冷蔵庫を開けて、初めて「少し苦しい」ではないと気づくことがあります
久しぶりに実家へ行くと、冷蔵庫には漬物と飲み物しか入っていない。
親は「買い物へ行く前だから」と笑いますが、テーブルには同じような簡単な食事が続いています。
郵便物の山を片づけると、電気料金の督促状、国民健康保険料の納付書、家賃の通知が出てくる。通帳には年金が振り込まれているものの、数日後には残高が大きく減っています。
「どうして早く言わなかったの」
そう言いたくなるかもしれません。
一方、親は子どもへ迷惑をかけたくないと思っています。お金が足りないと認めることが、自分の生活を取り上げられることのように感じている場合もあります。
家族の側にも、分からないことがあります。
「役所のどこへ行けばよいのだろう」
「通帳を全部見せなければいけないのか」
「子どもの私が援助するよう言われるのではないか」
「生活保護の話をしたら、親が怒るかもしれない」
「書類が足りないと、相談してもらえないのではないか」
役所へ行く前に、親の家計を完全に解明する必要はありません。
今起きていること、最も近い期限、親が望んでいる暮らし。この三つが分かれば、相談は始められます。
最初に分けるのは「今日を越えられない困り事」と「毎月続く不足」です
親の暮らし全体を一度に立て直そうとすると、家族も何から手をつければよいか分からなくなります。
まず、困り事を急ぎ具合で分けます。
| 現在の状態 | 具体的な場面 | 最初に伝えること |
|---|---|---|
| 今日・明日の生活が難しい | 食べる物がない、薬を買えない、寝る場所がない | 「今日必要な物がない」と最初に伝える |
| 数日以内に期限が来る | 電気・ガスの停止、家賃の支払期限、退去の通知 | 通知の日付と金額を伝える |
| 毎月少しずつ足りない | 年金だけでは生活費を賄えず、預金を取り崩している | 一か月の不足額と預金残高を伝える |
| 家計管理が難しくなっている | 支払い忘れ、同じ契約、通帳や請求書の紛失が増えた | お金以外の生活変化も伝える |
| 介護や病気が家計を圧迫している | 通院費、薬代、介護サービス費が重い | 減らせない医療・介護費を伝える |
窓口では、事情を最初から順番に話そうとしなくて構いません。
一文目に、最も急いでいることを置きます。
「母の手元に現金がほとんどなく、今日の食事を用意できません」
「父の電気が○月○日に止まるという通知が届いています」
「家賃を2か月滞納し、○日までに連絡するよう書かれています」
「年金では毎月約3万円足りず、預金が残り10万円ほどです」
うまく話せなくても、何が足りず、いつまでに動く必要があるかが分かれば、担当窓口へつないでもらいやすくなります。
親へ最初に聞くのは、通帳の残高より「今いちばん困っていること」です
家族が心配すると、通帳、保険、借金、年金額をすべて見せてほしくなります。
しかし、いきなり「全部出して」と言われれば、親は暮らしを管理されるように感じるかもしれません。
最初は、本人が困っていると感じることから聞きます。
話を始める言葉
「使い方を責めたいわけではないよ。今、食事、家賃、病院代のうち、どれが一番心配?」
「通帳を全部預かる話ではなく、今月払えないものがあるかだけ一緒に見たい」
「役所で何を頼むかは、話を聞いてから一緒に決めよう」
避けたい言い方
- 「何にそんなに使ったの」
- 「どうせ無駄遣いしたのでしょう」
- 「もう一人ではお金を管理できない」
- 「生活保護を受けるしかない」
- 「私たちに迷惑をかけないで」
隠していたことへ腹が立つのは自然です。
それでも、原因を追及することと、今日の食事や支払期限を守ることは分けます。まず暮らしが途切れないようにしたあとで、家計が苦しくなった理由を見ていきます。
役所へ持っていくメモは、四行から始められます
細かな家計簿がなくても、次の四つが分かれば相談の入口になります。
| 書くこと | 記入例 |
|---|---|
| いちばん困っていること | 食費と電気代が足りない |
| いちばん近い期限 | 電気停止の期限は7月25日 |
| 現在あるお金と次の収入日 | 現金3,000円、口座2万円、年金は8月14日 |
| 本人が望む暮らし | できれば今の家で暮らしたい |
余裕があれば、次の内容も加えます。
- 毎月入る年金、給与、手当
- 家賃や住宅ローン
- 電気、ガス、水道、通信費
- 医療費、薬代、介護費
- 保険料、税金、借入返済
- 預貯金のおおよその残高
