朝に残高を見ただけで、一日中その数字が頭から離れません
いつものように証券会社のアプリを開くと、投資信託の評価額が前日より大きく下がっていました。
画面には赤い文字で「-320,000円」と表示されています。
ニュースを見ると、株価下落、円高、景気後退といった言葉が並んでいます。掲示板には「さらに下がる」「今すぐ逃げた方がよい」と書かれ、別の人は「絶好の買い場」と言っています。
どちらを信じればよいのか分かりません。
「このまま老後資金が半分になったらどうしよう」
「もっと早く売っておけばよかったのではないか」
「今売ったら、値上がりしたときに後悔しそう」
「家族に損をしたと知られたくない」
仕事をしていても、食事をしていても、評価額を何度も見てしまいます。
値下がりが怖いのは、数字が減ったからだけではありません。
そのお金で住宅修繕をする予定だった、年金が始まるまでの生活費にするつもりだった、子どもへ迷惑をかけないために貯めていた。評価額の後ろに、自分の暮らしがあるからです。
投資信託は預貯金とは異なり、組み入れている株式、債券、不動産、為替などの値動きによって価格が変わり、元本割れすることがあります。評価額が下がった事実を軽く考える必要はありませんが、画面を見た直後の恐怖だけで全額を売る必要もありません。
「いくら減ったか」の前に、画面の数字が何を表しているかを分けます
投資信託の画面には、基準価額、評価額、評価損益、個別元本、トータルリターンなど、似た数字が並びます。
| 表示される数字 | 意味 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 基準価額 | 投資信託一口当たりの値段を、通常は一万口当たりなどで表示したもの | 自分が投じた金額そのものではない |
| 評価額 | 現在保有する口数を、その時点の価格で評価した金額 | 今すべて換金した場合の目安だが、実際の受取額とはずれる場合がある |
| 評価損益 | 現在の評価額と取得金額との差 | 分配金や過去の一部売却が含まれない表示もある |
| 個別元本・平均取得価額 | 自分が購入した価格の平均 | 追加購入や分配金の扱いなどで変わることがある |
| トータルリターン | 現在の評価額に、受け取った分配金と過去の売却額を加え、累計購入額を引いた損益 | 保有期間全体で実際にどの程度増減したかを見る材料になる |
日本証券業協会が示す投資信託のトータルリターンは、「現在の評価金額+累計受取分配金+累計売付金額-累計買付金額」で計算されます。画面の評価損益だけでなく、販売会社が示すトータルリターンも見てください。
たとえば、現在の評価損益がマイナス20万円でも、これまで分配金を15万円受け取っていれば、保有期間全体の損益は別の数字になります。
反対に、毎月分配金を受け取って安心していても、その分配金を含めたトータルリターンがマイナスの場合もあります。
分配金が出た後の基準価額低下を、すべて運用の失敗と考えないようにします
投資信託の分配金は、銀行預金の利息と同じ仕組みではありません。
分配金は投資信託の資産から支払われるため、支払われた分だけ基準価額が下がる関係があります。基準価額だけを見るのではなく、受け取った分配金を含めた損益を見る必要があります。
| 見えている状態 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 分配金は毎月入っている | 分配金を含むトータルリターンはプラスかマイナスか |
| 基準価額が設定時より低い | 自分が実際に購入した平均価格と比べてどうか |
| 分配金が以前より減った | 運用会社の分配方針や運用報告書に変更がないか |
| 分配金を生活費に使っている | 分配後も資産が必要な期間を支えられるか |
「分配金が出ているから大丈夫」「基準価額が下がったから失敗」と一つの数字だけで判断せず、受取額と残っている資産を合わせます。
売る前に、一枚の紙へ五つの数字を書きます
値下がりした日に最初に行うのは、相場の予想ではありません。
自分の家計に関係する五つの数字を書きます。
| 書く数字 | 記入例 | 分かること |
|---|---|---|
| 累計の買付金額 | 300万円 | これまで実際に投じた総額 |
| 現在の評価額 | 264万円 | 現在残っている資産の時価 |
