつ、どこで見たか |
| 「危ないです」 | 倒木、枝折れ、通行妨害、見通しなど、何が危ないか |
| 「前から言っています」 | 以前は誰へ、どのような内容を伝えたか |
「迷惑」という言葉だけを受け取ると、庭全体を作り直さなければならないように感じます。
道路側の一本、境界沿いの二メートル、雨どいへ落ちる枝というように場所へ置き換えると、最初の作業範囲が決まります。
最初の作業は、境界・道路・建物周りへ絞ります
庭全体の草刈りが難しい場合は、次の順番で範囲を区切ります。
- 隣家との境界から内側へ一メートルほど
- 道路や歩道へ面した部分
- 玄関から家へ入る通路
- 給湯器、室外機、メーター周辺
- 建物の基礎や外壁へ接している草木
- 雨どい、屋根、窓へ届く枝やつる
- 枯れ草や落ち葉がたまった場所
この範囲だけでも、隣家への越境、通行の妨げ、設備点検のしにくさを減らせます。
一日で終わらなければ、「今回は境界と道路側」「次回は家の裏」というように分けて構いません。
自分でできる作業と、業者へ渡す作業を分けます
| 作業 | 自分で行える目安 | 業者へ頼みたい状態 |
|---|---|---|
| 草取り | 狭い範囲で、足元が平ら | 庭全体、腰以上の高さ、傾斜や障害物がある |
| 草刈り | 機械の扱いに慣れ、安全な空間がある | 石、金属、ガラスが隠れている、道路や隣家が近い |
| 低い枝の剪定 | 地面に立ったまま切れる細い枝 | 脚立、高所、太い枝、建物や隣家側へ倒れる枝 |
| 伐採 | 小さな低木で周囲に十分な空間がある | 幹が太い、高木、傾いている、電線や建物が近い |
| つるの除去 | 低い塀や地面に広がったもの | 屋根、雨どい、電線へ絡んでいる |
| 蜂などの巣 | 種類や安全が判断できないなら触らない | 専門の駆除業者や自治体の案内を利用する |
| 枝葉の処分 | 自治体の分別・量の範囲で出せる | 大量、太い幹、運搬車が必要 |
脚立に乗り、のこぎりや刈払機を扱う作業は、短時間でも転倒や飛散物の危険があります。
久しぶりの帰省で疲れているときや、一人で作業するときは、無理に庭全体を仕上げないでください。
電線に近い枝は、自分で切らないようにします
電線へ触れている枝や、倒れれば電線へ届きそうな木を見つけた場合は、枝へ触れず、管轄の電力会社や専門業者へ状況を伝えます。
庭木の所有者側で手配する作業であっても、停電や感電の危険があるため、通常の草刈りと同じようには扱えません。
連絡時には、住所、木の位置、電線との距離が分かる写真を用意します。
台風の直前に初めて相談すると作業が間に合わないことがあるため、枝が接触する前の段階で伝えてください。
越境した枝は、「隣の人に切ってもらえばよい」で終わらせません
実家の木の枝が隣地へ越えている場合は、まず所有者・管理者側で切除を手配するのが基本です。
現在の民法では、越境した枝について、隣地の所有者が竹木の所有者へ切除を求めたのに相当期間内に切られない場合、所有者や所在地を知ることができない場合、急迫の事情がある場合などに、隣地側で切り取れる規定があります。ただし、実際に要件を満たすか、費用や作業方法をどう扱うかは個別事情によります。
近所から枝を切ってほしいと言われたときに、「法律ではそちらでも切れる」と返すと、関係がこじれるおそれがあります。
まず実家側で現地を見て、切る範囲、隣地へ入る必要、作業日を調整します。
すでに隣家が枝を切っていた場合も、責める前に、いつからどの程度越境し、どのような連絡があったかを確かめてください。
隣家へ入らなければ切れないときは、作業日を先に伝えます
枝の落下を防ぐため、業者が隣家の敷地から作業した方が安全な場合があります。
そのときは、業者へ任せきりにせず、実家側から隣家へ連絡します。
伝える内容は次のとおりです。
- 作業予定日とおおよその時間
- 敷地へ入る必要がある理由
- 入る作業員の人数
- 車両や機材を置く場所
- 植木鉢や車など、移動をお願いしたい物
- 枝葉の清掃を誰が行うか
- 雨天時の延期方法
口頭で了承を得た場合も、日付と話した内容をメモしておきます。
親が住んでいる実家なら、庭を全部なくす提案から始めません