- 同居家族と別居家族の状況
分からない項目は、空欄にせず「不明」と書きます。
何が分からないのかも、窓口で一緒に見てもらいたい内容だからです。
未開封の封筒は、家計簿より急ぎ具合を教えてくれます
親が郵便物を開けられず、棚や引き出しへ入れていることがあります。
家族が見つけたら、次の順番で分けます。
| 封筒の種類 | 見る場所 | 次にすること |
|---|---|---|
| 電気・ガス・水道 | 停止に関係する日付 | 事業者へ現在の契約状態を聞く |
| 家賃・住宅ローン | 未払い月、連絡期限、退去に関する記載 | 貸主や金融機関と自治体へ状況を伝える |
| 税金・保険料 | 対象年度、未納額、指定期限 | 収納担当へ納付方法を聞く |
| 医療・介護 | 未払い額、受診やサービスへの影響 | 医療機関、介護事業者、保険担当へ連絡する |
| カード・借入れ | 残高、返済日、遅延状況 | 新しい借入れを増やす前に家計全体を見せる |
通知を見つけても、家族がすぐに立て替えると決める必要はありません。
まず、請求元へ連絡し、現在の未払い額と期限を聞きます。そのうえで、自治体の窓口へ同じ通知を持っていきます。
役所の入口は、親の困り事によって変わります
自治体には複数の窓口があり、名称も地域によって異なります。
最初から正しい課を選べなくても、代表電話や総合案内へ、具体的な困り事を伝えれば構いません。
| 親の主な困り事 | 相談先の候補 | 話せる内容 |
|---|---|---|
| 生活費、仕事、家賃が足りない | 自立相談支援機関・生活困窮者の相談窓口 | 家計、住まい、就労、利用できる支援 |
| 収入や資産を使っても生活できない | 福祉事務所の生活保護担当 | 生活保護の相談・申請 |
| 介護、物忘れ、一人暮らしが心配 | 地域包括支援センター | 高齢者の総合相談、介護、権利擁護、見守り |
| 一時的な費用が必要 | 市区町村社会福祉協議会 | 生活福祉資金などの対象になるか |
| 家賃を払えず住まいを失いそう | 自立相談支援機関 | 住居確保給付金や住まいの支援 |
| 税金・保険料・公共料金を滞納 | 通知に記載された収納・料金担当 | 未納額、支払方法、猶予や減免の可能性 |
| 借金返済で生活費が残らない | 自立相談支援機関、法律相談など | 家計の立て直しと債務相談へのつなぎ |
生活困窮者自立支援制度では、仕事、家賃、住まい、家計など、複数の困り事を受け付けています。自立相談支援では本人の状況に合う支援プランを考え、家計改善支援では収支の見える化、支援計画の作成、関係機関へのつなぎなどが行われます。
「生活費なのか、介護なのか、物忘れなのか分からない」という場合は、問題を一つに決めず、重なっている出来事をそのまま伝えます。
地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、介護予防、保健医療、権利擁護、地域の支援体制づくりなどを担っています。
持ち物は「今の暮らし」と「迫っている期限」が分かる物を優先します
手元にあれば、次の物を袋へまとめます。
- 本人確認書類
- 健康保険や介護保険の資格が分かる物
- 年金額が分かる通知や通帳
- 給与明細、手当、失業給付の通知
- 主に使っている預貯金通帳
- 家賃、公共料金、税金、保険料の請求書・督促状
- 賃貸借契約書や住宅ローンの資料
- 医療費、薬代、介護費が分かる物
- 借入れやカード支払いの明細
- 家族が作った四行のメモ
すべてをそろえるまで待つ必要はありません。
特に、今日食べる物がない、住まいを失いそう、ライフラインが止まるなどの場合は、手元にある通知だけで先に連絡します。
生活保護は、必要な書類がそろっていなくても申請でき、住む場所がない人も申請できます。また、同居していない親族へ先に相談しなければ申請できないわけではなく、持ち家があっても保有が認められる場合があります。
受付では制度名より「誰が・何に・いつ困るか」を伝えます
利用したい制度が決まっていなくても、相談できます。
生活費が足りない場合
「一人暮らしの母のことで来ました。年金だけでは生活費が足りず、預金も少なくなっています。家計と生活全体を見てもらえる窓口を教えてください」
支払期限が迫っている場合
「父の電気料金が未払いで、停止に関する期限が○日です。手元のお金も少なく、食費も不足しています」
介護や物忘れが重なっている場合
「母の生活費が足りないだけでなく、請求書や通帳の管理も難しくなっています。家計と高齢者の生活支援を一緒に相談したいです」
