年金額と今の家賃を並べた夜、「団地なら暮らせるかも」と思う
更新のお知らせに書かれた新しい家賃を見て、ため息が出る。
持ち家であっても、屋根や給湯器の修理、固定資産税、庭の手入れが重くなってきた。二階にはほとんど上がらず、一人で使うには広すぎると感じています。
市の広報で公営住宅の募集を見つけると、今より低い家賃が目に入ります。
「ここへ移れば、年金だけでも何とかなるかもしれない」
「家を売ってから申し込んだ方がいいのだろうか」
「高齢者なら優先してもらえるのでは」
「団地は階段が多いと聞くけれど、足が悪くなっても住めるだろうか」
子どもからは、「今の家は広くて危ないから、早く移った方がいい」と言われる。一方で、長く暮らした地域を離れ、知らない団地で一人になることにも迷いがあります。
老後の住み替えでは、家賃が払えるかだけを見ても答えは出ません。
玄関からバス停まで歩けるか。重い買い物袋を持って階段を上がれるか。通院先を変えずに済むか。体調を崩したとき、家族や介護職が訪ねやすいか。
安く住めても、毎日の移動や孤立で暮らしにくくなれば、再び住み替えを考えることになります。
公営住宅へ応募することと、今の家を急いで手放すことは分けて考えてください。
公営住宅は「高齢者なら誰でも入れる安い賃貸」ではありません
公営住宅は、国と地方公共団体が協力し、住宅に困っている低額所得者へ低廉な家賃で住宅を供給するための制度です。県営、市営、区営、町営など、整備・管理する自治体によって呼び方が変わります。
そのため、通常の賃貸住宅のように、空いている部屋から好きな住戸を選び、家賃を払えれば入居できるとは限りません。
一般に、次のような条件が募集案内で示されます。
- その自治体や地域に住んでいる、または勤務していること
- 世帯の収入が定められた範囲にあること
- 現在、住宅に困っていると認められること
- 単身者向け、世帯向けなどの世帯条件を満たすこと
- 募集区分ごとの年齢、障害、世帯構成などの条件を満たすこと
具体的な収入額、居住年数、単身申込みの年齢、現在公的住宅に住んでいる場合の扱いなどは、自治体と募集区分によって違います。
高齢者世帯を優先的に扱う仕組みを設けられるものの、実施するかどうかや選考方法は自治体の判断です。「高齢だから必ず早く入れる」とは限りません。
最初に見分けたいのは、公営住宅・UR・高齢者向け住宅の違いです
家賃の安い団地を探していると、似た外観の住宅が検索結果に並びます。
しかし、制度は同じではありません。
| 住宅の種類 | 主な特徴 | 申込前に見ること |
|---|---|---|
| 公営住宅 | 住宅に困窮する低額所得者を主な対象として自治体が供給する | 収入、居住地、世帯、年齢などの資格と募集時期 |
| UR賃貸住宅 | UR都市機構が管理する賃貸住宅。公営住宅とは異なる申込基準で、一部に高齢者向け住戸がある | 家賃、収入等の申込条件、住戸設備、募集状況 |
| 住宅セーフティネット制度の登録住宅 | 高齢者など住宅の確保に配慮が必要な人の入居を受け入れる民間賃貸住宅 | 家賃、保証、見守りなどの支援、入居条件 |
| 居住サポート住宅 | 住宅と福祉が連携し、安否確認や生活上の支援につなぐ仕組みを持つ認定住宅 | 提供される支援、費用、対象者、地域の物件数 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | バリアフリー構造と安否確認・生活相談サービスを備えた高齢者向け住宅 | 家賃のほか、共益費、生活支援、食事などを含む総額 |
UR賃貸住宅には、段差の解消や手すりなどを備えた高齢者向け住戸がありますが、すべての団地や住戸が同じ設備ではありません。
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造や安否確認などを備える登録住宅ですが、公営住宅とは異なり、費用の仕組みも物件ごとに違います。
「団地なら安い」「高齢者向けなら介護もすべて付いている」と思い込まず、住宅の種類と毎月の総額を見てください。
「申し込める」と「希望する部屋へ移れる」は別の話です
申込資格を満たしても、すぐに入居できるとは限りません。
