家族のグループLINEにレシートを送っても、既読だけが増えていく
母親の通院に付き添い、帰りに紙おむつと介護用の下着を買う。デイサービスの追加料金を払い、壊れた手すりも交換する。
一回の金額は数千円でも、月末に数えると何万円にもなっています。
兄弟へ「今月はこれだけかかった」とレシートの写真を送る。けれど、返ってくるのは「ありがとう」「助かるよ」という短い言葉だけです。
翌月も自分が立て替える。親の病院へ行くために仕事を休んだ日も、実家までのガソリン代も、そのままになっています。
やがて、お金そのものより別の思いが膨らんできます。
「どうして私が払う前提になっているのだろう」
「遠くに住んでいるだけで、何もしなくていいの?」
「相続のときだけ平等と言われたら、納得できない」
「請求する私が細かい人だと思われるのも嫌だ」
一方、遠方にいる兄弟にも、住宅ローン、子どもの教育費、配偶者の親の介護、仕事を休めない事情があるかもしれません。
介護費用でもめる家庭は、誰か一人が冷たいからではありません。
何を介護費用と呼ぶのか、親のお金をどこまで使えるのか、時間をかけた人の負担をどう見るのかを決めないまま、支払いだけが始まってしまうことが原因になります。
話し合うべきなのは、「誰が親思いか」ではなく、これからの支出をどう続けられる形にするかです。
「平等に割る」が、全員にとって公平とは限りません
兄弟が3人なら3分の1ずつ。数字としては分かりやすい方法です。
ただし、近くに住む一人が毎週通院へ付き添い、緊急連絡を受け、ケアマネジャーとの打ち合わせをしている一方で、ほかの兄弟が現金だけを同額払うなら、近居の人には負担が偏ったままです。
反対に、介護を多く担っている人が高収入で、遠方の兄弟は病気や失業で生活が苦しい場合もあります。
| 分け方 | 分かりやすい点 | 起こりやすい不満 |
|---|---|---|
| 兄弟で均等に割る | 計算が簡単で、表面上の差がない | 介護時間や収入差が反映されない |
| 収入に応じて割合を変える | 支払える力に合わせやすい | 収入や家計をどこまで明かすかで揉めやすい |
| 介護する人の金銭負担を減らす | 時間とお金の両方を分担できる | 介護時間をいくらと見るかで意見が割れる |
| 遠方の人が多めにお金を出す | 現地で動けない分を補いやすい | 交通費や帰省回数も含めると計算が複雑になる |
| 役割ごとに担当を決める | 通院、支払い、手続きなど得意分野で分けられる | 役割の重さが見えないと、一人に仕事が集まる |
最初から永久に通用する公平な割合を探すと、話が進みません。
まず3か月だけ試し、介護の状態、親の収支、兄弟の生活事情が変わったら見直す方が現実的です。
子どもの財布を開く前に、親のお金でどこまで暮らせるかを出します
兄弟の負担割合を先に話すと、「私は月1万円まで」「そちらの方が収入は多いでしょう」と、子ども同士の家計の話から始まってしまいます。
その前に見るのは、介護を受ける親本人の収入と資産です。
- 年金など毎月の収入
- 預貯金
- 家賃、住宅費、税金、保険料などの固定支出
- 食費、光熱費、日用品費
- 医療費
- 介護保険サービスの自己負担
- 施設を利用している場合の食費や居住費
- 今後必要になりそうな住宅改修や福祉用具
親のお金をすべて使い切ればよいという意味ではありません。
急な入院、家電の故障、葬儀や住み替えなどに備え、どの程度を残すかも本人と話します。
親が自分で意思を伝えられるうちに、「毎月いくらまで介護へ使うか」「貯金を何のために残したいか」を聞いておくと、兄弟だけで勝手に決めずに済みます。
親へお金の話を切り出すとき
「貯金はいくらあるの」と聞くだけでは、財産を狙われているように感じる親もいます。
次のように、知りたい理由から伝えます。
「今後デイサービスを増やすかもしれないから、毎月どのくらいなら無理なく払えるか、一緒に見ておきたい。私たちが勝手に決めないために、年金と固定の支払いだけ教えてもらえる?」
通帳を見せてもらうことが難しければ、まず年金の手取り、家賃、介護サービスの請求額など、必要な範囲から始めます。
介護保険の請求額だけが、介護にかかるお金ではありません
兄弟へ「介護費用は月3万円」と伝えても、人によって思い浮かべる範囲が違います。
