また早退を頼む電話をかけるだけで、手が震える
出勤して間もなく、親から電話がかかってきます。
「薬がどこにあるか分からない」
「病院へ行く日だった気がする」
「転んで起きられない」
デイサービスから「今日は体調が悪そうです」と連絡が入り、病院からは「ご家族にも説明を聞いてほしい」と言われます。
上司へ早退を申し出ると、「分かりました」とは言ってくれる。それでも、同僚が自分の仕事を引き受ける様子を見ると、申し訳なさで顔を上げられません。
先月も休んだ。今週は二度目。大事な会議の日にも呼び出されるかもしれない。
「職場では、もう当てにされていないのではないか」
「介護を理由にしていると思われていないか」
「親を見捨てるわけにはいかない」
「退職すれば、この謝り続ける生活から抜けられるのではないか」
そう考える日もあります。
けれど、仕事を辞めれば介護が楽になるとは限りません。収入が減り、家にいる人として介護を任され、かえって離れられなくなることもあります。
今必要なのは、休まないよう気力で耐えることではありません。なぜ休みが発生しているのかを分け、仕事側と介護側の両方へ手を入れることです。
休みを四つに分けると、変えられる部分が見えてくる
「介護で休んだ日」を一つにまとめると、毎回自分が行くしかないように見えます。
直近一か月の欠勤、遅刻、早退を、次の四つに分けてください。
| 休みが必要になった理由 | 具体例 | 見直す方向 |
|---|---|---|
| 予定が分かっていた用事 | 定期通院、認定調査、ケアマネジャーとの面談、役所の手続き | 日程の集約、時間単位の休暇、家族や支援者との分担 |
| 急に起きた体調・安全上の問題 | 転倒、発熱、受診、薬の飲み間違い、行方が分からない | 緊急時の連絡順、見守り、訪問・短期宿泊などの支援 |
| サービスのすき間を埋める用事 | 朝の支度、送迎前後、服薬、夕食、デイサービスが休みの日 | ケアプランや利用時間、保険外支援を含めた組み替え |
| 家族がしなくてもよいかもしれない用事 | 日用品の買い足し、書類の受け取り、毎回の病院送迎、掃除 | 兄弟、配達、介護サービス、地域支援へ渡す |
たとえば、月に二回の通院は予定できる休みです。ところが、前日になって薬が切れていると分かり、急きょ病院へ行くなら、服薬と予約の管理方法に別の問題があります。
毎週月曜日に親から「食べる物がない」と電話が来るなら、家族の気持ちの問題ではなく、週末から月曜日にかけて食事支援が途切れているのかもしれません。
休んだ回数だけで自分を責めず、休みが生まれる場所を見てください。
二週間の記録には、介護時間ではなく「仕事への影響」を書く
職場やケアマネジャーへ相談するとき、「介護が大変です」だけでは、何を変えればよいか伝わりにくいものです。
二週間だけ、次の内容を記録します。
| 日時 | 起きたこと | 自分がしたこと | 仕事への影響 | 別の方法はあったか |
|---|---|---|---|---|
| 月曜8時 | 母が薬をなくしたと電話 | 実家へ行き、薬を探した | 1時間遅刻 | 薬の定位置、訪問支援、服薬カレンダー |
| 水曜13時 | 病院から説明のため呼ばれた | 病院へ移動し診察に同席 | 午後半休 | 次回は事前メモや電話参加が可能か聞く |
| 金曜17時 | デイサービスで発熱 | 迎えに行き受診した | 会議を途中退席 | 緊急時の第2連絡先を決める |
| 日曜夜 | 父が何度も起きて外へ出ようとした | 実家に泊まった | 月曜に集中できず欠勤 | 主治医、ケアマネジャーへ夜間の状態を共有する |
この記録があると、職場には「月に三回ほど午前の遅刻が起きている」、ケアマネジャーには「朝の服薬と夜間対応が家族の仕事へ影響している」と伝えられます。
介護の苦労を証明するためではありません。何を減らせば勤務を続けやすくなるかを探すための記録です。
職場には「休ませてください」より先に、続けたい意思を伝える
欠勤や早退のたびに、その場の上司へ謝るだけになっている人もいます。
しかし、突然の連絡だけが続くと、上司も業務をどう組み替えればよいか分かりません。
一度、介護に直面していることを正式に伝え、面談の時間を取ってもらいます。
伝える内容は、次の四つで十分です。
- 仕事を続けたいと考えていること
- 今起きている勤務上の影響
- 当面いつまで続きそうか
- 利用を検討したい制度や働き方
