「避難してください」と言われても、一人ではすぐ動けないことがあります
テレビから大雨のニュースが流れている。
スマホには避難情報が届いている。外は暗くなり、雨音が強くなっている。けれど、玄関まで行くだけでも時間がかかる。杖を持ち、薬を探し、眼鏡をかけ、戸締まりをして、避難所まで歩くことを考えると、体が止まってしまう。
高齢の方にとって、災害時の避難は「行けばよい」と言われても簡単ではありません。
足腰の不安、夜道の不安、薬の不安、トイレの不安、避難所で横になれるかという不安、ペットや仏壇、家の鍵のことまで頭に浮かびます。
離れて暮らすご家族も、同じように落ち着きません。
「今、親は避難情報に気づいているだろうか」
「電話しても出なかったらどうしよう」
「迎えに行きたいけれど、こちらも危ないかもしれない」
「近所に頼れる人がいるのか分からない」
こうした不安は、大げさではありません。
災害時に一人で避難することが不安な場合、準備するべきものは非常持ち出し袋だけでは足りません。
本当に必要なのは、避難の「手順」です。
どの情報が出たら動くのか。どこへ行くのか。誰に連絡するのか。薬はどこにあるのか。歩けないときは誰に助けを頼むのか。家族が遠方なら、近くで気づいてくれる人はいるのか。
このあたりを決めておかないと、いざというときに「袋はあるけど、出られない」ということが起こります。
最初に決めるのは持ち物ではなく、「避難するタイミング」です
防災の話になると、まず非常持ち出し袋を作ろうと考えがちです。
もちろん持ち物も必要です。
ただ、一人での避難に不安がある高齢者の場合、先に決めたいのは「いつ動くか」です。
高齢の方は、着替える、靴を履く、薬を用意する、玄関を出る、階段を降りる、避難所まで移動する。これだけでも時間がかかります。
政府広報オンラインでは、警戒レベル3「高齢者等避難」が発令されたら、高齢の方や障害のある方など避難に時間がかかる方、その支援者は危険な場所から避難するよう案内しています。警戒レベル4「避難指示」では、対象地域のうち危険な場所にいる人は全員避難とされています。
| 情報の目安 | 高齢の方・支援する家族が考える行動 | 家族で決めておきたいこと |
|---|---|---|
| 警戒レベル1 | 天気や防災情報に気を向ける | 家族に「天気が悪くなりそう」と共有する |
| 警戒レベル2 | ハザードマップ、避難先、持ち物を見直す | 薬、充電、靴、杖、眼鏡を準備する |
| 警戒レベル3 高齢者等避難 | 危険な場所にいる高齢の方は避難を始める | 誰に連絡するか、誰が同行するかを実行する |
| 警戒レベル4 避難指示 | 危険な場所にいる人は全員避難 | 無理な迎えに行かず、本人と支援者の安全も見る |
| 警戒レベル5 緊急安全確保 | すでに命が危険な状況。直ちに身の安全を確保 | 避難所へ向かうのが危険なら、上階や崖から離れた部屋などへ移る |
高齢の方の避難は、「みんなが動き始めたら一緒に」では遅いことがあります。
周囲が慌ただしくなってからでは、道路が混み、雨が強まり、暗くなり、声をかけてくれる人も動けなくなるかもしれません。
だから、家族の合言葉を決めておきます。
「レベル3が出たら、迷わず連絡する」
「レベル3で避難準備ではなく、もう移動を始める」
このくらい具体的にしておくと、当日の迷いが減ります。
避難先は「避難所だけ」と考えない方が動きやすくなります
避難というと、学校や公民館などの避難所へ行くことを思い浮かべる方が多いと思います。
ただ、避難とは「難」を避けることです。政府広報オンラインでも、避難は指定緊急避難場所への移動だけではなく、安全な親戚・知人宅、ホテル・旅館、自宅内での安全確保など、状況に応じた方法があると説明されています。
高齢の方の場合、避難所まで行くことだけを前提にすると、かえって動けなくなることがあります。
| 避難先の候補 | 向いている場面 | 事前に見ること |
|---|---|---|
| 指定緊急避難場所・避難所 | 自宅周辺が危険で、行政が避難を呼びかけている | 場所、経路、段差、トイレ、持参物、ペット可否 |
| 安全な親族宅 | 早めに移動でき、親族宅がハザード上安全な場所にある | いつ行くか、誰が送るか、鍵、寝る場所 |
