次の診察日を聞いた瞬間、「また私が休むの?」と思ってしまいます
親から渡された予約票には、平日の午前10時と書かれている。
病院まで車で40分。診察が何時に終わるかは分かりません。
朝は親の着替えを手伝い、保険資格が分かる物や診察券、お薬手帳をそろえ、病院へ連れて行く。受付を済ませ、検査と診察を待ち、会計の後は薬局へ寄ります。
実家へ送り届け、自宅へ戻るころには夕方です。
その間、仕事は休み、夕食の準備も遅れます。
きょうだいのグループメッセージへ「次の通院、誰か行ける?」と送っても、すぐには返事が来ません。
しばらくして届くのは、こんな言葉です。
「その日は仕事だから無理」
「遠くに住んでいるから行けない」
「近くにいる人が連れて行く方が早いでしょう」
「何か大きな変化があったら教えて」
結局、今回も自分が予定を変えることになります。
親の体が心配だから、病院へ連れて行くこと自体が嫌なわけではない。
つらいのは、「近くに住んでいる」という理由だけで、予定調整も送迎も医師の説明を聞く役も、すべて自分の担当になっていることです。
そして、助けを求めるたびに断られると、「親のことを心配しているのは自分だけなのか」と感じてしまいます。
この状態を変えるには、通院一回を丸ごと交代してもらおうとするより、通院の中にある仕事を細かく分ける方が現実的です。
「病院へ連れて行く」は、一つの役割ではありません
家族からは半日の送迎に見えても、実際には予約前から次の受診まで多くの作業があります。
| 時期 | 必要になること | 現地にいなくてもできるか |
|---|---|---|
| 受診前 | 予約、日程調整、質問の取りまとめ | できる |
| 受診前 | 診察券、資格確認書類、お薬手帳、紹介状の準備 | 一部できる |
| 当日の朝 | 着替え、食事、服薬、戸締まりの支援 | 現地対応が必要 |
| 移動 | 車への乗り降り、車いす、病院までの送迎 | 現地対応が必要 |
| 院内 | 受付、検査室への移動、待ち時間の見守り | 現地対応が必要 |
| 診察 | 症状を補足し、医師の説明を聞く | 医療機関の対応次第で一部可能 |
| 診察後 | 会計、次回予約、処方箋の受け取り | 一部は後から共有できる |
| 薬局 | 薬を受け取り、変更点を聞く | 方法を薬局へ相談できる場合がある |
| 帰宅後 | きょうだい、ケアマネジャーへの情報共有 | できる |
| 次回まで | 体調、薬、次回予約の管理 | 分担できる |
現地に行けないきょうだいにも、予約管理、質問の整理、医療情報の記録、費用精算などは任せられます。
「付き添えるか、付き添えないか」の二択をやめると、役割を渡しやすくなります。
回数を同じにするより、使っている時間と責任を見えるようにします
近くに住む人が月2回付き添い、遠方の人が年2回付き添う場合、数字だけを見れば不公平です。
ただし、遠方のきょうだいが診療記録の管理、施設や病院との電話、費用の一部を引き受ければ、負担の形は変わります。
まず一か月だけ、誰が何をしているかを書き出します。
| 担当したこと | かかった時間・費用 | 現在の担当者 |
|---|---|---|
| 通院日の調整 | 電話と家族連絡で30分 | 長女 |
| 当日の付き添い | 移動を含め6時間 | 長女 |
| 駐車場・ガソリン | 2,000円 | 長女 |
| 医師の説明を家族へ共有 | メッセージ作成に40分 | 長女 |
| 次回までの服薬確認 | 週2回の電話 | 長女 |
このように並べると、付き添い当日だけでなく、連絡と記録も一人へ偏っていることが分かります。
「私はこんなに大変」と訴えるためではなく、ほかの人へ渡せる作業を見つけるための表です。
次の予約では、通院一回を六つの担当へ分けます
| 担当 | すること | 担当例 |
|---|---|---|
