財布がないと言われるたび、家族の方がどきっとしてしまうことがあります
親から「財布がない」と電話が来る。
慌てて実家へ行くと、バッグの底に入っていた。翌週は冷蔵庫の上に置いてあった。その次は、買い物袋の中から出てきた。
一度なら「うっかり」で済むかもしれません。
けれど、何度も続くと家族は不安になります。
「またなくしたの?」と言いたくなる。
「本当に外で落としたらどうしよう」
「キャッシュカードや保険証が悪用されないか」
「お金の管理が難しくなっているのでは」
「認知症の始まりなのでは」
「本人は大丈夫と言うけれど、どこまで任せていいのか分からない」
財布の紛失は、ただの探し物ではありません。
現金、キャッシュカード、クレジットカード、健康保険証、マイナンバーカード、診察券、ポイントカード、鍵、メモなど、生活に関わるものがまとまって入っていることが多いからです。
ただ、親が財布をなくすことが増えたからといって、すぐに認知症と決めつける必要はありません。
置き場所が毎回違う、バッグが多い、財布に物が入りすぎている、視力が落ちている、疲れている、薬の影響がある、買い物の動線が複雑になっているなど、いくつかの理由が重なっていることもあります。
厚生労働省は、認知症について「もしかして認知症では」と気づいたときの相談先として、地域包括支援センター、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、もの忘れ外来などを案内しています。財布の紛失が増えて生活全体の心配につながっている場合は、家庭だけで抱えず相談してよい内容です。
最初にするのは、叱ることではなく「中身」と「最後に使った場所」を分けることです
財布がないと言われると、家族は焦ります。
本人も焦っているため、「どこに置いたの」「なんでまたなくすの」と聞くほど、余計に混乱することがあります。
まずは、財布そのものを探す前に、中身と最後に使った場面を分けて確認します。
| 確認すること | 聞き方の例 | 目的 |
|---|---|---|
| 最後に財布を見た時間 | 「最後に財布を見たのは、朝?買い物のとき?」 | 探す範囲を絞る |
| 最後に使った場所 | 「スーパー、病院、薬局、バスの中のどこで使った?」 | 外で落とした可能性を見る |
| 財布の中身 | 「現金、カード、保険証は入っていた?」 | 停止や再発行の優先順位を決める | 持っていたバッグ | 「今日はどのバッグで出かけた?」 | バッグの底やポケットを探す |
| 帰宅後の行動 | 「帰ってから、上着を脱いだ?買い物袋を片づけた?」 | 家の中の置き場所をたどる |
| 本人の様子 | 「慌てている?いつもと違う?」 | 混乱や体調変化を見る |
このとき、本人を問い詰めるように聞かないことが大切です。
本人も「またやってしまった」と思っている場合があります。
家族が責めると、次に財布をなくしたときに隠すようになることがあります。
財布を探す場所は、本人の動きに沿って順番を決めます
財布が見つからないとき、家族は家じゅうを一気に探しがちです。
でも、探す場所が広がるほど、本人も家族も疲れます。
まずは、親が財布を使った日常の動きに沿って探してください。
| 探す場所 | 見落としやすい場所 | 探す理由 |
|---|---|---|
| いつものバッグ | 内ポケット、底、外ポケット、ハンカチの下 | 本人は見たつもりでも見落とすことがある |
| 玄関まわり | 靴箱の上、鍵置き場、傘立ての近く | 帰宅直後に置きやすい |
| 台所 | 冷蔵庫の上、食卓、買い物袋、食品棚 | 買い物後に袋と一緒に置くことがある |
| 寝室 | 枕元、布団の下、上着のポケット、引き出し | 帰宅後に着替えたときに移ることがある |
| トイレ・洗面所 | 棚、洗濯かご、タオルの下 | 帰宅後に手洗いをした流れで置くことがある |
| 車・自転車 | 座席の下、ドアポケット、前かご、荷台 | 移動中に落ちる・置いたままになることがある |
| 上着・服 | ポケット、エプロン、室内着 | バッグではなく服に入れていることがある |
見つかった場所は、必ずメモしておきます。
「また冷蔵庫の上にあった」「買い物袋の中が多い」など、傾向が見えると、次の対策につながります。
外で落とした可能性があるときは、カードと届出を優先します
家の中を探しても見つからない。
最後に使ったのがスーパーや病院、バス、タクシー、銀行、コンビニだった。
その場合は、探し続けるだけでなく、外で落とした前提でも動きます。
