返済日が来るたびに別のカードから借り、借入総額を見なくなっている
給料が入ると、最初に三社の返済が引き落とされる。残ったお金では家賃と食費が足りず、別のカードで借りて月末を越える。
相談した方がよいことは分かっていても、借金の理由を責められるのではないか。家族へ連絡されるのではないか。自己破産しかないと言われ、家や車をすぐ失うのではないか。
そう考えて、無料相談の予約画面を何度も閉じてしまう方がいます。
けれど、最初の相談で求められるのは、反省の言葉でも、借金を一円単位まで計算した資料でもありません。
相談の目的は、今の収入で返済を続けられるのか、返済条件を変えれば生活を立て直せるのか、裁判所を使う手続きが必要なのかを分けることです。
無料相談へ行っても、その場で依頼を決める必要はありません
法律事務所などの無料相談は、状況を説明し、考えられる方法、費用、手続きの影響を聞くために利用できます。
相談しただけで、債権者への連絡、任意整理、自己破産の申立てが自動的に始まるわけではありません。正式に依頼する場合は、対応内容と費用の説明を受け、委任契約などの内容を確認します。
最初に、次のように伝えて構いません。
「今日は債務整理を依頼すると決めていません。利用できる方法と、家族や仕事への影響、費用を聞いてから考えたいです」
無料となる範囲は窓口ごとに異なります。
初回相談だけが無料なのか、時間制限があるのか、正式に依頼した後は何に費用がかかるのかを、予約時と相談当日の両方で確かめてください。
裁判所の封筒と危険な取立てだけは、通常の予約を待ちません
借金の相談は早い方が選択肢を残しやすいものの、すべてが今日中の緊急事態というわけではありません。
| 現在の状態 | 優先する行動 |
|---|---|
| 返済は続けているが、生活費が足りず追加借入れをしている | 借入れを増やす前に、数日以内を目安に無料相談を予約する |
| 滞納し、電話や督促状が届いている | 督促状を保管し、次の期限と現在払える金額を相談先へ伝える |
| 裁判所から支払督促、訴状、呼出状が届いた | 封筒を開け、受取日・提出期限・期日を見て、早急に法律相談を探す |
| ヤミ金融から脅される、職場や家族へ危害を加えると言われる | 一人で交渉せず、危険が迫る場合は110番。法律相談や警察にも相手の連絡先を伝える |
| 今日の食費、家賃、薬代を用意できない | 債務整理の窓口と同時に、自立相談支援機関や福祉事務所へ生活の切迫を伝える |
裁判所から支払督促が届いた場合、受け取ってから二週間以内に異議を申し立てなければ、仮執行宣言が付され、強制執行へ進む可能性があります。
封筒を怖くて開けられなくても、書類を捨てないでください。最初に読むのは、内容のすべてではなく、書類名、受け取った日、期限、事件番号です。
「裁判所から支払督促が届き、昨日受け取りました。借金全体の整理と、二週間以内にすることを聞きたいです」
このように、予約先へ期限があることを先に伝えます。
通常の借金相談では返済状況から準備を始めますが、裁判所の書類、差押えに関する通知、脅迫的な取立てがある場合は、その書類と安全への対応が先です。
最初の一分では、五つの数字が分かれば話を始められます
借金をした経緯を、古い順にすべて説明する必要はありません。
最初に伝えるのは、次の五つです。
- 借入先のおおよその数
- 借入残高の合計
- 毎月の返済額
- 毎月の手取り収入
- 家賃などを含む最低限の生活費
たとえば、次のように話せます。
「借入先は五社、残高は合計約280万円です。毎月九万円返済していますが、手取りは21万円で家賃が七万円あります。今月から返済できない見込みです。裁判所の書類はまだ届いていません」
借入額が分からなければ、「三社は明細がありますが、二社は確認できていません」と言えば構いません。
数字を少なく見せるより、分からない部分を分からないまま伝える方が、相談後の見通しは正確になります。
借入一覧は、会社名・残高・月返済・保証の四列で作ります
一円単位まで合わせる必要はありません。アプリ、利用明細、督促状を見ながら、分かる範囲で一覧にします。
| 借入先 | 残高 | 毎月の返済 | 保証・担保など |
|---|---|---|---|
| Aカード | 約80万円 | 2万5,000円 | 保証人なし |
| B銀行カードローン | 約120万円 | 3万円 | 給与振込口座と同じ銀行 |
| C社自動車ローン | 約60万円 | 2万円 | 車を使用中 |
| 親族 | 約20万円 | 決まっていない | 借用書あり |
カードローンや消費者金融だけでなく、次の支払いも伝えてください。
- クレジットカードの一括・分割・リボ払い
- 住宅ローン、自動車ローン、事業資金
- 携帯電話端末や商品の分割払い
- 家族、友人、勤務先からの借入れ
- 家賃、税金、社会保険料、養育費の滞納
- 連帯保証人になっている債務
税金、社会保険料、養育費などは、一般のカードローンと同じように減額や免責を考えられないものがあります。それでも、家計と返済計画に関わるため、隠さず伝えます。
相談当日は、請求書より「現在の生活」が分かる資料も持参します
債務整理の方法は借金総額だけでは決まりません。