応募者が募集戸数を上回れば、抽選や困窮度を考慮した選考などが行われます。募集のない団地や、空きが出ても希望条件に合う住戸がない場合もあります。
実際に、自治体によっては抽選、ポイント方式、随時募集など、募集区分ごとに異なる方法を採用しています。東京都の2026年度募集でも、世帯や住戸の種類に応じて抽選、ポイント、先着順などが分かれています。これは一例であり、住む地域の最新案内を見る必要があります。
| 募集案内で見る言葉 | 意味として確かめたいこと |
|---|---|
| 抽選 | 資格を満たした申込者の中から、抽選で候補者を決めるのか |
| ポイント方式 | 住宅の困窮度などをどのような資料で判定するのか |
| 随時募集 | 先着順か、資格審査後に入居できるまでの期間はどの程度か |
| 高齢者向け | 年齢だけでなく、世帯構成や身体状況の条件があるか |
| 単身者向け | 何歳から申し込めるか、同居予定者がいる場合はどうなるか |
| 期限付き入居 | 入居できる期間が定められていないか |
「募集が出たら考えよう」と思っていると、書類をそろえる間に締切を迎えることがあります。
申込みを決める前でも、募集時期、必要書類、過去の募集団地を住宅担当窓口へ聞いておくと動きやすくなります。
候補の団地名より、棟・階数・エレベーターの有無を見ます
団地の案内図では、緑が多く、買い物施設も近く見えることがあります。
しかし、同じ団地内でも住みやすさは大きく違います。
バス停に近い棟と、坂の上にある棟。エレベーターがある棟と、階段しかない棟。浴室に手すりがある住戸と、浴槽のまたぎが高い住戸があります。
| 見る場所 | 将来を考えて確かめたいこと |
|---|---|
| 住戸の階 | 階段を毎日使えるか。エレベーター停止時に外出できるか |
| 棟の入口 | 段差、スロープ、手すり、自動ドアの有無 |
| 玄関 | 上がり框の高さ、靴を履く椅子を置けるか |
| トイレ | 手すりを付けられるか、廊下からの距離、夜間の動線 |
| 浴室 | 浴槽の高さ、床の滑りやすさ、暖房設備、介助する広さ |
| 洗濯場所 | 洗濯機置場、物干しまでの段差、重い洗濯物を運べるか |
| ごみ置場 | 住戸からの距離、坂や階段、収集日以外の保管方法 |
| 駐輪場・駐車場 | 利用料、空き、住戸からの距離、車を手放した後の移動 |
「高齢者が多く住んでいる団地」だから、自分にも暮らしやすいとは限りません。
現在の足腰だけでなく、杖を使うようになった場合、買い物カートを押す場合、家族やヘルパーが訪れる場合を想像して見ます。
現地は、晴れた昼間だけでなく生活する時間に歩きます
見学日は、駅から管理事務所まで車で案内され、住戸だけを見て終わることがあります。
実際に暮らすなら、玄関から目的地まで自分の足で歩いてみてください。
- 最寄りのバス停まで何分かかるか
- 帰り道に長い坂や歩道橋がないか
- スーパーで少量の買い物ができるか
- 診療所、歯科、薬局へ通えるか
- 銀行や郵便局、ATMが近くにあるか
- 夕方以降も人通りや照明があるか
- ベンチや途中で休める場所があるか
- 雨の日に滑りやすい道がないか
可能なら、平日の昼と夕方の二回見ます。
昼間は便利そうでも、夕方にはバスが少ない。団地内の店が早く閉まる。夜になると棟番号が見えにくいといったことがあります。
片道だけでなく「荷物を持って戻れるか」を考えます
スーパーまで徒歩10分でも、米、飲料、トイレットペーパーを持てば帰りはもっと長く感じます。
今は車を運転していても、免許を返納した後に同じ生活ができるかを見ます。
宅配や配食を利用できる地域か、玄関まで届けてもらえるか、置き配が可能かも住み替え後の生活費に関わります。
公営住宅の家賃は、募集広告の金額だけで固定されるとは限りません
公営住宅の家賃は、入居者の収入に加え、住宅の立地、広さ、建築からの経過年数などを基に算定される仕組みです。入居後も収入に関する申告や手続きが必要になります。
募集案内の家賃に幅がある場合は、自分の年金や所得ではどの程度になる見込みかを窓口へ聞きます。
年金額が変わる、同居家族が増減する、働き始めるなど、世帯の収入状況が変われば、家賃や入居上の扱いが変わる可能性があります。
