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更年期で仕事が回らないと感じたら|ミス・疲労・気分の落ち込みへの対処法

2026.07.27 更新 なやみ晴れ編集部
#仕事#健康・見た目#心の整理
この記事の結論

更年期の不調で仕事がつらいときは、退職を急がず、症状が出る時間と業務への影響を記録して婦人科へ伝えます。職場には病名の説明より、「何が難しく、どんな調整があれば働けるか」を相談してください。勤務できない状態なら、休職や傷病手当金も選択肢になります。

朝は起きられたのに、会社へ着くころには一日分の力を使っている

夜中に何度も目が覚め、朝は体が鉛のように重い。それでも家族の朝食を用意し、身支度をして、満員電車に乗る。

会社へ着いた直後から顔が熱くなり、汗が止まらない。周囲は普通に仕事をしているのに、自分だけが暑そうにしていることが恥ずかしくなる。

午前中の会議では、話を聞いているつもりなのに内容が頭へ入ってこない。以前なら間違えなかった数字を入力し直し、同僚から確認される。

「集中してください」と言われると、胸の奥が苦しくなる。

自分でも集中したい。怠けたいわけでも、仕事への責任感がなくなったわけでもありません。

それなのに、昨日できたことが今日はできない。午前中は何とか働けても、午後になると急に気力が切れる。イライラしたあとで自己嫌悪になり、帰宅後は夕食を作る力も残っていない。

「この程度で休んだら迷惑だろう」
「年齢のせいにしていると思われたくない」
「管理職なのに、自分の体調も管理できないのかと思われそう」

そう考えて我慢しているうちに、仕事を辞めることだけが出口に見えてくることがあります。

けれど、今つらい日に、今後何年もの働き方を決めなくても構いません。

まずは、体に起きていることと、仕事の中で困っていることを分けます。治療で軽くできる部分、職場の工夫で減らせる部分、いったん休んだ方がよい部分を一つずつ見ていきます。

更年期と思われる年代でも、すべての不調が女性ホルモンの変化によるものとは限りません。貧血や甲状腺の病気など、似た症状が出る別の病気もあるため、自分だけで更年期と決めつけないことが必要です。([女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修][1])

仕事がつらくなる症状は、ほてりだけではありません

更年期は、一般に閉経の前後約5年ずつを合わせた約10年間を指します。日本人の平均閉経年齢は50.5歳ですが、始まる時期や症状の強さには個人差があります。更年期に現れる症状のうち、日常生活へ支障が出る状態が更年期障害と呼ばれます。

職場で困る症状も、一つではありません。

起きていること 仕事で困りやすい場面 当面減らせる負担
ほてり・急な発汗 会議、接客、制服での勤務、人前での発表 温度を調整しやすい服、冷却用品、出入口に近い席、短い離席
眠りが浅い・寝つけない 早朝勤務、運転、午前中の判断業務 始業時刻の調整、重要な業務を調子のよい時間へ移す
強い疲労感 長時間の立ち仕事、残業、連続勤務 座れる時間、短い休憩、残業や連勤の一時的な見直し
集中しにくい・忘れやすい 数字入力、複数業務、電話を受けながらの作業 一つずつ処理する、チェック表、ダブルチェック
頭痛・めまい・動悸 通勤、階段、移動の多い業務、長い会議 移動量の調整、座ってできる業務、症状時に休める場所
イライラ・気分の落ち込み 部下への指示、苦情対応、家族との会話 即答を避ける、難しい面談を一人で抱えない
肩・腰・手足の痛み 荷物運搬、立ち仕事、同じ姿勢での作業 作業姿勢や担当の調整、こまめな体勢変更

厚生労働省の情報でも、疲れやすさ、発汗、冷え、睡眠の問題、イライラ、頭痛、めまい、動悸、肩や腰の痛みなど、更年期の症状は多岐にわたるとされています。軽く見える睡眠不足でも、仕事の質や判断へ大きく影響することがあります。

症状が日によって変わるため、周囲からは「昨日は元気だったのに」と見えることもあります。

本人にとっても予測しにくいことが、働きづらさを大きくしています。

一週間だけ、「症状」ではなく「仕事への影響」を記録します

受診や職場相談で「何となくずっとつらい」と話しても、どの対策が必要か伝わりにくいことがあります。

長い日記は要りません。一週間だけ、次の項目を一日一行で書きます。

記録すること 記入例
症状が強かった時刻 午前10時、午後3時
起きた症状 発汗、動悸、頭が働かない感じ
そのときの業務 朝礼、見積書の入力
仕事への影響 席を外した、数字を2回間違えた
月経の状態 前回から2か月空いている
前夜の睡眠 3回目が覚めた
楽になったこと 10分座ると動悸が落ち着いた

