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介護・見守り

介護サービス費用が増えたとき|請求書の見方と減らす前に確認すること

2026.07.26 更新 なやみ晴れ編集部
#介護#介護・見守り#公的支援
この記事の結論

介護サービス費用が増えたら、サービスを減らす前に、前月との違いを「利用量・負担割合・限度額超過・保険外費用」に分けます。請求書だけで分からない場合は、ケアマネジャーへ内訳を示してもらってください。食事、服薬、入浴、安全に関わる支援を、金額だけで急に止めるのは避けます。

先月は1万8,000円だった介護サービスの請求が、今月は3万1,000円になっている。

親御さんへ聞いても、「いつもと同じだと思う」と言います。ケアマネジャーから何か説明を受けた気もするけれど、通院や仕事に追われ、内容までは覚えていません。

このまま毎月増えたら払えない。そう思うと、デイサービスを一日減らす、ショートステイをやめるなど、すぐ利用を削りたくなります。

ただ、そのサービスによって入浴できていたり、食事や服薬を見てもらえていたり、ご家族が仕事を続けられていたりすることがあります。

先に確かめたいのは、介護が必要かどうかではありません。

先月から、何の料金が、いくら増えたのか。

原因が分かれば、必要な支援を残しながら、回数、時間、事業所、保険外費用などを見直せます。

先月より高くても、すぐに介護サービスを減らさないでください

介護費用が増えると、「利用しすぎているのでは」と考えがちです。

しかし、請求額の増加が利用回数によるものとは限りません。

介護保険サービスの利用者負担は原則として費用の1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割です。これに加えて、食費、居住費、日用品、保険外サービスなどが請求される場合があります。

さらに、要介護度ごとに定められた支給限度額を超えた部分は、原則として全額自己負担です。

つまり、同じ「3万円の増加」でも、原因によって対処が違います。

内容を見ずにサービスを減らすと、費用があまり下がらないのに、親御さんの生活とご家族の負担だけが悪化することがあります。

二か月分の請求書を横に並べると、増えた場所が見えてきます

用意するのは、現在の請求書と前月の請求書です。

事業所が複数ある場合は、訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具など、同じ事業所の書類同士を比べます。

増えた欄 考えられる原因 確かめる相手
利用日数・回数 訪問、通所、宿泊などが追加された ケアマネジャー、サービス事業所
利用者負担額 負担割合が変わった、利用量が増えた 市区町村、ケアマネジャー
保険給付対象外 食費、居住費、日用品、自費サービスなど 請求した事業所
限度額超過分 要介護度別の支給限度額を超えた ケアマネジャー
加算・その他費用 提供体制、支援内容、送迎、キャンセルなどによるもの サービス事業所

