施設の請求期限は来週なのに、母は銀行で答えられなかった
母が入院したあと、退院先として介護施設を探しました。
ようやく入れる施設が決まり、入居金と最初の利用料を支払うことになります。
母の預金から払うつもりでした。通帳も印鑑も見つかっています。
ところが銀行の窓口で、母は職員から聞かれた金額や使い道をうまく答えられませんでした。
「今日は手続きできません」と言われ、娘である自分だけでは預金を下ろせなかったのです。
施設からは、来週までに振り込んでほしいと言われています。
「母のお金を母の介護に使うだけなのに、なぜできないのだろう」
「認知症だと伝えたせいで、口座が使えなくなったのでは」
「キャッシュカードで少しずつ下ろすしかないのか」
「成年後見制度を使うまで、何も払えないのだろうか」
親のお金を使いたい家族が困るのは、預金がないからとは限りません。
お金はあるのに、本人の意思をどのように確かめ、誰が正式に手続きするかが決まっていないため、動かせなくなることがあります。
診断名より先に、「本人が今回の手続きを理解できるか」を分ける
認知症と診断されていても、できることは人によって異なります。
日によって調子が違うこともあれば、日常の買い物はできても、定期預金の解約や高額な振込みの説明は難しいこともあります。
銀行での進め方を考えるときは、次の三つに分けます。
| 本人の現在の様子 | 考えられる進め方 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 金額・使い道・相手を理解して意思を伝えられる | 本人による手続きや、銀行所定の代理人制度を検討する | 本人と銀行へ行く前に、予約と必要書類を聞く |
| 説明を工夫すれば希望を示せるが、複雑な手続きは難しい | 本人の意思を支えながら手続きを検討し、福祉の支援も組み合わせる | 銀行と地域包括支援センターへ現在の状態を伝える |
| 金額や使い道を理解して意思を示すことが難しい | 銀行へ個別の払戻しを相談し、継続的な財産管理には成年後見制度などを検討する | 必要な支払いの資料を集め、取引銀行へ連絡する |
全国銀行協会は、預金の払戻しには原則として預金者本人の意思確認が必要としつつ、意思確認ができない状態で本人の生活費、入院費、介護施設費などが必要な場合には、まず取引銀行へ相談するよう案内しています。銀行ごとの制度や個別の事情によって、必要書類や対応は異なります。
「認知症なら何もできない」「診断されたら一律に口座を使えない」と家族だけで結論を出さず、本人が今回の取引をどこまで理解できるかを銀行へ伝えてください。
銀行へ行く前に、窓口ではなく取引店へ電話する
親を連れて突然窓口へ行くと、長い待ち時間で本人が疲れたり、必要な担当者が不在だったりします。
最初に、口座のある支店へ電話してください。
通帳に記載された支店が遠方の場合や、店舗が統合されている場合も、銀行の公式窓口へ取扱店を聞きます。
電話では、次のように伝えます。
「母名義の口座について相談があります。母には認知症があり、介護施設費として○月○日までに○円を支払う必要があります。本人は金額や手続きを十分に説明できないことがあります。家族としてどのような手続きが可能か、必要書類と予約方法を教えてください」
この時点では、「お金を下ろさせてください」とだけ言うより、次の四点を伝えます。
- 誰の口座か
- 本人の現在の状態
- 何に使うお金か
- 金額と支払期限
電話した日時、担当部署、職員名、案内された書類もメモしてください。
親が意思を伝えられるうちなら、本人と一緒に将来の方法まで聞く
親が手続きの内容を理解し、自分の希望を伝えられる場合は、その力を使えるうちに本人主体で動きます。
銀行へは、今回の払戻しだけでなく、今後の手続きについても聞いてください。
- 家族を代理人として届け出る制度があるか
- 代理人用のカードを発行できるか
- 本人が来店できない場合の手続きがあるか
- 定期的な介護費を口座振替にできるか
- 利用限度額や通知を設定できるか
- 銀行独自の財産管理サービスがあるか
全国銀行協会は、判断力が低下する前の備えとして、資産の所在をまとめることに加え、各銀行の代理人制度や財産管理サービスを調べることを案内しています。どの制度が使えるかは取引銀行によって異なります。
