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高齢の親の運転が心配。やめさせる前に見る危険サインと相談先(#8080)

2026.07.02 更新 なやみ晴れ編集部
#介護・見守り#相談先#認知症相談
この記事の結論

親が運転をやめないときは、いきなり返納を迫るより、まず危険サイン(車の傷・逆走やヒヤリ・道に迷う・ペダルの踏み間違え)を見極めるのが先です。家族だけで抱えず、警察の安全運転相談ダイヤル#8080やかかりつけ医を後ろ盾にできます。返納一択ではなく、サポカー限定免許や運転する範囲を狭める段階もあります。まずは生活の足の代わりを用意しつつ、心配を責めずに具体的に伝えるところから。

助手席でドアの取っ手をそっと握ってしまう、あの感じ

親の車の助手席に乗って、交差点にさしかかるたび、無意識にドアの取っ手や手すりを握ってしまう。あるいは電話で、「また車をどこかで擦ったらしい」と聞いて、胸の奥がひやりとする。そんな経験をした人が、この記事を開いていると思います。

何度「そろそろ運転はやめたら」と言っても、返ってくるのは同じ言葉です。

「まだ大丈夫だ」

「50年運転して無事故だぞ」

「車がなかったら、どうやって暮らせと言うんだ」

言い合いになって、気まずくなって、また何も変わらないまま時間が過ぎる。その繰り返しに、疲れていませんか。

ここで、口に出しにくい本音を代わりに言います。あなたが本当に怖いのは、親がケガをすることだけではないはずです。「もし親が、誰かを傷つけてしまったら」。被害に遭った人の人生も、親のこれまでの人生も、家族の暮らしも、一度の事故で崩れてしまう。その想像が、頭から離れないのではないでしょうか。

その怖さは、大げさではありません。だからこの記事では、いきなり「返納させる方法」ではなく、順番を踏んで、家族が悪者にならずに動く道すじを一緒に考えます。

この記事は、高齢の親御さんの運転を心配する家族のための一般的な情報です。免許の制度(高齢者講習・認知機能検査・運転技能検査・自主返納など)や、返納後の特典、相談窓口の受付時間は、時期や都道府県によって異なり、今後変わることもあります。手続きや判断の詳細は、警察(運転免許センター)や医療機関など、公式の窓口で確認してください。

「まだ大丈夫」がいちばん危ないのには、理由があります

本人が「まだ大丈夫」と言うのは、うそをついているわけでも、意地を張っているだけでもありません。加齢による変化は、自分ではとても気づきにくいのです。

とくに運転歴の長いベテランほど、体がしみついた動きで走れてしまうため、判断や反応が少し遅れていても「いつも通り運転できている」と感じます。ブレーキが0.5秒遅れていることは、本人には見えません。でも、助手席の家族には、なんとなく伝わります。

つまり、「本人の自己申告」と「同乗者や車の状態」がずれてきたときが、家族が観察を始めるサインです。あなたが感じている違和感は、判断材料として十分に意味があります。

車と運転に出る「危険サイン」を、具体的に見ていきます

「なんとなく心配」を、確かめられる形にしておきましょう。次のうち、思い当たるものにチェックを入れてみてください。

まず、車に出るサイン。

次に、運転そのものに出るサイン。

最後に、本人の様子。

運転そのものに出るサインが3つ以上あるなら、「話し合いを始める段階」に来ています。とくに、ペダルの踏み間違え・逆走・物や人への接触があった場合は、話し合いの前に、まず運転を止めることを考えてください。

「今すぐ止める」か「話し合いを始める」か、二つに分けます

心配の度合いによって、やることが変わります。自分の親がどちらに近いか、当てはめてみてください。

今すぐ運転を止める段階 話し合いを始める段階
起きていること ペダルの踏み間違え、逆走、物損・接触事故、信号無視が常態化 ヒヤリは増えたが、重大な事故には至っていない
診断の有無 認知症の診断が出ている、医師に運転を止められた まだ受診していない、気になり始めた段階
まず動くこと 当面キーを預かる、受診、#8080に相談、返納・手続きへ サインをメモ、受診の予約、話し合い、生活の足の準備