警察庁は、落とし物の届出や検索について案内しており、オンラインで遺失届を受け付ける都道府県警察もあります。急ぎの場合は、最寄りの警察署や交番等に直接届出を行うよう案内されています。
| 財布に入っていたもの | 優先する対応 | 確認先 |
|---|---|---|
| 現金だけ | 最後に使った場所、交番、施設へ確認する | 店舗、交通機関、警察 |
| キャッシュカード | 利用停止や緊急連絡先を確認する | 銀行、信用金庫、JAなど |
| クレジットカード | カード会社へ紛失連絡をする | カード会社 |
| 健康保険証 | 再発行や悪用防止の相談をする | 保険者、勤務先、自治体など |
| マイナンバーカード | 一時停止や再発行の手続きを確認する | マイナンバー総合フリーダイヤル、自治体 |
| 運転免許証 | 警察への届出、再交付手続きを確認する | 警察署、運転免許センターなど |
| 診察券・ポイントカード | 必要に応じて再発行や利用停止を確認する | 病院、店舗 |
全国銀行協会は、キャッシュカードや通帳などを紛失した場合の会員銀行の緊急時連絡先一覧を作成し、ウェブサイトを更新しています。親の財布に銀行カードが入っている場合は、使っている金融機関の紛失時連絡先を早めに確認してください。
財布が見つかってからでよいものと、先に止めた方がよいものがあります。
現金よりも、カードや身分証の方が早めの対応が必要になることがあります。
「またなくしたの?」より「一緒に手順を決めよう」の方が進みます
財布を何度もなくされると、家族は疲れます。
探すたびに時間を取られる。仕事中に電話が来る。本人は覚えていない。見つかると「ほら、あったじゃない」と軽く済ませる。家族だけが心配を抱えているように感じる。
そうなると、つい強く言いたくなります。
| 言いたくなる言葉 | 本人が受け取りやすい言い方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 「またなくしたの?」 | 「最近、財布を探すことが増えてきたから、置き場所を一緒に決めよう」 | 財布の定位置を作る |
| 「ちゃんとして」 | 「出かける前と帰った後に見る場所を決めよう」 | 玄関や食卓に確認メモを貼る |
| 「認知症じゃないの」 | 「財布以外のことも少し気になるから、相談先に聞いてみよう」 | 記録を持って相談する |
| 「カードは持たないで」 | 「なくしたときに困るものを少し減らそう」 | 持ち歩くカードを絞る |
| 「私が全部管理する」 | 「普段使う分は残して、困るものだけ一緒に管理しよう」 | 本人の自尊心を守る |
本人にとって財布は、自分で買い物をする力や生活の自由とつながっています。
いきなり取り上げると、反発や落ち込みにつながることがあります。
まずは、本人ができる部分を残しながら、なくして困るものを減らすことから始めましょう。
財布の中身を減らすだけで、紛失時の負担は小さくなります
高齢の親の財布には、思った以上に多くのものが入っていることがあります。
現金、キャッシュカード、クレジットカード、診察券、保険証、ポイントカード、レシート、古いメモ、家族の連絡先、鍵。
財布をなくしたときに大変なのは、財布そのものより、中身の手続きです。
まずは、毎日持ち歩く必要があるものと、家に置いておけるものを分けてください。
| 財布に入れるもの | 考え方 | 工夫 |
|---|---|---|
| 少額の現金 | 日常の買い物に必要な分だけにする | 多額の現金を持ち歩かない |
| よく使う診察券 | 通院日に必要なものだけ入れる | 普段は診察券ケースに分ける |
| 健康保険証 | 通院時に必要だが紛失時の影響も大きい | 持ち歩く日を決める、保管場所を固定する |
| キャッシュカード | 必要なときだけ持つ選択もある | 普段の買い物財布とは分ける |
| クレジットカード | なくしたとき停止が必要 | 枚数を絞る、使わないカードは持たない |
| ポイントカード | 多いほど財布が重く探しにくい | よく使うものだけにする |
| 緊急連絡先メモ | 本人が困ったときに役立つ | 名前と電話番号だけを小さく入れる |
財布の中身を減らすことは、親の自由を奪うことではありません。
なくしたときに本人も家族も困りすぎないよう、持ち歩くリスクを小さくするための工夫です。
財布の定位置は、本人が自然に置く場所から決めます
家族が「ここに置いて」と決めても、本人が使いにくい場所だと続きません。
財布の定位置は、本人が帰宅したあと自然に通る場所に作る方が続きやすくなります。