| 日程担当 | 予約日を家族へ共有し、変更が必要なら病院へ連絡する | 遠方の兄 |
| 質問担当 | 本人と家族から医師へ聞きたいことを集める | 次女 |
| 当日担当 | 親を迎え、病院内で付き添う | 近くに住む長女 |
| 記録担当 | 診察内容、薬、次回予約を共通メモへまとめる | 遠方の兄 |
| 費用担当 | 交通費、駐車場代、付き添いサービス費用を精算する | 弟 |
| 次回までの見守り担当 | 薬の変更や症状を電話で聞き、必要時に共有する | 兄弟で曜日分担 |
一人が複数を担当しても構いません。
ただし、当日担当者へ、質問、記録、家族への説明まで自動的に背負わせないことがポイントです。
すべての受診に家族が同席すべきか、通院ごとに分けて考えます
親が高齢だからといって、毎回必ず家族が診察室へ入る必要があるとは限りません。
一方、診療内容を理解しにくい、歩行が不安定、治療方針を決める受診などでは、家族の支えが必要になることがあります。
| 受診の内容・親の状態 | 考えやすい付き添い方 |
|---|---|
| 治療方針や手術について重要な説明がある | 本人が希望する家族が診察へ同席する |
| 症状を本人だけでは説明しにくい | 生活の様子を知る人が同席するか、事前メモを渡す |
| 認知機能や聴力の低下で説明を覚えにくい | 家族同席、書面の説明、代表連絡先を病院へ相談する |
| 歩行や車への乗降に介助が必要 | 移動部分の支援を手配し、診察同席の必要性は別に考える |
| 状態が安定した定期診察 | 送迎のみ、院内のみ、本人のみで受診できるか医療機関へ聞く |
| 採血や薬の継続だけの受診 | 受診間隔や家族同席の必要性を主治医へ聞く |
親が一人で行きたいと希望している場合は、できる部分まで奪わないようにします。
本人だけで受診しても、質問メモや診察後の書面があれば家族が支えられることもあります。
反対に、親が「一人で大丈夫」と言っていても、帰宅後に診察内容を覚えていない、薬を重複して飲む、病院内で迷うといった状況があれば、支援方法を見直します。
医師から説明を受ける家族は、親と話して一人決めておきます
きょうだいがそれぞれ病院へ電話し、同じ内容を何度も尋ねると、医療機関側も対応が難しくなります。
一方、一人だけが説明を聞き、ほかの家族へ何も伝えなければ、「聞いていない」「勝手に決めた」という対立が起こります。
親が自分で意思を伝えられるうちに、誰へ病状を説明してよいかを本人と医療機関へ伝えておきます。
医療機関が家族へ病状などを説明する際は、できる限り本人の意思に配慮し、説明する相手の範囲や方法を本人へあらかじめ確かめることが求められています。家族であっても、本人の意向を無視してすべての診療情報を受け取れるとは限りません。
親へ聞く言葉
「先生からの説明を、家族の誰まで聞いてよいことにする?」
「私が付き添えない日は、お兄ちゃんが電話で説明を聞いても大丈夫?」
「病院から連絡する家族を一人決めるなら、誰がいい?」
病院へ聞く言葉
「本人の同意を得たうえで、家族の代表連絡先を決めたいです。必要な手続きや書類はありますか」
「付き添う家族が毎回変わります。診察内容を家族内で正確に共有するため、説明書や次回までの注意点を書面で受け取れますか」
「遠方の家族が電話やオンラインで説明を聞くことは可能でしょうか」
同意の確認方法や電話・オンライン対応は医療機関によって異なります。その病院の手順を事前に聞いてください。
診察室へ持って行く「一枚メモ」を家族共通にします
付き添う人が変わるたびに、最初から病状を説明し直すのは大変です。
家族共通のメモを一枚作り、必要な部分だけ更新します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 今回の症状 | 一週間前から夕方に足がむくむ |
| 生活上の変化 | 階段を上る途中で休むようになった |