毎月の負担は家賃だけではありません。
| 費用 | 応募前に聞くこと |
|---|---|
| 共益費・自治会費 | 月額はいくらか、誰が集金するか |
| 駐車場・駐輪場 | 空き、利用料、契約条件 |
| 電気・ガス・水道 | 設備の種類、基本料金、給湯器の扱い |
| 設備の準備 | 照明、網戸、エアコン、浴槽、給湯設備など、入居者が用意する物があるか |
| 敷金など | 入居時に必要な金額と支払期限 |
| 火災保険 | 加入が必要か、指定や条件があるか |
| 引っ越し | 運送費、不用品処分、家具の買い替え |
| 今の住まい | 退去費用、売却費用、修繕、固定資産税など |
古い住戸では、現在使っている大型家具が入らない、エアコンを設置できる部屋が限られるといったこともあります。
入居時に必要な金額と、その後の月額を分けて計算してください。
持ち家がある場合は、当選前に売らない方がよいことがあります
持ち家が広すぎる、傷みが激しい、階段が危険という理由で、公営住宅への住み替えを考える方もいます。
ただし、公営住宅では「住宅に困っていること」が条件となるため、持ち家がある場合に申し込めるか、どのような事情なら住宅困窮と認められるかは、自治体の募集基準で確かめる必要があります。
家があるだけで一律に申し込めないと決めつけず、次の状況を窓口へ伝えます。
- 建物の老朽化や雨漏りがあり、修理費を負担できない
- 階段や段差が多く、身体状況に合わない
- 一人で維持管理できない広さになっている
- 災害上の危険や立ち退きの事情がある
- 共有名義などで、自由に住み続けたり処分したりできない
申込資格を確かめないまま家を売ると、公営住宅へ入れず、次の住まいも決まらない状態になるおそれがあります。
応募、資格審査、当選、入居可能日の見通しが立ってから、売却や解体、賃貸に出す方法を検討します。
家を残す場合も、費用は続きます
空き家のまま残せば、固定資産税、火災保険、庭や建物の管理が続きます。
売却する場合は、家財の処分、登記、仲介、修繕などの費用がかかることがあります。
公営住宅の低い家賃だけを見ず、今の家に残る負担を含めて、住み替え後の家計を作ります。
民間賃貸から移る場合は、家賃が重なる期間を見込んでおきます
今のアパートを先に解約し、公営住宅の入居日が遅れると、住む場所がなくなります。
反対に、退去日を遅くすれば、二つの住宅の家賃が重なることがあります。
次の順番で日付を書き出します。
- 公営住宅の資格審査日
- 入居決定の通知日
- 入居手続きの期限
- 鍵を受け取れる日
- 現在の住宅の解約予告期間
- 引っ越し日
- 現在の住宅の明渡し日
現在の賃貸借契約書で、解約を何か月前に伝える必要があるか、退去時の清掃や原状回復がどのように扱われるかを見ます。
当選通知を受けただけで解約せず、資格審査を終え、実際の入居日が分かってから管理者へ連絡する方が安全です。
保証人がいないから無理だと、自分だけで結論を出さないでください
一人暮らしで、保証人を頼める子どもや親族がいない。親族はいても、高齢や疎遠を理由に頼みにくい。
そのため、応募前から諦める方がいます。
公営住宅で保証人を求めるか、緊急連絡先でよいか、家賃債務保証などを利用できるかは、自治体によって取り扱いが異なります。国土交通省も、各事業主体の保証人の取り扱いを継続して調査しています。
窓口には、次のように尋ねます。
「単身で、連帯保証人を頼める親族がいません。申込みはできますか。保証人の代わりになる制度や、必要な緊急連絡先の条件を教えてください」
保証人という言葉だけでなく、次も分けて聞いてください。
- 家賃を保証する人が必要なのか
- 緊急時の連絡先が必要なのか
- 身元を引き受ける人を求められるのか
- 死亡時の家財や退去手続きをどう扱うのか
- 利用できる保証制度や居住支援があるか
それぞれ役割が違うため、「親族がいない」という一言だけで対応できないと決まるわけではありません。
夫婦で移る場合は、一人になった後の広さと名義も聞いておきます
現在は夫婦二人でも、老後の住まいでは、どちらかが入院したり先に亡くなったりする可能性があります。
応募前に考えておきたいのは、縁起の悪い話ではなく、残った一人が住み続けるための手続きです。
