電話を切るたびに、「また何も言えなかった」と残ります
母親が転びやすくなり、デイサービスを増やせないか聞きたかった。
けれど、ケアマネジャーは忙しそうに話し、「今の利用で問題ないと思います」「ご家族で見ていただくしかありません」と短く答える。
父親の物忘れが進み、薬を二度飲みかけたことを伝えても、次の訪問まで具体的な話はありません。
こちらから何度も連絡するのは、面倒な家族だと思われそう。担当を替えたいと言えば、今使っているデイサービスや訪問介護で気まずくなるのではないか。
そのため、電話では「分かりました」と答え、切ったあとで家族に不満をこぼす日が続きます。
「私が細かすぎるのだろうか」
「介護の専門家に逆らわない方がいいのでは」
「担当を替えて、もっと合わない人になったら困る」
「親は今の人を嫌っていないのに、家族の都合で変更してよいのだろうか」
ケアマネジャーと合わないと感じても、すぐに変更するか、黙って我慢するかの二択ではありません。
まず必要なのは、「何となく苦手」という感覚を、困っている場面へ置き換えることです。
連絡の取り方が合わないのか。説明が足りないのか。本人の希望がケアプランへ反映されていないのか。安全に関わる話が放置されているのか。
問題が見えれば、今の担当者へ伝えて直せる部分と、担当交代を考えた方がよい部分を分けられます。
「合わない」を六つに分けると、次に頼むことが見えてきます
性格の相性だけを理由に変更を申し出ることへ、後ろめたさを感じる方もいます。
しかし、家族が感じる違和感には、実際の支援へ影響する問題が含まれている場合があります。
| 感じている不満 | 具体的な状態 | 最初に考えること |
|---|---|---|
| 連絡が取りにくい | 折り返しがない、急ぎかどうかを伝えても返事の時期が分からない | 連絡手段、対応可能な時間、返答の目安を決める |
| 説明が分かりにくい | 専門用語が多い、費用や選択肢を十分に説明されない | 選択肢と理由を紙で示してもらう |
| 本人の話を聞かない | 家族とだけ話し、本人へ希望を尋ねない | 本人と直接話す時間を設けてもらう |
| 家族の負担が軽く扱われる | 夜間対応や通院負担を伝えても、「家族で」と返される | 回数や時間を数字で示し、ケアプランの課題として扱ってもらう |
| 特定のサービスだけを勧められる | ほかの事業所や方法を尋ねても選択肢が示されない | 複数の候補と、その違いを聞く |
| 安全に関わる変化へ動きがない | 転倒、服薬ミス、火の不始末などを伝えても支援が見直されない | 事業所の管理者や別の相談窓口にも事実を伝える |
「話し方が冷たく感じる」という不満でも、それだけで小さな問題とは限りません。
家族が怖くて必要な情報を伝えられない、本人が本音を言えない状態なら、支援に必要な情報が集まらなくなるからです。
反対に、返事が簡潔でも、必要な調整は早く、本人の希望を丁寧に聞いているケアマネジャーもいます。
言葉の印象だけでなく、「介護生活で何が困ったままなのか」まで見てください。
ケアマネジャーの役割と、頼んでもできないことを分けておきます
ケアマネジャーへ期待していたことが、制度上の役割とずれている場合もあります。
居宅介護支援では、本人の心身の状態や生活環境を把握し、ケアプランを作り、サービス事業者や医療・福祉の関係機関との連絡や調整を行います。ケアプランは本人や家族、サービス提供者との話し合いをもとに作成されます。
| 主な役割 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 生活状況の把握 | 本人の心身の状態、住まい、家族の介護状況などを見る |
| ケアプラン作成 | 本人の希望や生活上の課題を基に、利用するサービスを組み立てる |
| サービスの調整 | 訪問介護、通所介護、福祉用具などの事業者と連絡する |
| 利用後の見直し | サービスが本人の生活に合っているか、状態の変化がないかを見る |
| 制度や地域資源の案内 | 介護保険内外の支援を含め、利用できる方法を検討する |
| 関係者の話し合い | 必要に応じてサービス担当者会議を開き、支援方針を共有する |
一方で、ケアマネジャー本人が毎日の介護を行うわけではありません。
- 家族の代わりに毎回通院へ付き添う
- 夜間や休日にいつでも電話へ出る
- 空きのない事業所へ必ず入れてもらう
- 本人や家族に代わって、すべての決定をする
- サービス事業者の職員を直接指揮する
- 介護保険で認められない支援を自由に追加する
このようなことまで一人で引き受けられる立場ではありません。
