「売れない実家」は、家そのものより家族の気持ちも重くなります
親御さんが住んでいたご実家を売ろうとしても、なかなか買い手がつかない。
不動産会社に相談したけれど反応が薄い。査定額が思ったより低い。遠方で管理に行けない。兄弟姉妹の意見が合わない。庭の草木が伸びている。近所から連絡が来ないか心配になる。固定資産税の通知だけは毎年届く。
こうした状態になると、「もう空き家のまま置いておくしかないのか」と感じることがあります。
けれど、売れない実家をそのまま空き家にする前に、見ておきたいことがあります。売れない理由が、価格なのか、建物の古さなのか、立地なのか、荷物の多さなのか、相続登記や共有名義なのかで、次の動きは変わります。
そして、空き家は「誰も住んでいない家」になった瞬間に終わる話ではありません。管理、税金、近隣対応、修繕、草刈り、台風や雪の備え、防犯、解体費用などが続きます。
売れないから放置するのではなく、売れない理由を分け、家族が背負える期間と費用を見て、次の形を決める。そこから始めていきます。
最初に見るのは、売れない理由が「値段」だけなのかどうかです
実家が売れないとき、まず価格を下げることを考えがちです。
もちろん価格は大きな要素です。ただ、売れない理由が価格だけとは限りません。買う側から見ると、建物の傷み、荷物の残り方、駐車場の有無、道路、駅や病院までの距離、境界、登記、解体費用なども判断材料になります。
| 売れにくい理由 | 買う側が気にすること | 先にできる見直し |
|---|---|---|
| 価格が地域相場より高い | 同じ地域でより安い物件がある | 近隣の成約事例や販売中物件と比べる |
| 建物が古い | 住むには修繕費がかかる、解体も必要かもしれない | 建物付きで売るか、更地前提で見せるか考える |
| 家の中に荷物が多い | 広さや傷み具合が分かりにくい | 全部でなくても、主要な部屋だけ片付ける |
| 庭や外観が荒れている | 管理されていない印象を持たれる | 草刈り、郵便物整理、外回りの写真を整える |
| 交通や生活利便性が低い | 住む人が限られる | 移住、別荘、倉庫、作業場、畑付きなど別の需要を見る |
| 相続登記が終わっていない | 売買契約に進みにくい | 法務局や司法書士に登記状況を確認する |
| 共有名義・相続人が複数いる | 全員の同意が必要になりやすい | 売る、貸す、残す前に相続人の意向をそろえる |
| 境界や道路に不安がある | 再建築や利用に制約がある可能性がある | 不動産会社、土地家屋調査士、自治体で確認する |
「売れない」という一言の中には、いくつもの理由が隠れています。
価格だけを下げ続ける前に、買う人が何で止まっているのかを不動産会社に聞いてください。「問い合わせが少ないのか」「内見後に断られるのか」「価格の問題なのか」「建物や土地条件の問題なのか」で対策は変わります。
空き家にする前に、毎月・毎年かかるお金を紙に出します
実家が売れないと、ひとまず空き家として置いておこうと考えることがあります。
ただ、空き家は住んでいなくても費用がかかります。むしろ、誰も住んでいないからこそ、気づかないうちに傷みが進み、後で費用が大きくなることもあります。
| 費用・負担 | 内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 土地や家屋に毎年かかる税金 | 空き家の状態によって住宅用地特例の扱いに注意が必要な場合がある |
| 火災保険・地震保険 | 空き家でも加入や条件確認が必要になることがある | 空き家状態で補償対象になるか保険会社へ確認する |
| 水道・電気・ガス | 停止するか最低限残すかの判断 | 漏水、凍結、通電火災、基本料金 |
| 草刈り・庭木 | 近隣への越境、害虫、景観悪化を防ぐ | 遠方だと年数回でも負担になる |
| 修繕費 | 雨漏り、屋根、外壁、窓、雨樋、門扉 | 放置すると売却価格より修繕費が重くなることがある |
| 防犯・見回り | 不法侵入、郵便物、窓の破損、異臭などの確認 | 近所からの苦情で初めて気づくことがある |
| 交通費・時間 | 実家までの移動、掃除、片付け、立ち会い | 遠方の場合、家族の休日が管理で消える |
| 管理委託費 | 空き家管理サービス、地元業者への見回り依頼 | どこまで見てくれるか契約範囲を確認する |
家族で話すときは、「いつか売れるかもしれない」だけではなく、「売れるまで毎年いくらかかるか」を数字で見てください。