介護保険サービスの請求書だけを指す人もいれば、通院交通費、食事、紙おむつ、実家までのガソリン代まで含める人もいます。
まず、費用を次のように分けます。
| 費用の種類 | 具体例 | 家族で決めること |
|---|---|---|
| 介護保険サービス | 訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具など | 自己負担額と利用回数 |
| 医療 | 診察、薬、入院、訪問診療 | 医療費と介護費を分けて記録するか |
| 生活用品 | 紙おむつ、清拭用品、介護食、寝具 | 通常の生活費と介護特有の費用の境目 |
| 住まい | 手すり、段差解消、見守り機器、家電交換 | 事前に兄弟へ連絡する金額 |
| 移動 | 通院タクシー、家族の高速代、ガソリン、駐車場 | 家族の交通費をどこまで共通費にするか |
| 保険外サービス | 家事代行、自費ヘルパー、配食、見守り | 必要性と予算の上限 |
| 家族の立て替え | 急な日用品購入、施設への支払い | 領収書、精算期限、振込先 |
| 仕事への影響 | 欠勤、早退、介護休業、収入減 | 費用と同じ表に入れるか、負担として別に共有するか |
介護保険サービスの利用者負担は原則1割で、一定以上の所得がある場合は2割または3割です。施設利用では、介護サービスの自己負担以外に、食費、居住費、日常生活費なども必要になります。支給限度額を超えたサービスや保険対象外の費用は、全額負担になる場合があります。
「介護保険があるから、ほとんどお金はかからない」と思っている兄弟には、請求書だけでなく、何が別料金なのかを見せると話が具体的になります。
公的な軽減制度を調べてから、不足額を出します
親の収入だけでは足りないと分かっても、すぐに兄弟から現金を集める前に、利用できる制度を確かめます。
- 高額介護サービス費
- 高額医療・高額介護合算制度
- 介護保険施設の食費・居住費に関する負担軽減
- 自治体独自の紙おむつ、配食、移送などの助成
- 医療費の高額療養費制度
高額介護サービス費は、対象となる介護サービスの月々の利用者負担が、所得区分ごとの上限を超えた場合に、超過分が支給される仕組みです。ただし、食費、居住費、福祉用具購入費など、上限計算に含まれない費用があります。申請方法や対象は市区町村で確かめてください。
ケアマネジャーには、サービス内容だけでなく、家計が苦しいことも伝えて構いません。
「母の年金では毎月2万円ほど足りません。サービスを減らして安全を損なう前に、使える軽減制度や別の組み方がないか知りたいです」と聞くと、費用を含めた見直しにつながります。
兄弟が出すのは「介護費の全額」ではなく、最後に残った不足分です
親の毎月の収支を出したら、次の順番で考えます。
- 介護と生活に必要な支出を出す
- 親の毎月の収入を差し引く
- 利用できる給付や軽減を反映する
- 親の預貯金から出す額を決める
- それでも残る不足分を兄弟で分ける
たとえば、毎月の介護関連支出が6万円でも、親の年金から4万円、預貯金から1万円を出せるなら、兄弟で分けるのは残り1万円です。
この順番を飛ばして「毎月2万円ずつ出して」と頼むと、兄弟は金額の根拠が分からず反発しやすくなります。
反対に、親の預貯金を急速に減らし続け、「なくなったら兄弟で考えよう」と先送りするのも危険です。
残高がどの程度になったら支出や住まいを見直すか、早めに線を引いておきます。
現地で動く人の負担を、レシートだけで測らないでください
介護費用の表に出てこないのが、近くに住む家族の時間です。
病院の付き添いは2時間でも、迎え、待ち時間、薬局、買い物、親から繰り返しかかってくる電話まで含めると、半日が終わります。
金額へ換算するかどうかを決める前に、まず見えるようにします。
| 記録する負担 | 記録例 |
|---|---|
| 通院付き添い | 月2回、合計8時間 |
| 実家への訪問 | 週2回、片道30分 |
| ケアマネジャーとの連絡 | 電話3回、面談1回 |
| 買い物・薬の受け取り | 月4回 |
| 緊急対応 | 転倒で夜間訪問1回 |
| 書類・支払い | 介護保険、病院、施設の手続き |
| 電話対応 | 週5日、合計約3時間 |
