家賃の支払い日が近づくと、部屋の中にいても落ち着かなくなります
給料が減った。仕事が切れた。病気で働けなかった。年金だけでは足りない。カードや公共料金の支払いも重なった。
そうして家賃の支払い日が近づくと、通帳を見るのも、管理会社からの着信を見るのも怖くなります。
「今月だけ払えない」
「来月なら払えるかもしれない」
「もう退去と言われるのでは」
「家族に知られたくない」
「保証会社から連絡が来たけれど、何を話せばいいのか分からない」
家賃の不安は、ただのお金の不足ではありません。
住む場所を失うかもしれない不安です。だから、頭が真っ白になって当然です。
でも、ここで一番避けたいのは、連絡を見ないまま日数だけが過ぎることです。
家賃は、支払い先、滞納月数、保証会社、契約内容、公的支援、収入の戻り方によって、取れる対応が変わります。いきなり退去を覚悟する前に、まず「今どの段階か」を分けて見ていきます。
最初にやるのは、払えない理由を説明することではなく、数字を出すことです
家賃が払えないとき、管理会社や大家さんへ連絡する前に、まず数字を紙に書いてください。
頭の中だけで考えていると、「全部無理」に見えます。紙に出すと、「今月分が足りないのか」「滞納が2か月分あるのか」「家賃以外の支払いも詰まっているのか」が見えます。
| 書き出すこと | 具体例 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 今月の家賃 | 家賃6万円、管理費5千円 | 本当に必要な住居費を確認するため |
| 滞納額 | 先月分6万5千円、今月分6万5千円 | 管理会社や支援窓口へ正確に伝えるため |
| 支払期限 | 毎月27日、督促状では〇月〇日まで | 急ぎ度を判断するため |
| 今払える額 | 2万円なら払える、今は0円 | 分割や一部入金の話をするため |
| 次に入る収入 | 給料、年金、失業給付、傷病手当など | 支払い見込みを説明するため |
| 他の支払い | 電気、ガス、携帯、カード、借金返済 | 家賃以外も含めて家計を見直すため |
| 届いている書類 | 督促状、保証会社からの通知、内容証明、裁判所書類 | 相談先を決めるため |
家賃の支払いが難しいとき、きれいな説明を用意する必要はありません。
「いくら足りないのか」「いつなら払える見込みがあるのか」「自分だけでは難しいのか」が分かれば、相談の入口は作れます。
逆に、この数字がないまま「すみません、払えません」とだけ伝えると、相手も対応を考えにくくなります。
管理会社や大家さんには、逃げる前に一度だけでも連絡します
家賃が払えないとき、管理会社や大家さんからの連絡を無視したくなる気持ちは分かります。
電話に出たら怒られそう。約束できるお金がない。何を言っても無駄に思える。
でも、連絡をしない状態が続くと、「支払う意思がない」「住み続ける意思だけある」と見られやすくなります。
まずは、短くてもよいので、支払えない事実と今後の見込みを伝えてください。
| 状況 | 伝える内容 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 今月だけ遅れる | 遅れる理由、支払予定日 | 「今月の家賃が〇日までに用意できません。〇月〇日に〇円入る予定なので、その日に支払えます。」 |
| 一部だけ払える | 払える金額、残額の予定 | 「全額は難しいのですが、先に〇円を入金し、残りを〇日までに払う形は相談できますか。」 |
| 来月も厳しい | 収入減の状況、公的支援へ相談する予定 | 「収入が戻る見込みがまだ立たないため、自治体の相談窓口にも連絡します。」 |
| 保証会社から督促が来ている | 保証会社名、請求額、通知内容 | 「保証会社から請求が来ています。大家さん側との状況も確認したいです。」 |
| 退去を求められている | 書面の有無、期限、相談中であること | 「退去の話が出ていますが、支援窓口と法律相談に確認したうえで対応したいです。」 |
約束できないことを、勢いで言わないことも大事です。
「必ず来週払います」と言って払えないと、次の話し合いが難しくなります。分からないものは「分からない」と言って構いません。