月経日だけでなく、症状が仕事へどう影響したかを書きます。

「汗が出た」だけではなく、「汗が止まらず接客から10分外れた」。

「疲れた」ではなく、「午後3時以降は文章を読み直しても内容が入らなかった」。

この書き方なら、医療機関には診断や治療の材料として、職場には必要な調整を話す材料として使えます。

完璧な記録を作る必要はありません。つらくて書けなかった日は、「記録する余力なし」とだけ残してください。それも現在の負担を示す情報になります。

受診先に迷うなら、まず婦人科で「更年期かもしれない」と伝えます

ほてりや月経の変化があれば婦人科を思い浮かべやすい一方、頭痛、肩こり、めまい、不眠、気分の落ち込みだけだと、何科へ行けばよいか迷います。

更年期の年代で複数の症状が重なり、仕事や生活に影響が出ているなら、まず婦人科で相談する方法があります。

婦人科では、月経の状態や症状を聞き、更年期障害の可能性に加えて、貧血や甲状腺の異常など別の病気が疑われないかを見ながら、必要に応じて他の診療科へつなぎます。

診察で最初に伝えたいこと

診察室では、次のように話せます。

「ここ3か月、月経が不規則になり、夜中に何度も目が覚めます。午前中にほてりと動悸が出て、仕事で入力ミスが増えました。更年期によるものか、ほかの病気がないかを診てほしいです。」

症状を軽く見せる必要も、重く見せる必要もありません。

「仕事へ行けているから大したことはない」ではなく、働くためにどれだけ無理をしているかも伝えてください。

治療はホルモン補充療法だけではなく、体の状態に合わせて選ばれます

更年期障害の治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬のほか、症状によって睡眠薬や抗うつ薬などが使われることがあります。心理的・環境的な負担が大きい場合には、カウンセリングが役立つこともあります。

どの治療が合うかは、症状、持病、これまでの病歴、服用中の薬などによって異なります。

「更年期なら必ずHRTを受ける」「市販のサプリメントで様子を見る」と自分だけで決めるのではなく、医師へ希望と心配を話します。

医師へ聞きたいこと 聞き方の例
治療の選択肢 「今の症状には、どのような治療がありますか」
効果が出るまでの見通し 「仕事への影響が軽くなるまで、どのくらい様子を見ますか」
副作用や注意点 「私の病歴や薬で、使いにくい治療はありますか」
職場へ示す書類 「勤務調整に診断書や意見書が必要な場合、書いてもらえますか」
再受診の時期 「症状が変わらない場合は、いつ受診すればよいですか」

治療を始めても、すぐすべての症状が消えるとは限りません。

その間を乗り切るために、職場での負担調整も同時に考えます。

職場には病名の説明より、「難しい業務」と「必要な調整」を伝えます

上司へ「更年期です」と言うことに抵抗がある人もいます。

男性上司へ話しにくい。職場で広められそうで怖い。体調を理由に評価を下げられないか心配になる。

最初の相談で、症状や月経のことをすべて話す必要はありません。

まずは、仕事に必要な範囲へ絞ります。

伝える内容 伝え方の例
現在の状態 「体調不良が続いており、現在受診しています」
難しい場面 「午後になると集中力が大きく落ち、数字の確認に時間がかかります」
続けられる業務 「午前中の事務作業や通常の顧客対応はできます」
希望する調整 「当面、重要な入力作業を午前中に寄せられないでしょうか」
見直す時期 「受診を続け、1か月後に状態を改めて共有します」

上司へ切り出す会話例

「少しお時間をいただけますか。体調不良で受診しており、特に午後の集中力と急な発汗に困っています。仕事を続けたいのですが、今のままだとミスが増えそうです。当面、重要な確認作業を午前中へ移し、症状が強いときに短い休憩を取れるよう相談したいです。」

上司へ直接話しづらい場合は、人事、健康管理室、産業医、保健師、社内相談窓口など、勤務先にある相談先を確認します。

産業医がいる職場では、健康状態と仕事の内容を踏まえ、働き方について専門的な助言を受けられる場合があります。

職場へ頼めるのは「休ませてください」だけではありません

体調について職場へ話すと、休職するか通常どおり働くかの二択になる気がするかもしれません。

実際には、会社の制度や仕事の内容によって、負担を小さくする調整も考えられます。

困っている場面 相談できる調整例
朝の体調が安定しない 時差出勤、フレックスタイム、半日・時間単位の休暇
通勤だけで消耗する 可能な業務での在宅勤務、出社日数の一時的な調整
急な発汗や動悸がある 短時間の離席、休憩場所、温度を調整しやすい席
集中力が落ちてミスが怖い ダブルチェック、複数業務の同時進行を減らす
長時間勤務がつらい 残業や連続勤務の削減、短時間勤務の検討
通院しづらい 時間休、有給休暇、病気休暇、特別休暇の利用
人前で症状が出るのが怖い 発表や接客の担当を一時的に調整する

