配達完了の通知が来たのに、玄関を開けても荷物がない
スマートフォンに「配達が完了しました」と通知が届く。
玄関を開けても、頼んだはずの箱が見当たりません。宅配ボックスにも入っておらず、配達写真を見ると、自宅と似ているようで少し違う玄関が写っています。
「隣の家に届いたのだろうか」
「もう誰かに持っていかれたのではないか」
「置き配を選んだ自分が悪いと言われないだろうか」
反対に、在宅中の受け取りが怖い方もいます。
インターホンが鳴っても、本当に配達員なのか分からない。一人暮らしだと知られたくない。玄関を開けたときに押し入られたらと思うと、荷物を受け取るだけでも緊張します。
置き配には、再配達を頼まずに済む便利さがあります。その一方で、盗難、誤配、雨濡れ、置かれた荷物から不在を知られる心配があります。
便利か危険かを一つに決めるより、荷物の内容と住まいに合わせて受取方法を変える方が現実的です。
置き配への心配を、四つに分けて考えます
| 気になっていること | 起こり得る場面 | 先にできること |
|---|---|---|
| 盗難 | 道路から見える玄関前へ長時間置かれる | 鍵付きの宅配ボックスや店舗受取を使う |
| 誤配 | 似た住所、同じ名字、集合住宅の部屋違い | 建物名、部屋番号、入口の補足を正確に登録する |
| 雨濡れ・破損 | 屋根のない場所、風が強い日、大きな荷物 | 雨の当たらない場所か対面受取を選ぶ |
| 防犯 | 配達を装った訪問、一人での対面受取 | インターホン越しに非対面受取を希望する |
たとえば、洗剤や紙製品なら置き配を使い、パソコン、貴重品、贈答品は対面やロッカーで受け取る方法があります。
すべてを同じ設定にしなくて構いません。
注文確定の前に、受取方法が勝手に決まっていないかを見る
通販サイトによっては、以前選んだ置き配設定が次の注文にも引き継がれたり、初期設定が置き配になっていたりする場合があります。
国民生活センターも、意図せず置き配を選択していないか注文前に確かめ、盗難や誤配時の補償と連絡先を把握するよう案内しています。
注文を確定する前に、次の五か所を見てください。
- 届け先の郵便番号と住所
- マンション・アパート名と部屋番号
- 受取方法が「置き配」「対面」のどちらか
- 置き配する具体的な場所
- 届かなかった場合の問い合わせ先
同じ番地に複数の建物がある場合は、入力できる範囲で「白い外壁」「道路側から二軒目」など、入口を見つける手がかりを補足します。
ただし、防犯上知られたくない生活状況や、鍵の保管場所などは書かないでください。
置き場所は「玄関から近い」より、外から見えにくいかで選びます
| 受取場所 | 向いている状況 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 玄関前 | 短時間で取り込めて、外から見えにくい | 雨、盗難、不在が分かる心配がある |
| 鍵付き宅配ボックス | 留守が多く、複数回利用する | 本体を固定し、荷物の大きさも見る |
| 置き配バッグ | 常設ボックスを置く場所が少ない | ワイヤー固定、施錠、雨への強さを確かめる |
| 物置・車庫 | 敷地内に見えにくく濡れにくい場所がある | 配達員が迷わない指定が必要 |
| 共用宅配ロッカー | 集合住宅に設備がある | 満室時の扱い、暗証番号の通知方法を見る |
| 店舗・営業所・ロッカー受取 | 高額品や長時間留守にする日 | 利用期限、本人確認、持ち帰れる大きさを見る |
日本郵便では、指定場所は同一建物・構内であり、雨などで荷物が汚損するおそれがないことを条件としています。置き配バッグなどを使う場合は、固定できること、施錠できることなども示されています。配送会社ごとに条件が違うため、利用する会社の案内を確かめてください。
鍵付きボックスを買う前に、普段届く箱の大きさ、設置場所、扉の開き方を測ります。
高価な設備を急いで用意しなくても、まず受取日時の変更や店舗受取で対応できる場合があります。
在宅中でも、玄関を開けずに受け取って構いません
インターホンが鳴ったとき、すぐ玄関を開ける必要はありません。
画面や窓から相手を確かめ、心配なら次のように伝えます。
「ありがとうございます。玄関前へ置いて、離れてからインターホンを押していただけますか」
警察庁は、宅配事業者を装った強盗などへの対策として、在宅中でも非対面受取を希望する場合は、インターホン越しにその意向を伝えるよう案内しています。大手宅配事業者も、それぞれの方式に基づいて受取人の意向に沿うよう努めるとしています。