生活保護を含めて説明を受けたい場合
「年金と預金を確認しましたが、家賃と生活費を払えません。生活保護を含め、利用できる制度の説明を受けたいです」
家族から継続的な援助ができない場合
「手続きへの同行はできますが、親の生活費を毎月負担することはできません。家族ができる範囲以外の支援を一緒に考えてください」
最初の説明は長くなくて構いません。
「誰が」「何に困り」「最も近い期限はいつか」を伝えたあと、質問された内容へ答えます。
家族の役割は、親に代わって全部答えることではありません
親と一緒に窓口へ行くと、家族がすべて説明したくなることがあります。
親が言葉に詰まる姿を見るのがつらく、職員の質問へ先回りして答えてしまうこともあるでしょう。
ただし、今後どのように暮らしたいか、何を心配しているかは、できる範囲で本人の言葉を聞いてもらいます。
| 本人から聞きたいこと | 家族が補えること |
|---|---|
| 今いちばん困っていること | 困り始めた時期や家族が見つけた通知 |
| 今後どこで暮らしたいか | 家族が通える距離や援助できる範囲 |
| 利用したくない支援や心配 | 職員の説明や次の手続きをメモする |
| どこまで家族へ情報を共有してよいか | 通帳や請求書を持参し必要な箇所を示す |
付き添った家族からの伝え方
「最初に本人から困っていることを話してもらい、その後、支払期限や家族が把握している状況を私から補足してもよいでしょうか」
「私にできるのは窓口への同行と書類の整理です。毎月の金銭援助を続けることは難しいです」
「本人が緊張しているため、今日決まったことを私もメモして構いませんか」
本人が窓口へ行けない場合は、家族だけで一般的な相談ができるか、個別情報を扱う際に委任状や本人確認書類が必要かを、事前に窓口へ聞きます。
親が役所を嫌がるときは、「行きたくない理由」を先に聞きます
親から「役所の世話にはなりたくない」と言われることがあります。
その言葉だけを聞いて諦めるのではなく、何を恐れているのかを聞きます。
| 親の心配 | 家族から伝えられること |
|---|---|
| 近所に知られたくない | まず電話で相談方法や予約の有無を聞く |
| すぐ生活保護にされると思う | 説明を聞いただけで利用が決まるわけではないと伝える |
| 家を取られると思う | 持ち家を含む個別の状況を窓口で聞くところから始める |
| 子どもへ請求が来ると思う | 家族ができる範囲を伝え、公的支援と分けるための相談だと話す |
| 無駄遣いを責められると思う | 過去を叱る場ではなく、今日からの生活を考える場だと伝える |
| 体力的に役所へ行けない | 家族からの事前相談や訪問対応の有無を聞く |
親への切り出し方
「生活保護を申し込むと決めたわけではないよ。まず電気代と食費をどうするか、使える方法を聞きたい」
「私がお金を全部管理するためではなく、今の家で暮らし続けられる方法があるか聞いてみたい」
「今日は決める日ではなく、話を聞く日にしよう。使わない制度は、その場で決めなくてもいいよ」
それでも親が拒む場合は、家族だけで地域包括支援センターや自立相談支援機関へ連絡し、本人への声のかけ方を含めて話します。
生活保護を「家族が限界になるまで使えない制度」と考えないでください
親は、「年金をもらっているから無理」「持ち家があるから対象外」「子どもに頼んでからでなければ申請できない」と考えているかもしれません。
家族も、自分たちが親を支えられないことを責められるのではないかと心配します。
生活保護は、生活に困窮する人へ必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立を支える制度です。相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所です。年金などの収入や預貯金、不動産などの資産、生活状況を調べ、最低生活費と収入との差などを基に個別に判断されます。
年金を受け取っていることだけで、一律に対象外になるわけではありません。
家族が援助できない場合は、できない理由と範囲をそのまま伝えます。
家族の伝え方
「私にも住宅ローンと子どもの教育費があり、親の生活費を毎月負担することはできません」
「緊急時の一度の支払いはできても、翌月以降の生活を支え続けることは難しいです」
「同行と書類の整理はできますが、金銭援助はできません」