| トータルリターン | -21万円 | 分配金や売却額を含めた保有期間全体の損益 |
| 評価額の下落率 | 買付額に対して約12% | 金額だけでなく、自分の資産に占める影響 |
| このお金を使う時期 | 三年後に100万円必要 | 相場の回復を待てる部分と待てない部分 |
マイナス30万円という同じ金額でも、300万円を投じた人と3,000万円を投じた人では下落率が違います。
また、同じ10%の下落でも、来月の生活費に使う人と、15年以上使う予定がない人では判断が変わります。
評価額の画面を閉じたら、次に「投資信託以外の現金はいくらあるか」も書いてください。
相場より先に、これから三年以内に使うお金を守ります
投資信託を持ち続けられるかは、将来値上がりするかだけでは決まりません。
値下がりしている間に生活費、医療費、住宅修繕費が必要になるかが重要です。
| 使う時期 | 考え方 |
|---|---|
| 一年以内 | 相場の回復を前提にせず、必要額を現金で確保できるかを見る |
| 一~三年程度 | 支出予定を具体化し、値下がり時に売らずに済む金額を分ける |
| 三~十年程度 | 使う時期が近づくにつれ、値動きの小さい資産や現金へ移す計画を考える |
| 十年以上先 | 運用目的、商品の分散、費用、リスクが今も自分に合うかを見直す |
金融庁は、金融商品には安全性・収益性・換金しやすさのすべてを同時に満たすものはなく、目的に応じて使い分ける必要があると案内しています。株式や投資信託には元本割れの可能性があり、長期・積立・分散は値動きとの付き合い方の一つですが、損失をなくす保証ではありません。
生活に必要な現金が不足しているなら、「いつか戻るかもしれない」という期待だけで全額を持ち続けるのは避けたいところです。
逆に、十分な預貯金があり、長期間使わないお金で運用しているなら、今日の下落だけで計画全体を変える必要があるかを落ち着いて見直せます。
家計のお金を、三つの箱に分けます
| お金の箱 | 入れるもの | 置き場所の考え方 |
|---|---|---|
| 暮らしを守るお金 | 生活費、急な医療費、家電故障、税金等 | 必要なときに使いやすく、値動きの影響を受けにくい形 |
| 数年内に使うお金 | 住宅修繕、車、子どもの支援、年金開始までの費用等 | 使う時期に合わせ、必要額を徐々に確保する |
| 長く育てるお金 | 十年以上先の生活費、余裕資金等 | 値動きを受け入れられる範囲で分散して運用する |
評価額の下落で夜も眠れない場合、商品の値動きだけでなく、三つの箱が混ざっている可能性があります。
来年使う予定のお金まで株式中心の投資信託へ入っていれば、値下がりのたびに生活そのものが脅かされたように感じます。
売るかどうかを決める前に、現在の預貯金だけで「暮らしを守るお金」と「数年内に使うお金」を賄えるかを計算してください。
下落の理由が市場全体なのか、その商品だけなのかを見ます
評価額が下がったときは、ニュースの見出しだけでなく、保有商品の月次レポートや運用報告書を開きます。
| 見る項目 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 投資対象 | 国内株式、海外株式、債券、不動産、特定業種など何へ投資しているか |
| 地域・通貨 | 一つの国や通貨へ偏っていないか、為替の影響を受けるか |
| 基準となる指数 | 指数連動型なら、対象指数と同程度の下落か |
| 組入上位銘柄 | 少数の会社や業種へ集中していないか |
| 純資産総額 | 資金の流出が続き、規模が大きく減っていないか |
| 運用方針 | 購入時に理解していた方針から変わっていないか |
| 費用 | 信託報酬などの保有費用がどの程度か |
| 繰上償還の条件 | 途中で運用を終了する可能性がどのように書かれているか |
運用会社や販売会社のウェブサイトでは、基準価額、最新の目論見書、運用報告書、相場変動時のレポートなどが公表されています。商品名を検索するだけでなく、運用会社の正式な資料を見てください。
市場全体が下がっている中で、分散された商品も同程度に下がっているのか。それとも、市場が戻っているのに自分の商品だけ低迷しているのか。
ここを分けずに、「下がったから全部売る」「安くなったから買い増す」と決めないようにします。
積立を続ける判断には、「安く買える」以外の条件があります