高齢の親が一人で住んでいる場合、庭の手入れができなくなっていても、木や花への思いは残っています。
「もう世話できないのだから全部切る」と言われれば、親は家や暮らしそのものを取り上げられるように感じるかもしれません。
| 避けたい伝え方 | 話しやすい伝え方 |
|---|---|
| 「庭が近所迷惑になっているよ」 | 「塀を越えた二本の枝について、隣の方が困っているみたい」 |
| 「もう管理できないでしょう」 | 「残したい木と、小さくしてよい木を一緒に決めたい」 |
| 「全部業者に切ってもらう」 | 「今回は道路側と隣家側だけ、安全な高さまで整えない?」 |
| 「お金がかかるから木をなくす」 | 「今後の手入れを少なくするため、数を減らす方法も考えたい」 |
| 「苦情が来たから仕方ない」 | 「お父さんが大事にしている木は残しながら、危ない部分を直したい」 |
親が判断し、意思を伝えられる状態なら、残す木、低くする木、伐採する木を一緒に決めます。
認知機能の低下などで話が難しい場合も、以前大切にしていた植物や家族の記憶を踏まえ、必要以上に庭を変えない方法から考えます。
親が施設や病院にいても、子どもの家になったわけではありません
親が実家を離れていても、家や庭の所有者が親である場合、子どもだから自由に大木を伐採したり、庭石を処分したりしてよいとは限りません。
日常的な除草や危険な枝への対応と、庭の形を大きく変える作業は分けて考えてください。
- 親本人の同意を得られるか
- 誰が業者との契約者になるか
- 費用を親のお金から支払ってよいか
- きょうだいへ共有すべき規模の作業か
- 伐採後の木材や庭の物をどう扱うか
親の判断能力が低下し、契約や財産管理の方法が定まっていない場合は、庭全体を作り替えるような高額工事を急がず、まず危険を抑える最小限の作業について、地域包括支援センターや関係する支援者へ状況を伝えます。
親が亡くなった後の実家は、作業を頼む人を先にそろえます
相続手続きが終わっていない実家では、きょうだいの一人だけが庭の処分を進めると、後から意見が割れることがあります。
近所への危険を止める作業は早めに進める必要がありますが、思い出の木を伐採する、庭石を処分する、庭全体を更地にするといった作業は別です。
| すぐ共有したいこと | 家族で決める内容 |
|---|---|
| 近所からの連絡 | 誰が窓口になり、いつ返答するか |
| 危険な木や越境枝 | 安全確保として先に作業してよい範囲 |
| 見積もり | 何社から取り、誰が発注するか |
| 費用 | 遺産、立替え、きょうだい分担のどれにするか |
| 大規模な伐採・処分 | 家の売却や活用方針と一緒に決めるか |
緊急の剪定費用を一人が立て替えた場合も、領収書、作業前後の写真、依頼理由を残します。
業者へは「庭をきれいに」ではなく作業範囲を伝えます
「実家の庭が荒れているので、きれいにしてください」と依頼すると、業者ごとに想定する仕上がりが違い、見積もりを比べにくくなります。
次の順番で伝えてください。
- 実家の住所
- 現在、誰か住んでいるか
- 最優先の場所
- 草のおおよその高さと範囲
- 剪定または伐採したい木の本数
- 隣地や道路へ越境している枝の有無
- 電線、屋根、塀との距離
- 車両を停められる場所
- 枝葉や草の処分を含めるか
- 立会いができるか
電話では、次のように頼めます。
「遠方にある実家の庭です。今回は庭全体を整えるのではなく、隣家へ出た枝、道路側の草、建物へ絡んだつるを優先したいです。作業前後の写真と、枝葉の処分を含む見積もりをお願いします」
見積もりは、作業代だけでなく処分と再訪まで見ます
| 見積もり項目 | 聞くこと |
|---|---|
| 草刈り・除草 | 面積、草丈、手作業と機械作業の範囲 |
| 剪定 | 木の本数、高さ、切る位置 |
| 伐採・抜根 | 根まで取るか、切り株を残すか |
| 高所・危険作業 | 脚立、高所作業車、電線付近などの追加費用 |
| 枝葉の処分 | 運搬費と処分費が含まれるか |
| 駐車・交通 | 遠方出張、駐車場、高速代など |
| 作業前後の連絡 | 写真報告、近所へのあいさつを頼めるか |
| 次回管理 | 一回のみか、定期契約か |