| 定位置の候補 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 玄関の小さなトレー | 帰宅後すぐバッグから財布を出す習慣がある | 外から見えにくい場所にする |
| 食卓横の箱 | 買い物後に食卓へ荷物を置くことが多い | 新聞やレシートに埋もれないようにする |
| 寝室の引き出し | 外出着を寝室で着替える | 引き出しを一つに固定する |
| いつものバッグの中 | バッグを変えない人 | バッグを複数持つ人には不向き |
| 財布専用のポーチ | 財布以外のカードや診察券もまとめたい | ポーチごとなくさないよう置き場所を決める |
| 鍵と一緒の場所 | 外出時に鍵と財布を一緒に持つ | 鍵をなくすリスクも考える |
定位置には、文字を貼っておくと分かりやすくなります。
「財布はここ」「帰ったらここへ」など、短い言葉で十分です。
きれいに片づけることより、本人が迷わず戻せることを優先してください。
本当に外でなくしたのか、家の中で置き場所を忘れたのかを分けます
財布をなくしたと言っても、実際にはいくつかのパターンがあります。
毎回家の中で見つかるのか。外で落とすことがあるのか。見つかっても本人が見つけた場所を覚えていないのか。誰かに取られたと言うのか。
この違いによって、必要な対策が変わります。
| 財布紛失のパターン | 起きていること | 対策 |
|---|---|---|
| 家の中で見つかる | 置き場所が定まっていない | 定位置、財布トレー、帰宅後の流れを作る |
| バッグの中で見つかる | バッグのポケットが多く、本人が見つけにくい | バッグを一つにする、内ポケットを減らす |
| 買い物先で忘れる | 支払い後の動作が増えている | 財布を首掛けや斜めがけにする、支払い方法を簡単にする |
| 外で落とす | 持ち方やバッグの閉め忘れがある | ファスナー付きバッグ、持ち物を減らす |
| 見つかっても本人が覚えていない | 記憶の抜けや混乱がある可能性 | 頻度を記録し、医療・介護相談へつなぐ |
| 盗られたと言う | 不安、記憶違い、認知機能の変化などが関係する場合がある | 否定しすぎず、安全と記録を優先する |
家族が知りたいのは、「本人が悪いかどうか」ではありません。
どこでなくなりやすいかを見つけることです。
認知症かもしれないと思ったら、財布以外の変化も見ます
財布をなくすことが増えると、家族は認知症を心配します。
ただ、財布をなくすことだけで認知症とは言えません。
年齢による物忘れ、疲れ、生活環境の変化、視力や注意力の低下でも、置き忘れは起こります。
一方で、財布以外にも生活の変化が重なっている場合は、早めに相談した方がよいことがあります。
| 財布以外で見る変化 | 気になる例 | 相談の目安 |
|---|---|---|
| 同じ話が増えた | 財布の話を何度も繰り返す、約束を忘れる | かかりつけ医、もの忘れ外来 |
| お金の管理が乱れている | 支払い忘れ、同じものを何度も買う、通帳をなくす | 地域包括支援センター、家族で家計確認 |
| 通院や薬の管理が難しい | 予約日を忘れる、薬を飲み忘れる | 医師、薬剤師、地域包括支援センター |
| 道に迷う | 買い物先から帰るのに時間がかかる | 医療機関、地域包括支援センター |
| 人を疑うことが増えた | 財布を盗られた、家族が隠したと言う | 否定しすぎず記録し、相談する |
| 身だしなみや家事が変わった | 片づけが難しい、ゴミや郵便物がたまる | 介護相談、生活支援の検討 |
厚生労働省は、認知症に気づいたときの相談先として、地域包括支援センター、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、もの忘れ外来などを示しています。地域包括支援センターはすべての市町村に設置されており、認知症に関する相談や関係機関との連携を行うとされています。
相談するときは、「財布をなくします」だけでなく、いつから、どのくらいの頻度で、財布以外に何が変わったかをメモして持っていくと話しやすくなります。
「盗られた」と言うときは、すぐ否定しない方がよいことがあります
財布が見つからないとき、親が「誰かが盗った」「家族が隠した」と言うことがあります。
家族としてはショックです。
「そんなことするわけないでしょ」と強く言いたくなると思います。
でも、本人の中では本当に財布がない不安があり、説明がつかないために「誰かが取った」と感じている場合があります。