一定額を定期的に積み立てる場合、価格が下がったときは同じ金額でより多くの口数を買えます。積立投資は、高いときだけ購入したり、安いときに購入を避けたりする偏りを小さくする方法として案内されています。
ただし、「下がれば必ず将来もうかる」という意味ではありません。
積立を続ける前に、次の項目を見ます。
- 生活費や緊急予備資金を削って積み立てていないか
- 十年以上使わない予定のお金か
- 投資先が一つの国・業種・資産へ偏っていないか
- 商品内容と値下がりの理由を自分の言葉で説明できるか
- 保有費用が高すぎないか
- 下落がさらに続いても、生活を崩さず保有できる金額か
この条件を満たさないまま、「積立は止めてはいけない」と自分を追い込む必要はありません。
積立を止めることと、保有分を売ることは別の判断です
不安が強くなると、「全部続けるか、全部売るか」の二択になりがちです。
実際には、いくつかの調整方法があります。
| 選択肢 | 考えやすい状況 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 積立をそのまま続ける | 長期資金で、商品・分散・費用が今も計画に合っている | 回復を保証するものではなく、追加投資できる家計かを見る |
| 積立額を減らす | 生活費や近い将来の支出を厚くしたい | 減額後のお金をそのまま使わず、必要資金として分ける |
| 新規の積立だけ止める | 商品を調べ直す時間が必要だが、すぐ全売却する必要はない | 停止したまま放置せず、見直す日を決める |
| 必要額だけ一部売却する | 近く使うお金が不足している | どの商品から売るか、費用・税金も含めて考える |
| 配分を少しずつ変える | 株式など値動きの大きい資産へ偏りすぎている | 一日で入れ替えず、目標とする配分を決める |
| 全額売却する | 商品を理解できない、目的に合わない、生活に必要な資金まで投じている | 恐怖だけで決めず、売却後のお金の置き場所を決める |
積立を一時停止しても、すでに保有する投資信託が自動的に売却されるわけではありません。
「これ以上は買わない」と「今持っている分を換金する」を分けると、落ち着いて選びやすくなります。
一部売却は、失敗を認めることではありません
数年内に使うお金まで投資信託へ入っている場合、全額が元に戻るまで待つ必要はありません。
たとえば、現在の評価額が500万円あり、二年以内に150万円が必要なら、必要額すべてを今すぐ売るか、数回に分けて確保するかを考えます。
| 一部売却を考える理由 | 売却後にすること |
|---|---|
| 年金開始までの生活費が不足する | 不足する月数分を、値動きの小さい形へ移す |
| 住宅修繕の時期が決まっている | 見積額と予備費を分けて確保する |
| 投資資産の割合が大きくなりすぎた | 家計に合う資産配分へ戻す |
| 下落が気になり日常生活に支障がある | 損失に耐えられる金額まで投資額を小さくする |
下落への耐え方は、性格の強さだけで決まりません。
投資額が家計に対して大きすぎれば、誰でも不安になります。眠れないほど気になるなら、我慢の訓練より金額の調整を考えて構いません。
「戻るまで待つ」だけでは、売る時期を決められません
購入価格へ戻ることだけを目標にすると、必要な見直しを先送りすることがあります。
市場は、自分が購入した価格を基準に動くわけではありません。
| 考えが止まりやすい言葉 | 置き換える問い |
|---|---|
| 元に戻るまで売れない | 今この金額を現金で持っていたら、同じ商品を買うか |
| 売ったら負けになる | この資産は、今後使う時期と目的に合っているか |
| いつか上がるはず | 上がらない期間が続いても、生活費は足りるか |
| 買った担当者を信じたい | 最新資料を読んで、自分でも保有理由を説明できるか |
| 家族に損を知られたくない | 家計への影響はいくらで、今から何を変えられるか |
買値へ戻ったかではなく、「現在の資産として持ち続けたいか」を見ます。
値下がりしたからと、生活資金まで一度に買い増さないようにします
販売担当者や知人から、「今が買い時」「安いときに多く買えば早く取り戻せる」と言われることがあります。
値下がり後の追加投資が、必ず損失の回復につながるわけではありません。
- 生活費や医療費を使わない
- 定期預金を全額解約して追加しない
- 借入れやカードローンを使わない