毎月いくらなら返せるのか、返済を続けると食費や医療費が不足しないかを見るため、収入と支出の資料も役立ちます。
- 借入先から届いた利用明細、督促状、請求書
- 裁判所から届いた封筒と書類一式
- 給与明細、年金通知書、事業収入が分かる資料
- 預金通帳や口座の入出金記録
- 家賃、住宅ローン、光熱費、医療費の金額
- 生命保険、自動車、不動産など財産が分かる資料
- 本人確認書類
書類が全部そろっていなくても相談できます。
「明細がない借入先があります。今日分かる範囲で方法を聞き、不足資料を教えてください」
こう伝えれば、何を取り寄せるかを相談できます。
任意整理・個人再生・自己破産は、借金額だけでは選びません
債務整理という言葉は、一つの手続きを指すものではありません。
| 方法 | 主な特徴 | 先に見ること |
|---|---|---|
| 任意整理 | 裁判所を使わず、債権者と利息や返済条件などを交渉する | 生活費を確保した後も、合意した返済を続けられるか |
| 特定調停 | 簡易裁判所で、債権者との返済条件について話し合う | 自分で書類や期日に対応できるか、成立後の返済が可能か |
| 個人再生 | 裁判所の手続きで債務を減額し、再生計画に沿って返済する | 継続した収入の見込み、住宅ローン、自宅を維持したい事情 |
| 自己破産・免責 | 返済できない状態で裁判所へ申し立て、免責が認められれば対象債務の支払義務を免れる | 財産、保証人、事業、税金等の滞納、免責されない債務の有無 |
任意整理なら必ず利息がなくなる、個人再生なら必ず自宅を残せる、自己破産ならすべての支払いがなくなる、というものではありません。
債権者の対応、収入、財産、住宅ローン、保証人、借入れの経緯などによって変わります。
相談では、方法の名前より先に、次の希望を伝えてください。
「家を残せる可能性を知りたいです。ただし、食費を削ってまで返済を続けることはできません」
「毎月三万円なら返せますが、五万円では再び借りることになります」
生活を維持できない返済計画を作っても、数か月後に行き詰まります。
家・車・保険・保証人を隠すと、最初の助言が変わってしまいます
家を失いたくないため、住宅ローンや不動産の話をしない。家族に知られたくないため、親族が保証人である借金を伝えない。
こうした情報が後から判明すると、最初に選んだ手続きを見直すことがあります。
特に次の内容は、相談の最初から伝えてください。
- 住宅ローンや自動車ローンが残っている
- 保証人・連帯保証人がいる
- 自分が誰かの保証人になっている
- 預貯金、保険の解約返戻金、不動産、車がある
- 退職金を受け取る予定がある
- 最近、家族へ財産を渡したり、多額を返済したりした
- 事業用の借入れや取引先への未払いがある
相談前に、特定の家族や友人へだけ返済する、車や預金の名義を移す、財産を安く売るといった行動はしないでください。
手続きによっては、財産の移動や一部の債権者だけへの返済が問題になる場合があります。
家族や勤務先に知られる可能性は、手続きごとに分けて聞きます
法律相談を予約しただけで、相談先から家族や勤務先へ事情を知らせるものではありません。
ただし、正式な手続きを進めると、次の事情から知られる可能性があります。
- 自宅へ郵便物が届く
- 家族が保証人・連帯債務者になっている
- 家族名義の財産や家計資料が必要になる
- 給与や退職金に関する資料を勤務先から取得する
- すでに給与差押えなどの手続きが進んでいる
「絶対に知られません」と断定する依頼先ではなく、どの場面で誰に何が伝わる可能性があるかを説明する依頼先を選びます。
「家族に知られずに進めたいです。自宅への郵便物、保証人、家計資料について、知られる可能性がある場面を先に教えてください」
家族へ話す必要がある場合も、相談当日に決断する必要はありません。伝える時期と内容を専門家と考えられます。
家族が代わりに調べる場合も、本人を責めずに数字へ戻します
親御さんや配偶者の督促状を見つけ、家族が先に相談先を探すことがあります。
驚いて、「なぜ隠していたの」「全部でいくらなの」と問い詰めると、本人が書類を捨てたり、借入れをさらに隠したりすることがあります。
まず、次のように伝えてください。
「借りた理由を責める話は今はしない。次の返済日と、裁判所から書類が来ていないかだけ一緒に見たい」
家族から、一般的な手続きや相談先を問い合わせることはできます。
ただし、本人の借入状況を使った具体的な助言、正式な依頼、債権者との交渉には、原則として本人の意思確認や本人確認が必要です。
本人が高齢、病気、認知症などで自分の意思を伝えにくい場合は、その状態を予約時に話し、家族の同席、代理、成年後見制度など、何が必要かを確認します。
「無料」の後にいくら必要かを、契約前に一項目ずつ聞きます
相談料が無料でも、正式に依頼する場合には費用が発生するのが一般的です。
契約前に、次の項目を書面で確かめてください。
- 着手金はいくらか
- 債権者一社ごとの費用があるか
- 減額報酬や成功報酬があるか
- 裁判所へ納める費用や郵送費などの実費
- 分割払いが可能か
- 手続きが変更になった場合の追加費用