親には、いきなり「認知症が進んだら困るから」と切り出すより、現在の生活から話します。
「施設代や病院代を払うたびに、一緒に銀行へ行くのは大変だよね。今のうちに、代わりに手続きできる方法があるか一緒に聞いてみない?」
親が希望する支払い、家族へ任せたい範囲、任せたくないことも、本人の言葉で記録しておきます。
本人が外出できないだけなら、「判断できない」と同じにしない
認知症とは別に、入院、骨折、歩行の難しさなどで銀行へ行けない場合があります。
本人が取引内容を理解して意思を伝えられるなら、そのことを電話で伝えてください。
委任状、代理人届、電話での本人確認、訪問対応など、利用できる方法は金融機関や手続きの内容によって変わります。
「本人は入院中ですが、施設費○円を支払うことを理解し、希望を伝えられます。本人が来店できない場合の正式な代理手続きを教えてください」
代理人による取引では、本人と代理人の本人確認資料、委任状や代理権を示す書類などを求められる場合があります。たとえば、ゆうちょ銀行は一定の取引で、代理人による手続きには原則として委任状が必要と案内しています。具体的な書式や有効条件は、必ず利用する金融機関へ確認してください。
親が窓口で答えられなかったとき、何度も正解を言わせない
本人が銀行で答えられないと、家族は焦って助け舟を出したくなります。
「ほら、施設代でしょう」
「百万円って昨日も説明したよね」
何度も答えを言わせようとすると、本人が混乱し、家族から言わされているように見えることもあります。
その場で手続きを押し通すのではなく、いったん止めてください。
銀行には、次のように伝えます。
「今日は本人が疲れていて、質問に答えることが難しいようです。本人の意思確認を支える方法や、家族が準備する資料、別日に相談できる担当部署を教えてください」
本人に説明するときは、一度に複数の選択肢を出さず、短い言葉と資料を使います。
| 伝えにくい説明 | 本人が考えやすい伝え方 |
|---|---|
| 「施設の契約金と月額費用を合計して振り込むよ」 | 「この施設で暮らすために、今月○円を払う話だよ」 |
| 「今後の財産管理を私に任せて」 | 「病院代を払う手続きだけ、私が手伝ってもいい?」 |
| 「このままだと口座が凍結されるよ」 | 「困ったときに払える方法を、銀行へ一緒に聞きたい」 |
認知症のある人への支援では、周囲が一方的に決めるのではなく、本人の理解しやすい方法を工夫し、意思に基づく生活を支える考え方が示されています。
介護費の期限が迫っているなら、請求書を銀行へ見せる
本人の意思を十分に確認できず、入院費や介護施設費の期限が迫っている場合も、家族の判断であきらめないでください。
銀行へ、支払いの必要性と使い道が分かる資料を持参します。
| 持参候補 | 分かること |
|---|---|
| 施設の契約書・請求書 | 支払先、金額、期限 |
| 病院の請求書 | 本人の医療費であること |
| 介護サービスの請求書 | 毎月必要な介護費 |
| 家賃・光熱費・税金などの通知 | 本人の生活維持に必要な支払い |
| 本人の通帳・届出印 | 取引口座 |
| 本人と来店する家族の本人確認資料 | 氏名・住所・本人との関係 |
| 戸籍など関係を示す資料 | 家族関係。必要かどうかは銀行へ事前に聞く |
| 診断書・介護保険関係の資料 | 本人の状態。銀行が求める場合に備える |
全国銀行協会は、本人の意思確認が難しい場合でも、本人の生活費、入院費、介護施設費などについて、まず銀行へ相談するよう案内しています。ただし、すべての銀行が同じ書類・金額・方法で払戻しに応じるわけではなく、個別事情を踏まえた対応になります。
銀行から別の資料を求められたら、書類名、提出先、次回の予約日をその場で書いてもらいます。
通帳・印鑑・暗証番号がそろっていても、家族の自由なお金にはならない
親から以前に暗証番号を聞いていた、通帳と印鑑を預かっていたという家庭はあります。
それでも、親名義の預金が家族名義の財産へ変わるわけではありません。
家族がATMで引き出し続けると、次の問題が起きやすくなります。
- 本人がいつ、何に同意したか分からなくなる
- 介護費と家族自身の支出が混ざる
- きょうだいから使い込みを疑われる
- カードの紛失・不正利用時に状況説明が難しくなる