- 申込者と入居名義人は誰になるか
- 同居者として誰が登録されるか
- 名義人が亡くなった場合、配偶者が住み続けるための手続きは何か
- 一人世帯になった場合に家賃はどう扱われるか
- 広い世帯向け住戸からの住み替えを求められる場合があるか
- 子どもや介護者との同居を後から希望した場合、許可が必要か
同居、名義の承継、世帯員の変更に関する基準は自治体によって異なります。
「家族だから後から一緒に住める」と考えず、募集案内と入居後の規則を読んでください。
介護が必要になっても、団地そのものが介護施設になるわけではありません
高齢者向けの募集枠や住戸であっても、日々の食事、服薬、入浴、夜間の見守りが自動的に付くとは限りません。
自宅として介護サービスを利用できるか、事業所が訪問可能な地域かを別に見ます。
| 将来の変化 | 住み替え前に見ること |
|---|---|
| 杖や歩行器を使う | 玄関、廊下、エレベーター、ごみ置場まで通れるか |
| 通院が増える | 病院までの交通、介護タクシーが停車できる場所 |
| 訪問介護を利用する | 事業所の対象地域、ヘルパーが訪問しやすい棟か |
| デイサービスを利用する | 送迎車が棟の近くまで入れるか、待てる場所があるか |
| 車いすになる | 住戸内の幅、浴室、段差、エレベーターの大きさ |
| 認知症が進む | 管理事務所、見守り、家族の訪問距離、地域の相談窓口 |
地域包括支援センターは、高齢者の介護予防、保健医療、権利擁護、暮らしの困り事などを受ける市区町村の総合相談窓口です。住み替え後の介護や見守りが気になる場合は、住宅窓口だけでなく、候補地域の地域包括支援センターにも生活環境を聞く方法があります。
住宅担当者には建物と申込制度、地域包括支援センターには介護や生活支援と、聞く内容を分けると情報を集めやすくなります。
家族の近くへ移れば、必ず安心になるとは限りません
子どもは、「うちの近くの団地なら、何かあったときに行ける」と考えます。
親は、「今の友人、病院、店から離れたくない」と思っているかもしれません。
家族との距離だけで決めると、引っ越した後に親の外出が減り、子どもへの頼み事が増えることがあります。
| 本人が見たいこと | 家族が見たいこと |
|---|---|
| 友人や近所との付き合いを続けられるか | 緊急時にどのくらいで行けるか |
| 慣れた病院へ通えるか | 通院を誰が手伝えるか |
| 買い物や散歩を一人でできるか | 転倒や孤立の心配がないか |
| 仏壇や家具を持って行けるか | 荷物を減らして安全に暮らせるか |
| 団地の人付き合いになじめそうか | 見守りを頼める人がいるか |
親へ住み替えを勧めるときの会話例
「今の家が危ないから団地へ行って」では、親は追い出されるように感じることがあります。
次のように、決定ではなく見学から始めます。
「今すぐ家を手放す話ではないよ。階段が少なく、今より家賃を抑えられる住宅があるか、一緒に資料だけ見てみない?」
「私の近くがいいとは決めていないよ。病院や友達のことも含めて、お母さんが暮らしやすい場所を二つくらい比べたい」
子どもが手続きを手伝う場合も、本人が住む家であることを忘れず、候補から外したくない条件を本人に聞きます。
応募前に、役所へ一度に聞く七つの質問を用意します
窓口へ「高齢者が入れる団地はありますか」とだけ聞くと、募集案内を渡されて終わることがあります。
自分の状況を短く伝え、次の七つを聞きます。
- 私の年齢、収入、世帯状況で申し込める募集区分はありますか
- 持ち家、現在の賃貸契約、公的住宅への居住は資格に影響しますか
- 次の募集時期と、過去に募集された団地を教えてください
- 高齢者世帯の優先、ポイント方式、随時募集はありますか
- エレベーター付き、低層階、高齢者向け住戸を希望できますか
- 保証人や緊急連絡先は、どのような条件ですか
- 当選から入居まで、通常どのような手続きと費用がありますか
電話するときは、次のように伝えれば十分です。
「72歳の一人暮らしで、年金収入です。今は民間賃貸ですが、家賃と階段が負担になっています。単身高齢者が申し込める募集、収入条件、低層階やエレベーターの希望、必要書類を教えてください」