「キーを預かるなんて、そこまでしていいのか」とためらうかもしれません。でも、重大なサインが出ているのに走り続けて、取り返しのつかないことが起きるより、一時的に気まずくなるほうが、はるかに軽い代償です。ここは、心を鬼にしてよい場面です。

家族が「悪者」にならずにすむ、制度という後ろ盾があります

「お前に指図されたくない」と言われると、家族はそれ以上踏み込めなくなります。そんなとき、味方になってくれるのが免許の制度です。「私が言っている」のではなく「決まりでこうなっている」と伝えられるからです。

認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定されると、医師の診断を受けることになり、認知症と診断された場合は、所定の手続きを経て免許が取り消し・停止になることがあります。ただし、「おそれあり」がすぐ取り消しを意味するわけではなく、医師の診断を経て判断されます。ここは断定せず、通知が来たら警察の案内に沿って進めてください。

大事なのは、更新や検査のタイミングを、家族が「制度の節目」として活用できることです。「次の更新で検査があるみたいだよ。一緒に段取りしよう」という入り方なら、正面からの否定になりにくくなります。

返納だけが答えではありません。運転を「狭める」段階もあります

「運転をやめる=ゼロか百か」と考えると、話は硬直します。実際には、その間にいくつも段階があります。

段階 内容の例
運転する範囲を狭める 夜間・雨の日・高速・遠出・知らない道をやめ、昼間の近所だけにする
サポカー限定免許にする 2022年に作られた制度で、安全運転サポート機能のある車に限定して運転を続ける選択肢
自主返納する 免許を返し、運転経歴証明書(身分証として使える)を受け取る

いきなり「返納して」ではなく、「まずは夜の運転だけやめてみない?」から入ると、本人も受け入れやすくなります。小さくうなずける提案を、階段のように用意しておくのがコツです。サポカー限定免許のように、返納以外の道があることを知っておくと、話し合いの選択肢が広がります。

「もう運転やめて」が逆効果になるとき、言い方を変えます

正面から「危ないからやめて」と言うと、多くの親は身構えて、かえって意固地になります。長年の運転は、その人の自立やプライドと結びついているからです。同じ心配でも、伝え方を変えるだけで届き方が変わります。

身構えさせやすい言い方 届きやすい言い方
危ないからもう運転やめてよ もし万一のとき、相手の人生も、父さんが築いた財産も守れなくなるのが怖いんだ
もう歳なんだから無理でしょ 最近ヒヤリが増えた気がして。一度、健康のついでに見てもらわない?
いい加減あきらめて いきなり全部やめなくていい。まず夜の運転からにしてみよう

「あなたのため」より、「家族と、相手の人のため」という角度のほうが、届くことがあります。それでも家族の言葉が響かないときは、かかりつけ医など第三者の一言が効く場合があります。「先生に、運転のことを一度相談してみよう」と、受診にそっとつなげるのも一つの方法です。

いちばんの壁は「車がないと暮らせない」。足を先に用意します

親が返納を渋る理由の多くは、意地ではなく、生活の現実です。買い物、通院、趣味の集まり。車がなくなれば、暮らしそのものが止まってしまう地域も多い。ここを放っておいて「返納して」だけ言っても、話は進みません。

返納の話をする前に、足の代わりの候補を一つでも用意しておくと、景色が変わります。

こうした選択肢は、地域包括支援センターに聞くと、その地域で実際に使えるものを教えてくれます。「不便になるだけ」ではなく「こういう代わりがあるよ」と示せると、本人の気持ちのハードルが下がります。