年間の維持費が見えると、半年だけ保留するのか、1年以内に価格を見直すのか、貸す方向を探すのか、解体も含めて考えるのか、判断がしやすくなります。
相続登記と名義が止まっていると、売る話が前に進みにくくなります
実家を売る前に、名義を確認してください。
親御さんの名義のままなのか、相続登記が済んでいるのか、兄弟姉妹との共有名義なのか、亡くなった祖父母の名義が残っているのか。この部分が曖昧なままだと、売却や賃貸の話が途中で止まることがあります。
| 名義の状態 | 起きやすいこと | 相談先 |
|---|---|---|
| 亡くなった親御さん名義のまま | 相続登記をしないと売買へ進みにくい | 法務局、司法書士 |
| 祖父母名義のまま | 相続人が増え、話し合いが複雑になる | 司法書士、弁護士 |
| 兄弟姉妹で共有名義 | 売却・解体・賃貸で全員の同意が必要になりやすい | 司法書士、不動産会社、必要に応じて弁護士 |
| 相続人の一人が連絡を取れない | 手続きが止まりやすい | 司法書士、弁護士 |
| 認知症の相続人がいる | 意思確認や契約の問題が出る | 司法書士、弁護士、成年後見の相談窓口 |
| 遺産分割がまとまっていない | 誰が実家を引き継ぐか決まらない | 司法書士、弁護士、家庭裁判所関連の相談 |
相続登記は、令和6年4月から義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に申請が必要になるため、「売れたら登記すればいい」と後回しにしすぎない方がよい場合があります。
売れない実家ほど、名義の整理が遅れると、次の世代にさらに重く残ります。まずは固定資産税の納税通知書、不動産の登記事項証明書、権利証や登記識別情報があるかを探してみてください。
兄弟姉妹で揉めそうなときは、感情より先に「負担表」を作ります
実家の話は、家族の思い出とお金が重なるため、揉めやすいです。
「親の家を安く売るなんてかわいそう」「自分は遠方だから管理できない」「長男だから何とかして」「売ったお金はどう分けるのか」「片付けは誰がするのか」。こうした言葉が出ると、話し合いはすぐ苦しくなります。
そんなときは、先に負担を見える化してください。
| 話し合う項目 | 書き出す内容 | 決めたいこと |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 年間いくらかかるか | 誰が払うか、兄弟姉妹で分担するか |
| 管理 | 草刈り、換気、郵便物、台風後の確認 | 誰が行くか、業者に頼むか |
| 片付け | 家財、仏壇、写真、書類、貴重品 | いつまでに、誰が、何を残すか |
| 売却価格 | 希望額、最低額、値下げ時期 | どの価格まで下げるか |
| 解体 | 費用見積もり、税金、売却への影響 | 解体するか、建物付きで売るか |
| 賃貸・活用 | 貸せる状態か、修繕費、管理者 | 売れない間だけ貸すか |
| 期限 | いつまで保留するか | 半年後、1年後など見直し時期を決める |
家族で話すときは、いきなり「売るか残すか」を決めようとしない方がよいです。
まず、「残すなら誰がいくら負担するのか」を見ます。思い出として残したい気持ちがある場合でも、税金、管理、草刈り、近隣対応を誰か一人が背負う形になると、後で不満が出やすくなります。
売る以外の選択肢はありますが、どれも管理者が必要です
実家が売れないとき、売却以外にも選択肢はあります。
ただし、どの選択肢にも手間と責任があります。「貸せば収入になる」「駐車場にすればよい」「空き家バンクに載せれば誰か来る」と簡単に考えすぎると、後で困ることがあります。
| 選択肢 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 価格を見直して売る | 問い合わせが少なく、地域相場より高い可能性がある | 最低売却額を家族で決めてから下げる |
| 建物付きで売る | 解体費をかけずに手放したい | 買主が修繕・解体費を見込むため価格が下がることがある |
| 更地にして売る | 建物が危険、土地需要がある | 解体費、固定資産税、再建築可否を確認する |
| 貸す | 住める状態で、賃貸需要がある | 修繕義務、入居者対応、管理会社、空室リスクがある |
| 空き家バンクに出す | 移住希望者や地域内の需要を探したい | 自治体ごとに登録条件や審査が異なる |