この記録は、家族へ時間給を請求するためだけのものではありません。
「近くにいるから少し手伝っている」ではなく、実際にはどの程度の役割が集まっているのかを全員が知るためです。
現地で動く人の費用負担を少なくする、遠方の兄弟が手続きや予約を担当する、月に一度は交代で泊まるなど、記録をもとに役割を移します。
遠方の兄弟にも、現地へ行かずにできる仕事があります
遠くに住む兄弟へ「もっと介護をして」と言っても、何をすればよいか分からないことがあります。
距離があっても任せられる作業を、具体的に渡します。
- 介護施設やサービスの資料を集める
- 家族の支出表を入力する
- 病院や事業所の予約を取る
- 高額介護サービス費などの申請方法を調べる
- 親へ定時電話をする
- 兄弟への月次報告をまとめる
- 帰省時に主介護者が休める日を作る
- 不足分の費用を多めに担当する
頼むときは、「遠くにいるからお金くらい出して」ではなく、期限と作業を示します。
「今月中に、母が使える配食サービスを3つ調べて、料金と曜日を表にしてもらえる?」
「私は通院を担当するので、介護費用の入力と月末の精算をお願いしたい」
具体的な役割なら、できるかできないかの返事を求めやすくなります。
家族会議では、過去の不満より今後3か月の数字を出します
兄弟で集まると、「昔から私ばかり」「あなたは親に援助してもらった」と、これまでの家族関係が持ち込まれることがあります。
過去の気持ちを無視する必要はありませんが、一度の会議ですべてを解決しようとすると、介護費用の話まで止まります。
最初の会議は、次の順番にします。
- 親に今必要な介護を共有する
- 毎月の収入と支出を確認する
- 親のお金で賄える額を出す
- 不足額を示す
- 各自ができるお金・時間・作業を出す
- 3か月分の仮ルールを決める
- 見直す日を決める
兄弟へ話し合いを持ちかける文面
「誰が親の面倒を見るべきかを責めたいわけではありません。今、母の介護関連の支出が月6万円ほどあり、母の収入から出せるのは4万円ほどです。私が立て替えている分と、通院などの役割も含め、まず3か月だけ分担を決めたいです。支出表を送るので、日曜日に30分話せないでしょうか」
「平等に払って」と結論を送るより、現状、目的、話したい期間を示した方が、相手も準備できます。
収入を聞き出すより、「毎月無理なく続けられる額」を出してもらいます
収入に応じて分ける方法は合理的でも、兄弟同士で年収や貯金をすべて見せ合うことに抵抗がある家庭もあります。
その場合は、細かな家計を査定し合わず、各自に次の三つを出してもらいます。
- 毎月なら継続して払える額
- 一時的な出費なら払える上限
- お金以外で担当できること
たとえば、次のような分担です。
| 家族 | 金銭負担 | 担当する役割 |
|---|---|---|
| 実家近くの長女 | 月3,000円 | 通院付き添い、週1回の訪問 |
| 遠方の長男 | 月12,000円 | 施設情報の収集、月次精算 |
| 子育て中の次女 | 月5,000円 | 週2回の電話、帰省時の交代介護 |
金額だけを見れば均等ではありません。
しかし、全員が続けられる形で親の生活を支えられるなら、人数割りより安定することがあります。
立て替える人を決めたら、精算の期限も同時に決めます
「いったん払っておいて」と頼まれたまま、数か月精算されないことがあります。
立て替えは、金額より曖昧さが不満を増やします。
| 決めること | ルール例 |
|---|---|
| 立て替える人 | 原則として一人に集める。緊急時は誰でも可 |
| 対象費用 | 介護用品、医療、サービス、合意した交通費 |
| 事前連絡が必要な額 | 1万円を超える購入はグループLINEで確認 |
| 記録方法 | 領収書の写真と用途を共通表へ入力 |
| 締め日 | 毎月25日 |
| 精算日 | 翌月5日までに振り込む |
| 緊急出費 | 安全や医療に必要なら先に支払い、当日中に共有 |
| 返金元 | 親の口座、兄弟の分担金のどちらから出すか明記する |
通帳の摘要や振込名だけでは、後から何の支払いか分からなくなります。
「7月分介護用品」「母通院タクシー」など用途を残し、領収書は月ごとにまとめます。