ただし、「いつ相談に行くか」「いつ再度連絡するか」は決めて伝えると、相手も状況を把握しやすくなります。
管理会社や大家さんへは、長い事情説明より「滞納額」「今払える額」「次の収入予定」「公的窓口へ相談する予定」「次に連絡する日」を伝える方が現実的です。無視を続けるより、短い連絡でも残すことが大切です。
「3か月滞納で強制退去」と書かれていても、すぐ鍵を替えられるわけではありません
契約書や督促の言葉に「退去」「明渡し」「契約解除」とあると、その日にも追い出されるように感じるかもしれません。
ただ、家賃滞納があるからといって、大家さんや管理会社が一方的に鍵を替えて部屋に入れなくすることは通常認められません。
国民生活センターの解説では、家賃滞納が一定期間続くと大家さんが賃貸借契約を解除できる場合があり、一般に3か月程度とされることがある一方で、「強制退去」は契約で定めただけで一方的にできるものではなく、建物明渡請求訴訟で明渡しを命じる判決が必要と説明されています。外出中に錠前を交換して入れないようにすることは違法行為ともされています。
| 届いたもの・言われたこと | 意味 | 取るべき対応 |
|---|---|---|
| 電話・SMSの督促 | 支払い確認や入金依頼 | 無視せず、金額と支払見込みを確認する |
| 督促状 | 滞納額や期限を示す書面 | 日付、金額、支払先をメモする |
| 内容証明郵便 | 契約解除や支払い催告の意思表示の可能性 | すぐ法テラスや弁護士相談を検討する |
| 退去してほしいと言われた | 任意退去を求められている段階のこともある | 口頭だけで判断せず、書面と期限を確認する |
| 裁判所から書類が届いた | 明渡し請求など法的手続きが進んでいる可能性 | 絶対に放置せず、すぐ法律相談へつなぐ |
| 鍵を替えると言われた | 自力救済の問題がある可能性 | 一人で対応せず、法律相談や消費生活センターに連絡する |
ここで誤解してはいけないのは、「すぐ追い出されないなら払わなくてよい」という話ではないことです。
滞納が続けば、契約解除や明渡し請求に進む可能性があります。訴訟や判決までの間も、家賃相当額の支払い義務がなくなるわけではありません。国民生活センターも、明渡しを命じる判決が出て強制退去が実施されるまでの間も、家賃相当額の支払義務はあると説明しています。
だからこそ、怖くても早い段階で動く必要があります。
相談先は、支払い先・公的支援・法律相談に分けます
家賃が払えないとき、「どこに相談すればいいのか」が分からなくなりやすいです。
管理会社なのか、役所なのか、保証会社なのか、弁護士なのか。全部に電話する元気はない、という方もいると思います。
まずは、相談先の役割を分けてください。
| 相談先 | 向いている内容 | 伝えること |
|---|---|---|
| 管理会社・大家さん | 支払期限、一部入金、分割相談、退去日程の話 | 滞納額、今払える額、次の収入予定 |
| 家賃保証会社 | 保証会社からの請求、分割相談、督促対応 | 請求額、支払見込み、管理会社との話し合い状況 |
| 自治体の自立相談支援機関 | 住居確保給付金、家計改善、仕事、生活全体の支援 | 収入減、家賃滞納、今後の生活不安 |
| 市区町村の社会福祉協議会 | 生活福祉資金貸付制度などの相談 | 生活費不足、一時的な資金不足、他制度の利用状況 |
| 福祉事務所 | 生活保護の相談・申請 | 収入、資産、家賃、世帯状況、生活費不足 |
| 法テラス・弁護士 | 退去請求、裁判所書類、契約解除、違法な追い出し、借金整理 | 契約書、督促状、内容証明、裁判所書類 |
| 消費生活センター | 保証会社や管理会社とのトラブル、強引な督促の相談 | いつ、誰から、どんな連絡があったか |
厚生労働省は、生活困窮者自立支援制度について、仕事や生活などの困難で生活に困窮している方を対象に、仕事、家賃相当額の支給、家計の立て直しなどを支援すると案内しています。家賃を払えない、住むところがないといった相談例も挙げられています。
相談先を一つに絞れないときは、まず自治体の自立相談支援機関に電話してください。
「家賃が払えず、退去が不安です。どの制度に相談すればよいか分かりません」と言えば、入口としては十分です。
住居確保給付金は、家賃そのものに関わる支援です