家族が無理な援助を始めて、自分たちの家賃や老後資金まで足りなくなれば、長く支えることはできません。
一時的な貸付と、毎月足りない生活費は分けて考えます
自治体から、社会福祉協議会の生活福祉資金を案内される場合があります。
生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯などを対象に、資金の貸付と必要な相談支援を行う制度です。窓口は市区町村社会福祉協議会ですが、資金ごとに条件があり、貸付決定では返済の見込みも考慮されます。
| 一時的な不足に近い状態 | 毎月続く不足に近い状態 |
|---|---|
| 臨時の医療費や修繕費が重なった | 年金より毎月の生活費が多い |
| 収入日のずれで一時的に足りない | 家賃や保険料など固定費が重い |
| 返済の見通しが立つ | 借りても翌月から返済できない |
| 貸付を検討できる余地がある | 給付や生活保護、住まいの見直しも必要 |
生活福祉資金は、申し込めばすぐ受け取れる制度ではなく、継続的な生活費の補填など対象にならない使い道もあります。
食費が今日ない、ライフラインが止まりそうという場合は、貸付の結果だけを待たず、自治体へ緊急性を伝えます。
家賃を払えない場合は、親の年齢だけで制度を諦めないようにします
離職や収入減などで家賃を払えず、住まいを失うおそれがある人には、一定の収入・資産・求職活動などの要件を満たす場合、住居確保給付金の対象となる可能性があります。
給付金は原則として自治体から貸主などへ直接支払われ、相談・申請は地域の自立相談支援機関で受け付けています。
年金生活、病気、介護などで求職活動が難しい場合や、持ち家で暮らしている場合は、同じ制度がそのまま使えるとは限りません。
制度名だけで判断せず、「家賃をいつから払えないか」「収入がなぜ減ったか」「親が働ける状態か」を伝えて、住まいを守る別の方法も含めて聞きます。
今日食べる物や必要な薬がない場合は、家計表の完成を待ちません
次に当てはまる場合は、通常の家計相談より緊急性を先に伝えます。
- 今日・明日に食べる物がない
- 必要な薬を買えず、受診も控えている
- 電気・ガス・水道が止まっている、または停止日が迫っている
- 家賃滞納により住まいを失う可能性がある
- 家庭内暴力や虐待などがあり、自宅で安全に過ごせない
- 親が衰弱し、本人だけでは窓口へ行けない
- 認知機能の低下により金銭管理ができず、生活が成り立たない
電話では、最初にこう伝えます。
「通常の家計相談ではなく、今日の食事がありません」
「必要な薬が切れますが、受診費用を用意できません」
「電気の停止日が明日です」
緊急性を伝えたうえで、当日対応できる窓口や、次に連絡する場所を聞きます。
役所へ行った日に、すべて決まらなくても失敗ではありません
初回の相談では、別の担当課を案内されたり、追加書類が必要になったり、後日の面談になる場合があります。
帰る前に、次の内容をメモします。
| 聞いて帰ること | 記録する内容 |
|---|---|
| 担当窓口 | 部署名、担当者名、電話番号 |
| 次にすること | 申請、電話、書類提出、事業者への連絡 |
| 必要な物 | 通帳、通知、契約書、本人確認書類など |
| 期限 | 何月何日までに何をするか |
| 今日の暮らしへの対応 | 食事、住まい、ライフラインについて誰へ連絡するか |
| 次回の予約 | 日時と、本人・家族のどちらが行くか |
説明が分からなかったときの聞き方
「今日、家へ帰って最初にすることを一つ教えてください」
「次に来る日と、持ってくる物を紙に書いていただけますか」
「この制度の対象にならない場合、次に聞ける窓口はどこですか」
一つの制度に当てはまらなかったからといって、親が困っていないことにはなりません。
何が対象外だったのかを聞き、別の窓口や方法へつないでもらいます。
窓口で話が進まないときは、期限と申請の意思を言い直します
「まず家族で何とかしてください」
「書類をそろえてから来てください」
そのように受け止めてしまう説明を受け、帰りたくなることがあるかもしれません。
急ぎの事情がある場合は、現在の事実を短く言い直します。
「家族から継続的な援助はできません。本人の手元には○円しかなく、○日以降の食費がありません」
「書類は後から追加しますが、電気の停止日が○日なので、今日できる対応を教えてください」
「本人は生活保護の申請を希望しています。申請手続きについて説明してください」
「本人は高齢で、支払い管理が難しくなっています。高齢者の相談窓口にもつないでください」