| 安全な知人宅・近所の家 | 近くに信頼できる人がいて、短時間の退避ができる | 事前に頼める関係か、災害時の連絡方法 |
| ホテル・旅館 | 台風など事前に予測しやすく、早めに移動できる | 費用、予約、移動手段、ハザードマップ上の安全性 |
| 自宅内の安全な場所 | 外へ出る方が危険な場合、浸水や土砂災害リスクが低い場合 | 上階、崖から離れた部屋、備蓄、水・トイレの確保 |
| 福祉避難所 | 一般避難所での生活が難しい要配慮者など | 対象者、開設方法、直接行けるか、自治体の運用 |
ここで大事なのは、「避難所に行けないなら終わり」と考えないことです。
避難先を一つだけにすると、その場所へ行けないときに止まります。
第一候補、第二候補、外に出られないときの室内候補。最低でもこの3つを決めておくと、当日の判断が少ししやすくなります。
福祉避難所は、誰でもいつでも直接行ける場所とは限りません
足腰が不安な方、介護が必要な方、持病がある方は、「福祉避難所へ行けばよいのでは」と思うかもしれません。
ただし、福祉避難所の利用方法は自治体によって異なります。
内閣府の福祉避難所に関するガイドラインでは、高齢者や障害のある方など特別な配慮が必要な方は、一般避難所で長く生活すると健康を害することがあるため、福祉避難所の確保・運営が重要とされています。一方で、対象者、開設のタイミング、受け入れ方法は地域の体制によって変わります。
| 勘違いしやすいこと | 実際に確認したいこと |
|---|---|
| 福祉避難所は常に開いている | 災害時に必要に応じて開設される場合がある |
| 誰でも直接行ける | 対象者や受け入れの流れが決まっている自治体がある |
| 一般避難所より必ず近い | 施設の場所が限られ、遠い場合もある |
| 介護や医療をすべて受けられる | 避難生活のための配慮場所であり、医療機関とは役割が違う |
| 登録しておけば必ず入れる | 災害規模、空き状況、自治体判断に左右されることがある |
福祉避難所を考える場合は、平常時に自治体へ聞いておくのが一番です。
「母は一人暮らしで、杖を使っています。一般の避難所で生活できるか不安です。災害時の福祉避難所の利用はどのような流れですか」
この聞き方で大丈夫です。
福祉避難所は、当日になって地図で探す場所ではありません。名前だけ知っていても、入り口のルールを知らないと使いにくいのです。
ハザードマップは、親御さんの住所で一緒に見ます
高齢の親御さんが一人暮らしをしている場合、まず見たいのはハザードマップです。
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水、土砂災害、高潮、津波などのリスク情報や、市町村が作成したハザードマップへのリンクを確認できます。住所から災害リスクを調べることもできます。
ハザードマップを見るときは、色がついているかだけで終わらせない方がよいです。
| 見る場所 | 具体的に見ること | 家族で決めること |
|---|---|---|
| 自宅 | 洪水、土砂災害、津波、高潮などのリスク | 自宅に残れる災害か、早めに出る災害か |
| 避難先 | 避難所や親族宅が安全な場所にあるか | 第一候補・第二候補を決める |
| 避難経路 | 川沿い、低い道、坂、階段、冠水しやすい場所 | 日中と夜間、雨の日の移動を想像する |
| 移動時間 | 高齢の本人の歩く速さで何分かかるか | レベル3で動くか、もっと前に移動するか |
| 家の中 | 上階があるか、崖から離れた部屋があるか | 外に出られないときの待避場所を決める |
遠方のご家族が見る場合は、自分の住所ではなく、親御さんの住所で調べます。
そして、できれば画面を見るだけでなく、印刷した地図や手書きのメモにして、親御さんの家に置いてください。
災害時にスマホの画面を開き、地図を拡大し、避難所を探すのは、高齢の方にはかなり難しいことがあります。普段でも地図アプリに迷うのに、雨風の中ではなおさらです。
一人で歩けるかではなく、「雨の日の夜に動けるか」で考えます
日中、晴れている日に近所のスーパーまで歩ける。
それだけで「避難できる」と考えるのは少し危険です。
災害時の避難は、普段の外出とは条件が違います。
- 雨や風が強い
- 暗い時間帯かもしれない
