葬儀が終わった翌朝、テーブルの上に書類だけが残ります
数日前まで、葬儀社、親族、寺院、火葬場への連絡に追われていた。
ようやく葬儀が終わり、自宅へ戻ると、紙袋の中には死亡診断書のコピー、葬儀費用の領収書、役所でもらった案内、保険証、年金の書類、銀行からの郵便物が入っています。
スマートフォンには、勤務先、携帯電話会社、保険会社、親族からの連絡が残ったままです。
「何をいつまでにすればいいのか分からない」
「一つ忘れたら、取り返しがつかなくなるのでは」
「相続の話を始めるのは、まだ早い気がする」
「きょうだいは仕事へ戻り、自分だけが全部やることになりそう」
悲しむ時間がないまま、手続きだけが次々と押し寄せてくるように感じるでしょう。
けれど、葬儀後の手続きを、今日すべて終える必要はありません。
死亡直後に済ませること、数週間以内に動くこと、三か月後までに判断することは、それぞれ別です。
最初に手続きの数を減らすのではなく、「今日」「今月」「少し先」の三つへ分けます。
最初の一枚には、手続き名より期限を書きます
役所やインターネットでもらう一覧は、項目が多く、かえって焦ることがあります。
まず一枚の紙を横に三つへ分けてください。
| 今日から一週間 | 今月中に動く | 三か月以降も見据える |
|---|---|---|
| 死亡届の提出状況 火葬・埋葬関係 勤務先への連絡 当面の住まいと支払い |
健康保険 年金 公共料金 保険金・給付金 契約の一覧化 |
相続放棄の判断 準確定申告 遺産分割 相続税 不動産の名義変更 |
手続きの正式名称が分からなくても構いません。
「年金事務所へ電話」「父のカード明細を見る」「実家の固定資産税を探す」のように、次の行動を書きます。
一つ終わったら、日付と対応した人の名前を残してください。
同じ窓口へ家族が何度も連絡することや、誰も連絡していなかったという行き違いを減らせます。
期限がある手続きを、先に一本の表へ入れます
| 時期の目安 | 主な手続き・判断 | 最初に確かめる相手 |
|---|---|---|
| 死亡を知った日から7日以内 | 死亡届。通常は火葬許可に関する手続きもあわせて進む | 葬儀社、市区町村 |
| 葬儀後、早めに | 勤務先、健康保険、年金、介護保険、各種手当など | 勤務先、市区町村、年金事務所、加入先 |
| 数週間から1か月程度 | 公共料金、賃貸住宅、携帯電話、カード、保険、定期契約の把握 | 各契約先 |
| 相続開始を知ってから3か月以内 | 相続放棄・限定承認を検討する期限 | 家庭裁判所、必要に応じて法律相談 |
| 相続開始を知った翌日から4か月以内 | 必要な場合の準確定申告と納税 | 税務署、税理士 |
| 相続開始を知った翌日から10か月以内 | 必要な場合の相続税申告と納税 | 税務署、税理士 |
| 不動産を相続したことを知った日から3年以内 | 相続登記 | 法務局、司法書士 |
死亡届は、死亡の事実を知った日から七日以内に、死亡地、本籍地、届出人の所在地などを管轄する市区町村へ提出します。葬儀社が提出の段取りを担っている場合もあるため、葬儀後は「提出済みか」「控えはどこにあるか」を確かめてください。
保険、年金、税、相続の期限は、亡くなった方や遺族の状況によって手続きの要否が異なります。
一覧を見て、すべて自分に当てはまると思わず、「該当するかを聞く期限」として使ってください。
死亡届と火葬の手続きが済んでいるかを、葬儀社へ一度だけ聞きます
葬儀を終えている場合、死亡届と火葬許可に関する手続きはすでに進んでいることが多いでしょう。
ただし、家族が「誰かがやったはず」と思っているだけでは、その後の手続きに必要な書類が見つからなくなることがあります。
葬儀社へは、次のように尋ねます。
「死亡届は、いつ、どこの市区町村へ提出しましたか。家族が持っておく控えや、今後使う書類はありますか」
あわせて、次の書類を一つのファイルへ集めます。
- 死亡診断書または死体検案書のコピー
- 死亡届に関する控え
- 火葬許可証・埋葬許可証として使用する書類
- 葬儀社との契約書、見積書、請求書
- 葬儀費用、火葬料、宗教者への支払いの領収書
- 葬祭を行った人が分かる書類
死亡診断書などのコピーは、保険金や勤務先の手続きで求められる場合があります。
すでに原本を提出している場合は、必要な証明書の名称を提出先へ聞き、自己判断で同じ書類を何通も集めないようにします。