ただし、「できません」と伝えて終わるのではなく、別の方法、使える制度、家族が選べる選択肢を一緒に考えることは、ケアマネジメントの重要な部分です。
指定居宅介護支援は、利用者の選択を基に、公正中立に行うことが求められています。ケアプランについても、本人の希望を尊重し、内容を説明したうえで同意を得ることが基準に位置づけられています。
変更前に一度伝えるなら、「不満」ではなく次の対応を頼みます
「もっと親身になってください」「きちんと対応してください」では、相手も何を変えればよいか分かりません。
次の三つを一枚に書きます。
- 実際に起きたこと
- 生活へ出ている影響
- これから頼みたい対応
| 実際に起きたこと | 生活への影響 | 頼みたい対応 |
|---|---|---|
| 母が1か月で3回転んだ | 一人での入浴と外出が怖くなった | 福祉用具、入浴支援、通所サービスを含めて見直したい |
| 薬を二度飲みかけた | 家族が毎日電話で確かめている | 薬剤師や訪問支援も含め、服薬管理を検討したい |
| 連絡後、返答時期が分からない | 家族が何度も電話し、予定を決められない | 急ぎでない連絡にも、何日以内に返答できるか知らせてほしい |
| 本人の前で家族とだけ話す | 本人が「自分のことなのに」と不満を持っている | 面談の最初に本人から希望を聞いてほしい |
| 同じ法人のサービスだけを紹介された | ほかの選択肢が分からない | 地域内の複数の候補と違いを示してほしい |
伝え方は、次のようにすると対立になりにくくなります。
「これまで調整していただいたことには感謝しています。ただ、母が今月3回転び、家族の見守りだけでは難しくなっています。次の訪問では、現在のプランを続ける前提ではなく、入浴と外出の安全を含めて選択肢を出していただけませんか」
「連絡が遅い」と責める代わりに、次のようにも言えます。
「お忙しいことは承知しています。返答まで時間がかかる場合、いつごろ連絡をいただけるかだけ先に知らせてもらえると、家族も予定を立てやすくなります」
一度伝えた後は、同じ状態をいつまでも我慢する必要はありません。
次の面談や、双方で決めた返答期限まで見て、変化がなければ担当交代を考えます。
家族と本人の評価が違うときは、どちらかを黙らせないでください
家族は担当変更を望んでいるのに、親本人は「今の人でいい」と言うことがあります。
反対に、家族は問題を感じていなくても、本人が「話を聞いてくれない」「来てほしくない」と訴える場合もあります。
ケアプランの中心にいるのは、介護を受ける本人です。指定居宅介護支援では、利用者の意思と人格を尊重し、利用者の立場で支援することが基本とされています。
ただし、家族の介護負担を無視してよいわけではありません。
家族が夜間対応や通院付き添いを続けられなければ、今のケアプランも成り立たなくなるからです。
| 立場 | 聞いておきたいこと |
|---|---|
| 本人 | 今の担当者のどこが安心か、何を変えられると困るか |
| 同居家族 | 毎日どの介護を担い、何が限界になっているか |
| 遠方の子ども | 連絡や緊急対応で、どのような困り事があるか |
| 配偶者 | 本人へ遠慮して、言えていない負担がないか |
| 兄弟姉妹 | 担当変更後に、誰が連絡窓口になるか |
本人が今の担当者を信頼しているなら、すぐ別の事業所へ移らず、事業所の管理者にも入ってもらい、家族との連絡部分だけを改善する方法があります。
本人が変更を強く望んでいる場合は、「家族には問題がないから」と抑えず、何が嫌だったかを本人の言葉で聞きます。
この状態なら、相性の話だけにせず早めに別の窓口へ伝えます
次のようなことがある場合は、もう一度うまく伝える努力を家族だけへ求めなくても構いません。
- 本人を侮辱する、怒鳴る、脅すような言動がある
- 本人や家族の同意なく、支援内容が進められている
- 転倒や虐待の疑いなど、安全に関わる情報を伝えても対応されない
- 個人情報が不適切に扱われた疑いがある
- 利用したいサービスの選択を不当に妨げられる
- 説明を求めても、ケアプランや費用の根拠が示されない
- 苦情を伝えた後に、威圧的な態度や不利益をほのめかす言動がある
- 記録や説明の内容が、実際に行われた支援と明らかに違う
まず事業所の管理者へ、日時、場所、言われたこと、生活への影響を伝えます。
事業所内で話すことが難しい、対応が変わらない、事業所全体に関する不安がある場合は、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターへ連絡します。