家族だけで詰まったら、電話一本で専門の窓口に頼れます

ここまでやっても平行線なら、家族だけで抱え込まなくて大丈夫です。まさにこういうときのための窓口があります。

警察の「安全運転相談ダイヤル」(全国共通 #8080/シャープ ハレバレ)は、運転に不安のある高齢ドライバー本人だけでなく、その家族からの相談も受け付けています。「家族に運転をやめてと言われた」「最近の運転が心配」といった相談に、看護師などの専門知識を持つ職員が応じ、返納制度や、その後の支援についても教えてくれます。

あわせて覚えておきたい相談先です。

返納した場合に受け取れる運転経歴証明書は、身分証明書として使え、地域によっては買い物やタクシーの特典が受けられることもあります。「免許を手放す=損」だけではない面も、本人に伝えられる材料になります。

立場によって、まず動きやすいことは違います

あなたがどの立場で調べているかで、最初の一歩は変わります。

あなたの立場 まず動きやすいこと
離れて暮らす子ども世代 帰省時に同乗して様子を見る、車の傷を確認、#8080やかかりつけ医に電話で相談
同居する配偶者(自分も高齢) 一人で説得しようとせず、子ども世代や医師を巻き込む。足の代わりを一緒に探す
本人がこの記事を読んでいる場合 まず範囲を狭める、次の更新の検査で自分の状態を確かめる、#8080に相談してみる

今日は、返納を決めさせなくて大丈夫です

ここまで読んで、「結局どう切り出せばいいのか」とまだ迷っているかもしれません。それでいいです。今日、親に返納を決めさせる必要はありません。

今日できるのは、もっと小さなことです。

親の運転を心配することは、親の自由を奪うことではありません。親とあなた、そして道で出会うかもしれない誰かの人生を、一度の事故から守ろうとしているだけです。

事故が起きてからでは、やり直せません。だからこそ、まだ何も起きていない今この瞬間が、いちばん動きやすい時です。焦って一日で片づけようとせず、小さな一歩から始めれば大丈夫です。

出典・確認先メモ

よくある質問

Q. 親が運転をやめてくれません。家族はまず何をすればいいですか?

いきなり返納を迫るより、まず運転や車の傷などの危険サインを具体的にメモし、心配を責めずに伝えるのが近道です。家族だけで難しいときは、警察の安全運転相談ダイヤル#8080やかかりつけ医に相談できます。生活の足の代わりを一つ用意しておくと、話が進みやすくなります。

Q. 高齢の親の運転が危ないと感じるサインには、どんなものがありますか?

車の傷やへこみが増える、車庫入れで擦る、逆走や信号の見落とし、道に迷う、アクセルとブレーキの踏み間違え(ヒヤリを含む)などです。同乗して「怖い」と感じる場面が増えたら、話し合いを始める目安になります。踏み間違えや逆走があったときは、まず運転を止めることを考えてください。

Q. 免許を返納したがりません。返納以外に方法はありますか?

返納だけが選択肢ではありません。夜間や高速、遠出をやめて運転範囲を狭める段階や、2022年にできたサポカー限定免許という道もあります。「まず夜の運転だけ」など、小さく受け入れられる提案から始めると進みやすいです。

Q. 家族が言っても聞きません。どこか相談できる窓口はありますか?

警察の安全運転相談ダイヤル#8080は、高齢ドライバー本人だけでなく家族からの相談も受け付けており、専門の職員が対応します。運転に医学的な心配があればかかりつけ医や認知症疾患医療センター、生活の足の相談は地域包括支援センターも利用できます。受付時間や内容は地域で異なるため、事前に確認すると安心です。

Q. 75歳以上の免許更新では、どんな検査があるのですか?

75歳以上は更新時に認知機能検査と高齢者講習を受け、過去3年間に信号無視などの一定の違反歴がある場合は運転技能検査(実車)にも合格する必要があります。認知機能検査で「認知症のおそれ」と判定されると医師の診断を受けることになりますが、詳しい流れは通知や警察の案内で確認してください。

こんな相談窓口もあります

専門家や専門サービスに相談してみませんか?

記事を読んでも悩みが解決しないときは、専門家や専門サービスに相談するのも一つの方法です。

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