- 本人が必要な生活費を把握できなくなる
すでに家族が引き出している場合は、隠さず記録を作ります。
| 記録すること | 記入例 |
|---|---|
| 引出日 | 7月15日 |
| 金額 | 30,000円 |
| 使い道 | 介護施設の月額利用料 |
| 支払先 | ○○ホーム |
| 証拠 | 請求書と領収書 |
| 残金 | 2,000円を本人の財布へ戻した |
家族自身の口座へまとめて移すのではなく、本人のお金と家族のお金を分け、領収書を残してください。
「銀行へ認知症を伝えたら困る」と隠し続けない
家族の中には、銀行へ認知症を伝えると、すぐ口座が使えなくなるのではと考える人もいます。
そのため、本人が手続きを理解できなくなっても、家族が暗証番号を使ってATMから引き出し続けます。
しかし、銀行側も本人の預金を守り、本人の意思と異なる取引を防ぐ必要があります。
全国銀行協会が示す金融取引の代理に関する考え方は、すべての銀行へ一律の対応を求めるものではなく、本人の状態や取引内容など、個別事情によって異なる対応があり得るとしています。
伝えるときは、診断名だけで終わらせず、本人にできることも話してください。
「認知症の診断を受けていますが、日常の支払いは理解できます。高額な振込みは一人で説明するのが難しい状態です」
「会話はできますが、金額をすぐ忘れるため、資料を見ながら説明する必要があります」
本人の状態を具体的に伝える方が、銀行も必要な方法を検討しやすくなります。
今後の支払いを、「毎回現金を下ろす形」から変えられないか考える
一度払戻しができても、翌月に同じ問題が起きる可能性があります。
今後必要になる支払いを一覧にします。
| 支払い | 現在の方法 | 変更を検討すること |
|---|---|---|
| 介護施設費 | 家族が毎月振り込む | 本人名義口座からの口座振替が可能か |
| 医療費 | 家族が立て替える | 請求方法や支払日、本人資金から精算する手順 |
| 光熱費 | 払込票で支払う | 口座振替へ変更できるか |
| 介護用品 | 家族が現金で購入する | 月額予算を決め、領収書を保管する |
| 本人の小遣い | 必要時に渡す | 一週間・一か月の額を決める |
口座振替へ変えられれば、家族が毎月高額な現金を引き出す回数を減らせます。
一方で、不要になった契約の引落しが続いていないかも、取引明細から見てください。
家族でお金を管理するなら、「担当者一人だけが知る状態」を避ける
近くに住む子どもが銀行や施設の手続きをすべて担うと、ほかのきょうだいにはお金の動きが見えなくなります。
後から説明できるよう、次のルールを作ります。
- 支払いや引出しは一つの記録表へ書く
- 請求書・領収書を月ごとに保管する
- 大きな支出は事前に家族へ共有する
- 親のお金から払う物と、家族が負担する物を分ける
- 通帳や印鑑を保管する人を決める
- 暗証番号を家族全員へ広げない
月に一度、残高、収入、支出を共有するだけでも、使い込みを疑われる状況を減らせます。
ただし、本人が自分で決められる部分まで、家族会議だけで取り上げないでください。
軽い支援で足りる段階なら、日常生活自立支援事業も聞く
親が一人で銀行や役所の手続きをすることは難しくても、支援内容を説明すれば理解し、契約する意思を示せる場合があります。
その段階では、社会福祉協議会が窓口となる「日常生活自立支援事業」を利用できる可能性があります。
この事業は、判断能力が不十分な認知症高齢者などを対象に、本人との契約に基づいて福祉サービスの利用を支援する仕組みです。支援には、日常生活費に関する預金の払戻し・預入れなどの日常的な金銭管理が含まれます。一方、本人が契約内容を理解できることが利用の条件です。
市区町村の社会福祉協議会へ、次のように伝えます。
「母は認知症があり、一人で銀行手続きをするのは難しいのですが、支援を受けることは理解できます。生活費や介護費の日常的な管理について、利用できる事業があるか聞きたいです」
利用できる支援内容、回数、費用は実施地域や本人の状態によって異なるため、本人の住所地を担当する社会福祉協議会へ聞いてください。
本人の意思確認が難しく、継続的な財産管理が必要なら成年後見を考える
一回の施設費だけでなく、今後も次のような手続きが続く場合があります。