たとえば、次のように話せます。
「親の介護で、先月は急な早退が二回、通院のための半休が一回ありました。退職ではなく、仕事を続ける前提で体制を整えたいです。介護休暇や時差出勤など、利用できる制度について人事も交えて相談させてください」
原因となる病名や家庭内の細かな出来事を、同僚全員へ話す必要はありません。
上司や人事には、制度の手続きに必要な範囲と、勤務上の配慮に必要な情報を分けて伝えます。
上司との面談では、「できないこと」だけでなく代わりの働き方を出す
職場へ介護を伝えると、「いつまで続くのか」「急に休まれると困る」と言われるのが怖いかもしれません。
介護の終了時期を正確に答えることはできなくても、今後一か月の見通しや、仕事を止めないための案は出せます。
| 困っていること | 職場へ相談する例 |
|---|---|
| 午前の急な遅刻がある | 「当面一か月、始業を1時間遅らせ、その分終業を調整できる制度はありますか」 |
| 通院で数時間抜ける | 「時間単位の介護休暇を使えるか、申請方法を教えてください」 |
| 夜間介護で睡眠が取れない | 「深夜勤務や早朝勤務を外す制度の対象になるか確認したいです」 |
| 急な早退が心配 | 「案件の進捗を共有表に残し、代理の人が引き継げる形に変えたいです」 |
| 一定期間、体制を作り直したい | 「介護休業を使って、サービス導入と家族分担を整えたいです」 |
| 残業で帰宅が遅くなる | 「残業免除や時間外労働の制限を利用できるか相談したいです」 |
会社によって、法律上の制度に加え、独自の介護休暇、在宅勤務、フレックスタイム、中抜け、積立休暇などを設けていることがあります。
就業規則や社内ポータルを探すだけでなく、人事・労務担当者へ「介護に直面したので、利用できる制度の一覧を知りたい」と伝えてください。
介護休暇と介護休業は、休む長さだけが違うのではありません
名称が似ているため、どちらを使えばよいか分からない人もいます。
| 制度 | 向いている場面 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 介護休暇 | 通院付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせ、手続きなど | 対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで。原則として1日または時間単位 |
| 介護休業 | 退院後の体制づくり、介護サービス探し、家族分担の組み直しなど | 対象家族1人につき通算93日、3回まで分けて取得可能 |
| 短時間勤務等 | 毎朝や夕方など、一定期間継続して介護時間が必要 | 会社が短時間勤務、フレックス、時差出勤、介護サービス費用助成などから一つ以上を設ける |
| 所定外労働の制限 | 日常的な残業を避けたい | 要件を満たして請求した場合、いわゆる残業の免除を受ける制度 |
| 時間外労働の制限 | 法定労働時間を超える勤務を一定範囲に抑えたい | 要件を満たして請求した場合、時間外労働を月24時間、年150時間以内に制限 |
| 深夜業の制限 | 夜間の見守りがあり、深夜勤務が難しい | 要件を満たす場合、午後10時から午前5時までの勤務を制限 |
介護休暇は、年次有給休暇とは別に取得できる制度です。ただし、休暇中の賃金を有給とするか無給とするかは勤務先の規定によります。通院の付き添いや、介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせにも使えます。
介護休業は、対象家族一人につき通算93日、3回まで分けて取得できます。厚生労働省は、休業期間を家族が一人で介護し続ける期間ではなく、介護サービスの手配や家族分担など、両立できる体制を整えるための期間として活用するよう案内しています。
雇用保険の被保険者で一定の要件を満たす場合は、介護休業中に休業開始時賃金日額の67%相当額の介護休業給付金が支給されます。実際の受給要件や申請は、勤務先やハローワークへ確かめてください。
休みが足りないときは、休日を増やすより勤務時間をずらす
毎週決まった曜日の朝に介護が必要なのに、毎回半日休暇を取ると、休暇の日数がすぐ減ります。
必要なのが一日の休みではなく、朝の一時間や夕方の二時間なら、勤務時間の調整が合う場合があります。