| 本人が困っていること | 夜に何度もトイレへ起きる |
| 薬の状況 | 朝の薬を週に2回ほど飲み忘れる |
| 医師へ聞くこと | 薬の変更、運動、受診を早める症状 |
| 診察後の説明 | 薬を1種類変更。2週間後に再診 |
| 次回までにすること | 毎朝体重を測り、増加を記録する |
| 次回予約 | 8月10日午前11時 |
病名や薬だけでなく、親が普段どのように暮らしているかを書きます。
診察時間だけでは伝えきれない変化を、付き添い担当者が代わっても同じように示せます。
診察室では、親の代わりに全部答えないようにします
時間が限られていると、付き添った家族が医師の質問へ先に答えてしまうことがあります。
親が話すのに時間がかかっても、まず本人の言葉を待ちます。
本人の話と家族の補足を分ける例
医師:「最近、食欲はいかがですか」
親:「普通に食べています」
家族:「本人はそう感じています。家族が見た範囲では、夕食を半分ほど残す日が週に3回あります」
医師:「薬は毎日飲めていますか」
親:「忘れず飲んでいます」
家族:「薬箱には、先週分が2回残っていました。責めたいのではなく、飲み方を簡単にできないか聞きたいです」
親の話を否定して終えるのではなく、本人が感じていることと、家族が見た事実を分けて伝えます。
遠方のきょうだいには、現地へ来なくてもできる仕事を頼みます
遠方に住むきょうだいへ「たまには病院へ連れて行って」と頼んでも、移動だけで一日以上かかる場合があります。
代わりに、場所に左右されない仕事を一つずつ渡します。
遠方から担当できること
- 予約日を家族の予定表へ入力する
- 病院へ聞きたいことを親や兄弟から集める
- 医療費、駐車場代、交通費を精算する
- 診察後のメモを家族用にまとめる
- 次回までの体調を定期的に電話で聞く
- ケアマネジャーとの連絡担当になる
- 介護タクシーや付き添いサービスを調べる
- お薬手帳や薬の一覧を更新する
- 重要な説明時だけ帰省する日を調整する
頼み方の例
「病院へ来てほしいと毎回頼むのは現実的ではないと思っている。代わりに、次回の質問を集めて診察メモをまとめる担当をお願いできない?」
「通院の交通費と駐車場代を私が立て替えているので、毎月まとめて精算する役を担当してほしい」
「次の診察は治療方針の説明がある。通常の受診は私が行くので、この回だけ予定を空けられないか確認してほしい」
「もっと手伝って」ではなく、日時と作業を一つだけ頼みます
負担が限界に近いほど、きょうだいへ過去の不満をまとめて伝えたくなります。
しかし、「いつも私ばかり」「少しは親のことを考えて」と言われると、相手は責められた部分へ反応し、具体的な分担の話へ進めないことがあります。
返事をもらいにくい頼み方
「次の病院、誰か行けない?」
「私ばかり休んでいるから、もう限界」
「遠くにいても、できることくらいあるでしょう」
担当を決めやすい頼み方
「8月10日の午前9時から午後3時まで、母の循環器内科へ付き添える人はいますか。7月25日までに返事をください」
「付き添いが難しい場合は、介護タクシーの予約と費用負担をお願いしたいです」
「私は当日の送迎を担当します。診察後の家族共有と次回予約の管理を、どちらか担当してください」
過去の不満をなかったことにする必要はありません。
ただし、分担を決める連絡では、今回頼みたい作業を一つに絞ります。
きょうだいから断られたら、自分が今後しないことも決めます
きょうだいに事情があり、どうしても現地対応ができない場合もあります。
そこで毎回、「仕方がないから自分が行く」と引き受け続ければ、分担は変わりません。
相手を強制できないときは、自分が続けられない部分を明確にします。
伝え方の例
「平日の定期通院へ毎回付き添うことは、来月以降できません。次の一回までに、家族分担か外部サービスを決めたいです」