強く否定すると、本人はさらに不安になったり、家族への疑いが強くなったりすることがあります。
| 本人の言葉 | 避けたい反応 | 受け止め方の例 |
|---|---|---|
| 「財布を盗られた」 | 「そんなわけないでしょ」と否定する | 「財布がないと心配だよね。一緒に最後に使った場所を見よう」 |
| 「あなたが隠したんでしょ」 | 「失礼なことを言わないで」と怒る | 「隠していないよ。でも見つからないと不安だよね」 |
| 「誰も信用できない」 | 理屈で説得し続ける | 「まず財布を探して、カードも確認しよう」 |
| 「前にもなくなった」 | 「前も自分で置いたんでしょ」と責める | 「最近探すことが増えているから、置き場所を決めよう」 |
本人の言葉をすべて事実として受け入れる必要はありません。
ただ、最初に受け止めることで、探す作業や相談につなげやすくなることがあります。
お金の管理が心配になったら、財布だけでなく支払い全体を見ます
財布をなくすことが増えると、現金だけでなく、お金の管理全体も心配になります。
支払いを忘れる。通帳をどこに置いたか分からない。キャッシュカードの暗証番号をメモして財布に入れている。同じものを何度も買う。訪問販売や電話勧誘に反応してしまう。
こうした状態がある場合は、財布の定位置だけでは足りないことがあります。
| 気になること | 家族が確認すること | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 現金を多く持ち歩く | 一日に必要な金額はいくらか | 財布に入れる現金を少額にする |
| キャッシュカードをなくす | カードの枚数、暗証番号メモの有無 | カードを持ち歩く日を限定する |
| 支払い忘れがある | 公共料金、税金、家賃、介護費など | 口座振替や家族確認を検討する |
| 通帳や印鑑を探す | 保管場所が決まっているか | 通帳・印鑑・重要書類の場所を固定する |
| 勧誘や詐欺が心配 | 電話勧誘、訪問販売、契約書の有無 | 消費生活センターや家族で確認する |
| 本人が管理を嫌がる | どこまで自分で続けたいか | 全部取り上げず、困る部分だけ支える |
お金の管理を家族が手伝うときは、本人の意思と尊厳を大切にしてください。
いきなり財布や通帳を取り上げると、本人が不信感を持つことがあります。
金銭管理の支援は、家族だけで抱えなくてもよい場合があります
親のお金の管理が難しくなってきたとき、家族だけで何とかしようとすると負担が大きくなります。
きょうだい間で「誰が管理するのか」「使い込みを疑われないか」「親が納得するか」といった問題が出ることもあります。
判断能力が不十分な方を支える仕組みとして、日常生活自立支援事業や成年後見制度などがあります。
厚生労働省は、日常生活自立支援事業について、認知症高齢者など判断能力が不十分な方が地域で自立した生活を送れるよう、利用者との契約に基づき福祉サービスの利用援助等を行うものと説明しています。
法務省は、成年後見制度について、認知症などで判断能力が不十分な方が預貯金や不動産の管理、介護サービスや施設入所の契約などを自分で行うことが難しい場合に、本人を保護し支援する制度だと説明しています。
| 支援の選択肢 | 関係する場面 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 家族内の見守り | 財布の定位置、少額現金、カード枚数の管理 | 本人が納得しているか、家族の負担が偏っていないか |
| 地域包括支援センター | 認知症の心配、介護や生活支援の相談 | 本人の生活全体で何に困っているか |
| 日常生活自立支援事業 | 福祉サービス利用や日常的な金銭管理の支援 | 利用条件、本人との契約、地域の実施状況 |
| 成年後見制度 | 預貯金管理、契約、財産管理が難しい場合 | 本人の判断能力、申立て、費用、支援者の役割 |
| 金融機関への相談 | カード紛失、通帳管理、代理手続き | 本人確認、代理人手続き、家族ができる範囲 |
制度を使うかどうかは、すぐ決めなくても大丈夫です。
ただ、財布の紛失が金銭管理全体の不安につながっているなら、早めに相談先を知っておくと、家族だけで抱え込まずに済みます。
家族が代わりに調べている場合は、本人の自由を急に奪わないでください
この記事を、親本人ではなく子ども世代や配偶者が読んでいることも多いと思います。
親の財布紛失が続くと、家族はどうしても管理したくなります。