次のような場合は、扉を開けずに会社名や送り主を聞いてください。
- 荷物が届く予定に心当たりがない
- 制服や車両から配送会社を確かめられない
- 「確認のため家へ入る」と言われた
- 現金やキャッシュカードを用意するよう求められた
- 不自然に玄関を開けるよう急かされる
不審な人が玄関前から離れない、扉をこじ開けようとしているなど、目の前の危険がある場合は110番へ連絡します。
配達通知が来たら、長時間置いたままにしない
置き配を利用する日は、到着通知を受け取れるようにしておきます。
荷物が届いたら、可能な範囲で早めに取り込んでください。国民生活センターも、配達完了通知などで到着を知ったら早めに引き取るよう勧めています。
すぐ帰れない日は、置き配以外へ変えられないかを考えます。
- 在宅する日の時間帯指定
- 宅配ロッカー
- コンビニや郵便局などでの受取
- 配送会社の営業所受取
- 同居家族が受け取れる日への変更
どの方法を選べるかは、通販サイト、発送方法、配送会社、荷物の種類によって異なります。
「配達済みなのに荷物がない」ときは、この順番で動きます
見当たらないと気づいても、すぐ近所の人を疑わないでください。
誤配、家族の取り込み、別の受取場所への配達なども考えられます。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 | 配達完了通知、追跡番号、配達時刻、写真を保存する |
| 2 | 玄関周辺、宅配ボックス、物置など指定した場所を見る |
| 3 | 同居家族や管理人が取り込んでいないか聞く |
| 4 | 配達写真と自宅の玄関、床、壁、部屋番号を比べる |
| 5 | 通販サイトや販売元の注文履歴から問い合わせる |
| 6 | 配送会社へ追跡番号を伝え、配達場所の調査を依頼する |
| 7 | 盗難が疑われる場合は警察へ被害状況を伝える |
配達写真が別の家に見えても、その家の敷地へ無断で入ったり、荷物を取りに行ったりしないでください。
似た玄関を探して歩き回るより、配送会社へ写真の違いを伝え、回収や再配達の対応を求めます。
問い合わせでは、次のように話せます。
「本日午後2時に置き配完了となっていますが、指定場所に荷物がありません。配達写真は自宅の玄関と床の色が異なります。注文番号と追跡番号はこちらです。配達場所を調べてください」
誰が補償するかは、その場で決めつけない
置き配の荷物がなくなった場合、通販サイト、販売元、配送会社の利用規約や、配達状況によって対応が異なります。
「置き配を指定したのだから、必ず自己責任」「写真があるから、必ず配達完了」と一律に決めつけることはできません。
注文前には、盗難や誤配時の補償の有無と連絡先を見ておきます。トラブルが起きた後は、次の記録を消さずに残してください。
- 商品名と購入金額
- 注文番号・追跡番号
- 指定した受取場所
- 配達完了通知と写真
- 荷物がないことに気づいた時刻
- 販売元・配送会社とのやり取り
- 防犯カメラやインターホンの記録
日本郵便には、事前に合意した一部の荷送人から発送された対象荷物について、置き配後の盗難を補償する仕組みがありますが、すべての置き配が対象になるわけではありません。利用した通販サイトと配送方法の条件を個別に確かめてください。
盗難か誤配か分からなくても、警察へ相談できます
配送会社が正しい場所へ配達した記録があり、その後荷物がなくなった場合は、盗難の可能性も考えます。
防犯カメラに持ち去る人が写っている、同じ地域で被害が続いている、不審な人物を見た場合は、映像や通知を保存して警察へ伝えてください。
今まさに持ち去られた、犯人が近くにいるなど緊急性がある場合は110番です。
犯罪に当たるか分からない、届け出方を聞きたいなど、緊急ではない警察への相談は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署で受け付けています。
相手を自分で追いかけたり、近所の人へ強い口調で問い詰めたりしないでください。
違う家の荷物が置かれていたら、開けずに配送会社へ連絡します
玄関前に、自分宛てではない荷物が置かれていることもあります。
宛名を確かめるために必要以上に個人情報を撮影したり、箱を開けたりしないでください。
送り状に書かれた配送会社へ連絡し、「自宅へ別の住所の荷物が誤配されている」と伝え、回収方法を聞きます。
自分で宛先の家へ届けると、行き違いや別のトラブルになることがあります。特に夜間や知らない家の場合は、配送会社へ任せた方が安全です。
荷物が濡れた・壊れていたときは、開ける前から写真を残します