| 駐車場・資材置き場などにする | 立地が合い、近隣需要がある | 用途制限、近隣対応、契約管理、舗装費を確認する |
| 家族の一時利用として残す | 法事、帰省、介護、将来の住まい候補として使う | 使う頻度が低いなら管理費だけ残る |
| 管理委託して保留する | すぐ結論を出せないが放置は避けたい | 毎月費用がかかるため見直し期限を決める |
選択肢が多いほど、迷いも増えます。
そのため、家族で決めるときは、「誰が管理するか」「いくらまで費用をかけるか」「いつまで続けるか」を必ずセットにしてください。
解体は、売りやすくなる場合もあれば負担が増える場合もあります
古い実家が売れないと、「もう解体した方が売れるのでは」と考えることがあります。
確かに、建物が危険な状態だったり、土地としての需要がある地域だったりすれば、解体が選択肢になることはあります。
ただ、解体は一度行うと元に戻せません。税金、売却価格、再建築の可否、解体費用を見てから決める必要があります。
| 解体前に見ること | 確認する理由 |
|---|---|
| 解体費の見積もり | 建物の大きさ、構造、道路、残置物で費用が変わるため |
| 固定資産税の変化 | 住宅用地特例の扱いが変わる可能性があるため |
| 再建築できる土地か | 道路や法規制により、建て替えできない場合があるため |
| 更地需要があるか | 土地として売れる地域か見極めるため |
| 隣地との境界 | 解体や売却時に境界問題が出やすいため |
| 家族の同意 | 建物を壊すことへの感情的な反発が出ることがあるため |
| 補助金の有無 | 自治体によっては空き家解体に補助がある場合があるため |
「古い家だから解体すればよい」とすぐ決めるのは危険です。
不動産会社には、建物付きで売る場合、更地で売る場合、解体費を買主負担にする場合の見え方を聞いてください。税金や補助金は自治体や税理士などに確認しましょう。
空き家にするなら、最低限の管理ルールを決めてからです
すぐ売れない。貸すにも修繕が必要。解体もまだ決められない。そうなると、一定期間は空き家として持つしかない場合もあります。
その場合でも、「なんとなく空き家にする」のは避けたいところです。
| 管理項目 | 最低限決めたいこと | 担当者 |
|---|---|---|
| 見回り | 月1回、台風後、雪の後など | 家族、近所の親族、管理業者 |
| 通風・換気 | 湿気、カビ、においの確認 | 見回り担当 |
| 郵便物 | 転送、ポスト整理、不要チラシの処分 | 近くの家族、管理業者 |
| 庭木・草刈り | 年何回、どの範囲まで切るか | 業者、家族 |
| 水回り | 漏水、凍結、悪臭、防虫 | 見回り担当 |
| 外回り | 屋根、外壁、雨樋、窓、門扉、塀 | 家族、業者 |
| 近隣連絡 | 何かあったときの連絡先 | 代表の相続人 |
| 費用分担 | 税金、管理費、修繕費を誰が払うか | 相続人全員で確認 |
空き家は、住んでいた頃と同じようには傷みません。
人の出入りがなくなると、湿気、害虫、雨漏り、庭木の越境、不法侵入、郵便物の放置が起きやすくなります。遠方に住んでいて自分で行けない場合は、地元の管理業者や自治体の空き家相談窓口も候補になります。
空き家バンクは、一般の売却で反応が薄いときの別ルートになります
不動産会社に出しても売れない場合、自治体の空き家バンクを調べる方法があります。
空き家バンクは、自治体などが地域の空き家情報を登録・発信し、移住希望者や利用希望者につなげる仕組みです。地域によって運営方法や登録条件は異なります。
| 空き家バンクで見たいこと | 理由 |
|---|---|
| 自治体に制度があるか | すべての自治体で同じ仕組みではないため |
| 登録条件 | 相続登記、現地確認、媒介業者の有無などが関わることがあるため |
| 売買だけか賃貸も可能か | 買い手だけでなく借り手を探せる場合があるため |
| 修繕補助や改修補助 | 移住者や所有者向けの補助制度がある地域もあるため | 買い手の層 | 移住、二拠点生活、古民家活用、農地付きなど需要が違うため |
| 価格の見せ方 | 一般流通とは違う見方で探す人がいるため |
空き家バンクに出せば必ず売れる、というものではありません。
ただ、一般の不動産市場では見つかりにくい相手に届く可能性があります。特に地方のご実家、古い家、移住者向けの地域では、一度自治体の空き家担当窓口を確認してみる価値があります。