請求書だけで分からなければ、サービス利用票や別表、利用明細も一緒に見ます。

書類の名称や表示方法は事業所によって異なります。項目名が難しいときは、ご家族だけで制度を読み解こうとせず、増えた欄へ印を付けて質問すれば構いません。

ポイント

「合計が高い」ではなく、「前月より増えた項目」を見つけます。原因が一つとは限らないため、保険内の自己負担と、食費などの保険外費用を分けてください。

利用日数が増えたなら、追加した目的まで確かめます

デイサービスが週2回から3回になった。訪問介護の時間が延びた。家族の出張中にショートステイを使った。

このような変更があれば、費用が増えるのは自然です。

ただし、「回数が増えたから元へ戻す」と決める前に、その変更によって何を補っていたのかを見ます。

退院直後や体調を崩した月だけ、一時的に利用が増えている場合もあります。

ケアマネジャーには、次のように聞いてください。

「先月追加したサービスは、何を防ぐためのものでしたか。今後も同じ回数が必要なのか、一時的な利用だったのか教えてください」

追加の理由が分かれば、回数を戻せるのか、別の支援へ置き換えられるのかを考えられます。

要介護度が変わっても、請求額が同じ割合で増えるとは限りません

要介護1から要介護2になったため、料金が急に高くなったと思うことがあります。

要介護度が上がると、利用できる居宅サービスの支給限度額は増えます。しかし、限度額が増えただけで、自動的に上限まで請求されるわけではありません。

実際の費用は、利用したサービスの種類、回数、時間、事業所の地域、加算などによって決まります。

一方、施設サービスや小規模多機能型居宅介護など、要介護度によって月額の基本部分が変わるサービスもあります。

認定結果が変わった月は、次の二つを分けて聞きます。

「要介護度が変わったことで増えた基本料金はいくらですか」

「サービス内容を増やしたことで増えた金額はいくらですか」

要介護度の変更と、ケアプランの変更を一緒に扱わないことがポイントです。

負担割合が変わっていないか、負担割合証を見ます

利用回数が同じなのに、保険内の自己負担が大きく増えている場合は、「介護保険負担割合証」を見ます。

負担割合証には、ご本人の負担が1割、2割、3割のどれに当たるかが記載されています。

所得や世帯の状況により、以前は1割だった方が2割になるなど、負担割合が変わることがあります。

たとえば、介護サービスの総費用が月10万円なら、単純計算では1割負担で1万円、2割負担で2万円です。サービス内容が同じでも、請求額には大きな差が出ます。

ただし、すべての支払いがそのまま2倍になるとは限りません。高額介護サービス費の対象になる場合や、食費など別に計算される項目があるためです。

負担割合に疑問がある場合は、事業所ではなく、負担割合証を発行した市区町村の介護保険担当窓口へ尋ねます。

「介護サービスの利用内容は同じですが、負担割合が変わっています。判定に使われた所得と適用期間を確認したいです」

限度額を超えた分は、1割ではなく全額負担になることがあります

在宅で介護保険サービスを使う場合、要支援・要介護度ごとに、1か月に利用できるサービス量の目安となる「区分支給限度基準額」があります。

限度額の範囲内で利用した部分は、所得に応じて1割から3割を負担します。

一方、限度額を超えて利用した部分は、原則として超過分の全額を負担します。

限度額の近くまで利用している家庭では、訪問介護を一回追加しただけでも、請求額が予想以上に増えることがあります。

ケアマネジャーへは、金額を三つに分けてもらいます。

「今月は限度額をいくら超えていますか。超過した原因になったサービスを教えてください」

限度額を超えたからといって、直ちにそのサービスが不要とは限りません。

家族が仕事を休んで代わりに介護する費用や、事故や入院を防ぐ役割まで含めて考えます。

食費・居住費・日用品は、介護保険の自己負担とは別です

デイサービス、ショートステイ、介護施設では、介護サービスの自己負担以外にも費用がかかります。

ショートステイを利用した月だけ請求が増えた場合、介護サービス費よりも、宿泊日数分の食費や滞在費が大きく影響していることがあります。

保険外費用は、高額介護サービス費の計算に含まれないものがあります。

請求書では、次のように尋ねてください。

「この請求のうち、介護保険の対象になっている金額と、食費など対象外の金額を分けて説明してください」

また、2026年8月1日から、介護保険施設やショートステイを利用する一部の方について、食費・居住費の負担限度額や基準費用額が変更されます。

対象になる所得区分や増額幅は利用状況によって異なるため、8月以降に請求が変わった場合は、施設または市区町村へ「制度変更による増額か」を確かめてください。

高額介護サービス費で戻る可能性がある金額を確かめます

介護保険サービスの1か月の利用者負担が、所得区分に応じた上限額を超えた場合は、「高額介護サービス費」として超過分が支給される場合があります。

ただし、次のような費用は対象外となることがあります。

そのため、請求額全体が高くても、すべてが上限計算の対象になるわけではありません。

支給を受けるには市区町村への申請が必要です。自治体によっては、初回申請後、対象月の超過分が指定口座へ支給される仕組みを取っています。

市区町村へ連絡するときは、介護保険被保険者証、負担割合証、請求書を手元に置きます。

「今月の介護保険サービスの自己負担が増えました。高額介護サービス費の対象になる金額と、申請の有無を確認したいです」

医療費と介護費の両方が高い家庭では、一年間の自己負担を合算する「高額医療・高額介護合算制度」の対象になる場合もあります。