「緊急時はできる範囲で対応しますが、毎月の送迎を私一人の固定担当にはできません」
「現地対応が難しいなら、付き添いサービスの費用、予約、診察記録の担当を引き受けてください」
断られた後に、黙って同じ役割を続けないことが必要です。
家族だけで埋められない部分を、ケアマネジャーや地域の支援へ移します。
親が「この子でなければ嫌」と言う場合もあります
親が、近くに住む娘や長男だけを頼り、ほかのきょうだいの付き添いを嫌がることがあります。
慣れた人が安心なのは自然ですが、一人だけが仕事や家庭を調整し続ける形は長く続きません。
親への伝え方
「私も一緒に行きたいけれど、すべての診察へ行くことはできないんだ。次はお兄ちゃんと行って、先生へ渡すメモは私が作るね」
「病院へ行く人が変わっても、聞くことと薬の記録は同じにしておくよ」
「今回は送迎を別の人に頼んで、先生の説明がある時間だけ私が電話で参加できるか聞いてみるね」
親の希望を無視して突然担当を替えるのではなく、次回は送迎だけ、次は薬局だけというように、小さく役割を移します。
通院で最も大変な部分を、家族以外へ移せる場合があります
| 困っている部分 | 考えられる方法 |
|---|---|
| 家から車まで移動できない | 訪問介護、福祉用具、通院等乗降介助についてケアマネジャーへ聞く |
| 車への乗り降りが難しい | 介護タクシー、福祉車両、乗降介助を扱う事業所を検討する |
| 病院までの送迎だけ必要 | タクシー、自治体の移送支援、民間送迎を調べる |
| 院内の移動や受付が難しい | 病院の患者サポート窓口、介護事業所、自費付き添いへ対応範囲を聞く |
| 医師の説明を家族で理解できない | 病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーへ相談する |
| 薬の管理で毎回訪問が必要 | 薬局、訪問看護、ケアマネジャーへ管理方法を聞く |
| 通院回数そのものが負担 | 主治医へ受診間隔や在宅医療の可能性を尋ねる |
訪問介護では、食事や入浴などの身体介護・生活援助に加え、通院を目的とした乗車・移送・降車の介助を提供する事業所があります。利用には要介護認定やケアプラン上の位置付けなどの条件があり、移動中の運賃や院内での長時間の待機がすべて介護保険で賄われるとは限りません。
「介護タクシーを頼めば、病院の中も最後まで付き添ってもらえる」と決めつけず、次の範囲を事前に聞きます。
- 家の中から車まで介助してもらえるか
- 車いすのまま乗れるか
- 病院の受付まで同行するか
- 診察や検査の待ち時間も対応できるか
- 薬局と帰宅まで頼めるか
- 介護保険部分と自費部分の料金
- 家族が同乗する必要があるか
病院の相談窓口には、治療以外の通院負担も話して構いません
病院によっては、患者サポート窓口、医療相談室、地域連携室などが置かれ、医療ソーシャルワーカーが患者や家族の生活上・経済上の問題、介護や地域サービスとの連携を支援しています。
病院へ伝える例
「家族の付き添いが一人へ偏り、毎回同席することが難しくなっています。この診療で家族同席が必要な回と、本人だけでもよい回を主治医へ聞けますか」
「遠方の家族も説明を共有したいのですが、本人の同意を得たうえで利用できる方法はありますか」
「受付や院内移動に支援が必要です。院内で利用できる窓口やサービスはありますか」
「通院を続けること自体が難しくなっています。地域の医療や介護とつなぐ相談はできますか」
病院内の名称や対応範囲は施設によって異なります。総合受付で「患者や家族の生活について相談できる窓口」を尋ねてください。
ケアマネジャーには、「通院が大変」ではなく動作ごとに伝えます
すでに介護サービスを利用している場合は、担当ケアマネジャーへ通院の負担を伝えます。
伝える内容
- 通院の頻度と診療科
- 家を出て帰るまでの時間
- 歩行、乗車、院内移動で必要な介助
- 親が一人では難しい手続き