家賃が払えないとき、最初に確認したい公的支援の一つが住居確保給付金です。
住居確保給付金は、離職・廃業、または本人の責任によらない収入減少などにより、住居を失うおそれがある方に対し、一定要件のもとで家賃相当額を支給する制度です。厚生労働省の案内では、原則3か月、延長は2回までで最大9か月間、市区町村ごとの上限額の範囲で支給され、給付金は自治体から賃貸人や不動産仲介業者等へ直接支払われるとされています。
| 確認すること | 見る内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 対象になりそうか | 離職・廃業、収入減少、住居喪失のおそれ | 自己判断であきらめず窓口で確認する |
| 収入要件 | 世帯収入が基準以下か | 自治体や世帯人数により変わる |
| 資産要件 | 預貯金などが基準以下か | 自治体ごとの基準を確認する |
| 求職活動等 | ハローワーク等への申込みや相談など | 自営業者は事業再生活動が認められる場合もある |
| 支給先 | 本人ではなく貸主側へ直接支払われる扱い | すでに滞納がある場合の扱いも窓口で聞く |
| 必要書類 | 本人確認、収入、預貯金、賃貸契約など | 自治体により追加書類がある |
住居確保給付金は、申請すれば必ず使えるものではありません。
ただ、「自分は無理だろう」と決めつけてしまうのは早いです。
仕事を失った方だけでなく、収入を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少した場合も対象として案内されています。
家賃が払えない理由が、収入減少や失業、休業、病気、勤務時間の減少などに関わるなら、まず確認する価値があります。
家賃だけでなく生活費全体が苦しいなら、生活福祉資金や家計相談も見ます
家賃が払えない背景には、家賃以外の支払いが重なっていることも多いです。
電気代、ガス代、携帯代、カード返済、医療費、食費、子どもの費用、介護費。家賃だけを何とかしても、来月また同じ状態になることがあります。
厚生労働省は、生活困窮者自立支援制度の中で、家計状況の見える化や支援計画の作成、相談支援、関係機関へのつなぎ、必要に応じた貸付のあっせんなどを行う家計改善支援事業を案内しています。
また、政府広報オンラインでは、生活福祉資金貸付制度について、低所得者・高齢者・障害者などを対象に、社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談・支援を行う制度と説明しています。総合支援資金には、生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費などがあります。
| 状況 | 見たい制度・相談 | 注意点 |
|---|---|---|
| 今月の生活費が足りない | 自立相談支援機関、社会福祉協議会 | 貸付は返済が必要な場合がある |
| 仕事を失い生活再建が必要 | 総合支援資金、ハローワーク、自立相談支援 | 継続的な相談支援とあわせて進めることがある |
| 家計が毎月赤字 | 家計改善支援 | 支出の優先順位を一緒に見直す |
| 家賃以外の滞納もある | 支払い先ごとの相談、家計相談 | どれを先に払うか整理する |
| 借金返済で家賃が払えない | 法テラス、弁護士、司法書士 | 債務整理も含めて見る必要がある |
| 今後も収入が戻らない | 福祉事務所、生活保護相談 | 家賃扶助を含めた生活全体の相談になる |
家賃が払えないとき、カードローンやリボ払いで穴を埋めたくなることがあります。
でも、来月返せる見込みがない借入は、退去の不安に借金の不安を足してしまいます。
借りる前に、公的な相談窓口で「貸付がよいのか、給付がよいのか、支出の見直しが先なのか」を一緒に見てもらう方が安全です。
生活保護は、最後の恥ではなく住まいを守るための制度です
家賃が払えない状態が一時的ではなく、収入が戻る見込みも立たない場合、生活保護の相談も視野に入ります。
生活保護と聞くと、強い抵抗を感じる方もいると思います。
「自分がそこまで困っていると思いたくない」
「家族に知られたらどうしよう」
「働けと言われるだけでは」
「申請しても断られるのでは」