- 道路が冠水しているかもしれない
- 停電で街灯やエレベーターが使えないかもしれない
- 避難所まで荷物を持つ必要がある
- 焦りで転びやすくなる
- トイレや薬の心配がある
だから、避難できるかどうかは「普段歩けるか」ではなく、「悪い条件でも動けるか」で見ます。
| 本人の状態 | 一人避難の心配 | 事前に考える対策 |
|---|---|---|
| 杖やシルバーカーを使う | 段差、坂道、ぬれた道で転びやすい | 近い避難先、同行者、早めの移動 |
| 耳が聞こえにくい | 防災無線や呼びかけに気づきにくい | スマホ通知、家族電話、近所の声かけ |
| 目が見えにくい | 夜道や避難所内で動きにくい | 懐中電灯、明るい時間の避難、同行者 |
| 認知症がある・疑われる | 避難情報を理解しにくい、道に迷う | 個別避難計画、近所・民生委員・地域包括との連携 |
| 持病や薬がある | 薬切れ、体調悪化、避難所での不安 | 薬数日分、お薬手帳、医療情報メモ |
| マンション上階に住んでいる | 停電時にエレベーターが使えない | 早め避難、階段移動の可否、在宅避難の条件 |
「一人で行ける」と本人が言っても、家族が心配になることがあります。
そのときは、否定するより具体的に聞きます。
「雨の夜に、杖をついて避難所まで行けそう?」
「薬と水を持って、階段を降りられそう?」
「停電でエレベーターが止まったら、どうする?」
ここまで考えると、避難の準備はぐっと現実になります。
避難行動要支援者名簿と個別避難計画は、早めに自治体で確認します
一人で避難するのが難しい高齢者の場合、自治体の支援制度を確認しておきたいところです。
内閣府は、災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害者等について、市町村が避難行動要支援者名簿を作成する制度や、個別避難計画の作成に関する取り組みを紹介しています。避難行動要支援者名簿は平成25年の災害対策基本法改正で市町村の作成が義務化され、個別避難計画は令和3年の改正で市町村の努力義務とされています。
言葉だけ見ると難しいですが、家族目線では次のように考えると分かりやすいです。
| 制度 | ざっくり言うと | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 避難行動要支援者名簿 | 災害時に自力避難が難しい人を把握するための名簿 | 対象になる条件、登録方法、情報共有の同意 |
| 個別避難計画 | 誰が、どこへ、どう避難を支援するかを個別に考える計画 | 作成対象か、誰と作るか、支援者、避難先、移動方法 |
| 地域の支援者 | 自治会、民生委員、近所、福祉関係者など | 災害時に声をかけてもらえる関係があるか |
| 地域包括支援センター | 高齢者の生活や介護の相談窓口 | 一人避難、見守り、介護サービス、防災面の不安を話せるか |
ただし、名簿に載れば必ず誰かが迎えに来てくれる、という意味ではありません。
災害時は支援する側も被災する可能性があります。
だからこそ、名簿や計画は「丸投げ」ではなく、「支援を受けやすくするための入口」と考えます。
登録できるか、個別避難計画の対象になるか、誰に情報が共有されるかは自治体で異なります。まずは、市区町村の防災担当、福祉担当、地域包括支援センターへ聞いてください。
持ち出し袋は「持てる重さ」と「命に関わる物」を優先します
高齢の方の非常持ち出し袋でよくある失敗は、入れすぎです。
心配だから、水も食料も衣類もタオルも全部入れる。すると重くなり、持ち出せない袋になります。
防災リュックが立派でも、本人が玄関で持ち上げられなければ意味がありません。これはもう、非常持ち出し袋ではなく、非常に持ち出しにくい袋です。
首相官邸の災害の備えチェックリストでは、食料や水、生活用品、貴重品に加え、高齢者の備えとして介護食、入れ歯・洗浄液、大人用紙パンツ、持病の薬、杖、補聴器、お薬手帳のコピーなどが挙げられています。
| 優先度 | 入れるもの | 高齢の方で特に見ること |
|---|---|---|
| 最優先 | 常備薬、お薬手帳のコピー、保険証のコピー、眼鏡、補聴器、携帯電話、充電器 | ないと体調や連絡に直結するもの |