遺言書があるかどうかは、財産を動かす前に確かめます
葬儀費用や当面の生活費が必要になり、亡くなった方の通帳や印鑑を探すことがあります。
そのとき、引き出しや金庫から遺言書らしい封筒が見つかることもあります。
封印された自筆の遺言書を見つけた場合は、家族だけで開封せず、家庭裁判所の検認が必要かを確かめてください。
公正証書遺言と、法務局に保管された自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書は、原則として家庭裁判所の検認が不要です。
遺言書を探す場所としては、次が考えられます。
- 自宅の金庫、机、仏壇、重要書類のファイル
- 貸金庫
- 公証役場で作った公正証書遺言
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度
- 弁護士、司法書士、税理士などへ預けた書類
遺言書があるか分からない段階で、不動産を売る、預金を家族で分ける、形見以外の財産を大量に処分すると、その後の相続手続きが複雑になる可能性があります。
家族が今日集めるのは、戸籍より「手掛かりになる物」です
相続手続きでは戸籍が必要になりますが、葬儀直後から出生までの戸籍をすべて集めようとすると疲れてしまいます。
最初は、亡くなった方の暮らしを示す物を一か所へ集めます。
| 集める物 | 分かること |
|---|---|
| 財布の中身 | 保険証、診察券、カード、会員証 |
| 通帳・金融機関からの郵便物 | 口座、ローン、投資、引き落とし |
| 直近1年分の郵便物 | 保険、税金、不動産、契約先 |
| スマートフォン・パソコン | 連絡先、メール、電子契約の存在 |
| 固定資産税の通知 | 土地や建物の手掛かり |
| 給与・年金・確定申告関係 | 収入と税の手続き |
| 借入れや請求書 | 返済中の債務、保証契約 |
見つけた物は、すぐ解約したり捨てたりせず、写真を撮るか一覧にします。
「使っていないカードだから不要」「古い通帳だから捨ててよい」と一人で判断せず、相続財産や未払いの把握が終わるまで保管してください。
電気・水道・電話は、すべて止めればよいわけではありません
契約を減らそうとして、公共料金や電話をすぐ解約すると、実家の片付けや役所からの連絡で困る場合があります。
| 契約 | すぐ止めずに見ること | 停止・変更の目安 |
|---|---|---|
| 電気 | 片付け、冷蔵庫、防犯、四十九日までの使用 | 家へ入る予定がなくなってから |
| 水道 | 掃除、トイレ、凍結対策 | 住まいの処分方針が決まってから |
| ガス | 安全確認、給湯の必要 | 使用状況を見て早めに連絡 |
| 固定電話 | 親族や契約先から連絡が来る可能性 | 転送や案内の要否を考えてから |
| 携帯電話 | 二段階認証、連絡先、契約確認 | 必要情報を整理してから |
| インターネット | メール、クラウド、見守り機器との関係 | データと利用機器を確かめてから |
| 賃貸住宅 | 退去期限、片付け、家賃、原状回復 | 管理会社と日程を決めてから |
解約の前に、契約者名、支払口座、違約金、返却する機器を尋ねます。
亡くなった方の口座から支払われていた契約は、口座の利用状況が変わることで引き落とせなくなる場合があります。
必要な契約を残すなら、誰の名義と口座へ変更するかもあわせて決めてください。
健康保険は「返す手続き」と「受け取れる給付」を一緒に聞きます
健康保険証や資格確認書を返すことだけに意識が向き、葬儀に関する給付を見落とすことがあります。
| 亡くなった方の加入先 | 連絡先の目安 | 聞くこと |
|---|---|---|
| 会社の健康保険 | 勤務先、健康保険組合、協会けんぽ | 資格喪失、保険証等の返却、埋葬料・埋葬費 |
| 国民健康保険 | 市区町村の国民健康保険窓口 | 資格喪失、葬祭費、保険料の精算 |
| 後期高齢者医療 | 市区町村の担当窓口 | 資格喪失、葬祭費、保険料の精算 |
| 共済組合 | 勤務先または共済組合 | 資格喪失と死亡に関する給付 |
協会けんぽでは、被保険者が亡くなった場合、要件を満たす人に埋葬料として五万円、該当する人がいなければ実際に埋葬を行った人へ上限五万円の埋葬費が申請により支給されます。
国民健康保険や後期高齢者医療の葬祭費は、金額や必要書類が自治体によって異なります。