記録を残すのは、介護している人を疑うためではありません。支払う人を守り、ほかの兄弟も納得して費用を出せるようにするためです。
親の口座を使うなら、家族だから自由に動かせるとは考えません
親のお金を介護に使うことへ兄弟全員が賛成していても、本人の意思を確かめず、通帳やカードを一人が管理すると、後から疑いを持たれることがあります。
親に判断する力がある場合は、何の支払いを誰へ任せるのか、本人と話して記録します。
次のような形が考えられます。
- 介護費用は親本人の口座から口座振替にする
- 現金を扱った場合は領収書と残金を記録する
- 通帳を預かる人と、月に一度明細を見る人を分ける
- 兄弟全員が見られる収支表を作る
- 親本人にも分かる形で月の支出を説明する
認知症などにより、本人が契約や預貯金の管理を一人で行うことが難しくなっている場合は、家族内の合意だけでは解決できないことがあります。
成年後見制度は、判断能力が十分でない人の財産管理や介護・福祉サービスの契約などを法的に支える制度です。すぐに申立てると決めるのではなく、地域包括支援センター、市区町村の権利擁護窓口などで、本人の状態に合う支援を聞いてください。
「長男だから」「独身だから」「嫁だから」を分担理由にしません
家族内では、昔からの役割がそのまま介護へ持ち込まれます。
長女だから細かな世話をする。長男だから費用を出す。独身だから時間がある。仕事をしていない配偶者だから介護できる。
けれど、本人に聞かずに役割を固定すると、表面上は引き受けていても不満が積み重なります。
兄弟の配偶者が手伝っている場合も、その人の時間や家計を当然の家族資源として数えないでください。
まず親の子どもである兄弟姉妹が話し合い、配偶者へ頼む場合は、本人の同意と負担を確かめます。
「義姉が近いから病院をお願いすればいい」ではなく、「兄は通院付き添いをどう担当できるか」と、兄弟本人の役割として話します。
兄弟が費用を出してくれないときは、一つの依頼へ絞ります
何度連絡しても、「今は余裕がない」「近くにいる人がやればいい」と言われることがあります。
腹が立って当然ですが、過去の不参加を並べて責めると、相手は連絡そのものを避けるようになります。
まず、現在の不足額と、何を頼みたいかを一つに絞ります。
「母の今月の不足は1万8千円です。私は通院と買い物を担当しているので、今月は9千円を負担してもらえないでしょうか。難しければ、払える額か、代わりに担当できる手続きを金曜日までに教えてください」
全額を断られても、次の選択肢を出せます。
- 少額でも毎月決まった額を出す
- 一時的な住宅改修費を担当する
- 親の書類や申請を担当する
- 月に一度、主介護者と交代する
- 施設やサービスの情報収集をする
返事がない場合も、やり取り、支出、依頼内容を記録しておきます。
ただし、兄弟からの返答を待つために、親の食事、医療、安全に必要な支援を止めることはできません。ケアマネジャーや地域包括支援センターへ、家族の協力が得にくく費用も限界であることを伝え、支援内容と支出を見直します。
法律には「兄弟で同額を払う」とは書かれていません
民法では、親子などの直系血族には互いに扶養する義務があると定められています。
一方、複数の扶養義務者がいて話し合いがまとまらない場合、扶養の程度や方法は、扶養を必要とする人の需要、支える側の資力、そのほかの事情を考慮して定めるとされています。
つまり、子どもが3人なら必ず3等分という仕組みではありません。
親や兄弟などの世話を誰がするか、費用をどう負担するかについて話がまとまらない場合は、家庭裁判所の扶養請求調停で話し合う手続があります。調停では、各人の経済状況や生活状況、親本人の意向なども考慮されます。
家庭裁判所は、最初から兄弟を争わせるための場所ではありません。
ただし、調停まで進めるかどうかは家族関係や金額によっても異なります。まず自治体の法律相談や法テラス、弁護士などで、現在の記録と希望を伝えて手続の適否を聞く方法があります。
兄弟間の送金は、用途と実際の支出が分かるようにします
介護を担当する兄弟へ、ほかの兄弟がまとまったお金を送ることがあります。
このとき「親の介護費だから税金は関係ない」と一律には言い切れません。