| 介護が必要な時間 | 考えられる働き方 |
|---|---|
| 朝の着替えや送り出し | 時差出勤、フレックスタイム、始業時刻の繰り下げ |
| 夕方の食事や服薬 | 短時間勤務、終業時刻の繰り上げ、残業免除 |
| 月に数回の通院 | 時間単位の介護休暇、在宅勤務との組み合わせ |
| 夜間の見守り | 深夜勤務の制限、翌日の時差出勤 |
| 一時的な退院対応 | 介護休業でサービスと生活環境を整える |
| 急な連絡に備える必要がある | 中抜け、テレワーク、代理担当を決めた業務分担 |
事業主は、対象家族一人につき、利用開始から連続する3年以上の期間に2回以上利用できる短時間勤務等の措置を設ける必要があります。具体的にどの制度を採用しているかは会社によって異なります。
また、2025年4月から、事業主には介護休業などを利用しやすくする職場環境の整備や、介護に直面したと申し出た労働者への制度の個別周知・利用意向の確認が義務づけられました。介護のためのテレワーク導入は努力義務とされています。
「制度があるか聞くだけで迷惑になる」と考えず、まず選択肢を知るところから始めてください。
介護休業は、介護を自分で全部引き受けるために使わない
介護休業を取れば、三か月近く親の世話ができると思うかもしれません。
けれど、休業中に家族がすべてを担う形を作ると、復職した日に介護が回らなくなります。
休業を取得するなら、復職後に自分が勤務している時間帯を想定して、次のことを進めます。
- 要介護認定の申請や区分変更を検討する
- ケアマネジャーと一週間の支援を組み直す
- 訪問介護、通所、短期入所などを試す
- 服薬、食事、通院、夜間対応の担当を分ける
- 緊急連絡先を家族一人に集中させない
- 民間サービスや配達も含めてすき間を埋める
- 職場と復帰後の勤務方法を話し合う
休業の終わりが近づいてから支援を探すのではなく、開始直後から「自分が仕事へ戻ったあとの一週間」を作ります。
ケアマネジャーには「家族が大変」ではなく、休んだ日時を見せる
介護サービスを利用していても、家族の欠勤が減らないことがあります。
サービスの利用中は安全でも、送迎前、帰宅後、夜間、通院日などに家族の負担が集中しているからです。
ケアマネジャーには、次のように伝えます。
「母の介護で、今月は朝の服薬確認で2回遅刻し、デイサービスからの呼び出しで2回早退しました。私が仕事へ行っている午前8時から午後6時まで、どこに支援のすき間があるか一緒に見直したいです」
相談したい項目は、次のとおりです。
- 朝や夕方の訪問支援を入れられないか
- デイサービスの利用日や時間を変えられないか
- 体調不良時に利用できる支援があるか
- 短期入所を定期的または緊急時に使えるか
- 通院支援を家族以外へ分けられないか
- 服薬や食事を見守る方法を変えられないか
- 連絡先を兄弟などと分けられないか
家族が働いていることも、ケアプランを考えるうえで伝えてよい生活条件です。
「家族が対応できるのでサービスは不要」とされないよう、実際には勤務を休んで対応していることを具体的に話してください。
介護認定がない、ケアマネジャーがいないときは親の地域へ電話する
親がまだ介護保険を申請していない場合や、「そこまで弱っていない」と本人が嫌がっている場合でも、家族の仕事に支障が出ているなら相談を始めて構いません。
親の住所地を担当する地域包括支援センターへ、家族から連絡します。
地域包括支援センターは市町村に設置されている高齢者の総合相談窓口で、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどが相談を受け、必要な支援や介護保険申請につなぎます。
電話では、次のように話せます。
「80歳の母が一人暮らしです。自分で歩けますが、薬の飲み忘れと転倒が増え、娘が週に二、三回仕事を休んで対応しています。介護認定を含め、仕事を続けながら支えられる方法を相談したいです」
制度名が分からなくても問題ありません。親の生活と自分の勤務に、何が起きているかをそのまま伝えます。
急な呼び出しには、「誰が行くか」ではなく連絡順を決める
病院や介護事業所の緊急連絡先が自分一人になっていると、仕事中でも必ず電話を取ることになります。
家族や支援者と、状況別の連絡順を決めます。
| 起きたこと | 第1連絡先 | 第2連絡先 | 家族が行く目安 |
|---|---|---|---|