施設やショートステイの食費・居住費には軽減制度があります

所得や資産などが一定以下の方が、介護保険施設やショートステイを利用する場合は、「介護保険負担限度額認定」により、食費や居住費の負担が軽減されることがあります。

この軽減は自動的に適用されるとは限らず、市区町村への申請が必要です。

以前は認定を受けていても、更新手続き、所得区分、預貯金などの条件により、今期は適用されていない可能性があります。

施設の請求が増えたときは、次の点を見ます。

市区町村民税が非課税だから必ず対象になる、とは限りません。配偶者の課税状況や預貯金なども判定に関係するため、市区町村へ個別に確かめてください。

減らすなら「安全を守る支援」と「調整できる支援」を分けます

原因を確かめても、家計上これまでのサービスを維持できない場合があります。

そのときは、すべてを同じように削らず、役割で分けます。

先に残すことを考えたい支援

調整できる可能性がある部分

回数を減らす以外にも、サービスの種類、時間、曜日、事業所、家族が担当する範囲を変える方法があります。

ただし、家族が引き受けることで節約する場合は、「誰が、週に何時間、いつまでできるか」まで決めます。

費用を下げた代わりに、一人の家族だけが仕事を休み続ける形では、長く続きません。

ケアマネジャーへは「安くして」ではなく、内訳と代替案を聞きます

ケアマネジャーは、請求を直接決める立場ではありません。

それでも、どのサービスがケアプランに入り、何の目的で利用しているのか、限度額をどの程度使っているのかを一緒に見直せます。

電話では、次のように伝えると話が具体的になります。

「介護費が先月1万8,000円、今月3万1,000円になりました。何がいくら増えたのか、保険内、限度額超過、保険外費用に分けて教えてください。そのうえで、安全を落とさず減らせる部分があるか考えたいです」

事業所へ直接聞く方がよい項目は、ケアマネジャーから案内してもらいます。

その場でサービスの中止を決める必要はありません。

「今日は内訳を持ち帰り、家族と本人に説明してから決めます」

そう伝えて構いません。

支払えないと分かったら、請求日を過ぎる前に伝えます

介護サービス費を払えず、黙ったまま請求を放置すると、事業所との話し合いが難しくなります。

全額を用意できないと分かった段階で、事業所とケアマネジャーへ連絡してください。

「今月の請求を期限までに全額支払うのが難しい状況です。支払いについて相談できることと、サービスを続けるために必要な手続きを教えてください」

分割などに対応できるかは、事業所や契約内容によって異なります。

介護費だけでなく、家賃、医療費、食費なども足りない場合は、市区町村の介護保険担当窓口だけでなく、自立相談支援機関へ家計全体を伝える方法があります。

また、食事、服薬、排泄、入浴などが保てず、サービスを止めることで親御さんの生命や身体へ危険が及ぶ場合は、費用だけを理由に急な中止をしないでください。

介護費を払うために食事や必要な薬を買えない、家賃や公共料金も滞納しているという場合は、通常のケアプラン見直しだけでは足りません。市区町村や地域包括支援センターへ、介護と生活費の両方が難しいことを伝えてください。

今夜は前月と今月の「最大の差額」を一つ見つけます

制度をすべて理解してから問い合わせる必要はありません。

前月と今月の請求書を並べ、最も増えている項目を一つだけ探してください。

その横に、次のどれかを書きます。

「項目の意味が分からない」でも十分です。

翌日、ケアマネジャーまたは請求した事業所へ、こう伝えます。

「今月、この項目が前月より1万3,000円増えています。増えた理由と、来月も続く費用かを教えてください」

原因が分かってから、残す支援と変えられる支援を分けます。請求書を見た夜に、親御さんの暮らしを支えているサービスまで決めてしまう必要はありません。

出典・確認先メモ

よくある質問

Q. 介護サービスの利用回数が同じなのに、料金が増えることはありますか?

負担割合の変更、加算、要介護度に応じた料金、食費や居住費などにより、回数が同じでも増える場合があります。前月と今月の請求書、負担割合証を並べ、保険内と保険外の金額を分けて確かめてください。

Q. 介護保険の限度額を超えると、超えた分はどうなりますか?

区分支給限度基準額を超えて利用した居宅サービスは、原則として超過分が全額自己負担になります。ケアマネジャーへ、現在の利用額、限度額、超過の原因となったサービスを具体的に示してもらってください。

Q. 高額介護サービス費は自動的に返ってきますか?

市区町村への申請が必要です。初回の申請後は指定口座へ支給する自治体もありますが、手続き方法は地域で異なります。食費、居住費、限度額超過分など、対象外となる費用もあるため、請求書を持って担当窓口へ確認してください。

Q. 介護費用を減らすために、デイサービスを休んでもよいですか?

休むこと自体はできますが、入浴、食事、運動、服薬、家族の休息など、利用している目的を先に確かめてください。一日減らした場合に誰が何を補うのかを決め、危険や家族負担が増えない方法をケアマネジャーと検討します。

Q. 親の介護サービス費用について、子どもが問い合わせてもよいですか?

ご家族からケアマネジャーへ状況を伝えることはできますが、詳しい請求内容の説明には本人の同意を求められる場合があります。可能であれば親御さんと一緒に連絡し、「家族にも内訳を説明してほしい」と本人から伝えてもらってください。

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