地域包括支援センターは、高齢者や家族からの総合的な相談を受け、必要な制度や機関へつなぐほか、地域のケアマネジャーへの助言や支援も担っています。
居宅介護支援事業所には、苦情を受け付ける窓口や処理の手順を重要事項説明書などで示すことが求められています。市町村や都道府県の国民健康保険団体連合会も、介護サービスに関する苦情の窓口になります。
同じ事業所で担当だけ替える方法と、事業所ごと替える方法があります
ケアマネジャーの変更は、すべて同じ手続きではありません。
| 変更方法 | 向いている状況 | 最初に伝える相手 |
|---|---|---|
| 同じ事業所内で担当を交代する | 事業所の方針や場所には不満がなく、担当者との連絡や相性が主な問題 | 居宅介護支援事業所の管理者 |
| 別の居宅介護支援事業所へ移る | 事業所全体の対応やサービスの選び方にも不満がある | 新しい事業所、市区町村または地域包括支援センター |
| 現在のケアプランだけ見直す | 担当者には不満がないが、サービス内容が今の生活に合わない | 現在のケアマネジャー |
| サービス事業者を替える | 不満の相手が訪問介護やデイサービスの職員・事業所である | 現在のケアマネジャーとサービス事業所 |
| 第三者を交えて話す | 変更するか迷っており、家族だけでは判断しにくい | 地域包括支援センターや市区町村 |
同じ事業所内の担当交代は、連絡先や管理体制が大きく変わらず、引き継ぎを行いやすい方法です。
ただし、小規模な事業所では、ほかのケアマネジャーがいない、担当件数に空きがないこともあります。
別の事業所へ変更する場合は、新しい事業所との契約や市区町村への届出が必要になることがあります。具体的な書類や提出方法は自治体によって異なるため、新しい事業所や介護保険担当窓口へ確かめてください。自治体では、ケアプランを作成する事業所が変わる場合に、変更の届出を求めている例があります。
今の担当を断る前に、受け入れてくれる事業所を探します
不満が強いと、現在のケアマネジャーへ先に「もうお願いしません」と伝えたくなります。
しかし、地域によってはケアマネジャーの受け入れ枠が少なく、新しい担当者がすぐ見つからない場合があります。
緊急性の高い問題がなければ、次の候補を見つけてから変更日を決める方が、サービスの空白を避けやすくなります。
- 変更したい理由と、新しい担当者へ求めることを書く
- 同じ事業所内での交代が可能か管理者へ聞く
- 別事業所へ移る場合は、受け入れ可能な事業所を探す
- 候補の事業所へ、本人の状態と利用中のサービスを伝える
- 新旧の事業所で変更日と引き継ぎ方法を決める
- 必要な契約と自治体への届出を行う
- サービス事業者へ新しい連絡先を共有する
居宅介護支援事業所は、本人や家族が選ぶことが基本です。厚生労働省の基準解釈でも、利用者は介護サービスだけでなく、居宅介護支援事業者も自由に選択できるとされています。
現在のケアマネジャーや事業所の許可を得なければ、変更できないというものではありません。
また、利用者が別の居宅介護支援事業所を希望した場合、現在の事業所は、直近のケアプランと実施状況に関する書類を交付することが基準で定められています。
新しい事業所は、地域包括支援センターや公表情報から探せます
知人から勧められたケアマネジャーがいても、その人に空きがあるとは限りません。
候補を探す方法には、次のようなものがあります。
- 地域包括支援センターへ、担当区域の居宅介護支援事業所を聞く
- 市区町村の介護保険窓口で事業所一覧をもらう
- 介護サービス情報公表システムで地域の事業所を探す
- 主治医や医療機関の相談員へ、医療連携が必要な事情を伝える
- 利用中の訪問看護やデイサービスへ、連携しやすい事業所の情報を聞く
介護サービス情報公表システムでは、全国の介護事業所について、所在地、職員、サービス内容、相談・苦情への対応、外部機関との連携などの情報を確認できます。
候補が見つかったら、「変更できますか」だけでなく、本人の状態と家族が求める連絡方法を伝えます。
「一人暮らしの母で、要介護2です。訪問介護とデイサービスを利用しています。転倒が増え、医療との連携も必要になりました。家族は遠方におり、急ぎでない連絡はメール、状態変化は電話で共有していただける担当者を探しています」
ここまで伝えると、事業所側も対応できるかを判断しやすくなります。
次のケアマネジャーには、最初の電話で六つ聞きます
「優しい人がいい」「親身な人がいい」だけでは、再び同じ行き違いが起こることがあります。
今の担当者との間で困ったことを、新しい事業所への質問に変えます。
| 聞くこと | 質問例 |