生活保護については、必要書類が完全にそろっていなくても申請できます。申請を希望する場合は、困窮の状況と申請の意思を福祉事務所へ伝えます。
家族が一度立て替える場合も、翌月の見通しを残します
停止予定の電気代や家賃を、子どもが一度だけ払う場合もあります。
緊急時の立て替えが悪いわけではありません。
ただし、その支払いで相談をやめると、翌月に同じ請求が来ます。
| 立て替え後に決めること | 具体例 |
|---|---|
| 今回払った物 | 7月分電気代1万2,000円 |
| 返済の有無 | 返済不要、一部返済、月3,000円ずつ |
| 次の請求 | 翌月の電気代、家賃、保険料 |
| 家族ができる上限 | 今回限り、月5,000円まで、同行のみ |
| 公的相談 | 立て替え後も予約した窓口へ行く |
「今回は払ったから大丈夫」と終えず、家族の援助がなくても翌月を越えられる形を探します。
親の暮らしを守ることと、家族が全部背負うことは同じではありません
生活に困る親を見ると、子どもは「自分が何とかしなければ」と感じます。
しかし、毎月の生活費を出す、通院へ付き添う、郵便物を管理する、役所の手続きをするという役割を、一人で抱えれば長くは続きません。
| 家族ができること | 家族だけでは続けにくいこと |
|---|---|
| 請求書を一緒に開く | 不足する生活費を毎月すべて補う |
| 窓口へ同行する | 親の判断をすべて代わりに行う |
| 連絡先や期限をメモする | 24時間いつでも対応する |
| 一時的に食事を用意する | 公的支援を使わず家族だけで支える |
| 地域の窓口へつなぐ | 介護・家計・医療を一人で管理する |
家族の支援範囲を窓口にも伝えます。
「同行はできますが、毎月の援助はできません」
「私は遠方に住んでおり、日常的な見守りは難しいです」
できないことを伝えるのは、親を見放すことではありません。
家族だけでは埋められない部分を、地域の支援へ渡すために必要な情報です。
今日作るのは親の人生を管理する計画ではなく、役所へ渡す四行です
住まい、介護、財産管理、今後の生活まで、一日で決める必要はありません。
今日の作業は、次の四行を書くだけです。
| 四行のメモ | 書き方の例 |
|---|---|
| 何に困っているか | 食費と電気代が足りない |
| 最も近い期限 | 電気停止の期限が7月25日 |
| 今あるお金と次の収入日 | 現金3,000円、年金は8月14日 |
| 本人が望んでいること | できれば今の家で暮らしたい |
書けたら、自治体の代表電話へこう伝えます。
「高齢の親の生活費が足りず、電気の停止期限が近づいています。生活全体を相談できる窓口へつないでください」
親が一緒に行けるなら、本人の希望を聞きながら付き添います。
行くことを拒むなら、家族だけで相談できる窓口と、親への伝え方を先に聞きます。
役所へ行く目的は、親の暮らしを取り上げることではありません。
親のお金でできること、家族が支えられること、公的な仕組みに渡すことを分けるためです。
書類が足りなくても、説明がうまくできなくても、困り事がなくなるわけではありません。
まずは最も期限が近い通知を一枚持ち、「何に困っているか」を一文で伝えてください。
それが、親と家族のどちらか一方だけで抱える暮らしから、地域と一緒に立て直す暮らしへ変わる入口になります。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」:自立相談支援、家計改善支援、住居確保給付金などの確認先。
- 厚生労働省「生活保護を申請したい方へ」:書類がそろっていなくても申請できること、親族へ先に相談する必要がないこと、持ち家がある場合などの確認先。
- 厚生労働省「生活保護制度」:福祉事務所での相談・申請、資産や収入の調査、保護費の仕組みを確かめる際の資料。
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」:地域包括支援センターによる高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防などの確認先。
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」:低所得者世帯や高齢者世帯などへの貸付条件と相談窓口の確認先。
- 厚生労働省「住居確保給付金」:家賃支援の対象要件、支給期間、申請・相談窓口の確認先。