| 発熱や体調不良 | 近くに住む家族 | 同居家族または別のきょうだい | 医療機関の受診や一人で帰宅できない場合 |
| 軽い忘れ物や持ち物不足 | 本人または事業所で対応 | 家族へ後日報告 | 家族が職場を離れて届けない |
| 転倒したが意識はあり、けがが不明 | 事業所・現場の職員 | 家族 | 医療判断や帰宅後の見守りが必要な場合 |
| 予定変更や書類の確認 | 連絡担当の兄弟 | 本人 | 勤務時間外に処理できるものは即時対応しない |
| 命に関わる可能性がある | 119番など緊急対応 | 家族 | 救急搬送先へ向かう |
すべての電話へ家族がすぐ駆けつける必要があるのか、病院や介護事業所とも共有します。
「連絡はほしいが、仕事中はすぐ出られない」「緊急性が低い場合は留守番電話やメールにしてほしい」と伝えられるか聞いてみてください。
兄弟には「もっと手伝って」ではなく、一つの定期担当を渡す
介護で仕事を休む人は、親の近くに住む一人へ偏りやすいものです。
遠方の兄弟から「何かあったら言って」と言われても、毎回頼む内容を考え、説明するのも負担になります。
定期的な仕事として渡します。
| 役割 | 頼み方の例 |
|---|---|
| 通院予約 | 「毎月の予約変更と、検査日程の調整を担当してほしい」 |
| 書類管理 | 「介護保険や病院の書類を写真で送り、提出期限を管理してほしい」 |
| 休日の介護 | 「第2土曜日は実家へ行き、私が休める日にしてほしい」 |
| 費用の分担 | 「私が勤務を休む回数を減らすための自費サービスを、兄弟で負担したい」 |
| 緊急連絡 | 「火曜と木曜の午後は、あなたを第1連絡先にしたい」 |
| 親との電話 | 「毎週水曜の夜に電話し、薬と翌日の予定を一緒に見てほしい」 |
「近くに住んでいるから」という理由だけで、欠勤による収入減や昇進への影響まで一人が負う必要はありません。
現地へ行けない人にも、時間、手続き、費用、連絡の役割を持ってもらいます。
親から「仕事より親が大事でしょう」と言われたとき
親が不安になると、子どもへ強く頼ることがあります。
「家族なのに来られないの」
「仕事は誰かが代わってくれるでしょう」
「他人の世話にはなりたくない」
その言葉を聞くと、家族として失格だと言われたように感じます。
親の不安は受け止めても、毎回仕事を休む約束までする必要はありません。
| 親の言葉 | 返し方の例 |
|---|---|
| 「あなたが来てくれればいい」 | 「行ける日は行くよ。でも毎回休むと仕事を続けられなくなるから、ほかの人にも手伝ってもらいたい」 |
| 「知らない人は嫌」 | 「最初は私も一緒に会うよ。合わなければ別の方法を考えよう」 |
| 「子どもが親を見るのは当たり前」 | 「これからも支えるために、私一人だけで続けない形にしたい」 |
| 「会社を休めないの?」 | 「今日は行けないけれど、代わりに来られる人を探す。命に関わるときは必ず対応するよ」 |
支援を利用することは、親を他人へ丸投げすることではありません。
家族が判断や気持ちの支えを担い、日常の作業は複数の人で支える形へ変えることです。
「休みがちだから辞めた方がいい」と言われても、その場で退職を決めない
上司や同僚から、直接または遠回しに退職や雇用形態の変更を勧められることがあります。
介護休業などの申出や取得を理由とする解雇、雇止め、降格などの不利益な取扱いは禁止されています。介護休業等に関するハラスメントを防ぐ措置も、事業主の義務です。
その場で退職届を書かず、次の内容を残します。
- 言われた日時と場所
- 話した相手
- できるだけ正確な発言内容
- 同席していた人
- 自分が利用を申し出た制度
- メールや社内メッセージ
まず人事・労務や社内相談窓口へ、事実と希望を伝えます。
「介護を理由に退職したいわけではありません。両立支援制度を使って勤務を続けたいので、利用条件について正式に確認したいです」
社内で解決しない場合や、制度の利用を拒まれた、不利益な扱いを受けたと感じる場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が育児・介護休業法や介護休業等に関するハラスメントの相談を受け付けています。
介護認定がなくても、職場の制度を使える可能性があります
「親が要介護認定を受けていないから、介護休暇は使えない」と思っている人もいます。