雨で箱が濡れている、角が大きくつぶれている場合は、すぐ箱を捨てないでください。
- 置かれていた場所
- 箱全体と傷んだ部分
- 送り状
- 開封後の商品
- 配達完了の時刻
これらを撮影し、通販サイトや販売元の問い合わせ画面から連絡します。
電化製品などは、濡れた状態で通電させず、販売元の案内を待った方がよい場合があります。
返品や交換の窓口が販売元なのか配送会社なのかは契約によって異なるため、自己判断で着払い返送をしないでください。
勝手に置き配されたと感じたら、注文設定と荷札の両方を見ます
自分では置き配を指定した覚えがないのに、玄関前へ置かれていることがあります。
まず、通販サイトの注文履歴で受取方法を見てください。販売元が発送時に指定している場合や、以前の設定が残っている場合があります。
日本郵便では、荷送人が指定場所を指定して発送した荷物もあります。一方、荷札にその表示がなく、受取人も依頼していないのに置き配された場合は、配達を担当した郵便局へ連絡するよう案内しています。
配送会社へは、感情だけでなく次の点を伝えます。
「置き配を希望していません。注文履歴にも指定がなく、玄関前へ置かれていました。次回から対面または不在票での対応を希望します。現在登録されている受取設定も確かめたいです」
「再配達はこちら」というSMSは、通知から直接開かない
荷物を待っている時期は、偽の不在通知にも反応しやすくなります。
宅配事業者を装い、「不在のため持ち帰った」「住所が不明」「再配達料が必要」などとSMSを送り、偽サイトへ誘導する手口があります。
警察庁は、偽サイトでID、パスワード、カード情報などを盗まれたり、不正なアプリを入れさせられたりする事例を案内しています。
SMSが届いても、本文のリンクは使わず、次の方法で確かめます。
- 注文した通販サイトのアプリを自分で開く
- 配送会社の公式アプリや公式サイトを自分で開く
- 注文履歴にある追跡番号を入力する
- 不審なアプリをインストールしない
- カード番号、暗証番号、認証コードを入力しない
すでに情報を入力した場合は、入力したサービスのパスワード変更、カード会社や通信会社への連絡などを急ぎます。
高齢の親の置き配が心配なら、注文を止めるより設定を一緒に見ます
離れて暮らす親が通販を利用していると、家族は盗難や詐欺を心配します。
ただ、「危ないから通販を使わないで」と言うだけでは、重い物を運べない親の生活が不便になります。
| 家族ができること | 具体的な方法 |
|---|---|
| 受取方法を見る | よく使う通販サイトの置き配設定を一緒に開く |
| 受取場所を変える | 道路から見えにくく、雨の当たらない場所を選ぶ |
| 通知を共有する | 本人の同意を得て、家族も配達予定を把握する |
| 偽SMSの約束を作る | SMSのリンクは押さず、家族か公式アプリで確かめる |
| 受け取れない荷物を分ける | 高額品や大きな荷物は対面・日時指定にする |
親が自分で選べる部分を残しながら、「荷物がない」「知らない人が来た」ときに誰へ連絡するかを紙に書いておきます。
置き配を使う日は、三つだけ決めておけばよい
置き配の危険をすべてなくすことはできません。
それでも、毎回心配しながら玄関を見続ける必要はありません。
注文時に、次の三つだけ決めます。
- この荷物は置き配にしてよいか
- どこなら濡れにくく、外から見えにくいか
- 配達通知が来てから、いつ取り込めるか
すぐ取り込めない高額品なら、対面やロッカーへ変えます。
日用品で、鍵付きのボックスへ入れられるなら置き配を使う。
在宅中に人と会うのが怖いなら、インターホン越しに置いてもらう。
受取方法は、一度決めたら変えられないものではありません。
今日することは、宅配ボックスを買うことでも、通販をやめることでもありません。
次に届く一件の注文履歴を開き、届け先住所、受取場所、問い合わせ先の三か所を見てください。
荷物が届く前に連絡先まで分かっていれば、何かあったときも「どこへ言えばよいか分からない」という不安を一つ減らせます。
出典・確認先メモ
- 国民生活センター「通販で宅配荷物の置き配 上手に利用するために!」:誤配・盗難事例、注文時の設定、補償と連絡先の確認。
- 警察庁「住まいの防犯対策」:宅配を装った犯罪への対策と在宅時の非対面受取。
- 日本郵便「置き配」:指定場所、雨濡れ、鍵付き容器などの利用条件。
- 警察庁「フィッシング対策」:宅配事業者を装った偽SMSの手口と対策。
- 警察庁「警察相談専用電話」:緊急ではない警察への相談窓口。


