| 高 | 水、少量の食料、飴、ゼリー、介護食、入れ歯用品 | 本人が食べられる形か |
| 高 | 現金、小銭、緊急連絡先メモ、家族の電話番号 | スマホが使えない場合の紙メモ |
| 中 | 大人用紙パンツ、吸水パッド、ウェットティッシュ、マスク | トイレ不安が避難の遅れにつながらないようにする |
| 中 | 懐中電灯、笛、防寒具、雨具、軍手 | 軽くて使いやすいものにする |
| 低〜調整 | 衣類、タオル、予備の食品、生活用品 | 袋が重すぎるなら自宅備蓄に分ける |
持ち出し袋は、一つに全部入れなくても構いません。
「避難時に持つ小さな袋」と「自宅に置く備蓄」を分ける方が現実的です。
本人が持つ袋には、命と連絡に関わるものを優先します。
薬と医療情報は、家族が思うより避難の足を止めます
高齢の方の避難で大きな不安になるのが薬です。
「薬を置いていけない」
「避難所で飲み忘れたら困る」
「インスリン、吸入薬、血圧の薬、心臓の薬はどうするのか」
薬の不安があると、避難そのものをためらうことがあります。
だから、薬は袋に入れるだけでなく、情報として持てるようにします。
| 準備するもの | 理由 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 常備薬 数日分 | 避難後すぐに受診や薬の確保ができない場合がある | 持ち出し袋、普段の薬箱の近く |
| お薬手帳のコピー | 薬の名前や量を伝えられる | 持ち出し袋、財布、家族のスマホ写真 |
| 病名・持病メモ | 避難所や医療者に伝えやすい | 紙とスマホの両方 |
| かかりつけ医・薬局 | 災害後の相談につなげやすい | 連絡先メモに記載 |
| アレルギー情報 | 食事や薬の事故を避ける | 見やすいメモにする |
| 介護・認知症の情報 | 支援者が本人の状態を理解しやすい | 本人用カード、家族共有メモ |
遠方のご家族は、親御さんのお薬手帳を写真に撮っておくと助かることがあります。
もちろん、個人情報なので扱いには注意が必要です。
ただ、災害時に「薬の名前が分からない」はかなり困ります。薬の名前は、本人の記憶より紙と写真に頼った方が安全です。
連絡先はスマホだけでなく、紙にも残します
災害時は、スマホの充電が切れる、電波がつながりにくい、操作に焦る、パスコードが分からなくなることがあります。
高齢の方の場合、スマホに家族の連絡先が入っていても、災害時にすぐ使えるとは限りません。
だから、紙の連絡先メモを作ります。
| 書いておきたい連絡先 | 書き方の例 |
|---|---|
| 家族 | 長男 ○○ 090-XXXX-XXXX/娘 ○○ 090-XXXX-XXXX |
| 近所・親族 | 隣の○○さん/同じ町内の親族 |
| かかりつけ医 | ○○医院 電話番号、診療科 |
| 薬局 | ○○薬局 電話番号 |
| ケアマネジャー | 事業所名、担当者名、電話番号 |
| 地域包括支援センター | 担当センター名、電話番号 |
| 自治体窓口 | 防災担当、福祉担当、避難所情報 |
| 本人情報 | 氏名、生年月日、住所、持病、薬、緊急時の希望 |
紙のメモは、財布、持ち出し袋、玄関近くの分かる場所に入れておきます。
大きな字で書くことも大事です。
災害時の小さい字は、本当に読めません。老眼鏡を探しているうちに避難の時間が溶けます。
遠方の家族は、当日迎えに行く前提にしすぎない方が安全です
離れて暮らす親御さんの避難が心配な場合、子ども世代は「いざとなったら迎えに行く」と考えがちです。
その気持ちは自然です。
でも、災害時に遠方から迎えに行くのは危険なことがあります。
道路が冠水する、橋が通れない、渋滞する、土砂災害の危険がある、夜間になる、家族自身も被災する。迎えに行く側が危険に巻き込まれる可能性もあります。
だから、遠方の家族は「当日の迎え」より「事前の近くの支援」を作っておく方が現実的です。
| 遠方家族が事前にできること | 目的 |
|---|---|
| 親の住所でハザードマップを確認する | どの災害で早め避難が必要か分かる |
| 近所で声をかけられる人を一人決める | 電話がつながらないときの目になる |
| 地域包括支援センターを調べる | 介護・見守り・避難支援の相談につなげる |