それでも、住まいを失うかもしれない状況なら、相談だけでも早めにしておく意味があります。
厚生労働省は、生活保護制度について、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的とする制度と説明しています。相談・申請窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。
| 相談した方がよい状態 | 理由 | 持っていくとよいもの |
|---|---|---|
| 収入がほとんどない | 家賃だけでなく生活費全体が不足している | 通帳、給与明細、年金通知、家賃契約書 |
| 病気や障害で働けない | 就労だけでは解決しにくい | 診断書、通院状況、障害者手帳があればその書類 |
| 高齢で年金だけでは足りない | 住宅費や生活費が最低生活費に届かない可能性がある | 年金額、家賃、医療費が分かるもの |
| 家賃滞納が続いている | 住居喪失のリスクがある | 督促状、滞納額、賃貸契約書 |
| 家族に頼れない | 一人で生活を維持できない可能性がある | 世帯状況、収入、支出のメモ |
生活保護を受けるかどうかを、その場で決めきれなくても構いません。
ただ、「家賃が払えない」「退去が不安」「生活費も足りない」と伝えるだけでも、相談の入口になります。
保証会社から請求が来ている場合は、大家さんとの話とは別に見ます
賃貸契約で家賃保証会社を利用している場合、家賃を滞納すると、保証会社が大家さんへ立て替え払いをし、その後、保証会社から入居者へ請求が来ることがあります。
この場合、「大家さんには支払われたから安心」とは言い切れません。
国民生活センターの解説でも、すでに家賃保証会社から大家さんに滞納家賃が支払われている場合、その分は家賃保証会社から賃借人に請求されるため、大家さんとの交渉とは別に交渉して解決する必要があると説明されています。
| 保証会社対応で見ること | 確認する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 請求額 | 何月分の家賃か、遅延損害金や手数料が含まれるか | 内訳を確認する |
| 支払期限 | いつまでに払うよう求められているか | 期限を過ぎる前に連絡する |
| 分割の可否 | 一括が難しい場合に分割できるか | 無理な約束をしない |
| 大家さん側の契約状況 | 賃貸借契約が解除されているか | 保証会社への支払いだけで住み続けられるとは限らない |
| 督促の内容 | 強い言葉、不明な請求、訪問の有無 | 不安が強い場合は消費生活センターや法律相談へ |
保証会社への連絡も、管理会社と同じく「払えません」だけではなく、金額と見込みを伝えます。
ただし、強い督促や納得できない請求がある場合は、一人で言い返そうとせず、消費生活センターや法テラスに相談してください。
裁判所から書類が届いたら、絶対に封筒をしまい込まない
家賃滞納が進むと、建物明渡請求などの法的手続きに進む場合があります。
裁判所から書類が届くと、怖くて見たくないかもしれません。
でも、裁判所の書類は、見ないままにしても手続きが止まるとは限りません。
| 届いたもの | すぐ見るところ | 次にすること |
|---|---|---|
| 訴状 | 事件名、期日、請求内容、提出期限 | 法テラスや弁護士に相談する |
| 呼出状 | 裁判所へ行く日時 | 行けない場合も放置せず相談する |
| 答弁書の用紙 | 提出期限 | 書き方を法律相談で確認する |
| 和解案・合意書 | 支払額、退去日、分割条件 | 署名する前に内容を理解する |
| 強制執行に関する書類 | 日時、対象物件、手続き内容 | 緊急で法律相談へつなぐ |
法テラスでは、経済的にお困りの方を対象に、収入や資産など一定の条件を満たす場合、弁護士や司法書士との無料法律相談を行っています。相談時間は1回30分、同一問題につき3回まで無料で相談できると案内されています。
裁判所の書類が届いた場合は、相談時に必ず持参してください。
「何を言えばよいか分からない」状態でも、書類があれば専門家が状況を把握しやすくなります。
家族に話すなら、「助けて」だけでなく金額と期限を添えます
家賃が払えないことを、家族に話すのはつらいものです。