貸す場合は、収入より先に「貸せる状態か」を見ます
売れない実家を貸せば、固定資産税や管理費の一部をまかなえるのではないかと考える方もいます。
貸すことは選択肢になります。ただし、貸せばすぐ収入になるわけではありません。
| 貸す前に見ること | 確認する理由 |
|---|---|
| 住める状態か | 雨漏り、水回り、電気、給湯、床、耐震などに不安がないか |
| 修繕費はいくらか | 貸す前に大きな費用が必要になることがある |
| 誰が貸主になるか | 相続人や共有名義者の同意が必要になりやすい |
| 家賃相場 | 修繕費を回収できる家賃になるか |
| 管理会社を使うか | 遠方の場合、入居者対応や修繕対応を家族で行うのは難しい |
| 契約期間 | 普通借家か定期借家かで将来の使い方に影響する |
| 近隣対応 | 入居者とのトラブルや駐車場、騒音の可能性を考える |
貸す場合は、不動産会社に「この家を貸すなら、最低限どの修繕が必要か」「家賃相場はいくらか」「管理を任せると費用はいくらか」を聞いてください。
収入の期待だけで進めると、修繕費や管理負担の方が大きくなる場合があります。
相続放棄や国庫帰属は、簡単な逃げ道として考えない方がよいです
実家が売れないと、「いっそ相続放棄できないか」「国に引き取ってもらえないか」と考える方もいます。
こうした制度はありますが、条件や期限があり、簡単に使えるとは限りません。
| 制度・考え方 | 注意点 | 相談先 |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 原則として相続開始を知ったときから一定期間内に家庭裁判所で手続きが必要。実家だけを選んで放棄するものではない | 家庭裁判所、弁護士、司法書士 |
| 相続土地国庫帰属制度 | 相続した土地を国庫に帰属させる制度だが、建物がある土地など対象外や不承認になる要件がある。審査手数料や負担金も関わる | 法務局、司法書士、弁護士 |
| 自治体への寄附 | 自治体が必ず受け取るわけではない | 自治体の担当窓口 |
| 無償譲渡 | 受け手、契約、税金、境界、残置物などの確認が必要 | 不動産会社、司法書士、税理士 |
「売れないから手放したい」という気持ちは自然です。
ただし、相続や土地の制度は、使える条件を間違えると後で困ります。期限があるもの、他の財産にも影響するもの、費用がかかるものもあるため、早めに専門窓口で確認してください。
不動産会社に聞くときは、「いくらで売れますか」だけで終わらせない
実家を売りたいとき、不動産会社へ査定を依頼するのは自然な流れです。
ただ、査定額だけを比べると、判断を誤ることがあります。高い査定額を出しても、実際に売れるとは限りません。低い査定額でも、理由が明確なら現実的な場合があります。
| 不動産会社に聞くこと | 理由 |
|---|---|
| この価格の根拠は何ですか | 周辺事例、土地条件、建物状態を知るため |
| 売れない理由として何が一番大きいですか | 価格、建物、荷物、立地、名義などの優先順位を見るため |
| 建物付きと更地では、どちらが売れやすいですか | 解体判断の材料にするため |
| この地域で買う人はどんな人ですか | 移住、近隣住民、投資、事業用など需要を知るため |
| 片付けはどの程度必要ですか | 全部片付ける前に優先範囲を知るため |
| 売れるまでの目安期間はどれくらいですか | 管理費や値下げ時期を考えるため |
| 売れなかった場合の次の選択肢はありますか | 賃貸、空き家バンク、買取、解体などを比較するため |
不動産会社は一社だけで決めず、できれば地域に強い会社、空き家や古家の扱いに慣れている会社など、複数の視点で聞いてみてください。
査定額の高さだけで選ぶより、売れない理由を具体的に話してくれる会社の方が、家族で判断しやすくなります。
片付けは、全部やろうとせず「売却に必要な順」にします
実家の売却で大きな負担になるのが片付けです。
押し入れ、仏壇、写真、通帳、古い契約書、衣類、食器、農具、家具、趣味のもの。親御さんの暮らしがそのまま残っている家を前にすると、どこから手をつければよいのか分からなくなります。
| 優先順位 | 探す・片付けるもの | 理由 |
|---|---|---|
| 最優先 | 権利証、登記識別情報、固定資産税通知、保険証券、通帳、印鑑、契約書 | 相続・売却・管理に関わるため |