| 避難行動要支援者名簿の対象か聞く | 自治体の支援制度を確認する |
| 親族宅やホテル避難を事前に相談する | 台風など予測できる災害で早めに移動できる |
| 連絡が取れないときの順番を決める | 誰が、どこへ、何回連絡するか迷わない |
災害の日に親を心配する気持ちは止められません。
でも、当日できることには限界があります。
だから平常時に、近くの支援の糸を一本でも結んでおきます。
本人に話すときは、「避難しなさい」より「一緒に決めておきたい」で始めます
高齢の親御さんに避難の話をすると、反発されることがあります。
「まだ一人で大丈夫」
「避難所なんて行きたくない」
「家を空けるのが心配」
「近所に迷惑をかけたくない」
「昔からここで暮らしているから大丈夫」
こう言われると、家族は焦ります。
でも、強く押すほど、親御さんは「自分の暮らしを奪われる」と感じることがあります。
| ぶつかりやすい言い方 | 伝わりやすい言い方 |
|---|---|
| 災害のときは必ず避難して | どの情報が出たら動くか、一緒に決めておきたい |
| 一人では無理でしょ | 雨の夜に歩くのは誰でも危ないから、先に方法を考えよう |
| 避難所へ行って | 避難所、親族宅、家の上階、どれが合うか見ておこう |
| 近所に頼んでおくから | 困ったとき声をかけられる人を一人だけ決めておこう |
| 名簿に登録して | 災害時に気づいてもらいやすくする制度があるから、市役所に聞いてみよう |
親御さんに必要なのは、命令ではなく納得できる道筋です。
避難の話は、家族の不安をぶつける場ではなく、本人が動ける手順を作る場にした方が進みます。
今日やることは、防災用品を全部そろえることではありません
災害時に一人で避難できるか不安なとき、考えることはたくさんあります。
避難先、ハザードマップ、薬、持ち物、連絡先、近所、名簿、福祉避難所、家族の役割。
全部を今日終わらせようとすると、そこで疲れて止まります。
まずは、次のうち一つだけで大丈夫です。
- 親御さんの住所をハザードマップで調べる
- 避難先の第一候補と第二候補を書く
- 警戒レベル3で連絡する相手を決める
- 薬とお薬手帳のコピーを持ち出し袋に入れる
- 家族・近所・かかりつけ医の連絡先を紙に書く
- 避難所まで実際に歩けるか、昼間に一度見てみる
- 地域包括支援センターや市役所に、名簿や個別避難計画を聞く
- 福祉避難所の利用対象と流れを自治体へ聞く
災害への備えは、完璧にするものではありません。
一つ決めるたびに、迷いを一つ減らすものです。
高齢の方の避難で大切なのは、勇気を出して一人で頑張ることではありません。
早めに動く。持ち物を軽くする。薬と連絡先を見える形にする。近くで気づいてくれる人を作る。自治体の制度を確認する。
この積み重ねです。
今日できる最初の一歩は、非常食を買い込むことではなく、紙にこう書くことかもしれません。
「警戒レベル3が出たら、誰に電話して、どこへ行くか」
この一行があるだけで、災害の日の迷いは少し減ります。
不安をゼロにすることはできません。
でも、不安の中でも動ける順番を作ることはできます。
出典・確認先メモ
- 政府広報オンライン「警戒レベル4までに危険な場所から全員避難」:警戒レベル3「高齢者等避難」、警戒レベル4「避難指示」、避難の考え方の確認に使用。
- 内閣府防災情報「避難行動要支援者の避難行動支援」:避難行動要支援者名簿、個別避難計画の確認に使用。
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」:洪水、土砂災害、高潮、津波などの災害リスク確認に使用。
- 首相官邸「災害の備えチェックリスト」:非常持ち出し品、高齢者の備えの確認に使用。
- 内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」:福祉避難所の考え方の確認に使用。
- 避難所、福祉避難所、避難行動要支援者名簿、個別避難計画、地域の見守り、防災行政無線や避難情報の伝達方法は自治体によって異なります。実際の登録・利用・避難判断は、お住まいの市区町村、防災担当、福祉担当、地域包括支援センターなどで最新情報をご確認ください。


