親に心配をかけたくない。子どもに知られたくない。兄弟に責められそう。配偶者に言えない。そうして一人で抱え込んでいるうちに、滞納が増えてしまうことがあります。
家族に話すなら、感情だけでなく、数字と頼みたいことを添えると伝わりやすくなります。
| 伝えること | 例 | 目的 |
|---|---|---|
| 今の滞納額 | 「家賃が1か月分、6万5千円遅れている」 | 状況を具体的にする |
| 期限 | 「〇月〇日までに連絡が必要」 | 急ぎ度を共有する |
| 今後の収入 | 「次の給料は〇日、ただ全額は難しい」 | 一時的か継続的かを見てもらう |
| すでにすること | 「管理会社と自立相談支援機関に連絡する」 | 丸投げではないことを伝える |
| 頼みたいこと | 「お金ではなく、相談窓口に一緒に電話してほしい」 | 具体的な協力を得やすくする |
| 借りる場合の条件 | 「借りるなら返済日と金額を紙にする」 | 家族関係のトラブルを防ぐ |
言い方は、短くて大丈夫です。
| 場面 | 言い方の例 |
|---|---|
| 親に話す | 「心配をかけたくなくて黙っていたけれど、家賃が遅れそうです。まず役所に相談します。書類を一緒に見てほしいです。」 |
| 子どもに話す | 「お金をすぐ出してほしいというより、退去にならないよう相談先を一緒に調べてほしいです。」 |
| 兄弟姉妹に話す | 「今月分が不足しています。借りるかどうかも含めて、まず状況を共有したいです。」 |
| 配偶者に話す | 「支払いを一人で抱えていたけれど、家賃が遅れそうです。家計を一緒に見直したいです。」 |
家族に話すことは、負けではありません。
ただし、家族から借りる場合も、金額、返済予定、返せない場合の扱いは紙に残した方がよいです。
家賃の不安を解決するために、家族関係まで壊してしまうのは避けたいところです。
退去するしかない場合も、行き先を決める前に支援窓口へつなげます
収入が戻る見込みがなく、今の家賃を払い続けることが難しい場合、住み替えや退去を考えなければならないこともあります。
つらいですが、ここでも「すぐ出て行く」だけが選択肢ではありません。
退去日、滞納分、敷金、引っ越し費用、次の住まい、生活保護や住宅支援、荷物の保管などを順番に考える必要があります。
| 状況 | 先に相談する場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 今の家賃を今後も払えない | 自立相談支援機関、福祉事務所 | 住み替え支援や生活保護も含めて考えるため |
| 住む場所を失いそう | 自治体の生活困窮窓口、居住支援窓口 | 一時的な宿泊や住まい支援につながる場合がある |
| 次の物件を借りられない | 居住支援法人、自治体住宅相談 | 住宅確保要配慮者向けの支援を探すため |
| 退去費用や原状回復費が心配 | 消費生活センター、法律相談 | 請求内容が妥当か確認するため |
| 荷物が多く退去できない | 自立相談支援機関、福祉事務所 | 家財処分や移転先も含めて相談するため |
国土交通省の住宅セーフティネット制度では、低額所得者、高齢者、障害者、子育て世帯などを住宅確保要配慮者とし、入居を拒まない賃貸住宅の登録制度や、居住支援法人・居住支援協議会による入居相談、見守りなどの生活支援の仕組みを案内しています。
また、厚生労働省の生活困窮者自立支援制度には、住居をもたない方やネットカフェなど不安定な住居形態にある方に、一定期間、宿泊場所や衣食を提供し、退所後に向けた自立支援を行う居住支援事業もあります。
退去が避けられないとしても、次の住まいが決まらないまま荷物をまとめるのは危険です。
まず、住まいの支援窓口につながってください。
退去時の敷金や原状回復費も、言われたまま払う前に見ます
家賃滞納があると、退去時に敷金や原状回復費のことまで考える余裕がなくなります。
でも、退去する場合でも、請求内容は確認してよいです。
法務省の資料では、敷金は賃料債務などを担保する目的で借主が貸主に交付する金銭で、賃貸借終了時には未払賃料や損害賠償金、原状回復費用などの未払債務を控除した残額を返還する考え方が示されています。