- 下落理由を理解しないまま同じ商品だけを増やさない
- 今日中の手続きを求められても持ち帰る
- 追加購入後に資産全体の何%になるか計算する
国民生活センターには、投資信託が値下がりした際、「買い増しのチャンス」と勧められて契約したが取り消したいという相談や、十分な説明のないまま別の商品へ乗り換えさせられたという相談が寄せられています。
追加投資を考える場合は、「安くなったから」ではなく、家計に余裕があり、資産全体の配分を考えた結果なのかを見てください。
別の商品への乗り換えは、損失を消す手続きではありません
現在の商品を売り、別の投資信託へ移すことを勧められる場合があります。
新しい商品へ替えても、これまでの損失がなかったことになるわけではありません。
| 乗り換え前に聞くこと | 確認する理由 |
|---|---|
| 現在の商品を売る理由 | 値下がりしたからだけではなく、目的に合わない理由があるか |
| 新しい商品の投資対象 | 実質的に同じ資産へ投資する商品ではないか |
| 購入・売却時の費用 | 乗り換えで手数料等が発生しないか |
| 保有中の費用 | 信託報酬が以前より高くならないか |
| 想定される値動き | 現在の商品より何が小さく、何が大きくなるのか |
| 担当者が勧める理由 | 販売側の都合ではなく、自分の目的に合う説明か |
投資信託では、購入・売却時の費用のほか、保有中に信託財産から間接的に支払われる信託報酬等があります。費用は商品により異なり、目論見書に記載されています。
現在の商品を売る理由と、新しい商品ならその問題がどう変わるのかを書面で説明してください。
購入時、保有中、売却時にかかる費用も、金額または率で比較したいです。
今日は契約せず、資料を持ち帰ります。
NISAで含み損が出ているときは、税金の扱いも知っておきます
NISA口座で保有する投資信託を利益が出た状態で売却した場合、その利益は制度上の範囲で非課税になります。
一方、NISA口座で売却損が生じても、その損失は税務上ないものとみなされ、特定口座や一般口座で生じた利益・配当との損益通算や、翌年以後への繰越控除はできません。
そのため、「税金で取り戻せるから売る」という判断はできません。
ただし、税制だけを理由に、目的に合わなくなった商品を持ち続ける必要があるとも限りません。
課税口座で保有する上場株式等の損失については、一定の配当や譲渡益との損益通算、繰越控除が利用できる場合がありますが、口座の種類や確定申告の有無で扱いが変わります。売却前に金融機関や税務署へ、自分の口座状況を伝えて確認してください。
毎日残高を見続けると、計画より感情で動きやすくなります
評価額が下がっている時期は、朝、昼、夜と残高を確認したくなります。
しかし、長期資金として運用しているのに、毎日の値動きで売買を考えると、最初に決めた期間とのずれが生まれます。
| 今の状態 | 画面を見る頻度の決め方 |
|---|---|
| 長期積立で、近く使う予定がない | 月一回など、積立日や家計確認日に見る |
| 数年内に使う予定がある | 毎日の相場ではなく、必要額の確保状況を定期的に見る |
| 商品内容を理解できていない | 値動きより先に、目論見書と運用報告書を読む |
| 不安で眠れない | 見る回数を減らすだけでなく、投資額そのものを見直す |
アプリを消す必要はありません。
「毎月第一土曜日だけ、家計と一緒に見る」と日を決めると、相場に生活を占領されにくくなります。
配偶者には「損をした」だけでなく、家計への影響を伝えます
家族のお金を運用している場合、評価損を隠したくなることがあります。
責められたくない、投資を始めたこと自体を否定されたくないという気持ちもあるでしょう。
しかし、住宅修繕や老後の生活費へ影響するなら、相場が戻ってから話そうと先延ばしにしない方が、今後の方法を一緒に考えられます。
投資信託の評価額が、購入額より現在30万円ほど下がっています。
今すぐ売るとは決めていませんが、三年以内に使う予定のお金が足りるかを見直したいです。
預貯金と今後の支出を一緒に確認し、積立額を減らすか、一部を現金へ戻すか考えたいです。
| 家族へ見せるもの | 話す内容 |
|---|---|
| 累計買付額と評価額 | 現在どの程度の含み損があるか |
| トータルリターン | 分配金等を含めた保有期間全体の損益 |
| 預貯金 | 生活費と近い将来の支出を賄えるか |