葬儀社の領収書、会葬礼状、申請者の口座などを求められる場合があるため、葬儀関係の書類を先に捨てないようにしてください。
年金は「止める」だけでなく、未支給分と遺族年金を分けます
亡くなった方が年金を受けていた場合、死亡に関する届出と、亡くなった月分までの未支給年金の請求は別の内容を含みます。
日本年金機構へマイナンバーが収録されている方は、年金受給権者死亡届が原則不要ですが、未支給年金を受け取るための請求などは必要です。
| 年金関係で聞くこと | 伝える内容 |
|---|---|
| 死亡届が必要か | 亡くなった方の基礎年金番号、マイナンバー登録の状況 |
| 未支給年金 | 亡くなった方と生計を同じくしていた遺族がいるか |
| 遺族基礎年金・遺族厚生年金 | 配偶者、子、生活維持関係など |
| 振込み後の年金 | 亡くなった日以降に入金された金額と対象月 |
亡くなったあとに年金が振り込まれても、すべて自由に使ってよいとは限りません。
対象となる月と請求できる遺族を年金事務所へ確かめてから扱います。
働いていた方なら、勤務先から受け取る書類を一覧にします
亡くなった方が会社員や役員だった場合、勤務先への連絡で複数の手続きが動きます。
- 死亡退職に関する手続き
- 最終給与、賞与、退職金
- 会社から貸与された物の返却
- 健康保険、雇用保険、企業年金
- 弔慰金や死亡退職金
- 団体保険
- 源泉徴収票
- 未精算の経費
勤務先へは、家族の代表者を一人決め、次のように伝えます。
「今後必要な書類、会社へ返却する物、家族が申請できる給付を一覧で教えてください。窓口は私が担当します」
勤務先から支給される死亡退職金や弔慰金などは、相続財産や税の扱いが一律ではありません。
金額が大きい場合は、支給名目と受取人を示す書類を保管してください。
銀行やカードは、一人の判断でお金を動かさないようにします
葬儀費用を立て替えた人は、「故人の預金から戻してもよいだろう」と考えるかもしれません。
一方、生活費を亡くなった配偶者の口座に頼っていた方は、すぐにお金を確保しなければと焦ります。
まず、次の三つを分けます。
- 亡くなった方名義の預貯金
- 配偶者や家族本人の預貯金
- 葬儀費用などを家族が立て替えた記録
立替えた人は、領収書と支払日を残します。
亡くなった方の口座から一人でまとまった金額を引き出したり、家族へ分配したりする前に、遺言書、相続人、借金の有無を確かめてください。
| 金融関係で見るもの | 見落としやすいこと |
|---|---|
| 通帳・ネット銀行 | 普通預金だけでなく定期預金や外貨預金 |
| 証券会社 | 株式、投資信託、配当金 |
| クレジットカード | 未確定利用、年会費、家族カード、定期契約 |
| ローン | 住宅、自動車、カードローン、保証債務 |
| 生命保険 | 契約者、被保険者、受取人が異なる場合 |
銀行や保険会社へ連絡するときは、いきなり解約を依頼せず、「死亡後の手続きに必要な書類と、今後の取引の扱いを教えてください」と尋ねます。
三か月以内に相続放棄を考える可能性があるなら、借金を先に探します
相続は、預金や不動産だけでなく、借金などの義務も対象になります。
裁判所で相続放棄をする場合、原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから三か月以内に申述します。
財産や債務を調べても判断できない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられることがあります。
次の物がある場合は、相続の判断を後回しにしない方がよいでしょう。
- カードローンや消費者金融の明細
- 住宅ローン、自動車ローン
- 税金や保険料の督促
- 事業上の借入れ
- 家族が知らない不動産
- 連帯保証に関する書類
- 裁判所や債権回収会社からの郵便
相続放棄を検討している段階では、故人の財産を売る、処分する、分配するといった行為が判断へ影響する可能性があります。
「借金はあるが家も残したい」「財産の全体が分からない」といった場合は、三か月の期限を伝えたうえで、家庭裁判所や法律相談へ具体的な状況を持ち込みます。
税の手続きは、全員に必要とは限りません
葬儀後の一覧を見ると、「準確定申告」「相続税」という言葉だけで不安になるかもしれません。
どちらも、すべての遺族に申告義務があるわけではありません。
| 手続き | 期限 | 必要性を考える手掛かり |