| 次に確認 | 現金、貴金属、重要書類、年金・保険・借入関係 | 相続財産や負債の確認に必要な場合があるため |
| 家族で判断 | 写真、手紙、位牌、仏壇、思い出の品 | 勝手に処分すると家族間で揉めやすいため | 売却前に整える | 内見で見られる部屋、玄関、台所、浴室、庭 | 買う側が状態を見やすくするため | 最後に処分 | 大型家具、家電、布団、衣類、食器 | 解体・売却方法によって処分範囲が変わるため |
全部を家族だけで片付けようとすると、体力も気持ちも削られます。
売却前にどこまで片付ける必要があるかは、不動産会社にも聞いてください。解体前提なら処分方法が変わる場合もあります。遺品整理業者を使う場合は、見積もり、処分範囲、貴重品の扱い、追加費用を確認しましょう。
空き家にする期限を決めないと、何年もそのままになります
実家をどうするか決められないまま、数年が過ぎることがあります。
最初は「今年中に考えよう」と思っていたのに、仕事や介護、子どものこと、自分の体調で後回しになる。気づけば草刈りと税金だけが続き、家は少しずつ傷んでいく。
これを防ぐには、結論ではなく見直し期限を決めることです。
| 保留期間 | その間にすること | 期限が来たら決めること |
|---|---|---|
| 3か月 | 名義確認、固定資産税、管理費、家族の意向を集める | 売却活動を始めるか、管理を委託するか |
| 半年 | 不動産会社2〜3社に相談、片付け範囲を決める | 価格見直し、空き家バンク、賃貸検討 |
| 1年 | 売却活動、管理費の記録、問い合わせ状況を見る | 値下げ、解体、貸す、保留終了の判断 |
| 2年以上 | 長期管理の費用と役割を明確にする | 誰が持ち続けるのか、売却方針を再確認する |
「いつか考える」は、空き家では危険です。
期限を決めることで、家族も動きやすくなります。たとえば「半年売れなければ価格を見直す」「1年で売れなければ空き家バンクも使う」「管理費が年間いくらを超えたら解体も検討する」といった決め方です。
今日できる一歩は、実家を売る決断ではありません
売れない実家のことを考えると、結論を急ぎたくなります。
売るのか、貸すのか、壊すのか、残すのか。どれも大きな判断です。家族の思い出もあり、お金の負担もあり、簡単には決められません。
だから、今日やることは決断ではなく、判断材料を集めることです。
- 固定資産税の通知書を探す
- 登記名義が誰になっているか確認する
- 兄弟姉妹に「実家の維持費を一度共有したい」と伝える
- 家の中の重要書類だけ探す
- 不動産会社に「売れない理由を具体的に教えてほしい」と聞く
- 自治体の空き家相談窓口や空き家バンクを調べる
- 半年後に見直す日を家族で決める
実家が売れないことは、家族の失敗ではありません。
人口、地域の需要、家の古さ、相続、費用、買う人の事情が重なって起こることです。だからこそ、一人で抱えず、名義、費用、管理、家族の希望、売れない理由を分けてください。分けられたものから、次の一手は見えてきます。
出典・確認先メモ
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
- 政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化」
- 法務省「相続登記の申請義務化について」
- 法務省「相続土地国庫帰属制度について」
- 国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
- 国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」
- 自治体の空き家相談窓口、固定資産税担当課、建築指導担当課
- 法務局、司法書士、税理士、不動産会社、土地家屋調査士
空き家に関する制度、税金、登記、解体補助、空き家バンク、相続土地国庫帰属制度、譲渡所得の特例は、地域や個別条件によって扱いが変わります。実際に売却・解体・賃貸・相続手続きを進める前に、必ず公式窓口や専門家で確認してください。
売れない実家を前にすると、「早く何とかしなければ」と気持ちが急ぎます。でも、焦って壊す、焦って安く売る、焦って空き家のまま放置する前に、まずは名義と費用と管理の現実を紙に出してください。家はすぐ動かせなくても、判断材料は今日から一つずつ集められます。


