|---|---|
| 連絡方法 | 「電話以外に、メールや連絡ノートでの共有はできますか」 |
| 返答の目安 | 「急ぎでない相談は、通常どのくらいで返答いただけますか」 |
| 不在時の体制 | 「担当者がお休みのときは、事業所内で情報を共有できますか」 |
| 得意な支援 | 「認知症の独居や医療との連携を担当した経験はありますか」 |
| 本人との関わり | 「家族だけでなく、本人の希望をどのように聞いていますか」 |
| サービスの選択 | 「複数の事業所の候補と、それぞれの違いを示してもらえますか」 |
質問への答えだけでなく、家族が話している途中で遮られないか、分からないことを曖昧にせず確認してくれるかも見ます。
一度会っただけで相性を完全に判断することはできません。
それでも、「何を大切にして支援しているか」「できないことをどう説明するか」は、最初のやり取りにも表れます。
同じ法人のサービスを勧められたこと自体が、直ちに問題とは限りません
居宅介護支援事業所とデイサービス、訪問介護などが、同じ法人で運営されていることがあります。
連絡を取りやすい、空き状況を把握しやすいなどの利点もあるため、同じ法人のサービスが紹介されたことだけで、不適切とは判断できません。
ただし、本人や家族がほかの事業所を知りたいと伝えているのに、選択肢が示されない場合は話が別です。
指定居宅介護支援は、特定の種類や特定のサービス事業者へ不当に偏らず、公正中立に行うことが求められています。ケアマネジャーは、地域のサービス内容や利用料などの情報を提供し、利用者自身の選択を支える立場です。
次のように聞いて構いません。
「こちらの法人の事業所が候補になる理由は分かりました。比較したいので、ほかの法人を含めて二、三か所、空き状況と特徴を教えていただけますか」
その質問へどのように応じるかも、今後の関係を考える材料になります。
変更理由は、本人や事業所を傷つける言葉にしなくて大丈夫です
現在のケアマネジャーへ変更を伝えるとき、すべての不満を詳しく話さなければならないわけではありません。
今後の支援に必要な範囲で、簡潔に伝えます。
同じ事業所内で担当交代を頼む例
「これまで支援していただき、ありがとうございます。本人との話し方や家族との連絡方法を含め、別の担当者との組み合わせも検討したいと思っています。事業所内で担当を交代していただくことは可能でしょうか」
別の事業所へ移ると伝える例
「家族で今後の支援体制を話し合い、医療との連携や連絡方法を含めて、別の居宅介護支援事業所へお願いすることにしました。これまでの支援に感謝しています。○月○日から変更したいので、引き継ぎについてご相談させてください」
理由を詳しく聞かれたときの例
「何度か希望をお伝えしましたが、現在の連絡方法と支援の進め方では、本人と家族の負担に合わない状態が続いています。誰かを責めることより、今後続けられる体制を優先して変更したいと考えています」
担当者から謝罪や改善案を出され、その内容に納得できるなら、変更を取りやめる選択もあります。
一方で、気まずさから本心とは違う返事をし、再び我慢へ戻る必要はありません。
ケアマネジャーを替えても、利用中のサービスを全部替える必要はありません
「ケアマネジャーを変更したら、今のヘルパーやデイサービスも使えなくなるのでは」と心配する方がいます。
ケアマネジャーを変更することと、各サービス事業者を変更することは別の話です。
本人が今のデイサービスや訪問介護を希望し、サービス内容にも問題がなければ、継続を前提として新しいケアマネジャーへ伝えます。
ただし、次の事情によって調整が必要になる場合があります。
- 新しい事業所の通常の対応地域から外れている
- 利用中のサービスについて、ケアプランの変更が必要になる
- 事業者との連絡や契約内容を改めて共有する必要がある
- 変更の時期と介護保険上の手続きが合っていない
- 本人の状態変化により、サービス自体の見直しが必要になっている
変更前には、利用中のサービス名、曜日、回数、連絡先、本人が気に入っている点を一覧にします。
新しいケアマネジャーへ、「このサービスは継続したい」と明確に伝えてください。
引き継ぎでは、ケアプランだけでなく生活の癖まで渡します
書類が引き継がれても、家族が伝え直した方がよい情報があります。
| 引き継ぎたい情報 | 具体例 |
|---|---|
| 本人の希望 | 自宅で暮らしたい、入浴は同性介助を希望する |
| 苦手な対応 | 大勢に囲まれると話せない、急な予定変更を嫌がる |
| 生活上の危険 | 夜間の転倒、薬の重ね飲み、火の消し忘れ |