|---|---|---|
| 準確定申告 | 相続開始を知った日の翌日から4か月以内 | 故人が確定申告をしていた、事業・不動産所得がある、複数の収入があるなど |
| 相続税申告 | 相続開始を知った日の翌日から10か月以内 | 正味の遺産額が基礎控除額を超える可能性がある |
年の途中で亡くなった方に確定申告が必要な所得がある場合、相続人などが一月一日から死亡日までの所得と税額を計算し、原則四か月以内に準確定申告を行います。
相続税の申告が必要な場合は、原則として死亡を知った日の翌日から十か月以内です。遺産分割の話し合いが終わっていなくても、申告期限が自動で延びるわけではありません。
故人の過去の確定申告書、源泉徴収票、固定資産税、通帳、証券会社の報告書を集め、税務署や税理士へ「申告が必要な可能性があるか」から聞いてください。
戸籍を何度も提出するなら、法定相続情報証明制度も候補になります
銀行、年金、相続登記、相続税など、複数の手続きで戸籍一式を求められることがあります。
法定相続情報証明制度は、相続関係を一覧にした図と戸除籍謄本などを法務局へ提出し、登記官の確認を受けた一覧図の写しを無料で交付してもらう制度です。
交付された写しは、相続登記、預貯金の払戻し、相続税、年金など、利用先が対応している相続手続きで使えます。
ただし、この制度を利用しても、各手続きに必要な書類がすべて同じになるわけではありません。
利用する金融機関や窓口へ、法定相続情報一覧図の写しを使えるかを先に聞きます。
実家や土地がある場合は、固定資産税の通知を捨てないでください
実家以外にも、山林、農地、共有地、以前住んでいた家などが故人名義になっていることがあります。
相続によって不動産を取得したことを知った相続人は、原則としてその日から三年以内に相続登記を申請する義務があります。
まず集めたいのは、次の書類です。
- 固定資産税の納税通知書
- 権利証や登記識別情報
- 売買契約書
- 土地や建物の賃貸借契約書
- 住宅ローンの書類
- 火災保険の契約書
不動産の所在が分からない場合、二〇二六年二月から始まった所有不動産記録証明制度により、一定の条件のもとで、亡くなった方が登記名義人となっている不動産の一覧的な証明を請求できる仕組みもあります。
相続人の話し合いがまとまらない場合も、登記の期限を放置せず、法務局へ利用できる手続きや相続人申告登記について尋ねてください。
スマートフォンを解約する前に、認証と契約の手掛かりを残します
亡くなった方のスマートフォンには、連絡先だけでなく、銀行、証券、通販、公共料金、写真、定額サービスの情報が入っていることがあります。
すぐ初期化したり処分したりせず、次の点を見ます。
- 契約している携帯電話会社
- 主に使っていたメールアドレス
- 毎月課金されるアプリや定額サービス
- 銀行や証券の二段階認証
- 写真や家族のデータ
- 仕事関係の情報
- SNSや通販サイト
パスワードが分からなくても、無理に解除を試し続ける必要はありません。
端末、請求明細、メールアドレスなどの手掛かりを残し、各サービスの死亡後手続きを調べます。
有料契約だけを先に止めたい場合も、写真やメールが消える条件、端末代の残額、機器の返却がないかを聞いてから解約してください。
家族の一人が「全部の窓口」にならないよう、役割を分けます
| 役割 | 担当する内容 |
|---|---|
| 全体の記録係 | 期限表、連絡日、窓口、必要書類を一つの表へまとめる |
| 役所・年金担当 | 市区町村、年金、健康保険への連絡 |
| お金担当 | 通帳、カード、保険、葬儀費用、借金の一覧化 |
| 住まい担当 | 公共料金、賃貸住宅、郵便、実家の管理 |
| 親族連絡担当 | 法要、香典返し、相続の話し合いの日程 |
| デジタル担当 | 携帯電話、パソコン、定額サービス、写真の保存 |
一人暮らしの配偶者が手続きを担っている場合は、成人した子どもや親族が、電話、書類のコピー、窓口への同行だけを引き受ける方法もあります。
家族が遠方なら、共有できる表へ次の四項目を残します。
- 手続き名
- 担当者
- 期限
- 現在の状態
戸籍や通帳の画像を無制限に共有せず、個人情報を見られる人は必要な範囲に絞ってください。
葬儀費用と故人のお金は、領収書一枚から分けておきます
葬儀後は、誰がいくら払ったか分からなくなりやすいものです。