更年期症状による体調不良や通院のための特別休暇を設けている企業もありますが、制度の有無、取得条件、有給か無給かは勤務先によって異なります。年次有給休暇、病気休暇、ウェルネス休暇など別の名称で利用できる場合もあるため、就業規則や社内制度を確かめてください。

希望がすべて認められるとは限りません。

それでも、「体調が悪いので配慮してください」だけではなく、「この作業をこの時間へ移すと続けやすい」と具体的に伝えると、職場も検討しやすくなります。

症状が強い日は、ミスを根性で防ごうとしないでください

集中しにくいときほど、「普段以上に頑張らなければ」と休憩を減らすことがあります。

けれど、頭が働かないまま長時間机へ向かっても、疲労とミスが増えることがあります。

調子が悪い日に変えたい仕事の進め方

管理職や責任者であっても、すべてを一人で処理する必要はありません。

「今日は判断が遅いので、この資料だけ別の人にも見てほしい」と頼むことは、責任を放棄する行為ではなく、ミスを防ぐための対応です。

辞めたいと思った日は、退職届を書く前に三つの期間へ分けます

体調が悪い朝には、「もう続けられない」と感じることがあります。

その感覚を軽く扱う必要はありません。しかし、一番つらい日に、治療や勤務調整を試さず退職を決めると、体調が回復したあとに収入や再就職の問題が残ることがあります。

今後を三つの期間に分けます。

期間 考えること
今日から一週間 症状記録、受診予約、残業や大きな予定を減らす
今後一〜三か月 治療の反応、勤務調整、休暇の利用で続けられるかを見る
それ以降 今の職務や勤務時間が長期的に合っているかを考える

次のような場合は、退職の結論より先に、受診と休み方の検討を優先します。

有給休暇を数日使う、医師の意見をもとに勤務を減らす、休職制度を使うなど、退職せずに体調を立て直す方法が残っていることがあります。

ポイント

「仕事を続けるか」ではなく、「今の働き方のまま続けられるか」と考えると、調整できる部分が見つかりやすくなります。

働けない期間が続く場合は、傷病手当金を使えることがあります

会社員など健康保険の被保険者が、業務外の病気やけがの療養によって働けず、給与を十分に受けられない場合は、傷病手当金の対象になることがあります。

協会けんぽでは、仕事に就けない状態であること、連続する3日間を含み4日以上休んでいること、休業期間に給与が支払われていないことなどが主な条件です。給与が一部支払われる場合は差額が支給されることがあり、支給期間は支給開始日から通算1年6か月です。

更年期という言葉だけで自動的に支給される制度ではありません。

実際に仕事へ就けない状態かについて、医師の意見や仕事内容などを踏まえて判断されます。加入している健康保険によって手続きが異なるため、会社の担当部署と保険者へ確認してください。

収入がなくなるのが怖くて休めない場合も、制度を使える可能性を知ってから働き方を決める方が現実的です。

仕事中の工夫は、症状を治すためではなく一日を乗り切るために使います

セルフケアだけで更年期障害を治そうとする必要はありません。

ただ、受診や治療と並行して、勤務中の消耗を少し減らすことはできます。

ほてりや発汗への備え

集中力が落ちる時間への備え

睡眠不足の日の備え

できない工夫があっても構いません。

自分を管理できなかったと責めるのではなく、今の職場で一つ変えられることだけを選びます。

家では、仕事を続けるための回復時間を守ります

更年期の年代は、仕事だけでなく、家事、子どもの進路、高齢の親の介護などが重なりやすい時期です。

会社では何とか働き、帰宅すると家族の食事や連絡、親の通院手配を引き受ける。休む時間がないまま翌朝になれば、職場の工夫だけでは追いつきません。

家族には「更年期だから全部してほしい」と頼むのではなく、止めたい家事を具体的に伝えます。

避けたい伝え方 頼みやすい伝え方
「私ばかり大変」 「今週は夕食を作る力が残らないので、火曜と木曜をお願いしたい」
「少しは手伝って」 「洗濯物を取り込んで、各自の部屋へ持っていってほしい」
「今日は何もできない」 「30分横になってから、できることだけするね」
「分かってくれない」 「励ますより、今日は話を聞くだけにしてくれると助かる」