財布を預かる。カードを持たせない。買い物に一人で行かせない。現金を渡さない。
それが必要な段階もあります。
ただ、急にすべてを取り上げると、本人は「信用されていない」「何もできない人扱いされた」と感じることがあります。
| 家族がしたくなる対応 | 本人が感じやすいこと | 段階的な進め方 |
|---|---|---|
| 財布を預かる | 自由を奪われたと感じる | 普段用の財布と保管用の財布に分ける |
| カードを全部取り上げる | 疑われていると感じる | 使わないカードだけ家に保管する |
| 買い物に一人で行かせない | 外出を制限されたと感じる | 最初は買い物メモや同行日を決める |
| 家計を全部家族が管理する | 自分のお金を奪われたと感じる | 支払い忘れがある部分だけ一緒に見る |
| 認知症検査を急がせる | 責められていると感じる | 財布以外の困りごとも含めて相談に行く |
本人の安全と自尊心は、どちらも大切です。
「危ないから全部やめる」ではなく、「なくしたときに困るものだけ減らす」から始めると、話し合いやすくなります。
財布に入れる連絡先メモは、書きすぎに注意します
財布をなくしたときのために、家族の連絡先メモを入れておくと役立つことがあります。
ただし、住所、暗証番号、銀行名、詳しい家族情報まで書くのは避けたいところです。
| 財布に入れてよい情報 | 避けたい情報 | 理由 |
|---|---|---|
| 家族の名前と電話番号 | 家族全員の住所や勤務先 | 必要最小限にするため |
| 「困ったらこの番号へ」 | 銀行口座番号や暗証番号 | 悪用リスクを避けるため |
| 本人の名前 | 多すぎる個人情報 | 身元確認に必要な範囲にするため |
| 緊急連絡先1〜2件 | 保険証番号やカード情報 | 財布紛失時の影響を抑えるため |
暗証番号を財布に入れるのは避けてください。
本人が覚えられない場合は、金融機関や家族、地域包括支援センターなどに、より安全な管理方法を相談しましょう。
今日できる一歩は、財布の中身を一緒に写真に残すことです
親が財布をなくしたと言うことが増えたとき、今日すぐ認知症かどうかを判断しなくて大丈夫です。
まずは、財布の中身を一緒に確認してください。
そのうえで、なくしたときに止めるもの、再発行が必要なもの、普段は持ち歩かなくてよいものを分けます。
| 確認すること | 自分のメモ |
|---|---|
| 財布が見つかった場所の傾向 | |
| 財布に入っている現金 | |
| キャッシュカードの枚数 | |
| クレジットカードの枚数 | |
| 健康保険証・身分証の有無 | |
| 診察券・ポイントカードの枚数 | |
| 財布の定位置 | |
| 紛失時に連絡する先 | |
| 財布以外で気になる変化 |
次に、今日できることを一つだけ選びます。
- 財布の中身を減らす
- 財布の定位置を一か所決める
- キャッシュカードやクレジットカードの緊急連絡先を控える
- よく使うバッグを一つにする
- 財布を置くトレーを玄関や食卓近くに置く
- 財布をなくした日時と見つかった場所を3回分メモする
- 財布以外の物忘れやお金の管理も気になる場合は、地域包括支援センターへ相談する
財布をなくすことが増えると、家族は焦ります。
でも、最初から「認知症だ」「もう一人で買い物は無理だ」と大きな結論を出さなくても大丈夫です。
今日は、親を責める日ではなく、財布の中身と置き場所を一緒に見える形にする日。
それだけでも、次に財布が見つからないときの探し方、止めるカード、相談先がはっきりします。
出典・確認先メモ
- 警察庁「落とし物の届出・検索」:財布などをなくした場合の遺失届、拾得物検索、急ぎの場合の警察署・交番への届出を確認する参考先です。
- 全国銀行協会「キャッシュカードや通帳等の盗難・紛失時のご連絡先」:キャッシュカードや通帳等を紛失した場合の銀行の緊急時連絡先を確認する参考先です。
- 厚生労働省「認知症に関する相談について」:地域包括支援センター、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、もの忘れ外来など、認知症が気になるときの相談先を確認する参考先です。
- 厚生労働省「日常生活自立支援事業」:判断能力が不十分な方が地域で自立した生活を送れるよう、福祉サービスの利用援助等を行う事業を確認する参考先です。
- 法務省「成年後見制度について」:認知症などで判断能力が不十分な方の財産管理や契約を支援する制度を確認する参考先です。