- 預金の管理や払戻し
- 介護・福祉サービスの契約
- 施設入所の契約
- 不動産の管理・売却
- 不要な契約への対応
- 相続手続き
本人がこれらを一人で判断することが難しくなった場合、法定後見制度が選択肢になります。
法定後見制度には、本人の判断能力の状態に応じて補助・保佐・後見があり、家庭裁判所が補助人・保佐人・成年後見人を選任します。与えられる代理権や同意権などの範囲は、制度の類型や家庭裁判所の審判によって異なります。
成年後見人等が選ばれると、権限の範囲内で本人を代理し、銀行手続きなどを行える場合があります。選任後は、本人の財産や生活の状況を確認して財産目録などを作成し、その後も家庭裁判所への定期的な報告が求められます。
成年後見制度は、「子どもが親のお金を自由に使えるようにする制度」ではありません。
本人の利益と意思を守るための制度であり、申立てをした家族が必ず後見人に選ばれるとも限りません。親族以外の法律・福祉の専門職や法人が選ばれる場合もあります。
成年後見を使うかは、一回の払戻しだけで決めない
銀行から成年後見制度について案内されると、すぐ申立てなければ何もできないように感じるかもしれません。
けれど、制度を利用するかは、次の生活全体を見て考えます。
| 考えること | 家族で見る内容 |
|---|---|
| 必要な手続きの範囲 | 銀行の払戻しだけか、施設契約や不動産管理もあるか |
| 今後の期間 | 一時的な入院か、長期的な財産管理が必要か |
| 本人の意思 | 何を希望し、何を家族へ任せたいと話していたか |
| 家族の体制 | 記録や報告を継続できる人がいるか |
| ほかの支援 | 銀行独自の代理制度や日常生活自立支援事業で足りるか |
成年後見制度の手続きや必要書類は、市区町村の中核機関、地域包括支援センター、社会福祉協議会、専門職団体などで事前に相談できます。家庭裁判所では、申立ての流れや必要書類の案内を受けられます。
任意後見は、本人が内容を決められるうちに準備する制度
親の判断力がまだ保たれており、「将来はこの人に手続きを任せたい」と自分で決められる段階なら、任意後見制度について調べる方法もあります。
任意後見は、本人が一人で決められるうちに、将来判断力が低下した場合に任せたい人と内容を公正証書で契約しておく制度です。本人の判断力に心配が生じた後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると契約の効力が生じます。
すでに本人が契約内容を理解して決めることが難しい場合は、今から任意後見契約を結ぶ方法が適するとは限りません。
現在の状態で任意後見契約が可能か、法定後見を考える段階かは、公証役場、地域の中核機関、法律専門職などへ個別に確認してください。
どの制度が必要か分からなければ、地域包括支援センターへ状況を丸ごと話す
銀行は預金手続きの窓口ですが、本人の介護、生活、権利擁護を含めた支援を銀行だけで決めることはできません。
親の住所地を担当する地域包括支援センターでは、高齢者の保健・医療・介護や権利擁護などを含む総合相談を受け付けています。認知症に関する相談内容に応じ、医療や福祉の関係機関、利用できる制度へつなぐ役割もあります。
電話では、銀行の話だけに絞らず、生活の状態も伝えます。
「認知症の母が銀行で手続きできず、施設費の支払いが止まっています。本人は一人で金銭管理できず、今後も介護費の支払いが続きます。銀行への対応と、日常生活自立支援事業や成年後見制度のどれを考える段階か相談したいです」
担当ケアマネジャーがいる場合は、地域包括支援センターへ連絡する前後に、現在の認知状態や今後の支払いも共有してください。
銀行で「家族ではできません」と言われたら、次に必要な行動まで聞く
窓口で断られたように感じても、「今日は手続きできない」のか、「この方法ではできない」のかで意味が違います。
次の質問をしてください。
- 本人の来店や意思確認ができれば手続きできるのか
- 正式な代理人届や委任状を使える段階なのか
- 施設費など、使い道を示す個別の払戻しを検討できるか
- 追加で必要な書類は何か
- 支店ではなく専門部署へ相談できるか
- 成年後見人等が必要と判断した理由は何か
言い方は、次のようにします。