国税庁は、親子や兄弟姉妹などの扶養義務者から、通常必要と認められる生活費や治療費として、必要な都度直接その用途へ充てる財産については、贈与税がかからないと案内しています。一方、数年分を一括して渡し、預貯金などとして残る部分は課税対象となる場合があります。
介護担当者への実費精算なのか、親への生活費援助なのか、兄弟本人への贈与なのかで扱いが異なる可能性があります。
金額が大きい場合や継続的に送金する場合は、次の点を残します。
- 何月分の、何の費用か
- 領収書や請求書
- 親のために実際に使った金額
- 残金が出た場合の扱い
- 送金した兄弟と受け取った兄弟の合意
税務上の扱いが心配な場合は、税務署や税理士へ具体的な送金方法と用途を伝えて確かめてください。
「相続で返してもらう」は、曖昧な約束のままにしません
介護費用を立て替えている人へ、親や兄弟が「その分は相続のときに多く受け取ればいい」と言うことがあります。
その言葉で安心して何年も払い続けたのに、親が亡くなった後で「相続は平等」と言われれば、大きな争いになります。
介護費用の精算と、将来の相続は分けて考えます。
- 親へ貸したお金なのか
- 親の費用を一時的に立て替えただけなのか
- 子どもが自分の意思で負担した援助なのか
- 将来精算する合意があるのか
少なくとも、日付、金額、用途、誰が返す予定かは書面に残します。
長期にわたる高額な立て替えや、将来の遺産分割で調整したい希望がある場合は、口約束で進めず、早い段階で法律や税務の専門家へ確認してください。
3か月だけの仮ルールなら、兄弟も話し合いやすくなります
介護は、親の状態やサービスによって費用が変わります。
最初から「今後ずっと月2万円」と決めるより、短い期間で試します。
| 項目 | 仮ルールの例 |
|---|---|
| 期間 | 8月から10月までの3か月 |
| 親から出す額 | 年金から月4万円、預貯金から月1万円 |
| 不足分 | 月2万円を兄弟で分担 |
| 長女 | 月3,000円、通院と週1回の訪問 |
| 長男 | 月12,000円、支出表と申請手続き |
| 次女 | 月5,000円、定時電話と月1回の交代訪問 |
| 高額支出 | 1万円を超える購入は事前共有 |
| 精算 | 毎月末締め、翌月5日まで |
| 見直し日 | 10月20日に家族で再検討 |
うまくいかなかった場合も、誰かの失敗ではありません。
金額を変える、役割を替える、サービスを増やすなど、続けられる形へ直せばよいのです。
今日することは、兄弟へ請求する前に一枚の表を作ることです
介護費用への不満がたまっていると、すぐ兄弟へ強い言葉を送りたくなります。
その前に、直近1か月分だけ、次の四つを書き出してください。
- 親のために払った費用
- 親のお金から支払った額
- 自分が立て替えた額
- 通院、訪問、連絡に使った時間
その下に、「次の3か月で、自分が続けられること」と「もう続けられないこと」を一つずつ書きます。
たとえば、
「通院の付き添いは続けられる。ただし、介護用品の立て替えは来月からできない」
「月1万円なら出せるが、平日の呼び出しには対応できない」
このように、限界を具体的にします。
介護費用の話は、親への愛情を数字にする話ではありません。
誰か一人が黙って払い、黙って動き、限界になってから関係が壊れるのを防ぐための話です。
完璧な平等を決める必要はありません。
親のお金を先に見る。負担をお金と時間に分ける。3か月だけ試す。立て替えを記録する。
この順番なら、「誰が悪いか」ではなく、「これからも続けられるか」を兄弟で話しやすくなります。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」:介護保険サービスの1~3割負担、支給限度額、施設の食費・居住費、高額介護サービス費に関する確認先。
- e-Gov法令検索「民法第877条~第879条」:親子などの扶養義務、複数の扶養義務者がいる場合の考え方に関する確認先。
- 裁判所「扶養請求調停」:親や兄弟の世話、扶養料や費用負担について話し合う家庭裁判所の手続。
- 国税庁「贈与税がかからない場合」:扶養義務者からの通常必要な生活費・治療費と贈与税の扱いに関する確認先。
- 厚生労働省・裁判所「成年後見制度」:判断能力が十分でない方の財産管理、契約や手続を支える制度の確認先。