| キャンセル | 雨天延期や立会い不可の場合の扱い |
金額だけでなく、どこまで切るかを写真や書面でそろえて比較します。
極端に安い見積もりでは、枝葉の処分、隣家側の清掃、作業後の写真が含まれていない場合があります。
現地へ行けない場合は、作業前後の写真を条件にします
遠方に住んでいると、業者の作業日に立ち会えないことがあります。
その場合は、次の方法を依頼できるか聞いてください。
- 作業前に、切る木や範囲へ印を付けた写真を送る
- 追加作業が必要な場合は、着手前に連絡する
- 境界沿い、道路側、建物周辺の作業後写真を送る
- 近所から話しかけられた場合、内容を家族へ伝える
- 門や家の施錠状態を作業後に報告する
- 請求書へ作業内容を具体的に記載する
国土交通省も、遠隔地などで自分による空き家管理が難しい場合には、空き家管理業者や修繕業者の利用を選択肢として示しています。
草刈り業者以外にも頼める場所があります
| 依頼先 | 向いている作業 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 造園・剪定業者 | 庭木の剪定、伐採、庭全体の管理 | 高木、越境枝、処分まで対応するか |
| 草刈り・便利業者 | 雑草、落ち葉、低木など比較的軽い作業 | 保険、機械作業、処分方法 |
| 空き家管理業者 | 定期巡回、庭、換気、郵便、外観確認 | 緊急時の連絡と庭作業の範囲 |
| シルバー人材センター | 地域や作業内容に応じた除草・軽作業 | 高木や危険作業に対応できるか |
| 森林・樹木の専門業者 | 大木、傾斜地、倒木リスクのある木 | 伐採方法、重機、周辺への安全対策 |
自治体によっては、所有者が自分で除草・剪定できない場合の依頼先として、地域のシルバー人材センターなどを案内しています。自治体が直接作業する制度とは限らないため、費用と対応範囲は依頼先へ確かめてください。
近所の方へ草刈りを頼み続ける形にはしない方が安心です
親しい隣人から、「うちの側だけなら切っておきますよ」と言われることがあります。
ありがたい申し出でも、作業中のけが、木や塀の破損、切る範囲の認識違いが起きたときに関係が難しくなることがあります。
落ち葉を掃いてもらった程度ならお礼を伝え、今後の剪定や伐採は所有者側で手配します。
隣家側からしか作業できない枝についても、業者を通し、立入りと作業範囲を事前に合意する方が安全です。
自治体へ連絡すれば、私有地の草木を必ず切ってもらえるわけではありません
私有地の雑草や樹木は、原則として所有者や管理者が対応するものです。自治体によっては所有者へ管理を求める連絡や、相談窓口、事業者情報の案内を行う場合がありますが、自治体が直ちに敷地へ入り、除草や伐採をするとは限りません。
次のような場合は、実家のある自治体の空き家、環境、道路などの担当窓口へ状況を伝えます。
- 道路や歩道の通行へ影響している
- 危険な木が公共空間へ倒れそう
- 自治体から文書や連絡が届いた
- どの部署へ相談すればよいか分からない
- 地域で利用できる管理支援や相談先を知りたい
自治体から連絡を受けたときは、すぐ作業できなくても放置せず、「現地確認日」「見積もり依頼日」「作業予定」を返します。
一度刈って終わりにすると、翌年また同じ連絡が来ます
雑草や枝は、一度きれいにしても再び伸びます。
遠方の実家では、作業日だけでなく「次に見る日」を決めてください。
| 時期・きっかけ | 見る場所 |
|---|---|
| 草が伸びやすい時期の前後 | 境界、道路、建物周辺 |
| 台風や強風の前 | 枯れ枝、傾いた木、屋根へ届く枝 |
| 台風や大雪の後 | 折れた枝、倒木、塀や雨どいの損傷 |
| 落葉の多い時期 | 隣家側、排水口、雨どい |
| 親の入院・施設入所後 | 庭だけでなく郵便、換気、漏水、戸締まり |
| 近所から連絡があった後 | 伝えられた場所と周辺 |
空き家の管理責任は、庭の見た目だけに限りません。周辺へ悪影響を及ぼす前から適切に管理することが求められており、管理状態によっては自治体の指導対象となる可能性もあります。
定期管理は、毎月すべてを整える契約でなくても構いません
費用を抑えたい場合は、必要な作業を分けます。