育児・介護休業法上の要介護状態は、負傷や病気、心身の障害によって、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指します。介護保険の要介護認定を受けていることは、必ずしも要件ではありません。
会社から、家族が要介護状態にあることなどを示す書類を求められる場合はあります。ただし、証明書類は医師の診断書だけに限定されるものではないと厚生労働省は示しています。必要な手続きは人事・労務担当者へ確認してください。
「認定が出るまで何も言えない」と待たず、勤務への影響が出た時点で制度を調べます。
家族の体調が崩れているなら、介護体制より先に自分の受診も考える
夜に何度も起こされる。職場で簡単なミスが増えた。親から電話が鳴るだけで動悸がする。休日も気持ちが休まらない。
こうした状態が続いていても、「親の方が大変だから」と自分の不調を後回しにしがちです。
- 眠れない、朝起きられない
- 食欲が大きく変わった
- 仕事中に涙が出る
- 強い疲れが休んでも取れない
- 何もかも投げ出したい気持ちが続く
- 運転や作業中に集中できない
- 親へ怒鳴る、手を出しそうになる
この状態では、勤務制度や介護サービスの調整だけでなく、自分の健康について医療機関や職場の産業医・相談窓口へ話すことも考えてください。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人や家族、人事労務担当者を対象に、仕事や心身の不調、過重労働などに関する電話・SNS・メール相談を受け付けています。
今週することは、退職届を書くことではありません
欠勤が続いていると、仕事か親かをすぐ選ばなければならないように感じます。
今週は、次の三か所へ一つずつ伝えてください。
| 伝える相手 | 伝える一文 |
|---|---|
| 職場 | 「介護で勤務への影響が出ています。仕事を続けるため、利用できる制度について面談をお願いします」 |
| ケアマネジャー・地域包括支援センター | 「介護のため欠勤と早退が増えています。仕事中の支援にすき間がないか見直したいです」 |
| 家族 | 「手伝えるときではなく、毎週担当できる仕事を一つ決めたいです」 |
そして、直近二週間で仕事を休んだ理由を、予定できた用事、急な呼び出し、サービスのすき間、家族以外でもできる用事に分けます。
一度に全部を変えなくても構いません。
通院の日だけ介護休暇を使う。朝の服薬だけ訪問支援を相談する。火曜日の連絡先を兄へ替える。残業免除の手続きを人事へ聞く。
一つでも決まれば、「親から電話が来たら自分が休む」という一本道に、別の道ができます。
介護で仕事を休みがちになったことは、あなたの働く意欲や家族への思いが足りないからではありません。一人の予定変更だけで介護を支える仕組みが、続かなくなっているサインです。
辞めるか続けるかを決める前に、仕事側の制度と介護側の支援を同じ週に動かしてください。
最初の一歩は、上司への長い説明でも、大きなサービス契約でもありません。
「仕事を続けるために相談したい」と職場へ伝え、「欠勤を減らせる支援を考えたい」と介護の窓口へ伝える。その二本の連絡から、毎回自分だけが休む形を変えていけます。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「介護休業制度特設サイト」:介護休暇、介護休業、短時間勤務、残業・深夜業の制限など、仕事と介護の両立制度の確認先。
- 厚生労働省「介護休暇」:取得できる日数、時間単位の取得、通院付き添いや介護手続きへの利用に関する確認先。
- 厚生労働省「介護休業」:対象家族一人につき通算93日・3回までの取得、介護休業給付金に関する確認先。
- 厚生労働省「法改正のポイント」:2025年4月施行の、事業主による個別周知・意向確認、相談体制整備、テレワーク導入の努力義務などの確認先。
- 厚生労働省「よくあるお問い合わせ(労働者の方へ)」:介護保険の要介護認定が必須ではないこと、勤務先に規定がない場合の取扱いなどの確認先。
- 厚生労働省「地域包括支援センター」「介護と仕事を両立したい」:親が暮らす地域の介護相談窓口に関する確認先。
- 厚生労働省「その他・相談窓口」:介護休業等を理由とする不利益取扱い、ハラスメント、都道府県労働局への相談に関する確認先。