- 家族が仕事を休んだ回数
- 今後、家族では続けられない部分
伝え方の例
「月2回の通院で、家から車への移動、院内の車いす、会計と薬局まで一人で対応しています。送迎だけではなく、どの部分を介護サービスへ移せるか見てください」
「私は診察説明がある回には行けますが、定期的な採血や薬の受け取りまで毎回付き添うことはできません」
「兄弟は遠方です。家族内で担当できる範囲と、外部へ頼む範囲をケアプランの中で分けたいです」
担当ケアマネジャーがいない場合は、親の住所地を担当する地域包括支援センターへ相談できます。地域包括支援センターは、高齢者の保健・医療・介護・生活に関する総合相談を受ける市区町村の中核的な窓口です。
仕事を休んで付き添う人は、介護休暇を使える可能性があります
有給休暇だけで通院へ付き添っている場合は、勤務先の介護休暇も確かめてください。
要介護状態にある対象家族の通院付き添いや介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせなどには、育児・介護休業法の介護休暇を利用できる場合があります。
対象家族が一人なら一年に5日、二人以上なら10日まで、一日または時間単位で取得できます。休暇中を有給とするか無給とするかは勤務先の規定によります。
職場へ聞く言葉
「親の定期通院への付き添いで、半日単位の休みが必要です。介護休暇を時間単位で利用する手続きを教えてください」
「有給休暇とは別に利用できる介護関係の制度と、給与の扱いを確認したいです」
制度で休めるようになっても、一人がすべての通院を担当し続ける問題は残ります。
職場の制度と家族分担、外部支援を同時に動かします。
交通費や仕事を休む負担も、付き添いの分担に含めます
現地へ行かないきょうだいから見ると、付き添いは「親を車へ乗せて病院へ行くこと」だけに見えます。
実際には、次の費用と時間が発生しています。
- ガソリン代、電車代、高速道路代
- 病院や薬局の駐車場代
- 親と付き添い者の食事代
- 車いすや福祉車両の費用
- 介護タクシーや自費付き添いの料金
- 仕事を休むことによる収入や評価への影響
- きょうだいへの連絡や記録に使う時間
家族間で精算する場合は、通院のたびに細かな領収書を送り合うより、月末にまとめる方法もあります。
| 分担方法 | 例 |
|---|---|
| 実費を分ける | 交通費・駐車場代をきょうだいで分担する |
| 外部サービス費を持つ | 遠方のきょうだいが介護タクシー代を負担する |
| 役割と費用を交換する | 近くの人が付き添い、遠方の人が費用と記録を担う |
| 親の財産から支払う | 本人の意思を確かめ、通院に必要な費用として記録する |
親のお金を使う場合も、誰か一人の判断だけで曖昧に処理せず、日付、目的、金額を残します。
通常の通院と緊急時の連絡は、別の当番表にします
定期診察の担当を決めても、急な体調変化が起きたときに、最も近い人へすべての連絡が集中することがあります。
| 場面 | 決めておきたいこと |
|---|---|
| 定期通院 | 日程、当日担当、記録担当 |
| 予定外の受診 | 曜日・時間帯ごとの最初の連絡先 |
| 入院となった場合 | 病院との代表連絡者、必要品を運ぶ人 |
| 治療方針の説明 | 誰が参加し、誰が家族へ共有するか |
| 退院時 | 送迎、薬、介護サービス、家の準備 |
「何かあれば近くの人へ」ではなく、近くの人が仕事中や体調不良の場合の次の連絡先まで決めます。
きょうだいで話すときは、親を採点する会議にしないようにします
通院分担の話から、「親がわがままだ」「昔からあの子だけを頼る」「誰が一番世話をしてきたか」という過去の話へ広がることがあります。
それぞれに言い分はあっても、一度の家族会議ですべてを解決することは難しいものです。
今回の話し合いで決めること
- 次の通院の当日担当