| 家族の限界 | 平日の通院付き添いは難しい、夜間電話で睡眠不足 |
| 医療情報 | 主治医、持病、服薬、入退院の経過 |
| 現在のサービス | 曜日、回数、事業所、本人との相性 |
| 連絡の優先順位 | 緊急時は長女、通常連絡は長男へメール |
| 近い将来の予定 | 認定更新、退院、家族の転居、介護者の手術 |
新しい担当者へ前のケアマネジャーへの不満だけを長く伝えると、これから必要な支援の話が少なくなってしまいます。
「前の担当者が悪かった」ではなく、「今後はこの連絡方法にしたい」「本人のこの希望をケアプランに入れたい」と、次の支援へつながる言葉へ置き換えます。
要支援の方は、担当の仕組みが異なることがあります
要介護1~5の方が在宅サービスを利用する場合は、一般に居宅介護支援事業所と契約し、所属するケアマネジャーへケアプランを依頼します。
要支援1・2の方や介護予防・日常生活支援総合事業を利用する方は、地域包括支援センターが関わっている場合があり、担当変更の窓口や契約関係が異なることがあります。制度改正や自治体の運用によっても手続きが違うため、現在の契約書と介護保険担当窓口で確かめてください。
「ケアマネジャーを変更したい」と伝える際は、要介護度だけでなく、現在どの事業所や地域包括支援センターと契約しているかを確認しておくと話が早くなります。
変更後の最初の面談で、連絡と役割の境界を決めておきます
新しい担当者へ替わると、これまでの不満を解消したくなり、多くの要望を一度に伝えたくなります。
最初の面談では、次の五つを決めておくと、その後の行き違いを減らせます。
- 本人が今一番続けたい生活
- 家族がもう続けられない介護
- 急ぎの連絡と通常連絡の分け方
- 誰を家族の代表窓口にするか
- どの時点でケアプランを見直すか
兄弟姉妹から別々の要望が届くと、ケアマネジャーも方針をつかみにくくなります。
家族の窓口を一人に決めつつ、ほかの家族も共有できる連絡ノートやメールを使う方法があります。
本人の前で話しにくい家族の負担は、事前に紙で渡すか、本人の面談後に短い時間を取ってもらいます。
今日決めるのは「変更するか」ではなく、困っている一場面です
ケアマネジャーを替えるべきか考え続けていると、相手のよかったところと嫌だったところが頭の中を行き来し、決められなくなります。
今日は紙に、次の一文だけを書いてください。
「私は、○○が起きたときに困り、今後は△△してほしい」
たとえば、
「母が転倒したと伝えた後、次に何をするか示されなかったことに困った。今後は、状態変化を伝えたときに、受診、サービス変更、経過観察のどれを考えるか教えてほしい」
「家族へ連絡が集中しているのに、負担がケアプランで扱われていないことに困った。今後は、家族が担えないこともサービス担当者会議で共有してほしい」
この一文を現在の担当者か、事業所の管理者へ伝える。
伝えても変わらないなら、地域包括支援センターや市区町村へ候補の探し方を聞く。
そこまで進めれば、今日は十分です。
ケアマネジャーの変更は、誰かを悪者にして関係を切る作業ではありません。
親の状態、本人の希望、家族が担える範囲に合わせて、支援の窓口を選び直すことです。
これまで助けてもらった部分へ感謝しながら、「今の暮らしには別の支援が必要です」と伝えて構いません。
言いにくさだけを理由に我慢を続けず、まず一つの困り事を言葉にするところから始めてください。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム・居宅介護支援」:ケアマネジャーの役割、ケアプラン作成、サービス事業者との連絡調整、公正中立な支援に関する確認先。
- 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準・解釈通知」:利用者による事業所の選択、本人の意思の尊重、説明と同意、変更時の書類交付に関する確認先。
- 厚生労働省「指定居宅介護支援事業者等の事業の公正中立な実施について」:サービスや居宅介護支援事業所を利用者が選ぶ考え方に関する確認先。
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム・生活関連情報」:地域包括支援センターの総合相談とケアマネジャー支援の役割に関する確認先。
- 厚生労働省「居宅介護支援の苦情処理に関する運営基準」:事業所、市町村、国民健康保険団体連合会による苦情対応の確認先。
- 自治体の介護保険案内:居宅介護支援事業所を変更する際の届出や、要支援・要介護で異なる相談先の確認例。実際の手続きは、親が住む市区町村へ確かめてください。