- 途中で解約した場合の精算方法
「任意整理から個人再生や自己破産へ変更した場合も含め、最終的に発生する可能性がある費用を項目別に教えてください」
「月々いくらなら払えますか」と聞かれたときは、現在の借金返済額をそのまま専門家費用へ置き換えず、家賃、食費、医療費を残した金額を答えます。
法テラス、弁護士会、司法書士会、JCCOは役割が少し異なります
相談先は、広告で最初に表示された事務所だけではありません。
法テラス
収入と資産が一定基準以下などの条件を満たす方は、弁護士・司法書士による無料法律相談を、同じ問題について三回まで、一回三十分受けられます。
正式に依頼する場合には、審査を経て弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できることがあります。無料相談と、費用の立替えは別の仕組みです。
弁護士会の法律相談
各地域の弁護士会が、債務整理を含む法律相談を実施しています。無料か有料か、相談時間、予約方法は地域や相談内容によって異なります。
借入額が大きい、住宅や事業、保証人、裁判手続きが関係する場合も相談できます。
司法書士会などの相談
司法書士も一定の範囲で債務整理を扱いますが、代理できる金額や手続きには法律上の限度があります。
予約時に借入先ごとの残高を伝え、「今回の借入額と希望する手続きを最後まで扱えるか」を確かめてください。
日本クレジットカウンセリング協会
公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会では、クレジットや消費者ローンの借金について無料の電話相談とカウンセリングを行い、条件が合う場合には無料で任意整理や家計改善の支援をしています。
住宅ローン、税金、事業債務なども含む複雑な問題では、別の専門機関が必要になる場合があります。
裁判所は破産・再生の申立先ですが、中立な立場にあるため、本人にどの債務整理が向くかという法律相談は行いません。申立てを考える段階では、弁護士などへ相談します。
広告の「減額診断」だけで、依頼先を決めないでください
借金額と毎月の返済額を入力すると、「大幅に減額できる可能性があります」と表示される広告があります。
しかし、実際に減額できるか、どの手続きが適切かは、借入先、取引期間、利率、収入、財産、保証人などを見なければ判断できません。
相談先を選ぶときは、次を確認してください。
- 担当する弁護士・司法書士の氏名と事務所所在地
- 本人と直接話せるか
- 提案された方法以外の選択肢も説明されるか
- 費用の総額と追加費用を書面でもらえるか
- 契約を急かされず、持ち帰って検討できるか
- 生活を維持できる返済額になっているか
「今契約しないと手遅れになる」と言われても、裁判期限など具体的な理由がなければ、その場で契約する必要はありません。
相談前に、借入れを増やしたり書類を捨てたりしません
予約日までの生活費や返済額が足りないと、新しいカードローンへ申し込みたくなることがあります。
けれど、返せないと分かっている状態で借入れを増やすと、状況が複雑になります。
相談前は、次の行動を避けてください。
- 別の会社から借りて今月の返済へ回す
- クレジットカードの現金化を利用する
- 督促状、契約書、裁判所の封筒を捨てる
- 家族や友人にだけ多額を返済する
- 財産や預金を別名義へ移す
- 返せる見込みがない期日を債権者へ約束する
- 専門資格を確かめず、交渉代行を名乗る業者へ依頼する
債権者から電話が来た場合は、無理な約束をせず、担当部署、連絡日時、話した内容を記録します。
「現在、返済方法について法律相談を予約しています。今日は支払日の約束をせず、改めて連絡します」
この言い方で必ず取立てが止まるわけではありませんが、払えない金額をその場で約束するより、記録を残して相談時に見せられます。
債務整理の結果を待てない生活費は、別の窓口へ同時に伝えます
債務整理を依頼しても、その日のうちに家賃や食費が入るわけではありません。
電気が止まりそう、家賃の退去期限が迫っている、子どもの食費がない、薬を買えない場合は、市区町村の自立相談支援機関や福祉事務所へも連絡してください。
「借金の法律相談を始めますが、今週の食費と家賃を用意できません。今日利用できる生活支援を確認したいです」
借金の手続きと、今日の生活を保つ支援は、同時に進められます。
今日は、次回返済日の前に「借入先の数」だけ確かめます
今夜、借金の総額を完全に計算する必要はありません。
財布、スマートフォン、郵便物を見て、借入れや分割払いがある会社名を一か所へ集めてください。
次に、最も近い返済日か、裁判所から届いた書類の期限を一つ見ます。
予約時に伝える一文は、次の形で十分です。
「借入先は少なくとも五社あります。残高は確認中ですが、毎月の返済で家賃と食費が足りません。債務整理を依頼するか決める前に、方法と費用を相談したいです」
無料相談へ行くことは、自己破産を決めることではありません。
返済を続ける場合も含め、生活を壊さずに選べる方法が残っているかを確かめるための時間です。今日は、借入先の数と次の期限が分かれば、予約の電話をかける準備ができています。