- 診察前の質問担当
- 診察後の記録担当
- 交通費などの負担
- 外部へ頼む部分
- 次に見直す日
話がそれたときの戻し方
「昔の負担については別の日に話したい。今日は8月の通院を誰がどう支えるかだけ決めよう」
「親への思いの強さを比べたいのではなく、私一人では続かない作業を分けたい」
「全員が同じことをする必要はない。現地、連絡、費用のどれを担当できるか決めたい」
現在の状況に合わせて、最初に変える部分を一つ選びます
| 現在の状況 | 最初にすること |
|---|---|
| 近くの一人が毎回付き添っている | 予約、質問、記録、費用のうち一つを別のきょうだいへ渡す |
| 遠方のきょうだいが動けない | 診療記録、ケアマネジャー連絡、費用負担を具体的に頼む |
| 親が特定の子どもしか受け入れない | 送迎や薬局だけ、別の人へ段階的に替える |
| 仕事を頻繁に休んでいる | 介護休暇を調べ、定期通院の外部化も同時に進める |
| 院内での介助が大変 | 病院とケアマネジャーへ、必要な動作を具体的に伝える |
| 医師の説明が家族へ伝わらない | 親の同意を得て代表連絡者と共通メモを決める |
| 費用が一人へ偏っている | 一か月分を集計し、実費またはサービス費を分ける |
| きょうだいが分担の話を避ける | 自分が今後できない部分と期限を伝える |
今日することは、次の付き添いを頼むことではなく六つの空欄を埋めることです
きょうだいの返事を待っている間にも、次の診察日は近づいてきます。
まず、次回の受診について次の六つを書いてください。
| 役割 | 担当者 |
|---|---|
| 予約と日程調整 | 未定 |
| 医師への質問を集める | 未定 |
| 当日の送迎・付き添い | 未定 |
| 診察内容を記録する | 未定 |
| 交通費・付き添い費用を負担する | 未定 |
| 次回まで親の様子を聞く | 未定 |
そして、きょうだいへ一度に全部を頼まず、空欄を一つ指定して送ります。
「8月10日の通院は私が付き添います。今回は、医師へ聞く質問の取りまとめと、診察後の家族共有を担当してもらえませんか。7月25日までに返事をください」
それでも担当が決まらない部分は、家族内で押しつけ合うのではなく、病院、ケアマネジャー、地域包括支援センターへそのまま伝えます。
「家族がいるのだから、家族で付き添うべき」と一人で決めつけなくて構いません。
家族がすることは、親のそばに座ることだけではありません。
質問をまとめること、費用を出すこと、記録を残すこと、外部の支援を探すことも、通院を支える仕事です。
まずは次の一回を六つに分け、今まで自分が当然のように背負っていた仕事を、一つだけ手放してください。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「介護休暇」:通院付き添い、介護手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせに使える休暇、取得日数・単位を確かめる際の資料。
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム・訪問介護」:通院を目的とした乗車・移送・降車介助を提供する事業所について確かめる際の資料。
- 厚生労働省「地域包括支援センター」:高齢者の保健、医療、介護、生活に関する地域の総合相談窓口を探す際の資料。
- 個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の取扱い」:医療機関が家族へ病状を説明するときの本人意思や同意の考え方を確かめる際の資料。
- 厚生労働省「職業情報提供サイト・医療ソーシャルワーカー」:患者・家族の医療、介護、生活、費用などを支援する医療ソーシャルワーカーの役割を確かめる際の資料。
