| 管理方法 | 内容の例 |
|---|---|
| 巡回だけ | 外観、枝の越境、倒木、郵便、施錠を写真で報告 |
| 草刈りを年数回 | 境界、道路、建物周辺を中心に刈る |
| 剪定を必要時のみ | 高木や越境枝が伸びた段階で依頼する |
| 家族の帰省と併用 | 家族が軽作業をし、危険作業だけ業者へ渡す |
| 近所からの連絡窓口を一本化 | 代表者一人が連絡を受け、業者と家族へ共有する |
「年間管理」と言われても、草刈りや剪定が別料金の場合があります。
巡回回数だけでなく、異常発見後にどこまで動いてもらえるかを聞きます。
きょうだいには、庭の写真と選択肢を一緒に送ります
「庭が大変だから協力して」と連絡しても、遠くにいるきょうだいには状況が伝わりにくいものです。
写真とともに、選択肢を具体的に示します。
「隣家へ出た枝と道路側の草について連絡が来ました。写真の赤枠部分です。今月中の作業が必要です。見積もりは、最低限の作業が四万円、庭全体が九万円です。今回は最低限にするか、今後の回数を減らすため全体を整えるか、○日までに意見をください」
役割も分けます。
- 現地写真を撮る人
- 業者へ見積もりを頼む人
- 親へ説明する人
- 近所へ予定を伝える人
- 費用を記録する人
- 今後の家の方針を話す日を決める人
近くに住む家族だけが草刈りと近所対応を背負わないよう、遠方の家族にも電話、見積もり、費用管理などを渡します。
庭の管理費が続くなら、実家を今後どうするかも別の日に話します
親が戻る予定のない実家へ、毎年草刈りや剪定の費用を払い続ける場合があります。
それでも、近所から苦情が来た日に、売却や解体まで決める必要はありません。
まず危険と迷惑を止めたあと、別の日に次のことを家族で話します。
- 親が実家へ戻る可能性
- 家族が住む、貸す、使う予定
- 年間の庭・建物管理費
- 固定資産税や修繕費
- 売却や解体を考える時期
- 親が残したい物や木
国土交通省は、当面利用や除却をしない空き家について適切な管理を続けるとともに、空き家になる前から今後の扱いを話しておくことを勧めています。
庭の苦情をきっかけに家の将来を考えることは、親の家を急いで処分することとは違います。
今日することは、庭全体を草一本ない状態にすることではありません
まず、実家の庭を次の三方向から見ます。
- 隣家との境界
- 道路・歩道側
- 建物・電線側
写真がなければ、現地へ行ける家族、近所の親族、管理業者などへ撮影を頼みます。
次に、最も危険または迷惑につながっている場所を一つ選びます。
「隣家へ出た枝を切る」
「道路側の草だけ刈る」
「傾いた木を業者に見てもらう」
今日は、このどれか一つを手配できれば十分です。
近所へは、完了してからではなく、対応を始めた段階で知らせます。
「本日、業者へ見積もりを依頼しました。作業日が分かり次第、改めてご連絡します」
実家の庭が荒れたことは、あなたが親を大切にしていない証拠ではありません。
遠方の暮らし、親の介護、仕事、費用の問題が重なれば、以前と同じ手入れを続けられなくなるのは自然なことです。
必要なのは、自分を責めながら一日で庭を元へ戻すことではなく、近所へ影響する場所を先に止め、続けられる管理の形へ変えることです。
まずは庭全体ではなく、境界線を一本見るところから始めてください。
出典・確認先メモ
- 国土交通省「空き家対策特設サイト」:庭木のはみ出し、害虫、悪臭、防犯など、管理されていない空き家が近所へ及ぼす影響と定期管理の必要性。
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」:所有者等による適切な管理と、管理不全空家等への対応に関する現行制度。
- e-Gov法令検索・法務省:越境した竹木の枝の切除に関する民法第233条と、相隣関係規定の見直し。
- 各自治体の案内:私有地の雑草や樹木は原則として所有者・管理者が対応し、自治体の対応や相談制度は地域によって異なります。
- 越境、境界、費用負担、所有者や相続人間の権限について争いがある場合は、個別事情により扱いが異なります。作業前に自治体の相談窓口や法律の専門窓口などで具体的な状況をご確認ください。


