長男が葬儀社へ支払い、長女が火葬料を払い、配偶者が宗教者へのお礼を用意した。香典から一部を支払い、残りを誰が持っているか曖昧になることもあります。
| 記録すること | 記入例 |
|---|---|
| 支払日 | 7月20日 |
| 支払った人 | 長女 |
| 支払先・内容 | 葬儀社へ残金 |
| 金額 | 48万円 |
| 支払方法 | 長女個人の口座から振込み |
| 領収書 | あり、青いファイルへ保管 |
記録は、家族を疑うためではありません。
立て替えた人を守り、香典、葬儀費用、相続財産を後から説明できるようにするためです。
誰の負担とするか、相続財産から精算できるか、税務上どう扱うかは事情によって異なります。金額が大きい場合は、資料を残したまま確認してください。
窓口へ電話するときは、「全部教えてください」と言わなくて構いません
手続きに疲れていると、何を聞けばよいか分からなくなります。
一回の電話で確認するのは、次の三つだけです。
- この家族に必要な手続きがあるか
- 期限はいつか
- 必要な書類は何か
たとえば年金事務所へは、次のように話せます。
「年金を受給していた父が亡くなりました。死亡の届出が必要か、未支給年金や遺族年金で家族がする手続きがあるか、必要書類と期限を教えてください」
市区町村へは、次のように聞けます。
「母の葬儀が終わりました。死亡届は葬儀社が提出済みです。健康保険、介護保険、葬祭費など、家族が次に行う手続きと持ち物を教えてください」
電話中に分からない言葉が出たら、「その書類はどこでもらえますか」と一つずつ聞きます。
手続きを頼む相手は、困っている内容で選びます
| 困っていること | 確認先の例 |
|---|---|
| 死亡後の行政手続きが分からない | 亡くなった方の住所地の市区町村 |
| 未支給年金・遺族年金 | 年金事務所、年金相談センター |
| 相続放棄を考えている | 家庭裁判所、弁護士 |
| 不動産の相続登記 | 法務局、司法書士 |
| 準確定申告・相続税 | 税務署、税理士 |
| 預金・保険・カード | 各金融機関、保険会社、カード会社 |
| 家族間で遺産の意見が合わない | 弁護士、家庭裁判所の手続き |
すべてを一人の専門職へ頼む必要はありません。
三か月の相続放棄が近い、事業や不動産が多い、家族関係が複雑といった期限や事情がある部分から助けを借ります。
今日することは、役所を何か所も回ることではありません
葬儀後の手続きが多すぎると感じた日は、窓口を回る前に、一枚の管理表を作ってください。
最初に書くのは、次の五行です。
- 亡くなった方の氏名・住所・生年月日・死亡日
- 死亡届を提出した人と市区町村
- 年金・健康保険の加入先
- 遺言書と借金の手掛かりがあるか
- 家族の連絡窓口を誰にするか
次に、葬儀社へ死亡届の提出状況を聞くか、市区町村へ一度電話します。
今日のうちに銀行、保険、公共料金、相続、税金をすべて終わらせなくて構いません。
期限が近い手続きと、調べてから決める手続きを同じ日に抱えないことが、最初の整理です。
悲しみの中では、いつもなら簡単な書類も読めなくなることがあります。
一つ忘れた自分を責めるより、家族で見られる表へ戻り、次の一件だけを選んでください。
今日は、死亡届が済んでいるかを確かめ、三か月の相続判断が必要かを見る。
そこまでできれば、葬儀後の手続きは、すでに動き始めています。
出典・確認先メモ
- 法務省「死亡届」「死亡届の届出地について」:死亡届の提出期限、届出人、提出先。
- 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」:死亡届の要否、未支給年金、必要書類。
- 全国健康保険協会「ご本人・ご家族が亡くなったとき」:協会けんぽの埋葬料・埋葬費。
- 裁判所「相続の放棄の申述」「相続の承認又は放棄の期間の伸長」:相続放棄の三か月の期限と期間伸長。
- 国税庁「納税者が死亡したときの確定申告」「相続税の申告と納税」:準確定申告の四か月、相続税申告の十か月。
- 法務省「相続登記の申請義務化について」:不動産を相続したことを知った日から三年以内の相続登記。
- 法務局「法定相続情報証明制度」:戸籍一式に代わる一覧図の写しと利用できる相続手続き。
- 必要な手続き、期限、提出書類、給付額は、加入制度、住所地、財産、家族関係によって異なります。亡くなった方の住所地の市区町村と各提出先で最新条件をご確認ください。