家事の基準を一時的に下げることも、治療や仕事を続けるための調整です。

総菜や宅配を使う。掃除の回数を減らす。成人した家族には自分の食事や洗濯を任せる。

仕事だけを優先して家で倒れるのでも、家のことを守るために仕事を辞めるのでもなく、両方の量を少しずつ減らします。

家族は「更年期だから仕方ない」と決めつけず、生活の変化を見ます

配偶者や家族の代わりに調べている場合、本人のイライラや疲れをすべて更年期のせいにしないことも必要です。

避けたい声かけ 話しやすい声かけ
「更年期だから怒っているんでしょう」 「最近、眠れていないようだけれど、体調はどう?」
「病院へ行けば治るよ」 「仕事に一番影響している症状は何?」
「仕事を辞めれば楽になる」 「辞める前に、休める制度や働き方を一緒に見ようか」
「家では普通に見えるよ」 「会社ではどんな場面を一番無理している?」
「前向きに考えて」 「今すぐ答えを出さなくてもいいよ」

本人が休みたいと言ったときに、「みんな大変だよ」と比べないでください。

受診予約を手伝う、夕食を担当する、職場へ伝える文章を一緒に考えるなど、実務を一つ引き受ける方が助けになることがあります。

気分の落ち込みが強い場合は、更年期だけで片づけません

更年期には、不安、イライラ、不眠、抑うつ気分などの精神的な症状が現れることがあります。

一方で、仕事や家事ができないほど気分が落ち込んでいる場合には、うつ病など別の状態が重なっていないかを見る必要があります。

このような状態では、婦人科に加えて、かかりつけ医、心療内科、精神科などへの相談も考えます。

仕事やこころの悩みについて、どこへ話せばよいか分からない場合は、厚生労働省の「こころの耳」で電話、SNS、メール相談や各種相談機関を探せます。

今すぐ自分を傷つけそうなほど切迫している場合は、一人にならず、家族や身近な人へ伝え、119番や医療機関など緊急の助けにつながってください。

今日することは、仕事を辞めるか決めることではありません

紙やスマートフォンのメモに、次の四行を書いてください。

一番つらい症状:

その症状で難しくなった仕事:

一つ調整できれば続けられそうなこと:

受診または職場へ連絡する日:

たとえば、こう書けます。

一番つらい症状:夜に眠れず、午後に頭が働かない。
難しくなった仕事:午後の見積書作成で数字を間違える。
一つ調整できれば:見積書を午前中に作り、午後は確認業務にする。
連絡する日:明日、婦人科を予約し、金曜に上司へ時間をもらう。

受診予約までできなくても、婦人科の診療時間を調べるだけで構いません。

上司へ話す準備ができなければ、「体調について相談したいので、15分お時間をください」と送るところまでで十分です。

更年期の不調がある今の自分は、働く力をすべて失ったわけではありません。

今までと同じ速さ、同じ仕事量、同じ家事負担では続けにくくなっているだけかもしれません。

治療を受ける。午後の業務を減らす。一度休む。家族へ家事を渡す。

仕事を辞めるかどうかは、それらを確かめたあとにも考えられます。今日はまず、体調と仕事の間に一つだけ余白を作ってください。

出典・確認先メモ

よくある質問

Q. 更年期かもしれない不調は何科を受診すればよいですか?

月経の変化、ほてり、発汗、不眠など複数の症状がある場合は、まず婦人科で相談できます。頭痛やめまいだけでも、更年期の年代で仕事へ影響していることを伝えれば、必要に応じて他の診療科への受診も検討されます。

Q. 更年期のことを職場の上司へ必ず伝えなければなりませんか?

最初から月経や詳しい症状まで全員へ話す必要はありません。「体調不良で受診中」「午後の集中力が落ちる」など、仕事への影響と希望する調整を必要な範囲で伝えます。書類が必要かは勤務先へ確認してください。

Q. 更年期で仕事のミスが増えたら辞めた方がよいですか?

退職を決める前に、受診、業務時間の変更、ダブルチェック、休暇や休職制度を使って続けられるかを見ます。安全に関わるミスや生活全体への支障がある場合は、通常勤務を続けず医師と職場へ早めに伝えてください。

Q. 更年期障害でも傷病手当金を受け取れますか?

病名だけではなく、療養のため仕事に就けない状態か、連続3日間を含む4日以上の休業か、給与の支払い状況などで判断されます。医師、勤務先、加入している健康保険へ条件と申請方法を確認してください。

Q. 更年期の不調で仕事を休む場合、有給休暇以外の制度はありますか?

病気休暇、時間休、休職、ウェルネス休暇、更年期症状のための特別休暇などを設ける企業があります。制度名、取得条件、有給・無給の扱いは会社ごとに違うため、就業規則や人事窓口で確認してください。

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