| 使う予定 | 住宅、医療、介護、年金開始までの費用 |
| 次にすること | 資料を読む、積立を減らす、一部売却を検討する等 |
結果だけを告白するのではなく、家計へどの程度影響し、何を見直す予定なのかまで伝えます。
「絶対に売るな」「すぐ売れ」と言い切る相手には、判断を預けません
値下がり時は、断定的な言葉ほど頼もしく聞こえます。
しかし、今後の市場価格を確実に予測することはできません。
- 必ず元に戻ると言われた
- 今売らなければ資産がゼロになると言われた
- 今日中に別の商品へ移るよう勧められた
- 家族には言わない方がよいと言われた
- 損失を取り戻すため、さらに大きな金額を勧められた
- 商品の仕組みを質問しても答えが曖昧だった
証券取引等監視委員会は、投資には元本割れ等のリスクがあり、投資対象や目論見書を理解したうえで判断するよう案内しています。仕組みを理解できないまま取引を進めないでください。
金融機関から説明を受けても判断できない場合は、契約を急がず、資料を持ち帰ります。
相談するときは、「上がりますか」ではなく家計の数字を持っていきます
相談先へ「この商品は上がりますか」と聞いても、確実な答えは得られません。
代わりに、次の資料をそろえます。
- 商品名と保有口数
- 累計買付額、評価額、トータルリターン
- 最新の目論見書と運用報告書
- 毎月の積立額
- 預貯金額と毎月の生活費
- このお金を使う時期と目的
- 家計全体に占める投資資産の割合
販売会社へは、商品の値動き、費用、換金条件、運用方針について、書面を見ながら説明を求めます。
販売を伴わない相談先を利用したい場合、金融経済教育推進機構のJ-FLECでは、家計管理、生活設計、NISAや資産形成などについて、認定アドバイザーによる個別相談の無料体験を提供しています。利用条件や受付状況は公式案内で確認してください。
金融機関との説明や勧誘に疑問がある場合は、金融庁の金融サービス利用者相談室で、問題点の整理や他機関の案内を受けられます。ただし、個別トラブルのあっせんや調停を行う窓口ではありません。
強引な勧誘や説明不足、無断に近い乗り換えなど契約上の問題があると感じた場合は、消費生活センター等へ取引記録を持って相談する方法もあります。
今日決めるのは売却ではなく、「いつ使うお金か」です
投資信託の評価額が下がると、明日の相場を当てなければならないように感じます。
けれど、自分で決められることはあります。
今日は、保有している投資信託ごとに、紙へ次の五つを書いてください。
- 商品名
- 累計買付額
- 現在の評価額とトータルリターン
- このお金を使う予定の年
- 今後も持つ理由を一文で書けるか
次に、預貯金だけで今後三年間の予定を賄えるかを見ます。
足りないなら、売る・売らないの前に、いくらを現金へ戻す必要があるかを出します。
足りているなら、値下がりの恐怖から離れ、商品内容、分散、費用が今の自分に合うかを見直します。
「含み損だから持つ」「怖いから全部売る」のどちらにも、自分の生活が入っていません。
判断の中心に置くのは、相場の予想ではなく、いつ、何のために使うお金なのかです。
評価額が下がったことを、投資を始めた自分への罰のように考える必要はありません。
今の家計に合わなくなった部分があれば、小さくする。使う時期が遠く、計画に合っているなら、毎日の値動きから距離を置く。
まず今日は売買ボタンを押さず、そのお金を使う年月と、生活に必要な現金の額を書くところから始めてください。
出典・確認先メモ
- 金融庁「資産形成の基本」:投資信託の元本割れリスクと、長期・積立・分散投資の考え方。
- 金融庁「金融サービス利用者相談室・投資信託の購入に関する相談事例」:投資信託の価格変動、費用、商品理解に関する注意点。
- 日本証券業協会「投資信託のトータルリターン」:評価額、累計分配金、累計売付額、累計買付額を用いる損益計算。
- 投資信託協会「基準価額などを知る」「よくあるご質問」:目論見書、運用報告書、分配金、信託報酬等の確認方法。
- 国税庁「NISA制度」:NISA口座内の売却損は損益通算・繰越控除ができないこと。
- 国民生活センター「投資信託」:説明不足、乗り換え、値下がり後の買い増し勧誘などの相談事例。
- 金融経済教育推進機構「J-FLECはじめてのマネープラン」:家計・生活設計・資産形成に関する個別相談。


