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、原状回復は借主が借りた当時の状態に戻すことではなく、借主の故意・過失、通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することと整理されています。経年変化や通常使用による損耗等の修繕費用は賃料に含まれるものとされています。
| 退去時に見ること | 確認する内容 | 困ったときの相談先 |
|---|---|---|
| 敷金 | いくら預けているか、滞納家賃に充てられるか | 管理会社、消費生活センター、法律相談 |
| 原状回復費 | どの箇所に、いくら請求されているか | 消費生活センター、国交省ガイドライン確認 |
| 退去日 | いつまでに明け渡す必要があるか | 管理会社、法律相談 |
| 残置物 | 荷物を残した場合の扱い | 管理会社、自治体相談 |
| 立会い | 退去時に写真を撮れるか | 管理会社、消費生活センター |
| 精算書 | 敷金との差し引き、追加請求の内訳 | 消費生活センター、法律相談 |
家賃を滞納しているからといって、退去時の請求を何も見ずに受け入れなければならないわけではありません。
ただし、滞納分がある場合は、敷金精算とあわせて見られることがあります。
請求書や精算書を受け取ったら、捨てずに保管してください。
今日やることは、退去を決めることではなく、相談できる形にすることです
家賃が払えないとき、今日すべてを解決する必要はありません。
ただ、今日何もしないと、不安だけが大きくなります。
まずは、次の表を埋めてください。
| 項目 | 今の状況 | 今日やること |
|---|---|---|
| 滞納額 | 〇月分、〇円 | 家賃・管理費・保証料を分けて書く |
| 支払期限 | 〇月〇日 | 督促状や契約書の日付を見る |
| 今払える額 | 〇円 | 無理な金額を書かない |
| 次の収入 | 給料、年金、失業給付など | 入金日と金額を確認する |
| 管理会社への連絡 | 未連絡、または連絡済み | 今日または明日、短く連絡する |
| 公的窓口 | 未相談 | 自立相談支援機関へ電話する |
| 届いている書類 | 督促状、内容証明、裁判所書類など | 写真を撮り、捨てずにまとめる |
| 法律相談 | 未相談 | 退去請求や裁判所書類があるなら法テラスへ |
電話をかける気力がない場合は、メモだけでも作ってください。
そのメモがあれば、明日、役所へ電話できます。家族にも説明できます。管理会社にも「今こういう状況です」と伝えられます。
家賃が払えないことは、苦しいことです。
でも、部屋を失う前に使える相談先はあります。
今日できる一歩は、完璧な解決ではありません。
滞納額を書く。督促状を捨てない。管理会社へ短く連絡する。自治体の自立相談支援機関へ電話する。裁判所の書類があるなら法テラスへつなぐ。
そこまでできれば、家賃の不安は「一人で抱えるしかないもの」から、「順番に相談できるもの」に変わっていきます。
出典・確認先メモ
- 厚生労働省:生活困窮者自立支援制度。仕事、家賃相当額の支給、家計改善支援、居住支援などに関する案内。
- 厚生労働省:住居確保給付金。離職・廃業、本人の責任によらない収入減少、支給期間、支給上限、貸主等への直接支払いに関する案内。
- 政府広報オンライン:生活福祉資金貸付制度、総合支援資金、社会福祉協議会の相談窓口に関する案内。
- 国民生活センター:家賃滞納と明渡し、強制退去、鍵交換、住居確保給付金、保証会社請求に関する法律解説。
- 法テラス:経済的にお困りの方を対象とした無料法律相談、相談時間、利用回数、収入・資産要件に関する案内。
- 厚生労働省:生活保護制度の趣旨、相談・申請窓口、住宅扶助などに関する案内。
- 国土交通省:住宅セーフティネット制度、セーフティネット登録住宅、居住支援法人・居住支援協議会に関する案内。
- 国土交通省:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン。原状回復の考え方、通常損耗・経年変化に関する案内。
- 法務省:敷金の定義、賃貸借終了時の未払債務控除、敷金返還に関する民法改正資料。


