「家族だけでは手続きできないことは分かりました。施設費の期限が○日なので、銀行として検討できる方法と、次に提出する資料を具体的に教えてください」
銀行とのやり取りで解決せず、必要な手続きや説明について相談したい場合は、全国銀行協会相談室でも銀行取引に関する相談や苦情を受け付けています。本人の口座から代理人が入院費を払い戻したいといった相談も対象例として示されています。
家族の意見が割れたときは、通帳を取り合わず支出の目的をそろえる
近くに住む長女は、「施設費を払うため早く下ろしたい」と考えています。
遠方の長男は、「勝手に親の預金を触るな」と反対するかもしれません。
どちらも親を守ろうとしていても、話す内容が違っています。
| 対立しやすい言い方 | そろえたい話し方 |
|---|---|
| 「私が面倒を見ているから任せて」 | 「今月の施設費○円を、母の預金からどう払うか決めたい」 |
| 「口座を凍結されたら困る」 | 「正式に使える方法を銀行へ聞き、その回答を共有しよう」 |
| 「成年後見を申し立てるしかない」 | 「今後必要な契約と財産管理の範囲を出してから判断しよう」 |
| 「通帳は私が持つ」 | 「保管者と記録を見る人を分けよう」 |
家族会議では、親の全財産をすぐ分ける話ではなく、次の一か月に必要な支払いから始めます。
詐欺や使い過ぎが心配でも、カードを突然取り上げる前に動線を変える
認知症が進むと、暗証番号を紙に書いて持ち歩く、知らない人へカードを渡しそうになる、同じ現金を何度も下ろすといった心配も出てきます。
危険がある場合は、本人を責めるのではなく、銀行へ次の機能を聞いてください。
- ATM利用限度額の変更
- 利用通知
- 不要なキャッシュカードの停止
- 代理人制度
- 本人の状態に合う口座管理方法
暗証番号を家族の間で広く共有せず、カードや通帳の保管方法も本人と一緒に決めます。
不審な払戻しやカードの紛失があった場合は、取引銀行へ速やかに連絡してください。
今日するのは、成年後見を申し立てると決めることではありません
まず、今月中に親のお金から支払う必要があるものを一枚へ書きます。
| 支払先 | 金額 | 期限 | 請求書 |
|---|---|---|---|
| 介護施設 | 120,000円 | 8月5日 | あり |
| 病院 | 18,000円 | 8月10日 | あり |
| 電気料金 | 6,500円 | 8月15日 | あり |
次に、親の取引銀行へ電話します。
伝える言葉は、これだけで構いません。
「認知症の母名義の口座について相談です。母の介護施設費○円を○日までに支払う必要があります。本人は銀行手続きを一人で理解することが難しい状態です。家族が正式にできる手続きと、必要資料を教えてください」
電話のあと、請求書、通帳、本人と家族の資料を一つの袋へまとめます。
今後も管理が必要だと分かったら、地域包括支援センターへ連絡します。
親の預金を守ることと、親の生活に必要なお金を使えるようにすることは、どちらも必要です。家族が暗証番号だけで動かすのではなく、銀行と福祉の窓口へ状況を見せ、本人の力に合った正式な方法を作ってください。
今日の段階で、成年後見制度を使うかまで決めなくても構いません。
まずは、次の支払いを銀行へ具体的に伝え、今回できることと、今後必要になる仕組みを分けて聞いてください。
出典・確認先メモ
- 全国銀行協会「預金者ご本人の意思確認ができない場合における預金の引出しに関するご案内」:本人の生活費、入院費、介護施設費などが必要な場合の銀行への相談に関する確認先。
- 全国銀行協会「金融取引の代理等に関する考え方」:認知判断能力が低下した本人・代理人との金融取引と、銀行ごとに対応が異なる点に関する確認先。
- 厚生労働省「日常生活自立支援事業」:判断能力が不十分な人への福祉サービス利用援助と日常的金銭管理に関する確認先。
- 厚生労働省「成年後見はやわかり」:法定後見・任意後見の仕組み、相談窓口、申立て後の財産管理に関する確認先。
- 裁判所・法務省「成年後見制度」:補助・保佐・後見の対象と、成年後見人等の権限に関する確認先。
- 厚生労働省「認知症に関する相談先」「地域包括ケアシステム」:地域包括支援センターの認知症・権利擁護に関する相談機能の確認先。