書類は、募集が始まる前に所在だけでも確かめます
必要書類は自治体や募集区分によって異なりますが、次の資料を求められることがあります。
- 住民票など世帯を示す書類
- 所得証明書、課税証明書、年金に関する書類
- 現在の住宅状況を示す書類
- 賃貸借契約書や家賃の支払いが分かる資料
- 障害者手帳や介護保険証など、募集区分を示す書類
- 立ち退き、老朽化、離婚など個別事情を示す資料
- 同居予定者との関係を示す書類
古い源泉徴収票や年金通知だけで足りるとは限りません。
募集案内の「必要書類」と「証明書の発行日」を見てから取得します。
家族が代理で手続きをする場合は、委任状や本人確認書類が必要かも聞いてください。
公営住宅に当選しなくても、住み替えの準備は無駄になりません
倍率が高い地域では、何度応募しても入れないことがあります。
その間、今の家賃や階段の負担が続くなら、公営住宅だけに絞らない方がよいでしょう。
- 別の自治体や募集区分の公営住宅
- 随時募集や入居者が決まりにくい住戸
- URの高齢者向け住戸
- 住宅セーフティネット制度の登録住宅
- 居住サポート住宅
- 地域優良賃貸住宅や公社住宅
- サービス付き高齢者向け住宅
- 現在の住宅のバリアフリー改修や低層階への住み替え
2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法では、高齢者などが民間賃貸住宅へ円滑に入居し、安定して生活できるよう、居住サポート住宅や家賃債務保証などの仕組みが整備されています。地域によって利用できる住宅や支援が異なるため、自治体の住宅窓口や居住支援協議会へ聞きます。
公営住宅へ入りたいという希望を残しながら、先に階段の少ない民間住宅へ移るなど、二段階で考える方法もあります。
今日することは、家を片づけ始めることではありません
老後の住み替えを考えると、家財を捨てる、家を売る、子どもの近くへ移るといった大きな決断が頭に浮かびます。
けれど、今日そこまで決める必要はありません。
まず一枚の紙を、二つに分けてください。
| 今の家でつらいこと | 次の家でも残したいこと |
|---|---|
| 家賃が年金に対して重い | 今の病院へ通える |
| 階段がつらい | 一人で買い物へ行ける |
| 修繕や庭の管理ができない | 仏壇や大事な家具を置ける |
| 部屋が広すぎる | 子どもが無理なく訪ねられる |
| 夜に一人なのが心配 | 近所との付き合いを続けられる |
次に、住んでいる自治体の公営住宅窓口へ、募集時期と申込資格だけを聞きます。
応募できそうなら資料を取り寄せ、過去に募集された団地を一か所歩いてみる。
そこまでで、最初の準備は十分です。
住み替えは、今の家を捨てる決断ではありません。
家賃、体力、通院、人とのつながりを、これからの自分に合う形へ組み直すことです。
公営住宅に当選するかどうかだけを待つのではなく、応募できる条件を知り、現地を歩き、ほかの住宅も並べてみる。その順番なら、焦って住まいを失わずに、老後の暮らしを少しずつ軽くできます。
出典・確認先メモ
- e-Gov法令検索「公営住宅法」、国土交通省「公営住宅とは」:公営住宅の目的と、地方公共団体が供給する住宅制度の確認先。
- 国土交通省「公営住宅の優先入居について」:高齢者世帯などへの優先入居と、自治体ごとに異なる取り扱いの確認先。
- 国土交通省「公営住宅法の運用」「公営住宅の収入の計算」:収入、立地、規模、経過年数などを用いた家賃算定の確認先。
- 国土交通省「公営住宅への入居に際しての保証人の取扱い等に関する調査結果」:自治体によって異なる保証人等の取り扱いの確認先。
- 国土交通省「住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について」:居住サポート住宅、家賃債務保証、居住支援に関する確認先。
- UR都市機構「高齢者向け賃貸住宅」:高齢者向けに設備を改良したUR賃貸住宅などの確認先。
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」:地域包括支援センターが行う高齢者の総合相談や生活支援の確認先。


















